植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

礼記 君子之愛人也以徳

2020年10月24日 | 時事
 ワタシの次男坊、名を「礼記(れいき)」といいます。いささか手前味噌ですが、中国の四書五経の一つから名付けたのです。こちらは「らいき」と読みます。もっとも、ワタシは元々金融機関勤務(バンカー)でありまして、ゴルフのバンカーを均す道具を「レーキ」と言います。シャレで付けたような名前と言えばそれまでであります。

 その「礼記」に記された話です。
 孔子の弟子の曽子が,死の床に就いていた時、お付きの童子が、その床に敷いていた「すのこ」が身分不相応の上等なものであることに気づいたのです。取替を命じられた曽子の息子が、病状を慮って「明日にしよう」と言います。 
 すると曽子曰く「君子の人を愛するや徳をもってす。細人の人を愛するや姑息をもってす。」と、すぐに「すのこ」を取り代えさせてまもなく亡くなったという故事であります。

 君子というものは、徳義にかなうように人を愛するもの、小人は、目先の一時的な感情で愛するものだ。道に背いたまま永らえるより、正しく本来あるべき選択をすれば死んでもいいというようなことを言って、息子を戒めたのでありますな。

 ここで「姑息」という言葉が「一時しのぎ」という意味で用いられ、転じてあまり好ましくない「卑怯」の意味に使われるようになったのです。いまだに卑怯という意味は「誤用」と学者さんは言うようでありますが、故事を読み解いても、あるいは実際ほとんどの日本人が「せこい、ずるい」という意味に解して使ってるのですから、もう誤用という解釈にはこだわらない方が良かろうと思います。

 菅総理は、例の学術会議の任免拒否は「総合的俯瞰的」にみて判断したと述べましたが、まもなく「私は、リストを見ていない」と言い出しました。そもそも運営に問題があると自民党は、急遽「行政改革対象」にすると論点のすり替えを行っています。
 
 ディックヘッド甘利さんは、テレビで学術会議が中国(千人計画)への技術移転に積極的に協力をしていると言い放ち、堂々とツイッターにもその主張を記したのですが、間違いだったということが判明すると、コッソリ「間接的に協力していることになりはしないか」と書き換えて知らんぷり。記者の質問には、よく読んでから居え、と逆切れでしたなぁ。

 こういうのを姑息と呼びます。姑息と言えば菅さん、自著で「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料。」との記述をまとめて消し去ったようであります。この人は、民主党の大震災の直後の議事録の未作成を批判していました。安倍政権から菅さんになってから、散々公文書を破棄・改竄し、コロナでも対策会議の議事録作成を怠ったことは明白なのです。

 菅さん、就任後の施政演説も、党首討論もすっ飛ばして、この時期にわざわざ外遊です。しかも、就任後初の外遊先が「ベトナム」だそうです(笑)。訳が分からん、というより「敵前逃亡」雲隠れ状態でありますな。こういうのも姑息な感じじゃなかろうか、と勘繰りたくなります。

 選挙違反で逮捕起訴された河井夫妻も、法廷闘争というより、裁判延期を画策し歳費をせしめようとなりふり構いませんね。

 話を戻して「礼記」こちらは不肖の息子、わが世の春を謳歌しておりましたが、いよいよ年貢を納めることになりました。ようやく、素晴らしい女性に巡り合いまもなく結婚の運びで、本日ワタシが先様にご挨拶に行くことになりました。コロナの影響でのびのびとなっておりましたが、さすがにいつまでもそのままという訳には参りません。

 孔子の弟子ほど立派な人間には、とうてい及びもつきませんが、「君子の、人を愛するや徳を以もってす」を肝に銘じ、姑息な人間に成り下がることのないことを願わずにはいられません。
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