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ロンドンから徒然に

精肉工場からトレンディ・スポットへ

2009-01-25 | 旅・イベント
 昔NYで、あるカメラマンと仕事をして、その夜に彼のうちを訪ねていったことがあります。タクシーで移動したそのエリアは、昼は精肉工場が稼働しているのですが、夜になると不気味なくらいに暗くて、事実治安もあまり良くなく、そのカメラマンも非常階段から泥棒に入られたと言っていました。

 その後のNYの変化はご存じの通り。現在ではアメリカでも5本の指に入るくらい安全な地域になっています。このエリアも治安が良くなったばかりでなく、なんとトレンディ・スポットとして有名になっています。

 その名も“ミートパッキング・ディストリクトMeatpacking District”。
 数年以上前から、業界の人間やセレブの連中には有名でしたが、それでも彼らの通うレストラン“パスティスPastis”を始めとするいくつかの店があるだけの地域でした。しかしその後もずっと開発が続き、今や有名ブランドやオリジナルのお店、洒落たレストランやギャラリーの立ち並ぶ高感度なエリアになっており、さらに開発が進行中です。



 仕事という意味では小物の店を中心に回る計画だったのですが、面白そうなのでついファッションの店にも入ってしまいます。その中で個人的に気に入ったのはジーンズのお店“アーネスト・ソウンEarnest Sewn”。
 ずらりと並んだジーンズは、一見シンプルそうで細部にけっこうこだわりを見せた丁寧な作りです。なお、ボタンやステッチの色等も好み通りにできるオリジナル・オーダーができるそうです。

 見ているうちにだんだん欲しくなって1着買ってしまいました。全てハンドメイドらしく、内部にDesigner、Product Development、Tech Design、Pattern & Grade Rulesそれぞれの項目の責任者の手書きのサインがありました。
 ちなみに外側には、ベルトで隠れる部分に小さくEの崩し文字のマークがあるだけで、どこにもブランド名は見あたりません。そんなシンプルなところがまたこだわりなのでしょうが。



 それにしてもNYのお店のディスプレイはどこもカッコいいなと思うのですが、やっぱり天井が高く空間が広い(前述のお店はそうでもないですが)のが、そのスケール感を助けているんでしょうね。
 ちなみにアメリカでは洋服のサイズも料理の量もやっぱり大きいです。