4月8日 おはよう日本
旅行会社にお気に入りのぬいぐるみを預けると自分の代わりに旅をさせてくれる
というちょっと不思議なツアーが人気を集めている。
ぬいぐるみ専門の旅行会社の社長 東園絵さん。
お客さんのぬいぐるみを連れてツアーに出発。
東さんは預かったぬいぐるみと旅をして
その写真をインターネットを使って届けるサービスを行っている。
宿泊先はなんと老舗旅館。
「温泉があるのでお風呂に入ってきます。
お客様がお疲れなので。」
まるで人に接するようにもてなす。
この日のために手作りの浴衣も用意した。
東さんが会社を立ち上げたのは2年前。
東京観光を中心に行先のわからないミステリーツアーや海外旅行も企画し
月に20人ほどが利用している。
料金は1500円から1万5千円ほど。
きっかけはブログに旅先で撮った自分のぬいぐるみの写真をのせたところ
大きな反響があったことだった。
「いろんな人の手にわたって
可愛がってもらってるっていうのがすごくうれしかったんですよね。」
東さんは持ち主にぬいぐるみの性格や好みなどを設定してもらい
それにそって撮影内容を決める。
「このくま男さんはちょっとひょうきんな感じのキャラクターなので
どうしようかな。」
クマのぬいぐるみを参加させた大塚めぐみさんはフリーのイラストレーターで
今回2回目の参加。
ぬいぐるみは大塚さんがデザインした。
大塚さんはかつて東京のデザイン事務所で働いていたが
長時間の残業が続く仕事に疲れ毎日ギリギリの状態だった。
「この時はすごい仕事がいっぱいあって追い詰められていたんだと思います。」
行き詰まった気持ちをなんとかしたい
忙しくてどこにも行けない自分の代わりにぬいぐるみをツアーに出したのである。
ぬいぐるみは持ち主の想像を超え旅をしていく。
ぬいぐるみの魅力が東さんのアイデアでどんどん引き出されていく。
「キャラクターの性格を表現してくれて
私が思いつかないものを教えてくれるので
見るたびによく笑っていますね。」
この日 ぬいぐるみがツアーの写真とともに戻ってきた。
「すごい旅した色がする。
楽しそうに過ごしてるなっていうくま男を見て
挑戦するのにけっこうおっくうだったりするんですけど
ちょっとポジティブになりました。」
ちょっと不思議なぬいぐるみツアー
その旅から大塚さんは元気をもらったようだった。
このツアーは病気で療養中の人や仕事が忙しくて旅行に出られないビジネスマンなど
利用者はさまざま。
また海外からも日本を旅させたいとぬいぐるみを送ってくる人もいるということで
これまでに120もの旅が企画されたということである。