松実ブログ

松実の教員が書き込んでいます。面白い先生がたくさんいますよ☆

表と裏はセット

2010年06月04日 21時28分12秒 | Weblog

「進路」

これが、昨日の高校3年生の課題研究のテーマだった。

しかし、最近の高校3年生諸君はと言えば、
「進路」という言葉を聞かされすぎていて、
嫌気がさしている生徒も少なくない。

「この授業でもまた進路の話か・・・」と言いたげな表情だ。

生徒たちは、4月から現在まで、進路ガイダンス、大学・専門学校見学、三者面談など、事あるごとに、「進路」という言葉を聞かされてきた。


「進路はどうするの?」
「進路について真剣に考えなさい。」
「進路実現の為にがんばりましょう。」

親も、センセイも、そして最近では友だちまでもが、
「どうしよう、進路!決まらないよ~」などと言っている。

とにかく、右も左も「進路、進路、進路」で、大変な時期です。

まだ方向性が定まらない生徒にとってはとても憂鬱で、
居場所がないとさえ思ってしまう今日この頃のようだ。


昨日の授業では、違った方向から「進路」を考えてみたかった。

「みんな今はまだ学生だから、進路指導を受ける立場だよな。
 だから、進路指導する側の立場(親、教師の立場)に立って、
 進路を考えたことなんてないだろ?!」

「今日の授業では、進路指導をされる側(生徒)と、
 進路指導をする側(親、教師)に分けて考えたいと思います。
 今まで、おそらく皆さんは進路指導をされる側(生徒)でしかなかった。
 今日は視点を変えて、進路指導をする側(教師)の立場についても、
 考えてもらいます。
 
 進路指導をされる側(生徒)が表面だとしたら、
 その裏面にある進路指導をする側(親・教師)の世界も見てみる。

 表と裏、上と下、右と左、光と影・・・全てを見て、
 初めて全体が見えてくるものだからな~。全てはセットだ。」

オイラはそう言って、授業を始めた。
「進路指導」においては表面が生徒(本人の意思、行動)、裏面が親や教師(指導、支援、応援の立場)である。

その表と裏は、対立構造であってはならないとオイラは思う。
対立する関係ではなく、お互いの想い、意見を尊重し、
乗り越えていくという図式が好ましいとオイラは思っている。
でも、実際は進路に対して、特に親子は対立関係になってしまう悲しい絵を、
何度も見てきた。だから、その対立構造を敢えて、彼らとともに考えてしまう。
やりたいことは、攻めの進路指導だ。


「なるほど、オレらは進路に関して表面しか見てないのか・・・。
 その裏面を見てみる・・・。親、センセイの立場になってみるなんて、考えたこと
 なかったな。」

一人の生徒がそう言った。



今日のブログはここまで。
次回にまた、この続きとオイラが感じたことを書きます。


高校3年生が、進路指導に求めていること・・・。
高校3年生が、教師や親の立場に対して考えていること・・・。


「進路」という人生の岐路に立とうとしている彼ら。
その彼らの本音、迷い、不安、期待、展望など・・・
生の声を聞けた熱い課題研究だった。


ありがとう、3年生。



 G