ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

LET'S GET LOST

2006-09-28 03:26:17 | Weblog
ちょっと分かりにくい写真かもしれませんが、これは少し前までアルバイトしていた工藤君が店の為に作ってくれた店名入りのフォトアートです。
その工藤君は、9月14日にフランスへ飛び立っていきました。(料理修行ではなく洋服の裁断師の勉強にいったのです。)
初めての海外長期生活で何かと大変でしょうが、がんばってもらいたいものです。
もし彼が有名なアパレルデザイナーになった暁には、このフォトアートにはプレミアが付くのか楽しみなところでもありますが・・・

実のところ私も一年ほどオーストラリアに住んでいたことがございまして、海外長期生活の大変さは身を持って体験したつもりでございます。
なにせ宿泊先と仕事先も決まっておらず、その上英会話は小学生レベルという状態で渡豪したものですから、なんとか空港を降り立ってもバスの乗り方が分からないという常にピンチな状態の連続でありまして、それでも何とかバスとタクシーを乗り継いで仕事をさせて貰おうと向かった先は、和久田哲也氏率いる「TETUYA'S」(オーストラリアで最も予約が取れないアッパーな人達が集まるレストラン)でしたが、すでに移転しており跡形もなくタクシーの運ちゃんにも無理言って探してもらったのですが、最後は「諦めなさいよ」みたいな言葉を掛けられて撃沈してしまいました。
その後、何とか自力で物凄くリーズナブルで、とっても治安の悪いホテルを取ってしばらく仕事が見つかるまで住んでいましたが、これがまた住めば都で楽しかったりするのです。周りは大変な人達だらけでしたが・・・

私の持論で、「治安の悪そうな所にはうまい店が集まる」というのがありまして、この地域も例外ではありませんでした。
イタリアン、タイ、ベトナミーズ、レバニーズ、マレーシアン、インドネシアン、インド、そして後ろを振り向けば、チャイナタウンという好立地であることを知ると毎日のように食べ歩いたのでした。
仕事が見つからないというのを理由にして。
しばらくしてビジネス街のど真ん中にあるレストランで働く事になるのですが、
毎日フラフラと食べ歩き、彷徨っていたのも今となれば勉強だったのかと思ったりするのです。
だから工藤君にもフランスで彷徨いながら勉強してほしいと願って止みません。

LET' GET LOST!(彷徨おう!)
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まかないの極意 其の壱

2006-09-25 14:29:02 | Weblog
 この世界に入りたての頃、食材を無駄にするなという事を口すっぱく言われてきたものでした。ゆえにお客様に出せない物はまかないに廻される運命になるのですが・・・
 なかには、えー!これもっスか?みたいなものや、さすがにこれはどうでしょう?のようなものもあるのです。当然。

 今まで出会ったソノ手の食材を上げますと、
朝、市場から着いたばかりのアンコウを掃除していたら口から逆流と言いましょうか、胃袋の中からお魚たちが一斉に逃げ出して来たと言いましょうか、アイナメやハタハタがザックザック状態になったのですが、よく見ると頭が溶けて無いものや尻尾から溶け出しているものまでいたのです。
勿論その日の朝食まかないになったのですが、これが意外とおいしいのですよ。原型を思い出さなければ。
そのような事がよくありました。

余談ではありますがその頃片岡鶴太郎さんが
「胃液吐くまで」という曲をリリースしておりました。

それはいいとして、この写真の丼物はうちのまかないの牛丼ですが、通称「フォンドヴォー牛丼」と言いまして、読んで字のごとくフォンドヴォーを取ったあとの子牛の筋や骨の周りの肉を集めて、だし、みりん、砂糖、醤油で再び煮込み、玉ねぎと糸こんにゃくを入れてさらに煮込んだ牛丼ということになります。
 この牛丼の特徴は、フォンドヴォーを取った際に油脂と旨味をガッチリ吸い取られていますので味がありません。その分カロリーもありませんから胃へのふたんもありません。しかも筋というか繊維だけなので次の日のお通じが良過ぎます。
繊維質を気にしなければおいしいですよ。普通に。
あとの問題は器ですかねー。売ってくれないかな、吉野屋さんで。
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パンの話

2006-09-23 17:32:58 | Weblog
この店をオープンした頃、パンはパン屋さんから購入しておりました。実は。
一年たったあたりから心にも仕事にも余裕が出てきたのでパンを自家製に切り替えることにしたのですが、どんなパンにするのか?粉は何を使うのか?など考えると一日の酒量も右肩上がりになったのでした。
まず最初に作ってみたのは、薄力粉と強力粉を25%ずつに全粒粉50%塩と砂糖が2%ずつドライイーストが2%に水が68%というかなり重めのパンでしたが、全粒粉の香りが強すぎるので料理の邪魔をするのでは?との声で却下。
次にライ麦を40%の配合したパンはまずまずだったので、この線でいくことにしました。
しかし今度は小麦粉の質の問題に直面したのですが、これは業者さんに頼んで鳥越製粉のフランスパン用中力粉を取り寄せて貰うことで解決しました。
その後、試行錯誤しながら今の形になったのですが、何故そこまでするのか?と思われる方もいらっしゃるでしょう、もちは餅屋じゃないの?とおっしゃりたい方もいらっしゃるでしょうとも。
実はわたくし事で恐縮ですが、昔三年ほど横浜のパン屋に勤務していたことがありまして、まー昔取ったなんとやらというヤツでございます。
調子に乗って種類も増やそうとしたのですが、さすがにそれは大変だろうということになり単一種でがんばることとなりました。
興味のある方は一度お試しください。

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ここがお店の心臓部です。

2006-09-19 17:00:26 | Weblog
ここがマチルダベイのキッチンです。フルオープンなので、カウンターに座ると全て見ることができます。お客様と対話しながらの料理作りもできるので楽しいのですが、反面見られているということでもあるので緊張もしますね。特に料理に詳しすぎる方が座ると・・・。
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マチルダベイ ブログ開設しました。

2006-09-19 14:29:50 | Weblog
マチルダベイ ブログ開設しました。
これから料理にまつわる話や情報を書いていきたいと思います。

『マチルダベイ』公式ホームページも開設しておりますので、
こちらもチェックしてみて下さい。

http://matildabay.net/
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