松実ブログ

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携帯電話やメールのおかげで、便利になったけれども・・・

2015年02月23日 09時00分00秒 | Weblog

卒業後、就職するかどうかを悩んでいる生徒もいると思います。全く新しい環境である就職をむやみに恐れる必要はありませんが、正しい知識をあらかじめ持っておくことも大切です。

君達も、過労死という言葉を一度や二度耳にした事があるでしょう。過労死事件では、「時間外のメールや電話」の影響が大きいと言われています。実際に、過労死事件では多くの事例で、勤務時間外のメールや電話を受けています。そして、こうした時間帯の連絡は、上司からの叱責や、取引相手からのクレームなど、ストレスのかかるものが殆どです。


ドイツの連邦労働大臣アンドレア・ナーレス氏は、長時間の労働が人の心に及ぼす影響についての研究を根拠として、午後6時以降に仕事をすることを禁止する法改正を、2016年までに進めることを示唆しています。午後6時以降や週末に業務を行う人は、 うつ病や何らかの心の病にかかる可能性が高くなるので、午後6時以降は、業務に関わる電話やメールの送受も禁止する方針だそうです。フランスでも、1999年に週35時間労働が導入されたにも関わらず、メールのチェックで労働時間が長くなる人が多かったため、すでに時間外の業務に関わる電話やメールが禁止されています。

知っている人は少ないようですが、日本でも「時間外の業務連絡」は、労働基準法によって禁止されています。しかも、違反した場合、使用者への罰則規定もあります。ですから、法律の趣旨をそのまま適用すれば、労働者が就業時間外の電話やメールに対応しなければならないとなると、それは「待ち時間」ということになり、すべての時間が賃金の対象となる労働になります。さらに、午後10時から翌朝5時までは深夜労働時間帯ということになり、割増賃金を支払う義務が定められています。これらを支払わない場合は、罰則が課せられます。勿論、一日8時間を超えた労働をさせること自体が、罰則付きで禁止されています。ですから、多くの企業が労働基準法に違反しているということになりそうですが、例外規定もあるため、これが拡大解釈されて現実的には法律の趣旨が軽んじられています。

では、「例外」とはどうゆう場合でしょうか。それは、「36協定」と呼ばれる労使間の協定がある時です。これは、労働時間を延長して残業や休日の労働も可能にする協定ですが、行政官庁に届け出る必要があります。ですから、この協定のない休日や夜間の職務は違法ということになります。ただ、実際にはこの協定の必要性が無視されることが多く、世の中にブラック企業と呼ばれる職場がはびこる温床になってしまっているようです。

さて、今の君達は、上司や顧客からのストレスとはまだ無縁ですが、身近な友達に無意識のうちにストレスをかけたり、かけられたりしていませんか。学校から帰ってからも、LINEを長時間続けたり、電話やメールをしたり、もう寝たいのにと思いながらも、「既読・未読」が気になって、スマホを常に体から離せないとか。これもやっぱり大きな意味では「時間外業務」です。学校と家とはきっぱり分けた方が「心の健康」には役立ちます。

たまにはスマホを家に置いて、近くの土手にでも寝っ転がって、どこまでも青く高く澄み渡った空を時間を考えずに眺めてみてください。きっと、明日は気分がすっきりしているはずです。


今回の名言

マイケル・ジョーダン

「失敗は受け入れられるし、誰だって何かを失敗している。でも、僕は、挑戦しないでいる事には耐えられないんだ。」

"I can accept failure, everyone fails at something. But I can’t accept not trying."


 


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