植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

初めてのおつかい

2021年12月13日 | 雑感
 ワタシが中学一年生の時でしたか、二つ歳上の兄と電車で小旅行をしたことがありました。田舎の貧乏教師の一家でしたし、気安く旅行など行ける時代でもありませんでした。そんな時ワタシら兄弟だけで「臼杵の石仏」を見学・観光することになりました。数千円の交通費を貰い鉄道とバスを乗り継いで旅程片道40km余りの日帰りでした。両親も、まだ中学生でも旅に出して経験させようと考えたのでしょう。可愛くないかどうかは別にして「子供に旅をさせよう」と。

 50年も前の事なので子細には覚えておりませんが、のどかな田園地帯の真ん中にある磨崖仏を迷子にならない様兄に寄り添って緊張をしていたように思います。

 さて、先ほど平塚駅で家内を見送ってまいりました。新潟で暮らす長男のお嫁さんが無事に第三子の出産を終えて、孫たちの世話を頼まれ請われて出かけたのです。ワタシの知っている限り、家内が単独で県外へ出たことは一度もありません。お友達と美術館ツアーとか東京見物に出かけたことは2度ばかりありましたが、泊りで家を空けることなど皆無でありました。三人の息子を育て、義母の面倒を見て数十年、家を空けることが多かったワタシをよそに、彼女は我が家の守護神が如くずっと在宅の日々を過ごしたのです。

 ここ数年は、孫の七五三や、次男三男の結婚話や何かで出かけることが増えてきましたが、勿論、ワタシが同伴であったのです。今回は、ワタシが留守番をし、犬の面倒を見て、家内が単独で新幹線に乗ることになりました。旅慣れていないため、前日付き添ってJRの切符を買いました。

 そして、東京発13:40の新幹線「とき」に乗るため、予定より1時間も早く家を出て東海道線で出かけました。家に居る時は無双状態で怖いものなしの彼女が、ちょっと一人で新幹線に乗るというだけで、見るからに不安げなのを見てこちらまで心配になってまいります。懐中物に気をつけろという位しか無く、改札口で手を挙げて彼女の姿を見送ったわけですが、今生の別れでもあるまいし、立場が逆だったら駅前のロータリーまで車で送って貰ってお終いなのですが(笑)

 ともあれ、明後日の午後まではとにかくワタシも一人で留守宅を守ることになりましたが、これも今まで経験の無い事であります。(今まで、家内は常に家に居るわけですから)。愛犬スミレのエサやり・散歩、水の取り換え、おしっこに外に出す、などの世話も愛犬家の家内の専担事項だったので、ワタシに「スミレ」の面倒を見させることが心配で仕方ないのです。

 ワタシとて、長く独身生活も経験し、長い期間単身の生活も慣れておりますから、一人で自分だけのことをやるには何の心配もありません。今夜のご飯は冷蔵庫におかずがたっぷり入っています。そもそも、明後日には帰ってくるので明日一日と翌日の昼食だけを考えれば済むのです。

 仕事場で2時間ほど篆刻をやったら、家に戻って犬の散歩にいたします。
と書いているさ中に、早くも家内からのLINEであります。横浜で人身事故だとか。東海道線しか乗ったことが無いような家内、果たして乗り継いで東京駅まで時間内に辿り着けるか。

 テレビの番組で、幼子に買い物を頼むというのがありますが、モニターでわが子を見て心配する母親の気分であります。 
 おそらくわが糟糠の妻も、新潟で同様な思いをしているでしょう。ワタシの初めてのお使いが出来るかどうか・・

 

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