最後はさびしかったね

焼きそばをどこの夏祭りでもやっているから自宅でつくってみた。イージーだね。チープだね。松本清張の鉢植えを買う女に３食焼きそばを食って金をためる女の話が出てくるけれど、確かに安いよね。焼きそばって、知り合いが河口湖にペンションを作った。私があすなろを作ったころで世間はバブルだもの本当に混んでいた。
バスで５０人単位でテニス合宿だものね。時は流れてテニスもスキーもすたれたね。このペンションもなんかじり貧感が強くなって行った。最後は焼きそばばかりだった。うちの合宿も最後は５人くらいで行ったけど、もう自慢の大浴場を沸かす重油代がなくて、風呂がなかった。近くの河口湖温泉にいってらっしゃいと言われたって一人１０００円だもの毎日そんなかねないよ。
あの頃年に二回も三回もいっていた合宿で使っていたペンションとか民宿とか全部今はないね。群馬の民宿なんかこの辺産業なかったからねとうちで払う３０万とか５０万とか最初は喜んでいたのに増築して高級車を買ってカラオケ装置まで買って(こんなの東京の生徒は１曲１００円とか払わなよね)宿泊代も高くなって楽しくもなくなって行かなくなってしまった。最初はトラックの荷台に生徒を載せてくれて夜ほたるなんかみせに連れて行ってくれた。とうもろこしなんか何本も焼いて届けてくれた。そういう味が最後はすっかりなくなってね。カップヌードルで２０0円とった。