植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

ドコモロ 座って  何???

2020年09月12日 | 時事
ドコモロ(どこもろ)座とはなんだろ?
 ハワイ料理を食べさせるレストランか?、いかがわしいレビューやら踊りを見せる見世物小屋か、あるいは、マイナーな映画を見せるミニシアターかと思いました。
 違うんですね。(笑)
ドコモ口座というシステムを悪用して、他人さまの口座からお金をかすめる輩がいるようですね。

 以前は、個人が買い物などで用いるお金の決済と言えば、振込かクレジットカードか現金着払い、と相場が決まっていました。あとはコンビニ決済でしょうか。ところが、今時、これに、端末機やスマホなどを使ったインターネットバンキングが加わり、プリペイド式のカード・スマホ決済も浸透しました。更に、ペイペイという、銀行口座からチャージ(あるいはクレジットカード経由)して決済に使うという機能も加わり、なぜか政府が大々的なキャンペーンも後押ししています。キャッシュレス時代への移行段階なのだそうです。

 思うに、キャッシュレスは、中国などでは当たり前、欧米でも現金を持ち歩かないことが安全という考え方が浸透しています。我が国では、タンス預金・動かない死蔵現金が多数ある、と専門家はみているのです。経済学的に行けば、マネーサプライ(通貨供給量)は景気動向を計るうえで重要な数値で、お金が世間に出回って大量に流通していれば、消費も増え経済活動が活発化しているとみて、インフレなどを予測したりするのです。

 日本が、マネーサプライをどんどん増やしてきたのにちっとも景気が上向かないのでありますな。その理由の一つが、現金・預金に残ったまま動かないため、お金がデッドストック化しているのです。一般国民も企業も、消費マインドが収縮したままなのです。消費が振るわない理由は、消費税増税、高齢者には少子高齢化にともなう将来への不安、若い人は非正規雇用の拡大で実質賃金が目減りしているのに、コロナが追い打ちをかけたということでしょうか。アベノミクスなどは、実体経済にはほとんどプラスになっていません。掛け声倒れで、うわべだけであったのです。

 で、ドコモ口座ですが、ドコモ側でもイマイチ被害内容や手口がつかめていないようです。どれが、普通の商取引なのか、どれがなりすましなのか区別できないので被害額も把握できないのです。
 今回のなりすまし詐欺の原因は御多分に洩れず 、本人確認の不十分さに起因いたします。販売や利用者増加を優先させると、手続きの簡便さ・省力化をセットにしますね。面倒な本人確認を義務付けるとお客が逃げる、商売にならないという訳です。
 この発想は、オレオレ詐欺に使われる電話契約・他人口座売買などに共通しており、大昔から詐欺手口の誘引となっております。犯罪に用いられる身分証明書の偽造、架空(別人)口座、匿名でのプリペイド携帯契約などが、構造的な犯罪助長となっており、世の中の知的犯罪は、実はこれさえ防げばほとんど根絶できるのです。ワタシは、以前個人の信用供与・債権回収の業務に10年ほど従事しました。運転免許証偽造・外国人による健康保険証の違法申請、架空口座開設などは枚挙にいとまが無いほど経験しましたね。非常に厳密に運用するプロの金融機関すら騙されるのです。

 報道などから分かるのは、このドコモ口座などには金融機関から資金を自動的に振り替え、商品の購入時に携帯で決済するというサービスの様です。通常の日用品買い物程度の消費に使う目的で、月30万円という振替上限(決済総額)が定められているため、2か月分またがっての60万円が一件の被害額となるのですね。

 ここで悪用されたのが「換金性商品」でありますな。デパートの商品券、JRの新幹線回数券などの金券が代表的です。ルイヴィトンのバックなども換金性が高いのです。かつて、サラ金、闇金、多重債務などの社会問題が大きくなった頃(10~20年前)換金商品の悪用が横行しました。クレジットカードを多数契約しては、換金商品を購入し現金化する悪質な人間が後を絶ちませんでした。悪質な高利貸は、困った多重債務者に金を貸す条件が、クレジットカードを作らせて、指定する商品を買わせるということもよくあったのです。これを特殊金融と呼んでいました。

 ここにも「金券ショップ」という犯罪助長システムがあります。いわゆる故買業も含めて、盗品・詐取した金券と疑われる品物でも、見て見ぬふり商売優先で買い取ったりするのです。お役人やサラリーマンが格安チケットを買って、正規の交通費を出張旅費で請求し、差額を着服するというセコい小遣い稼ぎも、多分健在でしょうね。やはり本人確認が甘いのです。

 商業者・ビジネスの売り上げ優先の盲点や弱みに付け込んで、虎視眈々と悪質な詐欺・悪党が暗躍します。たいがい、結果として個人が被害を被ることになります。(今回はドコモが補償するようですが)
 これだけの技術革新が進み、AIだなんだという時代なのに、未だに免許証や保険証のコピーで本人確認する、4桁のパスワードで防御できるというアナログ的なやりかたなのが不思議でありますな。マイナンバー制度は導入されております。スマホでは、顔認証・指紋認証もありますし、生体認証の技術も実用化されています。ICチップ埋め込みなどという試みもあるそうです。

 本当に、世の中から不正や知的犯罪を無くしたかったら、遠回りのようでも個人情報漏洩策と、本人認証・本人確認のやり方を根本から改め、最新のテクノロジーを駆使するのが本筋なんです。中国のような、監視カメラ、携帯電話の位置情報、ドローンなどで個人の行動を監視するような社会では困りものですが。



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