ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

パンに乗せる幸せは自分で作るしかない

2010-11-30 11:26:46 | Weblog
 今日は11月最後の日でありますが、今年最後の月、12月の扉を開こうとする日でもある今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 そろそろ写真が尽きてきそうになっておりますが、この写真は「山形牛ランプ肉のロティ ソース・ボルドレーズ」であります。
 「ソース・ボルドレーズ」とはボルドーのワインを使用して作ったクラシックなソースの事を指しますが、クラシックなソースだからこその難しさや楽しさというのが作る過程にはあり私は好きな作業であります。
 「ソース・ボルドレーズ?古すぎ!」そう思われる同業の方もいらっしゃるかも知れません、しかし、イタズラにバルサミコヴィネガーを使えば良いというものではありませんぜ。
 最近、同業の方から「ブログ、見てます。」と言われる事があります。有難い事です、有難い事ですがちゃんと感想も言ってくださいね、「よくあんなに書けますね。」や「ブログを読んでいて笑ってしまいました。」などは感想に入りません、「あの料理の作り方は納得いかない。」「なぜあのような作り方をするのか。」などの深い所まで入り込んだ感想をお待ちいたします。
 
 さて、話は変わりますが、「家庭でできるリエットの作り方を教えてほしい」というコメントを頂きました。
 確かに、自宅で作り冷蔵庫で保存しておけば好きな時に取り出し、ワインのつまみになりますし小腹がすいた時のお供にもピッタリでしょう。
 今回は家庭で作れる量、というのを考慮して豚肉500グラムで考えてみましょう。
 使用する豚肉は「肩ロース」が良いと思いますが、予めスライスされたものでは適していませんからブロック肉を準備しましょう。
 ブロック肉、つまり「塊」の肉はスーパーの売り場に置いていない場合がありますから店員の方に聞いてみましょう。その際、

「パルドン、マドモアゼル、おっと失礼、店員さん。豚肉の塊肉を探しているのだがこちらにおありかな?50キロくらい欲しいのだが今日のところは500グラムにしておこうかな。オー、メルシー・ボークー、聞いて来てくれるのかい、マドモアゼル。ウナセラディ・トウキョウ、セ・ボン・セビロ・ト・ズボーン。」

 などと言いますと完全に嫌われる可能性がありますから気をつけましょう。(ウナセラディ東京は、ザ・ピーナッツの歌であります。その後の言葉は背広とズボンです)
 まぁ、それはいいとして、では作り方を説明しましょう。

        材料

・豚肩ロース肉(ブロック)500グラム ・豚の背脂適量 ・玉葱1個 ・ローリエ1枚 ・白ワイン適量 ・水適量 ・塩 ・胡椒

 以上です。

        作り方

①豚肉は2センチほどの角切りに、玉葱は皮をむきスライスします。

②豚の背脂(肉屋さんに売ってます。無い場合、すき焼き用のヘッド(牛脂)で代用してください)を小さく切って鍋に入れ火にかけます。

③脂が溶けたら玉葱をしんなりするまで炒め、肉を入れて軽く炒めます。

④白ワインを入れ強火にしアルコールを飛ばします。

⑤肉がかぶるくらいの水を入れ、塩を一つまみとローリエを加え2時間くらい中火で煮込みます。(少し煮汁が残るくらいが理想ですので無くなりそうなら少量水を足してください)

⑥塩、胡椒で味を調え火を止めてそのまま置き、荒熱を取ります。

⑦肉だけをボールに取り出し、フォークの背で潰していきます。

⑧フォークから木べらに変え、ボールの底を氷で冷やしながら少しづつ煮汁を加えながら混ぜ合わせます。

⑨脂が固まってきて乳化してきたら出来上がり。

⑩容器に入れ表面をラップで密封して保存します。作ってから3日後くらいが味が馴染んでおいしくなります。

 以上です。
 この作り方では面倒くさい、と思われる場合は、フードプロセッサーの使用をお勧めしますが、煮汁ごと冷蔵庫で冷やしフードプロセッサーに掛けると出来るはずです。(「はずです」というのはした事がないからですが、それで出来ると思います)

 因みにですが、「レバニラ炒め」のニラやもやしだけ食べてレバーと汁を電子レンジにかけて温めてからフードプロセッサーに掛けながらバターと生クリームを加えてピュレにし、冷蔵庫で冷やすと「即席レバーペースト」が出来ます。
 フードプロセッサーひとつでつまみの、いや、料理の幅が広がるはずですので、持っていない、又は、買ったけど使っていない、という方は購入、又は、再使用をご提案いたします。

