夏の暑さも過ぎ、夜の風も涼しくなってきた今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
8月も終わり、気候的に過ごしやすい9月に突入すると、山形ではあの一大イベントが待っております。
「山形大芋煮大会」を幕開けとして行われるであろう「芋煮会」。県外の方が目にすると川原沿いで鍋を囲んでいる光景は奇異に写るそうですが、私からしてみれば「花見」と称して国花である桜の木の下でドンチャン騒ぎをしている方が、よっぽどどうかしているように思えます。
やはり、山形県人として「芋煮会」には誇りを持ちたいものです。
しかし、この「芋煮」、地域によって作り方が若干どころか、かなり違ってきますから、この際、何が芋煮なのか、どう作れば更に美味しくなるのか考えてみたいと思います。
「芋煮」とは、読んで字の如く「芋」を「煮る」鍋物という事でしょうから、「芋」が主役である事は間違いありません。
最近は勘違いして「米沢牛」のロース肉を使用する者まで出てきているということですから気をつけたいものです。そこまで肉に重心を置いてしまうと「里芋入り牛鍋」と名称を変更しなくてはならなくなるでしょう。
私が知る限り、「芋煮」の材料の違いは大きく分けて4地方に分けられるのではないでしょうか。
まずは「村山地方」、ここではシンプルに、里芋、牛肉、コンニャク、葱というのが基本材料で醤油味。最近、舞茸などを入れているパターンをよく聞きますが、それは村山地方芋煮の新興勢力と考えます。
第一、舞茸などを入れてしまっては汁が黒ずんでしまうではないですか、しかも、風味も舞茸に侵されてしまう恐れがあります。
ですから、私は、基本材料の醤油味が好きです。「芋煮」は。
次に、「置賜地方」、村山地方芋煮の基本材料に、大根、人参、牛蒡、キノコ、という具沢山バージョン。これも醤油味。
そして、「最上地方」、ここから少し変わってきます。基本材料は里芋、豚肉、コンニャク、葱、キノコ、と牛から豚へ変わってしまいます。
味は醤油味ということですから、「豚汁」とは一線を画しますが、牛肉の芋煮で育ってきた村山地区の人間には違和感を抱かせます。
最後に、「庄内地方」、基本材料は、じゃが芋、豚肉、玉葱、コンニャクというラインナップに味噌味という他の3地方とは大きく変わるもの。
冷静に考えなくても「豚汁」との違いを見出せません。庄内地方の芋煮は、芋煮界の「豚汁との境目のない遠近両用メガネ ホヤバリラックスⅡ」(当時、西武の広岡監督がCMをしていました)と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。
しかし、想像するに、海辺でのその芋煮はいいかもしれません。潮風を受けながらの味噌味は、村山地方の芋煮しか知らない私にとって、何か思い出を作ってくれるかもしれません。(大げさ)
このように、山形の芋煮は種類がありますからどれがいいとは言えませんが、一応、作り方を考えるなら村山地方の芋煮を考えてみたいと思います。
まず、手順としては、
①里芋を水から煮ていく。
②沸騰したらアクを引く。この時点でコンニャク投入。
③牛肉を入れる。
④アクを引きつつ、酒、砂糖(味醂)、醤油で味を調える。
⑤斜(はす、と読みます。斜めという意味)に切った葱を入れ、蓋をして葱に火を通す。
となるのですが、私は①の時点で昆布を入れると更に美味しくなると考えます。
「鰹だしの素」を入れる、という方もいらっしゃるようですが、やりすぎでしょう。ナチュラル素材でいきたいものです。
拘るならば、①で昆布と煮干をガーゼで包んだものを入れ、コンニャクはフォークで味が染み易いように穴を開け、手でちぎり、牛肉を一枚づつほぐして入れていくぐらいの矜持を持ちたいもの。がんばりましょう。
あとは、反則技として、牛スジ肉を昆布と共に煮ていき、途中、里芋を入れて「牛スジ芋煮」とするものもありますが、時間と労力を要するこの芋煮はマニアック過ぎます。
山形から上京した若者が、出身地を隠して生活している、という話を多々聞きますが、そんな山形ユダ(反山形者)には、山形芋煮を食べさせて郷愁の想いを誘うよう仕向けなければなりません。
そして、話は変わりますが、芋煮にはビールよりも日本酒が合うと信じて疑わない私ではありますが、今年はシェリー酒、というスパニッシュな文化を芋煮にぶつけたいと思います。
何年かサボっていましたが、今年はやります。当店主催の芋煮会。
参加ご希望の方は希望理由(400字詰め原稿用紙四分の一程度)を添えて、当ブログのコメントまでお申し込みください。
その際、まったく誰か判らない方の場合は棄権とみなします。ちょっとだけ判るようにしてくださいね。
