ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

春に出会う出来事が人生を左右すると言っても過言ではないだろう

2013-03-28 23:03:29 | Weblog
 いつの間にか卒業シーズンも終わってしまい、「別れ」の季節から「出会い」の季節へと移行していく今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 卒業式には堪え切れずに涙を流してしまった人の姿を見て、それにも感動してしまい涙を流してしまう、という「涙の連鎖」というものがありますから心に残るのではないでしょうか。
 柏原芳江は「春なのにお別れですか?春なのに涙がこぼれます」と歌い「春=別れ」という図式を構築しましたが、石野真子は「春という日は三人の日と書きます。あなたと私と、そして、誰の日。」と歌い、波紋を広げました。
 「あなたと私」もしくは「私とあなた」だけでいいのではないか、と思われる春の日に第3者を加えなければならない特別な理由があるのでしょうが、この曲、「春ラ!ラ!ラ!」の歌詞を読むと「春という字は三人の日と書くのだから、今付き合っているあなたと、私と、そして、もう一人、あなたを好きになる前にちょっと好きになった人の三人で遊びましょうよ。」と取れます。
 明るく何事もないように歌っているのを聞いていた時は何とも思わなかったのですが、一度(ひとたび)気に留めてしまうと「気になる」というよりも大変な事になっている事に気が付きます。
 私(女性)と付き合っていると思われる男性、仮に「Aさん」としておきましょう、彼と春の日に合うのは、まぁ、普通というかよくあるカップルの話ですから特に問題はありませんが、「Aさん」を好きになる前に少し好きになった人、仮に「Bさん」としておきましょう、彼を含めてデートしませんか?という無茶苦茶な提案の曲であるのです。
 「Bさん」の事をどれだけ好きなのか判りませんが、歌詞はかなり大変な事になっています。では、1番だけでも歌詞を読んでみましょうか。

   「春ラ!ラ!ラ!」

   石野真子

「春という字は三人の日と書きます。あなたと私と、そして、誰の日。

 あなたが好きになる前にちょっと愛した彼かしら。

 合ってみたいな久しぶり、あなたも話が合うでしょう。

 三人そろって春の日に、三人揃って春ラ!ラ!ラ!

 何か始まるこの季節、三人揃って春ラ!ラ!ラ!」

(うたまっぷ.comより引用)

 
 どうですか?恐ろしい事になっております。「あなたが好きになる前」という事は「付き合う前」を指していると思われますが、「ちょっと愛した彼」という表現が判りません。
 「少し愛して、なが~く愛して」というCMコピーもあるくらいですから、「ちょっと愛する」というのは「少し好き」というのを遥かに超越した表現になっていると思われます。
 しかも、自分(私)が勝手に「Bさん」に会いたくなっただけならまだしも、話もした事のない「Aさん」と無理やり合わせてしまおうと画策してしまうところに大いなる疑問を感じてしまいます。
 「Aさん」にしてみれば、「何でオレが・・・」と思うでしょう。しかし、その辺も見越して「あなたも話が合うでしょう」と強引に話を推し進めようとしております、恐ろしい人ですぜ・・・
 しかも、疑問に思ってからその事に理解してしまい更に疑問符が増えたのは「なぜ、AさんとBさんが話が合うだろう、と言い切れてしまうのか?」というのを考えた時、彼女(私)の声がしてきたように思えたのです。

「フフフ!だって、ふたりとも私の事を愛してるんだから、話が合うに決まってるじゃない!」

 そ、そんなにですか・・・そんなに、自信があるのかよ、自分に・・・
 そんな風に人間関係を引っ掻き回される春にはなりたくないものです、いや、なってはいけません!もっと前向きで建設的な出会いの3月後半、又は、4月にしたいではないですか!
 そんな事を思っていたところ、当店宛にとある所から1通の書簡が届いたのです。
 送り主を見たところ「フランス調理師協会 日本支部」とあり、書簡の中身を読んだところ、低迷しているフランス料理界への熱い想いと共に我々フランス料理人を鼓舞するメッセージが入っており、フランス調理師協会の正会員になって日本のフランス料理界を盛り上げましょう、という文言が書いてありました。
 名誉会員には錚々たる財界人、著名人の方々の名前があり、一瞬、「もしかして・・・怪しい会じゃないだろうな・・・」と思ってしまったほどでしたが、ホームページを見せていただきましたところ、本当にフランスにある協会の日本支部なんですね、スミマセンでした、一瞬でも疑ってしまって!
 すぐさま、アンケートに答え、正会員になる意志がある事を伝えたところ、次の日、事務局からメールが届きました。
 これまた熱い想いのメールでしたので、ここに掻い摘んで(かいつまんで)載せてその怪しいながらも熱い想いを共有していただきたい、と勝手に思った次第です。

