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注目の漢方の原料はミミズ

2019-02-18 07:00:00 | 報道/ニュース

1月30日 おはよう日本



古くから漢方が根付き薬草の産地としても知られる奈良。
しかし漢方の原料は薬草だけではない。
平安時代の創業という奈良市の漢方薬局。
いま注目されつつある生き物は
20センチほどの細長い漢方の原料
ミミズである。
ミミズは漢方で「地竜」と呼ばれ
解熱剤として使われてきた。
(漢方薬局 店主)
「かぜをひいて熱が出たり
 インフルエンザのような高熱ではなくじわっとっした熱が出る。
 そういう方で昔から地竜を飲む方は結構いる。」
中国で薬として2千年近い歴史を持つというミミズ。
新たな働きが科学の力で分かってきた。
注目されているのはミミズに含まれている「プロテアーゼ」という酵素である。
ミミズの体内から取り出した血栓にミミズのプロテアーゼを混ぜると血栓を溶かす。
近年の実験で確認された。
将来的には
脳梗塞など血栓が原因で起こる様々な病気の予防に
ミミズの酵素が役立つかもしれないと考えられている。
この酵素に着目した企業がある。
明治時代から続く奈良県内の製薬会社。
かつてミミズを使った解熱剤が主力商品だった。
いまではミミズの成分を使った栄養補助食品サプリメントが取って代わっている。
販路は中国やベトナムなど海外にも広がっている。
増え続ける注文に対応しようと
今では宮崎県の養殖場を当初の6倍にし
30トンのミミズを育ている。
サプリメントの売り上げは現在年間45億円。
10年後 100億円を目指している。
(ワキ製薬 社長)
「大きな可能性を持つ生物だと思っている。
 ミミズにこだわった
 ミミズの世界一のメーカーになっていきたい。」
ミミズの酵素には他にも可能性が秘められている。
大阪府立大学大学院 上田光宏准教授。
20年にわたってミミズを研究してきた。
ミミズの体内には数百種類の酵素があるという。
上田さんがそこから探し当てたのが「アルファアミラーゼ」という酵素である。
アルファアミラーゼにはデンプンを分解する力がある。
実験で確かめた。
酵素を入れたおかゆと何も入れていないおかゆ。
そこにヨウ素液をたらす。
何も入れていないおかゆは濃い紫色に変わった。
デンプンに反応したのである。
酵素を入れたおかゆはヨウ素液の色が混じるだけで紫色にはならない。
酵素の働きでデンプンが糖に分解されたためである。
デンプンを糖にまで分解することでより消化吸収しやすくなる。
上田さんは
消化機能が衰えたお年寄りや闘病中の人向けに
この酵素を生かした商品を開発したいと考えている。
(大阪府立大学大学院 上田光宏准教授)
「流動食として病院食として
 今後 利用することも可能ではないか。
 今後いろいろとこれからの人間社会を支えるような生物として
 有用なものがたくさん見つかってくる可能性は十分ある。」
身近な生き物のミミズ。
実は私たちの健康の源につながるのかもしれない。






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