 家庭用のもので十分です。

 ミキサーもいいですな。

 ミルサーもあると・・・

 いやいや、電化製品店のまわし者になってしまいますな、これでは。









 
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まだそのモードに突入しない、という矜持

2010-11-29 10:52:25 | Weblog
 ただ鍋やフライパンを並べただけに見えますが、結構、テンパっていたんだと思います、この時。そんな中でサッと写真を撮ったんでしょうな、私は。
 順に説明いたしますと、一番左端のフライパンには真鯛をポワレしたものが、その隣にはマグレ鴨をローストして休ませているものが、その右上にある鍋には赤ワインのソースが、その下には魚のソースが、その隣のフライパンにはガルニチュール(付け合せ)のシャンピニョンをソテーしたものが、その下にはガルニチュール(くどいようですが付け合せです)のペコロス(小玉葱)をローストしたものが、その上の背の高い鍋の上にはガルニチュールのボイルしたアスパラガスと子蕪(こかぶ)が、同時進行で調理されております。
 因みに、左上に写っております白い物は「皿」であります。「何でそんなところに?」そう思われるかもしれませんが、ヒートトップレンジの周りは温かいため、その熱を利用して皿を温めています。
 温かい料理は温かい皿で、これは料理の基本でありますが、稀に温め過ぎて料理を運ぶマネージャーを苦悶の表情にさせる時がありますが、まぁ、それもご愛嬌という事で、マネージャー、ひとつ我慢してくださいな、保温性を重視しているのですよ。
 話は戻りますが、私的な調理の理想は仕上がり時間を計算して同時に出来上がり、ベストな状態でのドレッセ(盛り付け)を経てお出しする事であります。
 この写真の場合ですと、同じグループでお魚がメインの方とお肉がメインの方がいらしたため魚、肉、それぞれのガルニチュール(もうお判りだと思いますが付け合わせです)を同時に仕上げなければならなかったわけです。
 ガルニチュールを前もって作っておき、魚、肉を出す際に温めればいいのではないか、そういう意見もあるかもしれません。確かに大人数の場合はその方がいいでしょう、しかし、普段の営業であれば、野菜の皮を剥く、野菜をボイルする、付け合わせをソテーするなどは自分のスピードでカバーすれば何とかなるものですし、茹で立て、作りたての付け合わせがあるからメインの魚、肉が生きてくるわけです。
 そいう仕事をするべし、私は常にそう自分に言い聞かせておりますが、それでも不備な点があると感じます、オォ、まさに終わりなき仕事、ネヴァーエンディングストーリー!
 まぁ、そんな事はどうでもいいのですが、確かこの写真は、鍋が並んで壮観だな、と思って撮った様な気がします、早くドレッセ(盛り付け)しなさい!という感じではありますが。

 さて、話は変わりますが、もう11月も終わろうとしておりますが雑誌などを見るとクリスマスモード全開になってらっしゃるお店も多々見受けられます。
 当店もクリスマスディナーコースを12月22日(水)~26日(日)まで予定しておりますが、今から全開にゴリゴリ押しているわけではありません。徐々にでいいではないですか。
 メニューもある程度決まっておりますがもう少しクリスマスが近づいてきてからメニュー開示いたしますのでお待ちください。
 「メニューが決まっているんだったら開示しろ!」、いやいや、まだ早いでしょう、急いでクリスマスメニューを開示して食材的に変更したくなったらどうしますか?ギリギリまで引っ張ってより良い食材を探し、安定入手できるのを確認してからでも遅くはないですよ。
 仮に、11月頭にメニューを決めてしまい、その中に「帆立」の料理を組んだとしましょう、今、「帆立」は海流温暖化の影響で半数以上が死滅し高騰しているのです。
 「帆立が高くなったから差し替える」という事はメニュー全体を見直さなければならない、という事になります。
 それでは本末転倒でしょう、まずは食材の安定入手を確認し、その食材が良い状態で、しかも、美味しいという事を確認してからメニューを組むべきではないでしょうか。

 「そんな事言いながら、クリスマスメニュー、本当は決まってないんじゃないの?」

 いやいや、決まってますよ、決まってますって、8割がたですけど。

 奇抜さはありませんが裏切らない、とだけ言っておきましょうか。

 クリスマスディナーコース、8400円であります。

 因みに、年末恒例(になってしまった)のマチルダベイ特製御節は残り4台で終了とさせていただきますので、ちょっとだけ気になった方はお気軽にお問い合わせください。










  
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鱈が訴えようとしているのは、ランチメニューかもしれない

2010-11-28 02:28:34 | Weblog
 これ、鱈です。
 口の中に見えるものは胃袋ですが、海の深い所から急に引き上げられ気圧の関係上、押し出されてしまったのでしょうな。
 鱈の気持ちを代弁するなら「俺の腹の内を見せてやるぜ!」といったところでしょうか?それとも「いや~、昨日、飲み過ぎてさ~、吐いたら胃が出てきたよ。」といったところでしょうか?それとも「イタタタタ、何かなってます?口の中?」なんでしょうか?
 まぁ、それはともかく、真鱈が入荷しましたのでロティール(ロースト)してお出ししたいと思いますが、腹の中には立派な白子も入っておりましたので「白子の方がいい。」とお思いの方、お申し付けください、ポワレして、アレをアレしてお出しいたします。
 さて、日曜日のランチメニューの紹介です。