「    マチルダベイ  藤原シェフ殿

 早速「フランス調理師協会」の「正会員」入会とアンケートにお答え頂き、有難うございました。なるべく多くの料理人が「フランス料理の復活」ついて協力して頂ける事を希望します。
 日本では「バブル経済」崩壊以降、失われた20年間でょんの「フランス料理店」は半減したと言われています。
 その原因は、これまでの日本の「長期不況とデフレ経済」の進行は飲食店各店の「価格競争」に巻き込まれた結果となってしまいました。 
 その点、比較的料金が高い「フランス料理店」が一番影響を受けたとも言われています。(中文略)
 その為、「フランス料理」が消費者から忘れられた存在になったとも言えます。その間、私たちが本当に「フランス料理」の新しい魅力についてそれを広めてきたか疑問に思う事も多くあります。
 結果、世間では「フランス料理」が段々消費者生活とは掛け離れた存在になっています。今こそ「フランス料理人」が団結して日本の社会で発言し、その数々の魅力をアピールする時です。
 (中文略)
 世界的な「フランス料理の復活」を大目標に「本国フランス料理人」と力を合わせ、活動するのは「日本人仏料理人」の責務であると言われています。
 (中文略)
 皆様の活動による協力を期待しています。

 フランス調理師協会 日本支部 事務局」


 中文略が多いのは想いが熱すぎて脱線している箇所ですが、まぁ、それくらい「熱い」という事ですよ。

 当ブログも脱線しているのには違いありませんが、ちょっと脱線の意味が違いますからねぇ。

 しかし、頑張ります。えっ?何を?いや~、色んな事を、ですよ。

 とりあえずは、最近、忙しいのが続いているのでそこを頑張ってから・・・ブログですか・・・

 フェイスブックはしてるんですけどね、簡単なんで。

 いやいや、まずは、フランス料理を精進します。












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絶対無理でもいい、話だけでも聞いてくれないか、そういう思いもたまには必要だろう

2013-03-22 03:26:44 | Weblog
 まだ冷たさを残しながらも春らしい風が吹くようになり、新しい季節への突入を予感させる透明感を帯びた日の光が景色を照らしている今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 「ブログを止めたのかと思った・・・」と思われるくらい更新がストップしていた当ブログでありますが、仕事の忙しさに押されて記事を書けるような状態ではありませんでした。
 最後に更新したのが「3月7日」でしたから2週間ほど記事をアップしておらず「そろそろ更新しないと暴動が起きてしまうな・・・」という危機感に駆られ、現在ブログを書いている、という次第でございます。(相変わらず大げさ)
 「ブログを書けないほど忙しいなんてウソだろ!」そのように大騒ぎしてしまう同業の方もいらっしゃるかも知れませんが、いや、別に偽装満席しているわけではありませんし、歓送迎会のシーズンだからでしょうか?小団体様(紛らわしい表現ですが、5名以上10名未満の団体様の事どと)のご予約がございましたので「忙しい」に繫がったわけです、有難い事です。
 マネージャーは「アベノミクスが影響しているのではないか・・・」と大胆予想しておりましたが、ん~、考えすぎではないか、と思われます・・・もし、それが影響しているのであれば、当店は「株価」の上昇に左右される、という事になるではないですか!(かなり大げさ)
 という事は、ですよ、仕込み具合も「株価」や「円相場」を見ながらしなければならず、また経済新聞を取らなければなりません。
 「また取らなければならない」というのは以前、取っていたからでありますが、一時、経済新聞を取ったのには取ったなりの理由があったからです。
 経済新聞を取っていたのは6年ほど前ですが、当時、当店には「ノッチさん」というアルバイト長がおりました。「ノッチさん」はアルバイトなのに「さん」付けされる、という特殊な位置づけの男でしたが、まぁ、それは関係ないから割愛しましょうか。(だったら書くなよ)
 「ノッチさん」は大学院まで進んだ男でありましたが、就職活動をしているのを横で見ていると就職に際し気にしている事がありました。それは、就職先の「株価」でありました。
 「ノッチさん、就職させてもらうんだから、いいじゃないの、株価なんて。」と声を掛けてみると、「藤原さんは甘いんですよ!就職する所だから株価を気にするんじゃないですか!」とアルバイトと使用人が逆転しているようなお言葉を頂きまして、「じゃあ、ノッチさんのために経済新聞でも取りますか・・・」という運びになったのです。
 しかし、取って読んでみると意外に面白く、「おっ、ヤマザワ(山形を代表するスーパー)、結構、良い株価じゃないですか・・・」「もっと山形の企業ないのかな・・・」など見ているだけで楽しめる事が判明しました。
 そうなってしまうと「もしも」の話で盛り上がれるわけで、「そうねぇ、いつも使っているパン用の粉の会社、鳥越製粉株、1万株くらい買っときますか。」や「製鉄関係を買うか、それとも都市銀行を買うか、だな・・・」といった「絶対無理」な話が心地良くなってきます。(バカ)
 こういう「絶対無理」な話、というのは飲み会の席、特に男同士の飲み会の席には欠かせません。

