植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

勲章も表彰状もいりません

2023年05月07日 | 時事
イギリスでは「チャールズ国王」の戴冠式が執り行われたそうです。70年ぶりになりますが、エリザベスさんの死去を受けてすでに国王なので、そのタイミングがどうやって決められるのか、どんな意義があるかは知りません。日本でも皇室の行事を国外の人で理解する人はほとんどいないでしょう。英国であれ日本であれ、政治や政務・権力とは切り離された、歴史的な文化や象徴としての王制なので、「政(まつりごと)」ではなく、国を挙げてのセレモニー、「お祭り」「祀り」になるので気楽なものでしょう。

とはいえ、ロシアのプーチンさんは当然招待されません。北の将軍やミャンマーのクーデター指導者、ベラルーシ大統領なども招かれてはいないでしょう。国際的な力関係や政治的な意図が反映されているに違いありませんね。
気になったのは、王妃の戴冠を受けるのがカミラさんです。世が世であれば事故で亡くなったダイアナ妃が受けるはずでしたから、残念に思うのはワタシだけではないでしょうね。

更に気になるのが王冠です。なんでも317カラットのダイヤモンドや3000個の宝石がちりばめられているそうです。かつて大英帝国として、インドやアフリカなど世界の後進国からまきあげた富や財産の象徴であります。一体どれだけの価値があるものかと考えてしまいますね。家内によるとレプリカがあるそうですが、さすがに戴冠式は本物を出すようです。

さて、セレモニーとしては比べ物にならない大変みみっちい行事が平塚で行われました。自治会連合会の総会で「退任する自治会長の表彰」がありました。原則として任期を終えたら自動的「感謝状を贈呈」されるだけのことでありますが、辞退するのも大人げないし欠席で誰かに届けてもらうのも気が引けます。推薦者が気を悪くするし、みんなが有難がって貰うものを、知らん顔して「変人」扱いされるのも癪に障るので嫌々ながら背広にネクタイといういでたちで貰ってきました。

その自治連の会長という人は、20年以上その座に座っているそうです。年のころなら80歳を過ぎて小柄なお爺さんでありましたが、まぁそのあいさつの長いこと。
一切の原稿も紙もなく、コロナのことから始まって自治会の話を延々としゃべっていました。自治会の果たすべき命題が4つある、と説明してその一番もテーマが「自治会加入者の増加」だそうです。自治会の存在意義を説明し会員増強が最大の目的にあると思っているのです。ワタシは自治会を2年経験して、どれだけ地元の町民が自治会に対して否定的で嫌がっているかを実感しました。若い人が減り年寄りばかりの町内で、今まで通りの自治会が維持できなくなり、その役割も変わってきています。正直ワタシですら「自治会」を抜けたいと思うようになりました。彼はそのほかの3つの項目にはほとんど触れずじまいでした。

お隣の町内では、数十年自治会長の座を降りず「叙勲」を貰うまで粘っていた人がいたそうです。一切の情報開示を拒み、自治会のお金も好きなようにできたそうです。変わり映えのしない、自治会を束ねる団体のこんなじい様達が居座っている限り地域は良くならないだろうなぁ、と改めて痛感したのです。

ワタシはここ10年ほどを振り返ると、会社の現役を退くとき「永年勤続表彰」を貰いました。書道で2,3回公募展に応募して一度は「日本〇〇〇賞」というちょっといい賞状を貰いました。この自治会の感謝状が人生最後でよかろうと思います。誰かに表彰されるのが目的の人生はまっぴらであります。

ワタシの家の座敷には「御名御璽」の叙勲を受けた先代の褒章状が飾られております。第二次大戦で応召し通信兵として軍隊にいたので叙勲対象になったと聞きました。ワタシはこうした叙勲や勲章をもらうような心配はありません。これから万一戦争が起こっても召集されることもないでしょう。
官公庁に勤務歴があるでなし、書道にせよ篆刻にせよ文化勲章の対象になるような技量も資格もないのです。それで結構。戦争に反対して「勲章」を返却したのはジョンレノン、戦争に貢献した表彰よりも平和のために尽くした人々にこそ与えられるべきものだと思いますね。
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