        11月28日(日)ランチメニュー

        前菜

・軽くスモークした真鯛のカルパッチョ仕立て 村山産トレヴィスを添えて

        又は

・牛レバーのムース テリーヌ仕立て 蜂蜜風味の赤かぶのマリネ添え


        本日のスープ

・シャンピニョン・ド・パリのポタージュ


        メイン

・真鱈のロースト ポワロー葱風味のバターソースと赤ワインのソース

        又は

・トリップのブレゼ トマト風味 じゃがいもと辛子菜添え


        本日のデセール

・牛乳のヴァバロワ フランボワーズのソース


 以上になります。

 「写真にハマってるのか!」そんなお言葉を頂きそうなくらい写真を載せておりますが、ただ単に、デジカメに残っている写真を放出しているだけであります。

 なくなり次第終了となりますが、家と店の往復が日常でありますから劇的な写真は撮れません。料理と厨房や店内の写真だけでしょうな。

 でも、撮っていると写真って面白いですな。

 ただ、下手なのでハマるまでいかないのが悩みですよ。









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触るな、長時間加熱するな、そんな蝦夷鹿

2010-11-27 11:49:32 | Weblog
 「おいおい、写真だけでコース仕立てかよ!」そう思っていただければ幸いです。
 一昨日からの写真の流れは、前菜、魚料理、そして、この肉料理とまさにフランス料理の王道でありますが、たまたま画像フォルダにあっただけのものを整理しただけであります。
 「またか・・・」と思われるかもしれませんが、この写真は「蝦夷鹿のロースト」で、前菜の「蝦夷鹿のテリーヌ」と合わせてしまうと「蝦夷鹿づくし」になってしまいますな。
 今年は調整捕獲が順調にいっているようで良質な蝦夷鹿が定期的に手に入りますから躊躇する事無くコースのメインやアラカルトのお勧めでお出ししております。
 当ブログでよく書く事ですが、蝦夷鹿を焼くのは意外と難しいものです。
 まず、理想とする焼き具合を考えなくてはなりません。生っぽさが残ってはいけませんし、かといって火が入りすぎると固くパサついた仕上がりになってしまいます。狙い所は「セニャン」、英語で言うところの「ミディアムレア」であります。
 しかし、蝦夷鹿の肉は繊細でありますからリソレ(表面を焼き固める作業)して網の上で休ませただけで肉汁が滴り落ちてしまいます。
 それ以上肉汁を出さないために、肉に圧力をかけない(あまり触るな、という事ですな)、長時間オーブンに入れない(加熱時の負荷をかけない)など神経を使う作業を強いられます。
 長時間(この場合、長時間と言っても10~20分の事です)オーブンに入れないで肉の芯まで火を入れるのはどうするか、肉に圧力をかけない、つまり肉に触らないでどうやって火の入り方を確認するのか、などは経験も必要ですが、肉の大きさ、形状から総加熱時間を想定してそれを3分割、又は4分割の時間を割り出し、一回の加熱時間、そして、加熱した肉を休ませる時間をタイマーで測りながら焼いて行く必要がある、と私は考えます。
 これはどう考えても文章では分かりづらいと思いますが、これが肉にストレスを与えず肉汁を閉じ込める焼き方だと私は思っております、今の時点では。
 まぁ、それはいいとして、ガルニチュール(付け合わせ)は「じゃがいものピュレ」でありますが、これは予約時間から逆算して作りたてを提供できるようにしております。その方がより美味しいのですな。
 私は「じゃがいものピュレ」に生クリームを使用しません。かつては若干量、入れておりましたが、最近ではそれすら邪魔のように思えて加えておりません、牛乳、バター、塩だけです、コショーも入れません。
 焼いた蝦夷鹿の肉、シンプルな味付けのじゃがいものピュレ、そして、ポルト酒、コニャック、赤ワイン、オールドヴィンテージの赤ワインの澱を徹底的に煮詰め、フォン・ド・ヴォーで繋ぎ、さらに煮詰め、塩、ブラックペッパーで味を調え、コニャックを垂らしたソースを流します。
 その3つが皿に乗れば後は手を加えなくていいでしょう、シンプルな盛り付けで後は食べた方に想像を掻き立てていただくしかありません、シンプルな抽象性とでもいいましょうか・・・スミマセン!カッコつけただけです。

 写真入りにすると文章が短くなるのでは、と思ったのですが、全くその気配がありません。

 逆に写真の内容を説明しようとして長くなるだけです。

 もう少し画像が残っておりますのでこのスタイルを続けますが、意外にネタ不足解消で文章を書ける事に気がつきました。

 文章で挫折される方は写真だけ見る、という方向でお願いします。













 
 
 
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自発性を持って色を染めたくなる、その時

2010-11-26 13:34:00 | Weblog
 ジワリジワリと11月も終わりに近づき、今年のやり残した事は何か考えたくなってしまう今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 今年のやり残した事よりも、今年最後にやらなければならない事が山積しているわけですからそれどころではないのですが、先日、「やり残した事」と思わないように「ボージョレ・ヌーヴォー」を飲みました。
 毎年「今年は出来が良い」という前評判を聞きますが毎年レベルが上がっていったならば普通のワインと変わらぬ味になってしまうのではないか、と思ってしまいます。
 今年のヌーヴォーは、フレッシュな果実味が凝縮しており、葡萄そのものを前面に押し出した作りとなっておりました、毎年そうなんですがね。
 稀に、昨年のヌーヴォーを取って置き「一年熟成」として特別視される方もいらっしゃる、という話を聞いた事がありますが、ヌーヴォーはフレッシュさが身上であります、寝かせてどうなるものでもなく、その時の新鮮さを味わう特別酒でありますのでご理解いただきたいものです。
 