「1億円あったら・・・どうする?」

 大抵、こんな「とてつもなく」「有り得ない」話から始まったりするのが「男の飲み会」というものでしょう、「男子会」などという耳障りの良い「会」ではなく「男の飲み会」であります。

「そうだな、まずはフェラーリ、かな。」

 お前!その前にガレージ付きの家だろ!と突っ込みたいところを抑えて更に聞いてみると、

「そして、銀座のクラブにでも繰り出すかな。」

 などと答えてしまうから「男の飲み会」は盛り上がってしまいます。銀座って「旭銀座」なんかの商店街と間違っていないだろうな、そう突っ込みたいところも抑えて更に聞くと、

「後は、マンション、買って、かな。」

 サラッと言いのけてしまうのも「男の飲み会」が成せる業なのか?ここまで来ると怖いものがありますな。
 
 しかし、考えなくてはならない事がひとつあります。仮に1億円あったら買う事ができるでしょう、1億円もあるのですから。

 この会話の落とし穴は「維持費」というものを無視しているところにあります。

 フェラーリを買ったらガソリン代、そして、自動車税が、マンションを買ったら管理費や固定資産税が、掛かる、という事を念頭に置かなくてはなりません。

「じゃあ、お前は1億円をどのように使うのだ!」

 そのように詰め寄られて聞かれてしまう可能性もありますが(ないよ)、そうですねぇ、私ならですか・・・

 優良株を1億円分買って、その配当金を店につぎ込んで頑張りますよ。

「本当か?そんな事言って、フェラーリ買うんだろ。」

 そのように疑問視する方がいらっしゃるかもしれませんが、そんな・・・買いませんよ・・・

 どうせ買うならフランス車の「シトロエン」でも買いますな。

 嗚呼、絶対無理な話って、楽しい。

















 
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愛を確かめ合う日には、真の「男のもてなし」が必要ではないか

