土曜日の夕方、電車に乗っていた。東京での用事を済ませた帰りの電車だった。
私の前に立っていたのは高校生の女の子だった。ウォークマンのイヤホンをしていた彼女はドアに寄りかかり、うつむき加減。私は彼女を見て「ずいぶん元気のない表情をしているな」と思った。
あんまりジロジロ見ていると変なオジサンになってしまうので、窓の外に流れる景色を見てしばらくボ~っとしていた。
ふと、先ほどの彼女に目をやると、彼女の目から涙が一筋流れ落ちるのが見えた。
何か理由があるのでしょう。恋愛、友達関係、勉強のこと、家族のこと・・・。何に涙しているのかは全く分からないけれど、目を閉じて唇をかみしめ、静かに涙を流していた。人前で泣くのなんてきっと本望じゃないないと思うから、よほど気持ちが張り詰めていて、我慢できずに涙を流したのでしょう。
「そ~いえば、オレ、最近泣いてないな~」とその時気がついた。もしかしたら涙を流す機能がなくなってしまったのだろうか。まさかそんなはずは無い。涙を流すほど感動したり、悲しみにくれることから最近遠ざかっているのだ。
生徒の皆さんと、私が電車で出会った女の子は、同じくらいの年齢ですが、みんなもたまにはどこかで人知れず泣いているのかな。気持ちが優しくて繊細なあなたたちのことだから、きっとそうでしょう。
涙を流すことは、心を浄化するって聞いたことがある。流した涙は自分を強くし、他人には優しくできる心を作るそうだ。だからみんなもどんどん涙を流そう。しばらく泣いてすっきりしたら、みなさんの持ち前の笑顔で、元気に毎日を生きていこうぜ!!
ガク