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コンセッションで経営改善 豪ゴールドコースト空港

2013-04-22 08:01:01 | 報道/ニュース


  4月21日 Biz Sunday


  オーストラリアを代表する観光地ゴールドコーストの玄関口であるゴールドコースト空港は
  コンセッションで経営改善を果たした空港として知られている。
  以前は国内線と国際線を合わせてわずか3路線の地方空港だった。
  (利用客)
  「昔は待合ロビーが倉庫みたいな空港でした。
   今はすっかり変わりました。」
  14年前 オーストラリア政府は財政難を理由にコンセッションの導入を決定。
  99年間の運営権を投資ファンドに90億円で売却した。
  投資ファンドは空港の経営改革に乗り出した。
  投資ファンドがつくった空港の運営会社社長ポール・ドノバン氏は
  大手航空会社で働いていたキャリアをかわれた。
  (空港運営会社 ポール・ドノバン社長)
  「民営化の最大のメリットは
   空港にとって最も良いビジネスを展開できたことです。」
  ドノバン社長がまず行ったのは航空会社が負担する空港使用料の値下げである。
  乗客が多い飛行機ほど安くなるように設定。
  その結果コストに厳しいLCC格安航空会社の誘致に成功した。
  さらに日本などからやってくる長距離の直行便を呼び込むため
  25億円を投入して滑走路を延長した。
  これによって路線は5倍の15に拡大。
  空港利用者は民営化当時の3倍にあたる年間約600万人にまで増えた。
  ドノバン社長は空港の施設を使って収益を上げる取り組みも進めている。
  空港ターミナルを100億円かけて改修。
  搭乗口のすぐそばまで飲食店や衣料品店を配置し
  見送りに来た人や近所の人も利用できるようにした。
  (店員)
  「買い物だけをするために空港に来る客もいます。
   ビジネスは絶好調です。」
  また空港の空き地も有効利用。
  大学を誘致し土地の使用料などを安定した収入源にしている。

  こうした経営改革により空港の収益は民営化前の3倍以上に増えた。
  (空港運営会社 ポール・ドノバン社長)
  「民営化によってハングリー精神が生まれます。
   我々には株主に利益を配当する責任があるからです。」
  コンセッション導入の効果は地域経済にも及んでいる。
  地元のゴールドコースト市では観光関連の産業が伸び
  人口が毎年1万人を超えるペースで増加。
  市の中心部では高層マンションが次々に建設されている。
  さらに空港と繁華街を結ぶ鉄道をつくってより多くの観光客を呼び込もうとしている。
  (ゴールドコースト市議会 クリス・ロビンス議員)
  「空港の民営化で地域に多くの利益がもたらされました。
   企業家精神にあふれた投資が経済成長を促した。」
  
  こうした海外の成功例を手本に日本でもコンセッションの導入が始まろうとしている。
  安倍総理大臣は4月17日の産業競争力会議で
  公共インフラの民営化を成長戦略の柱として推進するよう指示した。
  (安倍首相)
  「公共施設の運営を民間に委ねる方式の活用を拡大し
   新たなインフラ産業の創出につなげていきたい。」
  導入の検討が最も進んでいるのが空港である。
  国土交通省の試算ではコンセッションによって収支が黒字の空港の数が
  8か所から16か所に倍増する見込みである。
  その1つ仙台空港。
  宮城県は民間の力を使って利用客を増やすなどして震災復興の拠点にしたいと考えている。
  (宮城県 村井嘉浩知事)
  「全国でで一番早く民営化できたと言ってもらえるようにしたい。」
  大手銀行も仙台空港のプロジェクトに期待している。
  三井住友銀行は有望な融資策がなかなか見つからない中
  大きなビジネスに成長すると見込んでいる。
  「東北の代表的な都市 仙台の空港であれば採算性も期待できる。
   ビジネスチャンスとしてはひとつの大きなポイントの場所。」
  (三井住友銀行 公共・金融部 島村豊臣部長)
  「それなりのお金をつぎ込むのだからしっかり検討・分析して対策を練って
   アイデアを出していく対応が必要。」
  



   
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