ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

歳を重ねて体感時間が早くなると秋の夜長を感じれなくなるのかもしれない

2019-10-18 21:30:29 | Weblog
 ビルの2階にあります当店「ラミ・デュ・ヴァン・エフ」の厨房からは外が見えるようになっているのですが、日が落ちるのが早くなっているのを目の当たりにしますと「秋の日は釣瓶落とし」という言葉が浮かび(秋の日の急速に日が暮れるさまの形容)「このまま秋の夜長に突入するのですね」とひとり物悲しくなってしまう今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 「秋の夜長」と聞くとゆっくりした時間の流れみたいなものをイメージしますが私たち飲食店に従事する者は夜の営業が始まってしまえば時間の流れは速く、そして、気が付いたら閉店時間になっているという事がほとんどです。
 「歳のせいで時間経過が早く感じるだけなんじゃないですか?」などと元も子もないことを言われてしまうと頼まれてもいないのにバケツに氷水を用意し自ら被って「アイスバケツチャレンジ」をし(古っ!)雄たけびを上げながら泣き濡れたくなるものですが、確かに歳を重ねていくと時間経過が早く感じます。
 自分では変わらずに若いままだと思っていても否が応でもその「戻れない、戻せない歳」を痛感するのは若者と話をした時などであります。
 当店のホールマネージャーは以前の「マネージャー佐藤」ではなく(マネージャー佐藤氏は「ドンキー佐藤」で放送関係で活躍する傍ら某イタリアンでサービスをしています)若き「コシバくん」になりました。
 「コシバくん」はまだ「30歳」になったばかりで、20代の若者よりイっていると言えばそうなのですが私とはひと回り以上も離れている事になりますから「若い」と言っても差し支えないでしょう。
 彼はまだ私に話を合わせてくれるからいいのですが、今度忙しい時にスポットで入ってくれるアルバイトの人はまだ「19歳」。何を話せばいいのか?そんな時に「歳」を感じるわけです。
 試しに彼の父親の年齢を聞いてみたところ、予想はしていましたが私より年下でした・・・変わらずに若いと思っている自分を全否定されたような気になります。
 しかし、そうなるであろう事(歳の差問題)は致し方ない事です、仕方ないんです!(涙)
 彼(19歳)が私に話を合わせるという事は難しいでしょうから、私の方から彼に歩み寄る努力をしなければならない、と考え、仕込みの時は「JポップUSEN(ユーセン)ヒットチャート」という音楽をかけて最近の音楽事情を勉強する事にしたのです。(仕込みが忙し時はイライラするので全く聞いてません)
 例えば彼(19歳)に

「藤原さんってどういう音楽を聴くんですか?」

と話を振られた際にも

「まぁ、いろいろ聞くけど最近は〝あいみょん”かな・・・」

というようにです。(痛いですね、などと言わないように)しかしその流れで

「へぇ、ちなみにあいみょんの曲でマリーゴールド以外に好きな曲は何ですか?」

などとイジワルな質問をされてしまうとそのまままた自分に「アイスバケツチャレンジ」をかましてから寝たふりをしなければならないのでしょうが(別にアイスバケツチャレンジが好きなわけではありません)とりあえず掴みは何とかなりそうです。(この場合、米津玄師やOfiicial髭男dismでも可。だと思います)
 ただ、彼(19歳)は独特なファッションを着こなす(着こなしているか判断不能)男の子ですのでその話を振られたら完全に寝たふりをしなければならないでしょう、その前にワイン一本グイっと飲んで。

 そんな事を考えながらその事を「コシバくん」に相談してみると

「オレも何の話題振ろうかな、と思って・・・」

 との事でした。

 そうだよね、そうだよね。

 そんな事を考えたとき思ったのです。

 仕事の話すればいいんだよな、と。

 仕事の話がみんな共通の話題ではないか、と。

 その話でも合わなかったら・・・寝たふりします、ワイン一気飲みして。

(因みに、彼(19歳)は明るく性格も良いのでこちらに話を合わせてくれると思います。一応ネタとしてのこの話ですから)









