植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

紙と筆だけは書道家にも負けません

2020年09月11日 | 書道
 最近、書道関連ではヤフオクの落札はほとんど成就いたしませんでした。書道筆や半紙を「まとめて」、というが前提条件で検索しますが、なかなかこれ、というのにでくわしません。欲しいなと思ってたまに入札しても、そういう出品はほかの人だってほっときませんから、そのうちに高値更新され、寝ているうちにオークションは終了となります。まぁ、さほどどうしても欲しいと思うものでもなく、値をつり上げてくる人には、それほど欲しいのなら「どうぞどうぞ」と譲ってしまいます。

 昨日、たまたま、新しそうな未使用全紙二束が出ていました。全紙というのは、水墨画や書道作品として使われる大判で、条幅用半切の幅が2倍(69×136cm)というサイズの紙です。まぁ作品は圧倒的に半切サイズが多いので、そうそう消費することも少ないのです。
 これが、50枚セットで二束、つまり分量から言うと一般的な半切100枚に相当します。写真の包装紙には「別漉うす口」と毛筆で手書きされ、50枚13000円とスタンプが押されていますホンマかいな。全紙はピンキリとは言え、だいたい一枚50円から200円というのが一般的です。一枚260円というのは、もしそれが本当なら相当高級な紙に相当するのです。 
 
 別漉というのは、販売元・製紙会社が製造したものではない(輸入・外注)という意味です。機械で漉いた全紙はあまりお目にかかりません。機械漉きは練習に用いますが、全紙を練習に使うというのは、ニーズが少ないのだと思います。ワタシも、滅多に全紙を使って書くということはありません。

 そこで、これは、中国製最高級ブランド「紅星牌」か、台湾製の上質手漉き紙で「無印」で売られているもののいずれかではないか、とにらみましたね。「紅星牌」は高価な上質紙で、日本では大体全紙サイズで一枚220円前後で市販されています。表示された大きさ700x1750mmも、紅星牌の特寸棉料に合致いたします。
 ではなぜ、商品名や会社名などが記されていないのか、それを探っても仕方ありません、もしかしたらバッタもん、かもしれませんが、それがオークションであります。

 いずれにせよ、中国製の製品・農産物には全く信頼がおけないのですが、書道紙だけは、偏見・嫌悪感は持ちません。紙質の安定性はやや欠くものの、書道の本場の歴史ある紙で、書きやすく長持ちするのです。そして、中国台湾製の紙には「仮名用」の紙が無いことが最大のメリットであります。ワタシは、漢字専門で練習していますから基本的に仮名書き用半紙は使いませんので。

 何の気なしに、6000円で入札して床に就いたところ、目覚めたら意外にも落札出来ました。税込みで4950円、額面通りなら26千円の全紙が8割引きで買えたという計算になりますね。

 以前から、半紙についてはネットで山ほど集めております。おそらく、2万枚はあろうかと。しかし、例えば毎日20枚書けば、7300枚ほど消費します。気に入らぬ半紙、質の悪いものを除けば、案外在庫は少なくなります。
 半紙の研究にかけては「範士級」のワタシです。いつまでも、ヤフオクで当たりはずれのある古い紙の調達を続けているのは沽券にかかわるので、ネットでお試しに少量販売、数種のお試しセットを取り寄せて、実際に書いてみて満足するものをまとめて買う、という至極合理的な調達法にシフトしました。

 せんだって、500枚の手漉き伊予半紙をネットで取り寄せました。そして、今回はその第二弾、手漉き高級半紙 「明星」であります。これは、ネットショップ「半紙屋さん」のお試しセットの中で、厳選手漉き半紙6種というのを試し書きして、最も発色が鮮やかで書き味が素晴らしいものを選んだものであります。こちらの会社は、愛媛県にあり「伊予半紙」の製造元のようです。  
個人的には、この伊予半紙が、平均的には最も書きやすい半紙であると思います。因州・石州・甲州などの和紙の中で、墨持ち・かすれ・滲みのバランスが取れていると思います。恐らく専門の書家さんは、他に推奨する半紙が有ろうと思いますが。

 1000枚で18480円、一枚18円の紙は半紙としてはかなりお高いのですが、いわゆる国内の職人さんが手漉きで製造しているものでは無いようです。和紙・書道紙を作る製紙会社がだんだん少なくなり、手練れの職人さんも少ないのです。手漉き和紙は、原料生産自体も減り今は製造量が少なく、非常に高価なんです。ワタシら中級者の技量では、その良さを生かすことが難しいのです、というより勿体無いんでありますな。一枚数百円もする高級な手漉き和紙の味わいを生かす技量のない中級者にとっては、実力以上に良い字が書ける、きれいに見える、という紙がベストなのです。

 さて、ヤフオクの全紙が定価260円、この半紙18円の大体15枚分の大きさですから、270円相当ということになりますね。ワタシの思惑通りならば、ほぼ同等の超高級書道紙が間もなく届くということになります。

 いずれも、ワタシにとっては高価なものなので、普段の練習用には用いません。まぁ、半紙は、せいぜい一日一枚限定でチビチビ書くということになるでしょうな。3年は持ちます。ヤフオクで落札した夥しい数の筆には、中古ながら、一本10万円もするような筆もあります。書道家が使うような良質高額ないい紙を清書のつもりで丁寧に書く。これが、書家になった気分にもなり、なんとも心地よく書け、また書の上達の秘訣でもあります。
 
とすれば、一枚18円は安いものです。







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