 さて、また写真付きですが、この写真は「黒ソイポワレとベビーほうれん草のソテー 紅花を使ったソース」であります。
 今回の料理はアラカルトでのご注文でしたので魚のポーションが大きいのですが、やはり、これくらい食べたいですよね、魚は。
 庄内で獲れた「黒ソイ」は所謂(いわゆる)岩礁魚でありますが、「ソイ」や「カサゴ」は身の保水性からか皮部分を「カリッ」と焼くのが意外に難しいものです。
 そこで私は岩礁魚や皮をクロッカン(カリカリにする事)したい魚の場合はラードを使用して焼きます。
 オリーブオイルとラードでは融点の問題からか、私の経験上、ラードの方がカリカリに焼けるように感じます。
 ベビーほうれん草はサラダで食すのだそうですが、ほんの一瞬だけ火を入れるようにソテーし半フレッシュ的な食感を残した方が美味しいように感じました。
 そして、ソースですが、たまたま産直野菜売り場に行きましたら目に付いた「紅花」を入れてみようかな、と思い立った次第でした。
 「紅花」は漬物の色付けに使用するもので、それ用に販売していたと思うのですが、私もソースに色付けしたっていいじゃないですか、山形っていう事で。
 「紅花」は「サフラン」と似ていて全く違うものですので一緒に考えるのは危険であります、あくまでも「色付け」という位置づけをキープしなければなりません。
 魚のアラ、海老の殻、などを焼かずに鍋に入れ、白ワイン、ミルポワ(香味野菜ですな)、ローリエ、水、そして、紅花を入れ沸騰しすぎないようにゆっくり煮出します。
 煮出し終わったヒュメ(魚のだし汁)はほんのりと黄色身を帯びておりますのでそれを煮詰めます。
 3分の1くらいまで煮詰めると綺麗な黄色になりますのでそこで塩、コショーでコンディマンテ(調味料で味付けする)し、白ワインヴィネガーを加えます。
 再度沸騰させ軽くコーンスターチでリエ(繋ぐ事)し、最後にバターモンテ(バターで乳化させる事)しソースとします。
 
 紅花は味を邪魔せず色付けできるはず、という仮定の下で紅花購入に踏み切ったのですが
あながち間違いではありませんでした。

 「試験的か!」そう思われるかもしれませんが即興と言いますか、そういうのも必要かな、と思い実行してみました。

 そういうのをフランス語で何て言うか判りますか?

 「スポンタネ(spontane 自発性、自然発生的な、という意味から即興性とも訳されてます)」と言います。

 山形弁みたいでいいじゃないですか。

 「紅花」と「スポンタネ」これで会話できるくらいの勢いですな。










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鹿を型に嵌めるとこうなる、という事

2010-11-25 19:21:56 | Weblog
 前回も書きましたが、最近、マネージャーに「写真、撮らなくていいんですか?」と促され(うながされ)、とも取れるお言葉を頂きますので写真を撮っておりました。
 で、ビミョーに写真が溜まってまいりましたので、写真を載せた短めのブログにしてみるか、と何となく思った次第であります。(文章が短めにならない場合はご容赦ください。ならない可能性大です)
 さて、本題から入りますと、写真のテリーヌは「蝦夷鹿とフォワグラのテリーヌ」であります。
 コースに組んだものでありますから縦半分にしておりますがアラカルトではもっと量がございますからご安心ください。
 このテリーヌは作ってから約3週間寝かせておきましたのでその存在をブログで公開する事はあまり無かったのですが、ここにきて大放出しておりますから、やはり、写真付きで載せるべきでしょうね。(たまたま撮ったんですがね)
 このテリーヌは着手してから焼き上げるまで(蒸し焼きですが)3日掛かっています。これは自慢ではなくマリネの日数であり、そして、そのマリネの最中でもやる事が沢山ある、愛の物語なのであります。
 まず初日、蝦夷鹿のモモ肉、しかもスジっぽいところを中心に集め、筋を掃除します。
 それに豚肩肉、鶏白レバー、フォワグラもスジなどを掃除し、全てバットに入れコニャック、ポルト酒、マデラ酒でマリネします。
 2日目、テリーヌの周りを覆っている豚の背脂をスライスし冷凍します。これは活字にすると簡単なのですが的確に3ミリほどの薄さにスライスし、且つ、厚めになってしまったところはラップで挟み肉叩きで軽く叩き同じ厚さに調整する、という手間が必要になってきます。
 冷蔵温度の豚の背脂は薄い刃の包丁でもスライスできないため一時的に冷凍しますが、この冷凍具合も難しく、ガチガチに凍らせればスライスできず、逆に冷凍不足ではこれまたうまくスライスできません。ガチガチ手前に凍らせたものをゆる~く解凍しながら、という自分にしか判らない感覚でスライスするとうまく行くのですよ。
 スライスした背脂をラップを敷いたバットに並べ、更にラップを敷き背脂を並べ、という作業を繰り返し冷凍します。この作業を前日にしておかないと当日、大変な事になってしまいますから気をつけたいところです。
 3日目、マリネした肉をミンサーにかけ挽肉にするわけですが、ミンサーの穴の大きさは「大」にしてゴツゴツ感を狙います。
 ミンサーで挽いた肉、全卵、全体の重量の1%を意識した塩、ブラックペッパー、キャトルエピス(混合スパイス)を加え、大き目のスパチュール(ヘラ)で全体を混ぜ合わせた後、結着するように練っていきます。
 この時、手には結構な負荷が掛かりますが筋力トレーニングの一環だと割り切って手を休めずに練っていく事が肝要です。
 息を止めて気合を入れると、時として目の前が真っ白になり薄っすらとお花畑が広がった中に見た事も無いほど綺麗なモンシロチョウが飛び交い、昔無くした筈の麦藁帽子が風に乗って飛ばされている風景が見えてきますから気をつけましょう。(勿論、フィクションです)
 練った肉は(氷で冷やしながらしましょう)一旦、冷蔵庫にしまい、テリーヌ型の内側に前日スライスした豚の背脂を貼り付けていきます。この時、「介の字張り!」などと冗談を言ってはいけません、そんな張り方、出来ませんけど。
 型に背脂を貼り付けたら片手で肉のファルス(詰め物の総称、仏語です)を取り、手に打ちつけながら空気を抜いていきます。
 それを型に叩き付け、肉を型に入れていきます。この、ファルスを叩き付けながら型に入れる作業の時、「クソッ!○○!」のように憎き人の名前を叫びながら作業しますと念がテリーヌに入ってしまいますから「あらよっと!」くらいにとどめておきましょう。
 ファルスを全て入れ最後にはみ出した背脂で覆い、ローリエ、ローズマリー、タイムなどの香草を上に乗せホイルで覆い、蓋をして湯煎したバットに並べ、150℃のオーブンで1時間ちょい、1時間20分くらい火を入れます。
 デジタル温度計を刺してみて中心温度が54~56℃になったら引き上げ違うバットに並べ上から重石をかけて冷まします。
 
