植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

それなりにやってれば 何かの役にはたつ

2020年10月26日 | 書道
 昨日は、先祖のお墓があるお寺さんのお上人に連絡をいただき、ちょっとした書き物をいたしました。高野山の偉い方ですが、何かのご縁でこちらの寺に来られて20年近くなりますか。
 ご住職は高齢になって、字が見づらく手指も震えるようになったので、小さな文字の筆書が不自由になったので、たまにお声がかかるようになりました。過去帳や繰り位牌に戒名などを書き込む小仕事でありますな。故人になって戒名がつくと僧侶が位牌(本位牌)にこれを金文字で書いたりします。実際は命名はお坊さん、書き込むのは位牌屋さんですね。

 長く続く本家だと、この位牌が増えて仏壇に置ききれなくなります。その時に用いられるのが繰り位牌(または繰り出し位牌・回出位牌 )であります。戸建てが多くなりすぎるとマンションに住むようになるという感じでしょうか。最近ではお墓も戸建て(墓石)でなく、納骨堂に納める形式も増えてきたようです。

 前置きが長くなりましたが、白木の札に戒名を転記して先祖代々の繰り位牌に収納するのです。これは通常菩提寺に頼み、お坊さんに書いてもらいます。
 何しろ小さな木片に、戒名・俗名・享年・没年月日などを書き込むのはなかなか神経を使うのです。しかも、木目に沿って滲むので、慣れないと滲みが広がって読めなくなります。住職には申し訳ありませんが、ワタシなどは当然こんな作業をしたことも練習もしていませんから、決して出来がいいとは言えません。

 ワタシにとっては、書道のお稽古修行だと有難くやらさせてもらいます。上等な菓子や果物を頂くことが有ったら、その桐箱を解体して練習せねばと思います。神仏に手を合わせることもほとんど無い積年の罰当たりなワタシの半生が、この程度でチャラになる由もありませんが、せめて、お坊さんに喜んで貰えれば、と思います。


 そんなことで、相変わらず暇を見ては習字を続けております。書道の師匠「藤原先生」に伺ったら、(茶のみ目的の年寄りは除いて)30人ほどの子供さんが来ているそうです。そういう生活が数十年続いているとしたら、累計では数百人のお弟子さんがいることになります。書道団体発行の学生学童向け冊子を拝見しました。入賞して書が掲載される上位に、先生の教え子が軒並み名前を連ねているので驚きました。大したものです、卓越した指導者なのです。

 それに引き換えワタシら老人組はてんでお話になりません。週に2時間の稽古すら、ほとんど世間話に終始するのですから。ワタシを除いて皆さんは20年近く続けているので、もうそれなりの域に達しているとも言えます。ワタシはまだ4年なので、少しでも追いつこうと毎日1,2時間の稽古をする、これが老後の日課となっております。

 上達したかは分かりません。先生は4年前から、一貫して「あーら綺麗ねー」「線質がよろしい」と褒めて下さるのは変わりがないのです。先生の流儀は子供も年寄りも関係なく、褒めて育てる、であります。

 自己判断は、良く書けたかなと思う書が、以前は週に一回くらいでしたが、最近では一日、1、2枚は気に入るものが書けてきたということでしょうか。

最近は草書「真草唐詩百首」や「趙子昂」行書洛神賦の臨書に取り組んで居ます。





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