And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

8月の午後のこわれたヴァイオリン

2015-08-06 09:06:21 | 日記
バックハウス、ケンプなど二世代前のピアニストのことは何の興味もなかったのだが、ケンプのバッハ名演集を買ったときにとてもよかったので、また何かあったら買ってみようと思っていた。学生の頃はポリーニ、アルゲリッチ、アシュケナージなど全盛でやはり聴くなら現代のピアニストと思っていたが、その3人ももはや巨匠を通り過ぎて引退かみたいになっている。現代の生きのいいピアニストを探さないでケンプを聴こうとしているのは自分が爺になっているのかという気もする。そんなこと気にもせず、ケンプのグラムフォンボックスセットを買った。ケンプの珍しいオルガン演奏も入っていてその中にオルゲルビュッヒラインの中の曲でも特に好きな曲「主イエス・キリストよ,われ汝に呼ばわる」が入っていた。名演集でもピアノ編曲版が入っていてそれも何度聴いたかわからないくらい好きだったのだが、オルガンがまたいい。というのもヴァルヒャなどは演奏が早くて味わう暇もなく演奏が終わってしまうのだが、ケンプはゆっくり弾く。ゴルトベルク変奏曲は装飾音を外してゆっくり弾くが、リピートも省略しないので心地よいと思っていてもだんだん飽きてくる。でもそれがケンプのよさだ。それでとベートーヴェンを聴くとこれは物足りない。ギレリスのようにキンキンと響くのが好き。後期は昔ポリーニのレコード買って曲が好きになったので、今でもポリーニ。シューベルトなんか興味ないけど入っているからいつか聴くか。変わりダネは「エリーゼのために」が入ってたこと。今まで最初から全部聴いたことなかった。ケンプファンには悪いが、たとえていうなら通りすがりのおじさんのための感想文。この程度しか書けない。