 冷蔵庫で約3週間保存してからお出しします。
 
 写真の皿の中央部分に長く連なるものは「林檎のサラダ」、左上に鎮座しているものはセロリ、胡瓜、人参、黄人参、寺内蕪(在来種の野菜)のピクルスであります。

 たまに、写真付きで、しかも短い文章で、と思い書き始めましたら、普段よりも長くなってしまいました。

 明日も写真付きで行きたいと思います。

 えっ?!明日も更新できるのかって?

 もう書き溜めしてるんですよ。

 文章が短めかどうかは見てのお楽しみという事で。






















 
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自分でする事が他人の苦労を知る機会かもしれない

2010-11-24 21:20:40 | Weblog
 「写真、撮らなくていいんですか?」。最近、マネージャーに言われる言葉であります。
 「あぁ、そうですよね。」。結構、忙しい時や作業中にもかかわらずその言葉を投げかけられますと何となくデジカメを引っ張り出して撮ってみたりするものです。
 この写真もそうでした。
 水道口の水を出すために回す部分、ハンドルの下のナットの隙間から微量ながら水が滴り落ちてきたのを騙し騙し使ってきたのですがナットを締めても水の滴りが止まらず、水周りの業者さんに連絡をしようとしたのですが、「このレベルなら自分で出来るのではないか。」との考えの下、すぐに本屋さんへ直行、「家庭大工マニュアル(主婦と生活社より出版)」なる本を購入、水周りの章をを熟読し、とりあえず蛇口のハンドルを解体、中の構造を確認し、次の日、ホームセンターへ行き、専用のレンチ、パッキンを購入、それを持参して出勤し、再度、ハンドル部分を取り外し、いざ、パッキン交換せんかな、といった状況の写真であります。
 当店がオープンしてから丸6年以上経ちますから細部が傷んでくるのは仕方のない事です。
 自分お店だから、という事もありますが、私は、自分で補修できる、と判断したところは業者さんを呼ばないで済ます主義であります。
 「これは難しいかも・・・」そう思うものでも、「実は単純な構造なのではないか、ならば・・・」とトライしたくなるものです。
 最近では厨房機器のメンテナンスを自分で出来るくらいまで高めて行きたい、と密かに思ったりもしているくらいで、隙あらば業者の方にやり方を教わろうか、的な嫌なヤツであります。
 水周りは今回初めてでしたが、「腐食して骨組みが取れた金ザルの溶接」や「熱による鍋変形の矯正」などいろいろチャレンジしてきました。(後者は力ずくです。血管ブチ切れ寸前まで力を込めるとアルミ鍋の変形は何とかなる、と確信しました)
 しかし、チャレンジしてみて思うのは理屈が判るとその機器や道具の構造をも理解でき、そして、それらの機器、道具を無駄なく使えるようになる事とそれらに情が湧く、と言いますか、乱暴に使えなくなるんですな。
 「道具は所詮、道具」。そうお考えになる方もいらっしゃるかもしれません、しかし、我々の仕事は道具によって支えられ、それらを労わり(いたわり)ながら駆使する事によって食材を美味しくする一助になるとは考えられないでしょうか。
 金ザルを溶接しながら思いました、「フラックス(はんだ付け促進剤)が必要だとは知らなかった・・・しかも、はんだ付け、難しいぜ。」
 鍋を矯正しながら思いました、「鍋よ、ここまで歪むとは思いませんでした、以後気をつけて使います。しかし、これができるという事は、フライパン曲げも出来るのか?」
 そして、水道のパッキンを交換しながら思いました、「なるほど、こういうのを小まめに交換する事が水を無駄にしない事に繋がるし水道代も安心だ、暮らし安心クラシアンですな。」と。