2013-03-07 23:28:56 | Weblog
 今までの極寒に慣れていた、いや、極寒と同化しようと努力していたせいか、最近の暖かな日差しが大地を這うような日中は身体が溶けてしまうのではないか、と密かに心配してしまう今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 日差しに当たると溶けてしまうのではないか、と心配しながらも、その日差しで、その暖かさで、冬の間に凍てついてしまった心を溶かしておくれ、とも思ってしまいますから、気温が暖かくなるという事はこんなにも精神衛生上によろしいのか、と改めて思ってしまったりするわけです。(大げさ)
 しかし、2月14日のバレンタインデーで既にアツアツになってしまって凍てついてなどいないカップルさんもいるわけで、そういう人たちにしてみれば「言われてみれば寒かったですね」くらいの勢いなのでしょう・・・私はツンドラでしたよ、身も心も。
 バレンタイン司教に因んだ「バレンタインデー」は「愛を告白する日」でありましたが、それから1か月後の3月14日は「ホワイトデー」で「愛を確認する日」だそうです。
 愛を告白して付き合う事になったカップルが、たった1か月で愛を確認しなければならない、というのも脆い関係性を露呈しているようで疑問でありますが、どうも菓子業界が暗躍してそんなイベントを考えていそうですな。
 まぁ、それはいいとして、毎年この時期になるとブログのネタとして「チョコレートを貰ったのだから、男性諸君よ!手作りのお菓子を作り手渡しするのだ!」のような記事を書いて、男性の皆様方に女性へのケアを喚起していたのですが、今年はチョコレートをくれた女性を「手料理でもてなす」というのはどうですか!男子諸君よ!
 「正直、そういう時にどんな料理を作ったらいいのか、判らないんです・・・」そうでしょう、そうでしょうとも!作ったとしても「カレー」や「焼きそば」などのガッツリ系を得意とする一般男性には「女性をもてなす料理」というテーマは難しいのです。
 「いや、でも、ボクはカフェ系の料理、得意ですよ。」そのように横から顔を出す草食系男子もいそうですが、カフェ系の料理=女性をもてなす料理、という考えはどうでしょうか?それは「女性はこれが好きだ」と勝手に決めつけてしまったあなたの「ジェンダー(*)」がそうなだけで、実際は「ロコモコ丼」や「野菜のカレー・五穀米添え」などはそれほど好きじゃないかもしれないではないですか。(調子に乗って使っている(*)ジェンダーとは「社会的、文化的な性のありよう」などの意味を持つ用語でありますが、複雑なのでここでは割愛いたします。詳しくは2月16日の当ブログ記事「社会的文化的に作られた性別、性差について説明せよ、とある方が言った」をご覧ください)
 「じゃあ、何を作ればいいんですか!」そのように疑問を呈してくる男子諸君がいらっしゃると、いや、いる事を祈りますが、私の経験則で言いますと女性は「甲殻類」が好きでありますからそれを駆使して料理を作り、もてなそうではないですか。
 「“女性は甲殻類が好き”なんて決めつける事は、あなたの“ジェンダー”なんじゃないですか!」そのように突っ込んでくる方もいらっしゃるのではないか、と推測されますが、だまらっしゃい!「甲殻類が好き」というのは、この道27年のワシの経験則なんじゃよ!(なぜか、水戸黄門風)
 昔「レッドロブスター」のCMの冒頭でも女性が「海老、食べた~い!」と叫んでいたように、ほとんどの女性は甲殻類が好きです。
 「僕の彼女は、海老アレルギーなんですけど・・・」そういう人もいらっしゃるでしょう。そういう時は「ロコモコ丼」でお願いします。(投げやり)
 では、甲殻類をどうした良いのか?それも問題でしょう。私の経験則では女性は「クリーム物」や「チーズ系」も好きです。という事は、これで数式が出来上がるではないですか。
 
 問1 「x」を求めなさい。

「x」=(「甲殻類」+「クリーム」+「チーズ」)²

 「え~?難しいです・・・」この答えを導き出せない人がいるとは嘆かわしい、「x」=「蟹と海老のクリームグラタン」が正解です。
 「いや、私はフォン・ド・クリュスタッセ(甲殻類のだし汁)をレデュイール(煮詰める事)してからクレメ(生クリームで繋ぐ事)したものをソースとし、ロティール(ロースト)したオマール海老と合わせて、仕上げに削ったパルミジャーノ・レッジャーノ(イタリアのハード系チーズ」)を散らすものだと思っていました・・・」そんな事を言う方もいらっしゃるかもしれません・・・バカモノ!それじゃ、やりすぎでしょ!それは「x」の答えではありません。やはり、判りやすい「蟹と海老のクリームグラタン」が正解でしょう。
 先日、男の料理教室でもこの「クリームグラタン」というのをやりましたが、正確に、しかも、正式にやるには大変な労力が必要になります、しかし、そこをあえて挑戦するのが「男のもてなし」ではないでしょうか。
 では、作り方を説明しましょう。
 
