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ロンドンから徒然に

LDプレイヤーの販売中止

2009-01-16 | 日常
 バーゲンもそろそろ落ち着いてきましたが、レコード店での安売りは未だに続いています。そんな中、最近の売り場はDVDがけっこう幅を利かしていて、CDが肩身の狭い思いをしているように感じます。DVDはCDの半分以下の値段で売られていますから、余計に人気があるのでしょう。



 そんな売り場でちょっと高めのDVDがあると思ったらブルーレイディスク(Blue-ray Diskあるいは略してBD)でした。つい最近まで続いたHD DVDとの規格争いに勝ったと思ったら、ここに来ての経済危機で、高い値段のBDは売れ行きがまた鈍っているように見えます。いずれにしても、消費者置き去りの規格競争が続かなくてよかったとは思いますが。

 規格競争と言えば、誰もが昔のVHS対βのビデオテープ戦争を思い出すでしょう。小さくて品質が良い(と言われていた)ソニーのβがVHSに負けるのを目の当たりにして、経済競争と技術競争とは違うものなんだということを認識したのを覚えています。

 ところでもうひとつ規格競争があったのを覚えているでしょうか?ビデオテープの次のメディアだと言われたビデオディスク市場での、レーザー・ディスク(LD:光式)とVHD(針式)との戦いです。こちらは上述のビデオ戦争とはまるっきり反対の様相を呈して、当初採用メーカー数で圧倒していたVHD陣営が、光学式の技術先進イメージに勝てずに、パイオニア一社がシェアで圧倒したのです。
 ところがその後のマーケティングの失敗でLD自体が普及しないままに終わり、DVDにとって代わられてしまいました。

 もっとも、VHDにしろLDにしろ、普及率は低かったので、特にVHDなんて見たこともない人だっているんじゃないでしょうか。(うちにはビートルズ関連のものが少しだけあります) LDは映画じゃなくても、一時カラオケで使われていたので、馴染みの人も多いでしょう。 
 ところが今日、とうとうパイオニアがLDプレイヤーの販売を終えるとのニュースを聞きました。

 LDプレイヤーって大きくて重たいディスクを高速で回すからか、けっこう故障が多くて、今東京のうちにあるものは4台目なのです。これが故障したらもう見られなくなるのかな?
 小さな頃に、レコードから映像が出たらいいのに、と夢をみましたが、考えてみたらLDこそまさにその夢の実現だったんですよね。別にだからというわけではないのですが、実は東京の自宅には映画と音楽合わせて何百枚ものLDが眠っています。これでそれこそ永遠の眠りについてしまうのかもしれません。