 最終的にはストーブ(ガス台)の種火を維持させるサーモスタットの交換を自分で、というのが目標ですが、失敗した時の事を考えるとなかなか手が出せません。

 料理以外の仕事の大変さを知る良い機会ですな、DIY(Do it yourself)は。











 
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日曜日のお知らせ

2010-11-21 03:40:14 | Weblog
 突然ですがお知らせです。
 明日(今日ですけどね)、第3日曜日はランチのみの営業となりますが、ランチはご予約様で満席となっております、ご了承ください。
 次に、定休日は月曜日でありますが、11月22日(月曜日)は祝日前ですので営業いたします。ただし、次の日の23日はお休みさせていただきますので、ご了承くださいますよう重ねてお願いいたします。
 
 24日(水)からは通常通り営業いたしますのでご理解くださいますようよろしくお願いいたします。

 明日の(今日の)ランチメニューは勝手ながら事後報告(またか!)とさせていただきますので、まぁ、何ですかね、終わった事を未練たらしく、などと思わずに、一応、目を通していただければ幸いです。

 それでは、皆様、素敵な連休(飛び石?)をお過ごしください。






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作れるように、と願う時、長文化が止まらない

2010-11-18 23:33:24 | Weblog
 年末と言い切れない11月だからか、アンニュイな雰囲気が周りを覆っているように感じ、それに加えて何か忘れているような、そんな気持ちの今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 何か忘れているような、そんな気がした昨夜でありましたが、言われて思い出しました、次の日が「ボージョレ・ヌーボー」解禁の日である事を。
 「ボージョレ・ヌーボー」の案内が8月後半に来たため完璧に忘れてしまいましたが、今日はお祭り気分で飲んだ方が良いのでしょうな。
 当店でも今週は「ボージョレ・ヌーボー」、今回は「ルイ・テット」社のヌーボーをご用意しておりますので「その日だけで終わりだろ。」などとは思わず、是非、ご賞味頂ければ幸いです。
 お祭り気分でワイワイ飲むのも良いですが、一口づつ願いを込めながら飲むヌーボーというのもまた良いものです。
 尾藤イサオが歌う「哀しき願い(原曲は、サンタ・エスメラルダが歌っておりました)」の如く、のっけから「ベイベー、俺の負けだ」と敗北宣言をしサビでは「誰のせいでもありゃしない、みんなオイラが悪いのさ」とネガティブな願いではなく、「これから良い事がありますように」や「身体丈夫で長生き」のようなポジティブな願いの方が楽しく生きられるのではないでしょうか。
 よく「俺は長生きしない。」や「人生、太く短く。」を連呼する人に限って必要以上に長生きする傾向が見られます、気をつけたいものです。
 「じゃあ、お前はどんな願いを込めるんだ!」えっ?!私ですか?まぁ、何ですかね、皆さんが幸せになりますように、そして、年末ジャンボ1等が来ますように、という人にも配慮した夢中心な願いでしょうか。

 さて、話は変わりますが、先日、「酒の肴 つくってみーよ」に出演した旨の記事を書きましたが、作った物の内容には全く触れずにブログを〆てしまいました。
 「見ましたよ。」と仰ってくださる方もおりますのでこの場をお借りして、文章にて再現してみる事にしましょうか。(再現、というだけで台本調を思い浮かべるかもしれませんがとりあえずどんなものを作ったか、という事でご了承ください)

 まず、今回は「11月半ばに放映」というのを念頭に置きましたので「温かいもの」というの大前提にしなければなりませんでした。
 「温かいもの」「簡単」「材料が普通に手に入る」「マニアックな料理ではない」というキーワードを考えるとメインは「煮込み」ものが良いかと判断しました。
 すると前菜は「季節的なもの」「手に入りやすいもの」「簡単なもの」が良いのかな、という具合に「普段、自分が家で作るならば」を意識したものになります。
 この番組で難しい点は、簡単すぎては面白くないのですが、手が込んだ料理は番組の性質上、無理であります。
 編集で何とかなる、とはいっても、見る側には「作りたくなるような」、撮影側には「早く収録が終わるような」、それでいて必ず「美味しい」ものを提案しなければなりません、自分の功名心だけでメニューを考えてはいけません。
 私は「みーよ(前の7文字は省略させていただきます)」のメニューを考える時、必ず、簡単な「フランス料理」である事に執着します。ですから、前菜、メイン、という料理の組み方になるのです。
 「そこまで行くと酒の肴じゃないでしょ。」そう思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、フランス料理は「食事」でもありますが、私は「偉大なる酒の肴」でもあると思っております。
 まぁ、そんな話はいいとして、メニューを行きましょうか。