 まず、「ソース・ベシャメル」を作ります。「なーんだ、ホワイトソースね。」などと舐めて掛かると100%失敗しますし、そういう気のゆるみが女性に対しても出てしまいますから気を付けましょう。
 鍋にバター100gを入れて加熱します。鍋を温めてからバターを入れると焦げる恐れがありますから気を付けましょう。バターが溶けたら弱火にして小麦粉100gを加えてかき混ぜます。溶けたバターに小麦粉が馴染んだらOKという考えはいけません。辛抱強く粉を炒め、粉っぽさが消えてサラッとするまで炒めるのです。そうなるまでの所要時間は約8~10分くらいかかるのではないでしょうか。
 そうなりましたら、温めた牛乳1リットルを徐々に加えます。最初は練っていくように、そして、だんだん、伸ばしてビロードのようにしてく過程には腕力も必要となります。つまり、これを作るには男に必要な忍耐力と腕力を要するのです、もうここから「もてなし」は始まっているのですよ。
 全て牛乳を入れ終わったら出来上がり、と思ったら大間違いです。バター100g、小麦粉100g、牛乳1リットルが混ぜ合わさったら過熱しならかき混ぜ、完全に粉っぽさを排除するのです。それには約30分くらいの時間を要するでしょう、愛を確かめる日なのだから我慢しなさい!
 ボテッとしていたベシャメルがトロ~となる頃が目安ですが、この擬音を参考にして頑張りなさい。そして、完成したら容器に移して表面が乾かないようにラップで密封するか、表面にバターを塗ります。
 因みに、これは前日仕込です。ですから、3月14日にもてなす場合は、前日の13日に仕込んでください。それくらい、2日掛けて作るのがある意味、もてなしの醍醐味でしょ。
 次の日、つまり、本番の日、前日のベシャメルを鍋に取り、弱火で加熱しながらスパチュール(ヘラ)で素早くかき混ぜていきます。
 そこに牛乳を少しづつ加えて延ばし、薄く濃度が付いているようなクリーム状に仕上げます。濃厚なのが好きな人は少し生クリームを加えてもいいでしょう。
 次に海老の殻を剥き、水洗いしてから水気を拭いて軽く塩、こしょうしてバターでソテーし、白ワインでフランベ(アルコールを飛ばす事)します。
 蟹は剥いてある物を買ってきても構いませんが、本気な人は蟹を茹でて自分で剥くでしょう。
 玉葱を薄くスライスしバターでしんなりするまでソテーしてから蟹の身を入れ混ぜておきます。耐熱皿に、ソテーした海老、玉葱と共にソテーした蟹、を並べ、上からソース・ベシャメルを流し、ミックスチーズを振り掛けてオーブンで焼きます。本気度の高い人はグリュイエールチーズとエメンタールチーズを使用しますが、それはやりすぎです。

 彼女を自宅に招き入れると鼻が利く彼女はこう言うでしょう、「何か、良い匂いするよね・・・」そうです、海老や蟹をソテーした匂いに纏わりつくクリームの柔らかい香り、そして、それを包括する焼けたチーズの香ばしい、それでいながら熟成しているような大人の匂い、それは、あなたと共に彼女をもてなしているのです。

 オーブンから出されたグラタンは焦げ目が付いていながら淵の方がまだグツグツと踊っています。

 これが、ホワイトデーのもてなしではないでしょうか!

「そんな面倒な事できるか!」

 あら、そうですか?でしたら、当店へ今すぐお電話ください。

 ホワイトデーに特別、この料理をお作りしますから。

 愛を確かめあう2人のために頑張って作りますよ。







 
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どこまで想いを込めるか、どこまで冷静になるか、それが問題だ

2013-03-06 22:26:38 | Weblog
 2月までの大雪が嘘のような晴れ間を見せる3月になりましたが、少しづつ春の匂いが立ってくる季節になってきたのか、と心が小躍りするような今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 今日、3月6日は「啓蟄(けいちつ)」でありますが、まだ雪が残っているため虫が土から這い上がってくる気配はありません。しかし、日中の日の差し方、その日の暖かさで雪が解けそれが土に染み入って湿気のある匂いを発し「春の匂い」を形成するのです。(たぶん)
 そして、その匂いがどこからともなく流れてくる頃、「卒業」という言葉も浮かんでくる、というものでしょう。(またそのネタか・・・)
 「卒業」と聞くと、やはり、それに因んだ歌などが連想されますが、「若者」にカテゴライズされるような人に「卒業に因んだ曲は?」と聞いてみると「3月9日」や「YELL」など全く分からない曲が出てきて私を困らせます。
 そこで「卒業の歌 人気曲投票ランキング」で調べてみましたところ、第1位は松任谷由実の「卒業写真」でありました。まぁ、お約束、と言ったところでしょうか。
 勿論、尾崎豊、斉藤由貴などもランクインしておりましたが、海援隊の「贈る言葉」が第2位だったのは意外でありました。まだ「坂本金八」は忘れられていないのですな。
 そして、先述の「3月9日」と「YELL」のアーティスト名を調べると「レミオロメン」と「いきものがかり」でした・・・あ、あぁ、そうだよね、そうそう、そうだったそうだった!レミオロメンとね、いきものがかり、ね、判る判る・・・判りますよ、当然。(全然知らない)
 しかし、新興「卒業ソング」のタイトルはそのものズバリ「卒業」の文字が入らないものが多く、そのタイトルだけを繋げていけば「卒業ソング」1曲できるのではないか、と思ってしまいました。
 試しにそのタイトルを使って歌詞を作ってみましょうか。(「」内は曲のタイトルです。アーティスト名は自分で調べてください)

