松実ブログ

松実の教員が書き込んでいます。面白い先生がたくさんいますよ☆

たったひとつの冴えたやり方

2007年01月19日 17時09分11秒 | Weblog
 早いものでボクが松実高等学園に赴任してからもう2週間が経とうとしている。慣れたか、慣れないかで言えば正直まだ慣れてはいない。日々のデスクワークや教案の作成なら多少の心得はあるが、それを日々ぶつけていく相手は、人間であるキミたち生徒。

 もちろん、この2週間を遊んですごしていたわけではないけれど、キミたちのことに関して言えばまだまだわからないことばかりだ。大学時代から心理学や教育学なんて学問も多少かじってはいるが、そもそも、日々、銀河のように広がっていく思春期の心をそんなに簡単に理解しようというほど、おこがましいことはない。頭でっかちな考え方に偏って、先入観やイメージといったもので指導を行ったり、わかったような顔をすることは、「教師」という職業の人間がやるべきことではない。

 人間と人間がお互いを「理解」しあうことは、簡単なようでひどくむずかしい。ささいな行動が、相手を見る目を激変させることもあれば、ささいな言葉でひどくいがみあっていた関係が簡単に修復されることもある。

 
 「理解」を辞書で引けば「物事の道理を悟る」などと書いてあるが、どこにも「人」なんて言葉は出てこない(まあ、詭弁かもしれないけど)。

 人と人が「理解」しあうことに、数式やロジックなんてものは通用しない。大人だろうが子供だろうが、男だろうが女だろうが、向き合って話し、笑い、共感し、すれ違って、反発し、泣いて、迷って、また笑って・・・そんなことを繰り返しながら、少しづつわかっていくものなんだろうとボクは考える。

 そこには方程式のような、たったひとつの冴えたやり方なんてものは存在しない。泥臭くてかっこわるい、人と人との心の格闘があるだけ。でも、それはそれでなんとなくあったかくていいとボクは思っている。


☆ジロウ☆



 追記:ずいぶんカタい文章になってしまったので、次回からは音楽やマンガについてでも書こうと思います。