 前菜は、「秋鮭のソテー サラダ仕立て」。秋鮭はこの時期スーパーでも手に入り安い食材ですし、それほど高いものではありません。これを皮からジックリ焼いてポワソン(魚料理)に仕立てる事もできますが今回は前菜にもって来ました。
 生の秋鮭は斜(はす)に1㎝くらいの削ぎ切りにします。(この作業を仏語でエスカロップと言います)
 削ぎ切りした鮭の表面に軽く塩をして30分ほど置いている間にビネグレット(ドレッシング)の準備をしましょう。
 卵を固ゆでにし水に晒して冷ましみじん切りにします。玉葱はみじん切りにし水に晒し、水を切った後、ペーパータオルで十分水気を切ります。
 卵と玉葱のみじん切りをボールに合わせ、塩、コショウ、レモン汁を加えスプーンで攪拌し、ヴァージンオリーブオイル(無ければピュアオリーブオイルを、それも無ければサラダオイルで代用)を少しづつ加えていきます。(完全に乳化しなくてもいいでしょう、それも味ですよ)最後にパセリのみじん切りを加えビネグレットの完成です。
 鮭の表面の水分をペーパータオルで拭き、テフロン加工のフライパン(撮影ではマーブル加工のフライパン使用)を温め、薄くオイルを引き(オイルは何でも構いませんがオリーブオイルがあればベター)鮭をソテーします。
 鮭は薄いので焼き色を付けるというよりは軽く火を通す、位で大丈夫でしょう。火が入ればOKです、すぐさま皿に盛り付け、先ほどのビネグレット、お好みのサラダを飾って出来上がりです。
 次のメインは「鶏肉のクリーム煮」です。最近、「カキ、カキ、シチューで食べよう♪優しい香りが好き♪」というCM曲が耳に残りますが、それも良い!それも美味しいのは判ってますよ、しかし、今回は鶏で行きましょうぜ。
 鶏肉はもも肉と手羽元をチョイスしました。どちらも煮込んだ時にも美味しさを発揮する部位でありますし、スープも取れるので、スープを取りながらクリーム煮に仕立てる、という「お鍋ひとつで」的に調理できるからです。
 鶏もも肉は一口大にカットし、出来る事ならば手羽元は骨ごと真っ二つに切断してください、その方が味が出やすいのです。(危険かも、と判断なされた方はそのままで行きましょう)
 玉葱は1個を8等分のくし型に、人参は少し厚めのいちょう切りに、繊維質が欲しい方はセロリを乱切りにして鶏肉と共に鍋に入れます。
 そこにヒタヒタくらいまで水を入れ、出来ればローリエと共に40分から1時間くらいアクをすくいながら煮込んでください。
 煮込み始めてすぐに予め常温に戻しておいた無塩バター100g、小麦粉(薄力)100gを混ぜ合わせ「合わせバター(仏語ブール・コンポゼ)」を作っておきます。(このブール・コンポゼはブール・マニエと言います)
 煮込んだ鍋のスープが4分の1くらいに減りましたら軽く塩、コショーをして基本的な味を付けボールにスープを取り、そこにブール・マニエを少しづつ加えホイッパーで攪拌しながら繋いでいきます。(この作業を仏語でリエゾンと言います)
 繋いでいったものを鍋に戻し、トロみが足りない場合はまた同じ作業をして濃度を付けて行きます。
 そこに生クリームを加えてコクをプラスし、最終的な味付けをして火を止めます。ここまで出来ればもう少し。
 火を止めてから溶いた卵黄を少しづつ加えて濃厚さを加味し、レモン汁を少量加えて味を〆ます。(加えすぎるとサワークリームのようになりますから気をつけましょう)
 バターライスを用意できれば本格的ですが、パンと一緒に食べるのも良いものです。
 因みに、バターライスは炊飯器で「なんちゃって」が出来ます。米320gと水320cc、バターひとかけらを炊飯器に入れ普通に炊いてください、それだけです。(米は洗わなくても大丈夫です。逆にビタミンB2が摂取できると考えましょう。320gは2合のグラム数です)

 如何でしょうか。
 テレビで見る方がどう考えても簡単ですが、文章として覚えるのも悪くないのではないでしょうか。

 前回に引き続きかなり長くなってしまいましたがご容赦ください。

 400字詰め原稿用紙8枚程度、と考えるとそう長くは・・・

 感じますよね。

 皆様が作れますよう、ヌーボー飲みながら願う事にします、合掌!

















 
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ラ・フランスの香りと味を閉じ込めろ

2010-11-17 01:42:47 | Weblog
 寒さが本格化し、人肌恋しい冬の季節が到来いたしましたが、皆様におかれましてはご健勝のことと存じます。
 何処からともなく「北風小僧の寒太郎」が聞こえてきそうな寒さではありますが、最近、連日の飲み続きで私の「肝太郎」の悲鳴も聞こえてきそうであります、気をつけたいものですな。
 「北風小僧の寒太郎」というと「堺正章」通称「マチャアキ」氏の歌が有名ですが、あの曲調から言わせて頂ければ「北島三郎」先生があの歌を歌ったならばかなりキテる曲に仕上がるのではないか、と想像できます。
 特に「ヒュー♪ヒュー♪ヒュルルン、ルンルンルン」の節では北島先生お得意の強弱をつけた節回しで北風を表現し「流石、歌詞をご理解している。」と思うのではないでしょうか。
 歌詞を理解して「いる」か「いない」かではその表現力に差が付くのではないかと思われますが、そう疑問に思わずにいられなかったのが、フランスが生んだヴォサノバ歌手「クレモンティーヌ」が歌う「天才バカボン」であります。
 テレビCMに起用されておりましたからまだ覚えてらっしゃる方もいるかとは思いますが、CMの起用された部分は「天才バカボン」ですが、曲のど真ん中は「元祖天才バカボン」のオープニング曲であります。
 どちらの歌詞もキテますが、「元祖天才バカボン」の歌詞は「青空の梅干しにパパが祈る時、トンボとカエルが結婚した。だから『トンボ返る』なのだ。(元祖天才バカボンオープニング曲より抜粋)」であります。(「タリラリラ~ンのコニャニャチハ」の部分が無いのも不自然でありますが)
 いくらアニメがフランスで流行っているからといってこの歌詞を理解できるフランス人はいないでしょう。
 しかし、「元祖天才バカボン」の歌詞をチョイスしたのはまだ良かったかもしれません、これが「天才バカボン」のオープニング曲だったら「西から昇ったお日様が東に沈む(エ~!?ホント!)」という始まりであります。
 翻訳には手間が掛からないでしょうが意味を伝えるのが困難だと思われますな。「柳の下に猫がいる、だから『猫柳』(エ~!?ホント!)」これも難しいでしょう、フランス語化するのは。
 しかし、「天才バカボン」の曲調だったら何でもイケるのではないでしょうか。
 「鰻の下にパイがある、だから『鰻パイ』(エ~!?浜松名産?)」や「力也の頭に帆立貝、だから『ホタテマン』(エ~!?ひょうきん族?)」はたまた「お洒落に見えない、なぜだろう、それは『ドン小西』(ですよね~)」など、何だって行けますな。
 まぁ、思いっきり話が脱線しましたが、北島三郎先生の「北風小僧の寒太郎」を聞きたい、という事ですな、まとめると。(まとまってもいませんが)