奮ってのご参加、お待ち申し上げます。
って、誰もいないよね。
8月も終わり、気候的に過ごしやすい9月に突入すると、山形ではあの一大イベントが待っております。
「山形大芋煮大会」を幕開けとして行われるであろう「芋煮会」。県外の方が目にすると川原沿いで鍋を囲んでいる光景は奇異に写るそうですが、私からしてみれば「花見」と称して国花である桜の木の下でドンチャン騒ぎをしている方が、よっぽどどうかしているように思えます。
やはり、山形県人として「芋煮会」には誇りを持ちたいものです。
しかし、この「芋煮」、地域によって作り方が若干どころか、かなり違ってきますから、この際、何が芋煮なのか、どう作れば更に美味しくなるのか考えてみたいと思います。
「芋煮」とは、読んで字の如く「芋」を「煮る」鍋物という事でしょうから、「芋」が主役である事は間違いありません。
最近は勘違いして「米沢牛」のロース肉を使用する者まで出てきているということですから気をつけたいものです。そこまで肉に重心を置いてしまうと「里芋入り牛鍋」と名称を変更しなくてはならなくなるでしょう。
私が知る限り、「芋煮」の材料の違いは大きく分けて4地方に分けられるのではないでしょうか。
まずは「村山地方」、ここではシンプルに、里芋、牛肉、コンニャク、葱というのが基本材料で醤油味。最近、舞茸などを入れているパターンをよく聞きますが、それは村山地方芋煮の新興勢力と考えます。
第一、舞茸などを入れてしまっては汁が黒ずんでしまうではないですか、しかも、風味も舞茸に侵されてしまう恐れがあります。
ですから、私は、基本材料の醤油味が好きです。「芋煮」は。
次に、「置賜地方」、村山地方芋煮の基本材料に、大根、人参、牛蒡、キノコ、という具沢山バージョン。これも醤油味。
そして、「最上地方」、ここから少し変わってきます。基本材料は里芋、豚肉、コンニャク、葱、キノコ、と牛から豚へ変わってしまいます。
味は醤油味ということですから、「豚汁」とは一線を画しますが、牛肉の芋煮で育ってきた村山地区の人間には違和感を抱かせます。
最後に、「庄内地方」、基本材料は、じゃが芋、豚肉、玉葱、コンニャクというラインナップに味噌味という他の3地方とは大きく変わるもの。
冷静に考えなくても「豚汁」との違いを見出せません。庄内地方の芋煮は、芋煮界の「豚汁との境目のない遠近両用メガネ ホヤバリラックスⅡ」(当時、西武の広岡監督がCMをしていました)と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。
しかし、想像するに、海辺でのその芋煮はいいかもしれません。潮風を受けながらの味噌味は、村山地方の芋煮しか知らない私にとって、何か思い出を作ってくれるかもしれません。(大げさ)
このように、山形の芋煮は種類がありますからどれがいいとは言えませんが、一応、作り方を考えるなら村山地方の芋煮を考えてみたいと思います。
まず、手順としては、
①里芋を水から煮ていく。
②沸騰したらアクを引く。この時点でコンニャク投入。
③牛肉を入れる。
④アクを引きつつ、酒、砂糖(味醂)、醤油で味を調える。
⑤斜(はす、と読みます。斜めという意味)に切った葱を入れ、蓋をして葱に火を通す。
となるのですが、私は①の時点で昆布を入れると更に美味しくなると考えます。
「鰹だしの素」を入れる、という方もいらっしゃるようですが、やりすぎでしょう。ナチュラル素材でいきたいものです。
拘るならば、①で昆布と煮干をガーゼで包んだものを入れ、コンニャクはフォークで味が染み易いように穴を開け、手でちぎり、牛肉を一枚づつほぐして入れていくぐらいの矜持を持ちたいもの。がんばりましょう。
あとは、反則技として、牛スジ肉を昆布と共に煮ていき、途中、里芋を入れて「牛スジ芋煮」とするものもありますが、時間と労力を要するこの芋煮はマニアック過ぎます。
山形から上京した若者が、出身地を隠して生活している、という話を多々聞きますが、そんな山形ユダ(反山形者)には、山形芋煮を食べさせて郷愁の想いを誘うよう仕向けなければなりません。
そして、話は変わりますが、芋煮にはビールよりも日本酒が合うと信じて疑わない私ではありますが、今年はシェリー酒、というスパニッシュな文化を芋煮にぶつけたいと思います。
何年かサボっていましたが、今年はやります。当店主催の芋煮会。
参加ご希望の方は希望理由(400字詰め原稿用紙四分の一程度)を添えて、当ブログのコメントまでお申し込みください。
その際、まったく誰か判らない方の場合は棄権とみなします。ちょっとだけ判るようにしてくださいね。
奮ってのご参加、お待ち申し上げます。
って、誰もいないよね。