植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

赤い靴はいてた女の子 ピンクの靴履いてる男の子

2020年01月25日 | スポーツ
 ワタシが学生の時、同学の女子たちは、かなり人数が少なく、あまりしゃれた様子の方は少なかったですね。神奈川県の公立の大学といえば、数校ありますが、男女ともに地味でダサいというのが定評でありました。

 当時、横浜と言えば、「赤い靴」をはいていた女の子、異人さんが連れ去ったという物騒な歌も有名です。そして「ハマトラ」というファッションがトレンディーでありました。今でも通用するのかどうかは存じません。ミハマの靴、近澤レース、バッグのキタムラなどの老舗が大賑わい、横浜元町と言えばお洒落で若い娘さんやお金持ちの奥様方がよく行く商店街でした。近所には港の見えるが丘公園・外人墓地などの人気スポットもあり、多くの観光客を集まっています。学校で言えば何といってもフェリス女学院!(昔ワタシがふられた彼女はここの女学生でしたなぁ) 他にもお嬢様学校がわんさかあります。

 それに比べるとわが校の女子大生は、ファッションにはあまり興味が無かったか、キュロットスカートやズボンのいでたちが多かったですね。足元は当時はやった厚底靴でしたな。ハイヒールとかブーツではなく、単に3~5センチの厚みがある靴底のシューズで、ワタシ達は「ぽっくり」と呼んでいました。

陸上界では、にわかに「厚底シューズ」に注目が集まっています。ナイキが開発した3万円ほどのランニングシューズは、厚いソールのなかにカーボンのばねを仕込み、つま先はクッション性が高くなっており、長距離界では、次々にレコードを更新、マラソンなどで上位をこの靴を使用した人で独占されるようなレースもあるそうです。派手なピンクの靴ですから目立ちますわね。
 その構造がもたらす効果は詳しく書きませんが、早い話、あのドクター中松が発明したジャンプシューズの実用版です。着地の際、ばね・クッションによって緩和されるので、負担や疲れが少なく、反発力を跳躍力に変えるということみたいです。国際的なコミッショナーは、どうするか協議中ですが、まだ使用禁止にはなっていませんな。

 スポーツ競技、とりわけ個人種目については昔からこの種の議論がつきまとい、実際いくつかの競技では禁止や制限が設けられるようになりました。有名なのはスキージャンプのスーツとスキー板。あとは、自分では着ることすら困難なサメ肌スイムスーツがありました。スキー板に関しては、身長に比例した長さの板を使うことに改められたため、それまでジャンプで上位にいた小柄の日本人選手に不利になりました。欧米では、体の大きいことによる優越性は放置して、小柄・軽量の選手のそれには厳しいのです。また、誰でも買える値段かで使用禁止とするか否かを決めるのは全く愚かしいことなのです。

 こうした制限や禁止対象となるものの判断基準は「公平さ」が最優先されるべきで有りましょう。一つは、同じ大会・同じ年月での公平性です。全く同じ条件で戦ってこそ、その勝敗・優秀さが競われるのです。極端な話が、走る競技ならみんな同じ靴を履くようにすればいいのです。補助具を使ったり、薬物・用具の構造と性能で、記録が伸びたり、他の人に勝つのはインチキというもの。ボクシンググローブに固い強化素材を仕込んだり、ラケットに不規則な回転がかかるラバーを張ったりできません。野球のバットも構造で禁止されるものがありました。

 もう一つは記録の整合性です。タイムで競うものは大体の大会で大会記録・世界記録などが残されます。これが、用具や身に着けるもので、より記録の短縮が出来たら、過去の人たちの記録はどうなりますか?不公平としか言えません。
 もしどうしても記録に拘るというなら、何を使ったかを公表して非公式の「参考記録」とすればよろしい。

 いずれにせよ、テクノロジーの進歩でアスリートたちにはより高く、より早くというニーズがますます強くなります。そのうちAIやマイクロチップ入りの道具が出来て、選手の意思に関わらず、勝手に体や手足が動くようになりましょう。

 それにしても、まもなく東京オリンピックが始まります。
あの、裸足のマラソンランナー「アジスアベバ」のことを思い出します。彼が、天国からこのおかしな論議をどう思っているか聞いてみたいものです。

どうやら、ワタシ達は「原点」というものをいつの間にか見失っているのかもしれませんね。

 

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