     新・卒業

「さくら」咲き始める「3月9日」にボクらは「終わりなき旅」に出るのかな?

「卒業まで、あと少し」だと思っていたのに「桜色舞うころ」になっていたなんて・・・

「振り向けば」「栄光の架橋」の向こうで「YELL(エール)」を送ってくれた君に「絆」を感じたボクなのさ。

「無限大」の「道」へ向かって歩き始めるボクは「空も飛べるはず」だと「ハート」では判っている。

でも、まだ迷っている、「夢」への期待と「ALONE」の不安が「サラバ青春」にならないか。

「愛が呼ぶほうへ」ボクを導くのは「ハッピー☆マテリアル」な「オレンジ」なのかい?

「楓」の季節までまだ遠いけど「ありがとうのうた」を歌いながら「輝く君へ」「チェリー」なボクが綴るポエムは「奇跡」の「歩み」。


(卒業の歌 人気曲投票ランキング より引用)

 どうですか?こんなに「卒業」をほのめかす曲があるとは知りませんでしたが、繋げてみるとそれなりに歌詞になっているとは思いませんか?

「タイトルを強引に繋げただけだろ!」

 そのようなお言葉を頂きそうですが、いやいや、こういうのが良いのではないですか?判りませんがね。(無責任)

 このように突っ込まれるくらい強引な言葉は歌詞だけではなく料理名でもよくある事であります。
 例えば、

「ニョッキのイタリア風」

 確かに、フランス、パリでも「ニョッキ・ア・ラ・パリジェンヌ」という料理がありますから「イタリア風」と付いても良いようなものですが、冷静に考えてください、「ニョッキ(茹でたじゃがいもを裏ごしして卵、小麦粉でまとめて一口サイズにカットして茹でたパスタのようなもの)」はイタリア料理で、それをパリ風にアレンジしたから「パリジェンヌ」であります。
 元々、イタリア料理なんですから「ニョッキ」に「イタリア風」などと付ける事自体、ニョッキに対して失礼です、ニョッキはイタリアンなんですよ、基本的に。
 しかし、これはまだいい、まだいいですよ、何となく想像できますから。想像できない、又は、料理とかけ離れたネーミングを付けるのには疑問を感じます。
 例えば、魚介料理の名前が

「海からの贈り物 エーゲ海に捧ぐ」
 
 というのだったらどうしますか?
 「私の中でお眠りなさい・・・ってか!美しすぎると怖くなるのか!お前は!」と突っ込まずにはいられないでしょう。
 肉料理もそうです。例えば「牛頬肉の赤ワイン煮込み」がこんな事になっていたらどうでしますか。

「じっくり赤ワインが染み込んだ牛のほっぺた ブルゴーニュの想いでと共に」

 ワイン煮にブルゴーニュの回想が必要なのかどうか判りかねますが、無いよりはあった方がいいでしょう。しかし、それをメニューに載せる意味が分かりません。ブルゴーニュの想いでは自分の胸に仕舞ってください、としか言えませんな。
 それが許されるなら私にだって色んな所へ行った「想い出」はありますから、それをメニューに載せるだけですが、どうも、そういうのは得意じゃないものですから・・・

 言わぬが花、というと「東北人だからか?」とバカにされそうですが、いいんです、それで。

「じゃ、お前の料理名はどういうのなのだ!」

 そのように思われる方がいらっしゃると思われますが、そうですね、例えば、先日、酒田の魚屋さんと直接取引させていただく事になりまして、送ってもらった「ヤリイカ」が新鮮で良かったのです。それを使った前菜の名前は・・・

「港町酒田直送ヤリイカのタルタル ミント風味 海の風を受けながら飲み歩いた酒田の夜を思い出しながら・・・」

 でした。

 いやね、飲みすぎましてね、商談と称して飲んだ夜は。

 失礼いたしました。












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