 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

文章を長文化しようとするのは3年ぶりだからだろうか

2019-10-17 22:27:45 | Weblog
 いつの間にか「気温的に過ごしやすい季節」から「肌寒い季節」に移行し、その先にある「年末」が肩を叩こうとしている、そんな気にさせるのはこのところの寒さのせいなのかと思ってしまう今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 このブログをほったらかしにして3年ほど経ちましたが、先日久々に管理画面を開けてみたところ閲覧数がそれほど下がっておらず「こんなブログでも読んでいてくれる方がいらっしゃるのだな・・・」と万感の思いに浸り、そして、ブログをほったらかしにしていた自分を責め(大げさ)「少しづつでもまたブログ始めようかな・・・」そのように考えた次第でありました。
 「フランス料理 マチルダベイ」を閉店してから3年ちょっとが経過し、その間、実家の事、家族の事、自分の事を考えて山形駅前の某イタリアンレストランの料理長として仕事をさせていただきましたが、小さくてもいいからまた自分で店をやりたい、と考え、色んなところに相談したところ(色んなところとは公的機関だったりです)何となくその流れになり、業者さんの協力も頂いて新たな店「ラミ・デュ・ヴァン・エフ」を今年4月にオープンすることができました。協力していただいた方々には本当に感謝しております、ありがとうございました。
 「店名が覚えづらい」「店の名前を覚えるのがめんどくさい」「なぜマチルダベイにしなかったのか?」など色々お言葉を頂戴いたしますが、諸事情で突然提出書類に「新しい店名を書き込んでください」と言われ「えぇ!!」と思いながらも「どうせ後で、やっぱりこっちにします、的に変更できるかな?」などと軽く考えて昔から好きだった「L'ami du van(ラミ・デュ・ヴァン。ワインの友達という意。東京にある「ラミ・デュ・ヴァン・エノ」さんの店名と意味に感銘を受けておりました)」を頂戴し、そこに自分の名前をプラスしようと思ったのですが「フジ」ではカッコつかないよな、などその一瞬で考えて(公的機関の方が目の前におり「早く書け」オーラが凄かったもので・・・)とりあえず自分の名前の頭文字「F(エフ)」を付けてその場を収めました、が、やはり変更はできず、というか、もうそれで申請出してしまったのでこの店名になりますよね、普通。そしてこの店名になりました。(後戻りできません)
 今度オープンした店は「コース縛りのガチガチのフレンチ」というよりも「カジュアルに」というのを念頭に置いており、アラカルトを中心にしてますので(勿論、コースもご用意します)前菜一皿とワイン1杯、という使い方でも構いません。なんならワインだけでも構いませんけどね。自由に使ってやってください。
 そんなワタクシの新しい店「ラミ・デュ・ヴァン・エフ」よろしくお願いいたします。(覚えづらい場合「エフ」だけでいいですよ)
 ただ、またブログはこちらでやらせて頂こうかな、と思います。「マチルダベイ」にも思い入れはありますし、マチルダベイ時代のお客様も多いことですので、前のように頻繁には更新できないと思いますがお読みいただければ幸いです。

 さて話は変わりますが(ここからが本編です)、今回新店オープンに際し店づくりの中でも一番考えたのは当然でありますが「厨房」でありました。店舗面積がそれほど大きくないというのもありますが、給排水位置の関係上店のエントランス脇に厨房を配してオープンキッチンにしたので厨房内が丸見えです。(マチルダベイもそんな感じでしたが)
 ホールの客席数を優先的に考慮して厨房を考えると面積的に広くは取れないので厨房自体は狭いのです。ただ、一人仕事ですので厨房機器を充実させることによって仕込みのスムーズさと的確さが得られるのかな、と考え、以前から欲しかった「真空包装機」を導入し、プラス「ウォーターバス」つまり低温調理器(恒温水槽。一定の温度を保つお湯の中で間接的に加熱する調理器具)も導入しました。
 「真空包装機」と「ウォータバス」はワンセットと言いましょうか、真空包装した食材をウォーターバスの中で低温調理する、という一連の流れになるわけです。
 例えば、パサつきがちな鶏胸肉を調理する場合、鶏胸肉に下味をつけて真空包装し60℃のウォーターバスで30分低温調理をするとしっとり仕上がる、という感じであります。
 これは豚肉だろうが牛肉だろうが加熱温度と時間のデータを取れば比較的簡単にできる所謂「真空調理」というものです。このやり方を応用すれば他の調理にも応用できると考えたのですが意外とそうでもない、と言いますか、壁にぶち当たったりするものです。
 以前、白身魚のムースをラップで巻いて棒状にし、それを真空包装し低温調理すれば、と考え実践してみたのですが、真空包装での減圧する過程で白身魚のムース自体が膨張してしまう事が判明しました。しかも、減圧する真空度を下げたところで潰れてしまうことも分かりムースリーヌ(魚やホタテなどをすり身にして卵白や生クリーム、バターを加えて加熱する料理)物は無理なのか、と諦めておりましたが、ふとした時に「真空包装にしようとするから膨張するわけで違う方法で脱気すればいいのではないか」と思い、実家に置いてきた脱気包装機(ショップジャパンなどでお馴染みのアレです)を持ってきて再度チャレンジしたのです。(諦めの悪い男)
 以前と同じように白身魚のムースを作りラップで巻いて棒状に整形し脱気包装機でラッピングしてみるとやはり潰れることなく、いや、棒状を保ったまま包装されました。あとはウォーターバスに入れ68℃で1時間半加熱し(加熱時間は形状の大きさによって変わります)氷水に入れて急冷します。
 元々白身魚のムースなどはテリーヌ型に入れてオーブンで加熱するかラップで巻いてお湯の中で加熱するかなので「大発見!」というわけでもないのですがガスレンジでお湯を沸かし80℃キープで加熱するよりウォーターバスの方が低温でしっとり火が入るように感じますし簡単であります。
 
 そんな感じで現在は仕事を頑張っていきたいな、と思い、そして、またもやブログが長くなってしまったな、とも思うわけです。

 久々に、本当に久々にブログを書いてみました。(3年ちょっとぶり)

 「マチルダベイ」という店はもうありませんが、このブログの中に「マチルダベイ」が存在していてもいいのかな、と思いブログを更新する事にしました。

 でも、現実的には「ラミ・デュ・ヴァン・エフ」をよろしくお願いしますね。







 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする