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念じるだけで機械が動く 密着!日本初の研究

2013-04-15 08:01:05 | 報道/ニュース


  4月11日 おはよう日本


  BMIブレイン・マシン・インターフェイス。
  脳が出す電気信号を電極を使って読み取り機械を操作するものである。
  海外では電極を直接脳に差し込む方法でロボットなどの操作に成功した例はあったが
  安全面が大きな課題になっていた。
  大阪大学を中心とした研究グループはこの課題を克服すべく
  世界に先駆けた臨床研究を行った。

  脳と機械をつなぐBMI技術。
  それを医療に生かそうと研究する大阪大学医学部特任准教授 平田雅之さん。
  新たに開発したうすいシリコン製の電極は
  脳を傷つけずに設置することが出来る。
  この技術を使えば病気で体を動かせない人でも
  機械を操作できるようになると期待されている。
  
  3月 日本で初めてとなる臨床研究が行われた。
  橘英明さん(61)は6年前 
  全身の筋肉が動かなくなる難病ALS筋萎縮性側索硬化症と診断された。
  大手化学メーカーの研究員として長年働いてきた橘さんは
  診断からわずか1年で寝たきりとなり自力で呼吸することさえできなくなった。
  今動くのは目と唇を動かす筋肉だけである。
  病気が進行するなか少しでも早くこの技術が実用化されればと協力を決めた。
  橘さんが何か動きをイメージするとそれに応じた電気信号が出される。
  この信号を電極で読み取り今どんな動きをしたいのか分析する。
  その結果をロボットアームなどに送り同じ動きをさせるのである。
  3月6日 手術が始まった。
  まず慎重に脳の表面をあらわにする。
  こうした手術はてんかんの検査を行うときなどにも用いられ安全性が確認されている。
  開発したシリコン製の電極を脳の表面に置く。
  位置がわずかでもずれれば正確に信号をとらえることが出来ない。
  開始から5時間 手術は無事成功した。
  橘さんの意識はすぐに回復し後遺症も見られない。
  手術から19日後 いよいよ脳の信号を使って機械を操作できるか試す日。
  今回のような方法でALSの患者が機械を操作出来た例は世界でも報告されていない。
  電極から送られてくる信号を独自のシステムで解析し
  橘さんがイメージした動きをロボットアームに伝える。
  初めに手を握る動き。
  橘さんが頭の中でイメージするとロボットが手を握った。
  成功である。
  続いてつかんで離す2つの動き。
  思い浮かべた瞬間に動作が実現する。
  テストを繰り返した結果 最終的に8割ほどの確立で捜査を成功させられるようになった。
  さらに挑んだのはパソコンの操作。
  文字盤の上を自動で動くカーソルを狙った場所で止めながら文字を選んでいく。
  目指すのは“こんにちは”と入力すること。
  ところがなかなかうまくいかない。
  橘さんが一文字選ぶたびにシステムは何回も正確に信号を読み取る必要がある。
  しかし精度がなかなか高まらない。
  微妙な調整を繰り返す。
  そしてついに“こんにちは”の一言が成功。
  たった5文字だが確かな一歩である。

  (大阪大学医学部特任准教授 平田雅之さん) 
  「ALSの患者さんでもできるということがわかったことは非常に大きなことで
   将来的には車いすを思い通りに動かしたり
   ロボットアームを思いどおりに動かしたり
   コンピューターで自分が思ったようにしゃべってくれるということで
   普通にかなり近い形で生活ができるというところを目指していきたい。」

  橘さんはずっと体を動かしていなかったので
  動作をきちんとイメージできるかが不安だったが
  無事にできてほっとしたということである。
  今回のデータがこれからの技術の発展に少しでも役立てばと願っている。
  大阪大学の研究はまだ臨床の段階で
  まだまだ長い期間で安全性をはじめ検証を要することは残っている。
  大阪大学では早い実用化を目指している。
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