ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

人にも店にも必ず「気軽」な部分は存在する

2011-07-29 18:08:13 | Weblog
 山形ではもうすぐ「花笠祭り」が開催されようとしており、街頭には提灯が設置されて否応なしに祭りな雰囲気を醸し出している今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 毎年、この季節になるとお祭り的な飾り付けをよそ目に一年の半分以上を消化したような気持ちになり訳もなく焦ってしまいお祭りのリズムに乗れません。(ウソ)
 その昔、まだ見習い時代、当時のゴミ袋は耐水紙袋であり許容以上にゴミを詰めると破れる可能性を持っていた薄氷の袋でありましたが、当時のお祭り(花笠祭りではない)が終わり観客が帰宅しようとする時、私は仕事中でゴミを捨てを命じられました。
 お約束、と言いますか、若いカップルや家族連れが横を通る中、ゴミ袋が破れてしまい魚のアラなどが散乱して大変な事になったのですが、そのゴミをかき集めている時、浴衣を着た人々に大笑いされたのを覚えています。
 それ以来、祭り=労働者を馬鹿にする集まり、のように思え、ひねくれて星を睨んだものでした。(大げさ)
 まぁ、それ以前にお祭り事がある時は仕事ですから参加すること自体、無理なわけですが、気持ち的にはフェスティバルになりたいものです。
 またもや思い出しましたが数年前、商店街で屋台を出した時、調理は私が任されたのですが焼き鳥用の串打ち600本、牛スジ煮込み27リットル寸胴2本分を前仕込みし、当日もずっと焼き鳥を焼きっぱなし、という過酷な作業で全くフェスティバルな雰囲気を汲み取る事はできませんでした、それよりも2日以上寝てませんでしたから眠かったですな。
 結局、私はお祭りに縁がないのではないか、と思うのですが、唯一、フェスティバルのように熱くなれる場所はストーブ前(ガス台の前)なのかもしれませんな。



 さて、話は変わりますが、よく当店は「気軽に入れない」と言われるのですが、この場合の「気軽」とは何を指すのでしょうか。
 「金額」。これが最もウエイトを占めているように思われますが、「服装」「料理内容」など色んな事が重なっているのでしょうな。
 「フランス料理」という冠も「気軽度」を下げている要因なのかも知れませんが、「ビストロ」に変えると「気軽度」が上がるのでしょうか。
 「ビストロ」の方が「気軽」という印象があると思いますが、冷静に考えると「ビストロ」も「フランス料理」の「レストラン」の種類でありますから言葉の持つイメージなのではないか、と思ってしまうわけです。
 しかも、「ビストロ」は「スパゲッティOK」のような「ジャパン・スタンダード」、もしくは「ヤマガタ・スタンダード」が存在する不思議な位置づけでありますからその辺も「気軽」なんでしょうな。
 一応、当店もカウンターを設置して「気軽度」を上げる気を見せているつもりなのですが、それ以上、となると・・・カウンターで厨房からくだらない話を持ちかけるくらいしかないのでしょうか、ね。
 因みに、カウンターでは「ワインのみ」というお客様も歓迎しておりますし、ワインバー的に利用される方もいらっしゃいますので「気軽」にいかがですか。
 話は逸れますが(いつもですけどね)、「気軽」などの言葉に「お」をつけてしまうと意味が違ってしまうので気をつけたいところです。
 例えば

・「気軽」→「お気軽」(能天気な印象を持ってしまいます)

・「幸せ」→「お幸せ」(ただのバカ扱いになってしまいます)

・「気楽」→「お気楽」(「お気軽」以上の能天気さでしょう)

 このように使い処を間違ってしまうと大変な事になりますから気をつけましょう。
 これに似たもので「先生→大先生」というのがありますが、これも「よっ!大先生!」などの掛け声は普通に馬鹿にしていますから思っても口にしないようにしたいですな。

 主題が判らない話の展開でしたが、まぁ、要約すれば「当店も気軽な部分はありますよ」という事を訴えたかったのですよ。

 あまりにもカウンターが気軽過ぎて一緒にワインを飲んでしまうほどですが、それもまた「気軽な部分」という事で、ひとつ。

 









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