 さて、話は変わりますが、当ブログを読んでくださっている方から「ラ・フランスをアップルパイのようにパイ包みにして作りたい。」旨のコメントを頂きました。
 要は「アップルパイ(仏語ショーソン・ド・ポム)」の中身を「ラ・フランス」に変えて出来ないか、という事だと思われます。
 一番判りやすいのは、「ラ・フランス」をコンポート、つまりシッロプで煮て、ピュレにしたものをパイで包んで焼けばそれになりますが、もしかするともっと手の込んだものを作ろうとしているのかもしれません。
 そこで、今回は「ラ・フランス」をコンポートしないでソテーしたものを冷まし、クレーム・パティシエール(カスタードクリーム)を一緒にパイで包み焼き上げる、という手法を取りたいと思います。
 では、まずクレーム・パティシエールから作りましょう。

        クレーム・パティシエール(Cream patissuere)

・牛乳 500g ・ヴァニラの鞘 2分の1 ・グラニュー糖 126g ・強力粉 50g ・バター 50g ・卵黄 5個分 

        作り方

①牛乳を鍋に入れ、ヴァニラの鞘から種子を出し鞘と種子を牛乳の鍋に入れる。火に掛け、60度まで温度を付けたら蓋をして蒸らす。

②卵黄、グラニュー糖をボールに入れ白くなるまでホイップする。白くなったら強力粉を加えて混ぜる。

③①を②に少しづつ加え攪拌し全て加えたら鍋に戻し入れる。(この時点でヴァニラの鞘を取り出す。ヴァニラの鞘が無い場合はヴァニラエッセンスでも良い)

④鍋を中火に掛け、木へらで底が焦げ付かないように絶えず混ぜながら火を入れる。(小麦粉に火を入れるような感覚で)

⑤モッタリしてきたら火を止め、バターを入れ攪拌する。

⑥ゴムヘラを使ってバットにあけ、ラップで覆い、冷ます。

 ここまでが「クレーム・パティシエール」を作る工程であります。
 次に、「ラ・フランス」をソテーしましょう。

①ラ・フランス(普通の洋梨でも可)は、皮を剥き種を取り、2センチの角切りにしておきます。

②フライパンにバターを入れてから火に掛け、バターが溶けたらラ・フランスを投入しソテーします。

③甘みが足りないのでグラニュー糖を入れ(目分で結構。甘いのが好きな場合は多めに、甘さを抑えたい場合は少なめに、調節してください)、白ワインを振り掛け、バットにあけ冷まします。

 これが「ラ・フランスのソテー」。
 全て冷めたら最終工程、と行きましょうか。

①冷めたクレーム・パティシエールはシリコンのように硬くなっていますから、ボールに使う量だけ入れホイッパーで空気を入れるように攪拌します。

②麺台に小麦粉を振り、パイ生地(市販品)を広げます。茶碗などで丸型に形を決め、包丁で切り出します。

③丸く切ったパイ生地の真ん中にクレーム・パティシエールを絞り、ソテーしたラ・フランスを乗せます。

④手前に折り、半円に形を整えふちの部分をしっかりと押してくっつけます。

⑤表面に卵黄を塗り、200℃のオーブンで25分から30分焼きます。

 このようになりますが、通りすがりのママレード・ボーイ様、如何でしょうか。

 クレーム・パティシエール、ラ・フランスのソテー、パイ包み、焼成、と作業的には大変かもしれませんが、それだけの味になるのではないか、と確信しております。

 ラ・フランスのソテーの段階であまり火を通さず、パイ焼成で火が入りきる、というのを念頭に置きながら作業を進めるとより完成度が高まるのではないか、と考えます。

 パイ生地も自分で作りたい・・・となると話はまた変わってくるのですが、パイ生地(パート・フイユタージュ)作りはまた今度アップしますのでお待ちください。

 今日から当ブログを読まれた方は「おいおい、こんなに読めねーよ。」とゲンナリすること間違い無しでしょうが、ずっとこのスタイルですのでご容赦ください。

 っていうか、最初のくだらない話を止めればもっと短くなるだけの話なんですな。

 判っているんです、判っているんですが・・・

 止められないんですな、与太話は。










 
コメント (2)
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