植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

おしべとめしべがくっついて

2022年03月27日 | 植物
 昨日は、次男の結婚式でありました。横浜の高台にある伊勢山皇大神宮で式を挙げ、日本大通りにある古いフレンチレストラン「アルテリーベ」にて披露宴を行いました。桜で有名な掃部山公園(かもんやま)に近く、みなとみらいの桜並木などでも桜が咲いておりました。

 すでに一昨年の晩秋に入籍していたのですが、コロナで結婚式を挙げることが出来なかったのです。懸念していたお天気も、披露宴の始まる16時過ぎまで降らずにもってくれました。出席者はほとんどが親戚縁者で30名ほどのこじんまりした宴席でした。乱れず落ち着いていて、和気あいあいとした楽しい披露宴で新郎の親としては、ともかくほっとしております。

 それにしても10時前に当地平塚を出発し、別の場所で着付けし、神社に言って挙式、さらにレストランへタクシー移動で、待ち時間も多く家に帰りついたのは夜9時を回っておりました。気疲れもあり疲労困憊であります。

 さて、ここ数日そうした式や子供たちの帰省もあって篆刻・書道・ツムツム・メダカ・園芸どれもこれも、ほとんど時間がとれないのです。自治会の総会だけは待ったなしなので合間を縫ってようやく資料が揃いました。こちらもやれやれであります。

 畑のジャガイモは、植え付け後3週間過ぎても芽が出ないのでやきもきしましたが、ここにきて半分ほどが若葉を広げてまいりました。最大の関心事はすももの開花であります。ワタシの果樹コーナーには「貴陽・サンタローザ・シュガープルーン・ケルシー」と4種類のすもも・プラムが植わっております。シュガープルーンを除いて10日ほど前から開花しているのです。

 果樹栽培で、一番気を遣うのが「受粉」であります。花が咲かないのは論外ですが、開花しても雌蕊に花粉が付いて授粉しなければ実になりません。また、自家不飽和性といって、自分の樹から出される花粉あるいは同一品種の花粉だと受粉しにくい性質が強いのが多いのです。これは単種の近親交配が種族の遺伝的劣化弱体化を生むので、多品種と交配して様々な環境変化に対応できるよう交雑種を増やすという自然の摂理であります。

 すももでは、サンタローザは花粉量が多く自家受粉できますが、ケルシー・貴陽はまず受粉しません。貴陽は、「太陽」という品種と交雑種をかけあわせた人工的に作られた品種で、まだ作出後30年もたっておりません。この品種は花粉がほとんど無いので自然着果しません。それなので、人工授粉をしないかぎり「花は咲けども実が付かず」状態なのです。ケルシーは、日本古来の「甲州大はたんきょう 」を指しますが、栽培が難しくほとんど市場に出回ることが無い幻のすももと言われております。こちらもどうやら自家受粉しないのです。

 ワタシの畑でも、貴陽とケルシーはいまだに実をつけたことががありません。そこで、今年は、サンタローザから蕾と咲いたばかりの花を摘んできて花粉を採取し、きっちりと受粉させることにしたのです。

これを二日ばかり乾燥させ花粉のみしごいて花弁や萼片 などを篩で除きました。さらに二日乾燥させたのち書道筆の先にくっつけて授粉をいたしました。生産農家さんは専門の花粉採取機を用いて、大量に花粉を取り「毛ばたき」のようなものを回してつけるそうです。

 この作業は、男の子の孫二人に手伝わせました。いわば、植物を使った実地の性教育であります。彼らがどう感じるか、いつまで覚えているかは不明ですが、遠くに暮らす孫たちに、ワタシがしてやれることは極めて少ないのでせめてこちらでいろんなことを体験させようというわけです。

 ともあれ、昨日晴れて夫婦としてスタートを切った二人が、はやく子宝に恵まれることを願ってやみません。さすがにそこらはワタシの出る幕はなさそうですが。

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