その存在を知ったのはフェイスブックでのある投稿でした。
私の中学の同級生である女性がフェイスブック(以下FB)にその画像と共に「JA直売所にて“ハックルベリー”というものを購入。早速、ジャムにします。(原文は若干違います)」という文章があげられていたのです。
その記事を目にして「ハックルベリー?・・・へぇ~・・・」くらいにしか思っていなかったのですが、その画像をよく見るとブラックベリー系にありがちな枝付きの丸く黒っぽい果実でありました。
本来ならばそこで終わってしまう話なのですが、しばらくして「あの“ハックルベリー”という果実はちゃんとコンフィチュール(ジャム)に仕上がったのだろうか・・・」と、なぜか気になってしまい、彼女のコメント欄を覗いてみると大変な事実が判明したのです。(大げさ)
「アクが強いというので、重曹を入れたお湯で煮こぼしてからグラニュー糖で煮てレモン汁を入れたのだが美味しくない」とのコメントが載せられており、しばらくするとコメントには「美味しくない」という表現から「不味い」という表現に変わっておりました。
「不味い」。世の中に、そんなに「不味い」ものは存在するのでしょうか?その文章を読む限り、アク抜きもしており、グラニュー糖の量も適度なものだったように思えます。という事は人為的ミスで不味くなったとは考えにくい状況なのです。
つまり、「ハックルベリー」自体、それほど美味しいものではない、と判断できます。そうなると「ハックルベリー」なるものの存在が気になってきます。
ネットで調べてみると「ハックルベリー」という名前から「ベリー系」の果実だと思っていたのですが、「ナス科ナス属イヌホオズキ類」という「野菜系」である事が判明。しかも、更に調べてみると「食べられるのは実だけで、ガクなどにはソラニンという有毒な成分が含まれています」と書かれておりました。
そうなると気になるどころか、「どんな味なのか」「どれほど不味いのか」という興味の方が強くなり、ついにはコメント欄に「どれほど不味いのか興味があるので送ってほしい」と懇願する事となったのです。
そんなやり取りがあり、今日、その念願の「ハックルベリーのジャム」が届きました。ありがとうございました、荒川さん。興味のあるものを味わえ、しかも、ブログのネタにもなる、という一石二鳥的な品物に深く感謝いたします。(ブログのネタにする事は、事前に本人に伝えております)
届くや否や食べる(届くと同時に食べる)、というのは若き者の無作法な食べ方。ここはひとつ、いま一度「ハックルベリー」というものに想いを馳せ、どういう物なのかを自分の中に叩き込んでから食べ味わいたいものです。
おさらいすると、「ハックルベリー」とは「ナス科ナス属イヌホオズキ類の食用の実であり、食べられるのは実だけでガクにはソラニンという有毒な成分が含まれているものであります。
ここまでおさらいして、更に興味深く思ったのは「ナス科ナス属」で「ソラニン」という「有毒な成分が含まれてる」という点であります。つまり、この「ハックルベリー」は「ナス科ナス属」「ソラニン」という共通点で「じゃがいも」と親戚関係にあると思われるのです。
という事は、「ナス科ナス属」の親玉「茄子」、その血統である「じゃがいも」、そして「ハックルベリー」は同じ血で繋がっているわけですから料理に使っても何ら問題はない、いや、料理に使ってこそ、その真価を発揮できる、とは考えられないでしょうか。
頂いた「ハックルベリーのジャム」の瓶を眺めながら私はそう考え、そして、味見をする事にしたのです。

(これが現物です。これを見ただけでは普通のブラックベリー系ジャムにしか見えません)
どんなふうに不味いのか、「恐る恐る」ではなく「ワクワク」しながらひとくち口に含んでみると・・・小豆を煮たものに若干、バターを加えたようなどことなくオイリーな風味、それはハックルベリーそのものが発する香りではなく、適度な糖分(たぶん糖度60%までないと思われます)と加えたレモン汁が煮詰まる事によってハックルベリーのかすかな香りを押し上げたのではないでしょうか。
煮詰められた果実を噛むと少し硬めの小さい種を感じますが、この種も噛んでみると大きくなりすぎた茄子の種に似た食感があり、その後に口に残るハックルベリーの皮は、ピーマンやししとう、なんばんを煮付けたものを食べた時に口に残る皮に似ています。もしかすると、食感だけなら苦みのないピーマンのコンフィチュールと大差がないかも知れません。(味は別として)
「不味い」の定義は人それぞれかも知れませんが、私が食べた限り、これを「不味い」とは評価できません。
生の状態のハックルベリーを食べていませんから「ハックルベリーのジャム」に限定されますが、作った本人が自虐的に言うほど不味くはありませんし、私はむしろ「美味しい」方に分類できる「可能性のある食べ物」と思います。
「フランスの田舎町で売っているジャムです。」と言われて出されたら「へぇ、こういうのなんだ・・・」と思えてしまうくらい、ちょっぴり欧米チックな風味さえ持ち合わせています。(フランスにはルバーブジャムという野菜のジャムがあるくらいですから)
さて、その使い方ですが、「パンに塗って」や「デザートに」というのは正直、おすすめ出来ません。従来の「ジャム」という概念で食べてしまうと「果物感」がなく、どうしても違和感を覚えてしまうからです。(欧米人に成り切って、そっちの味覚で食べるぶんには問題ない、と思われますが)
では、「パン」や「デザート」に使用できない「ジャム」をどうするか?答えはひとつ、料理に合わせればいいのです。
「丸鶏のロースト」や「七面鳥のロースト」などのシンプルに焼いただけの淡白な肉(丸鶏の場合は胸肉)には高相性だと思われますし、カルダモンやクミンといったスパイス類にも合うと思いますのでカレーに加えたり、白ワインと共に煮詰めて甘めのソースを作る時にベースとして使用しても悪くありません。
だからと言って積極的にハックルベリーを仕入れてジャムを作るか、となるとまた話は違ってくるのですが(おいおい)、気になった「未知の味」という部分はクリアしました。
私が思う「不味い」は人為的なミスではなく、ちゃんと作ったのに10人中9人以上が「不味い」という評価するものだと思います。
私以外にも「不味くない」というジャッジを下して欲しいものですが、作った本人がダメジャッジを下してますから・・・ビミョーであります。
興味のある方は是非いらして味を見て頂きたいですな。そして、ブログのネタを・・・ください・・・
私の中学の同級生である女性がフェイスブック(以下FB)にその画像と共に「JA直売所にて“ハックルベリー”というものを購入。早速、ジャムにします。(原文は若干違います)」という文章があげられていたのです。
その記事を目にして「ハックルベリー?・・・へぇ~・・・」くらいにしか思っていなかったのですが、その画像をよく見るとブラックベリー系にありがちな枝付きの丸く黒っぽい果実でありました。
本来ならばそこで終わってしまう話なのですが、しばらくして「あの“ハックルベリー”という果実はちゃんとコンフィチュール(ジャム)に仕上がったのだろうか・・・」と、なぜか気になってしまい、彼女のコメント欄を覗いてみると大変な事実が判明したのです。(大げさ)
「アクが強いというので、重曹を入れたお湯で煮こぼしてからグラニュー糖で煮てレモン汁を入れたのだが美味しくない」とのコメントが載せられており、しばらくするとコメントには「美味しくない」という表現から「不味い」という表現に変わっておりました。
「不味い」。世の中に、そんなに「不味い」ものは存在するのでしょうか?その文章を読む限り、アク抜きもしており、グラニュー糖の量も適度なものだったように思えます。という事は人為的ミスで不味くなったとは考えにくい状況なのです。
つまり、「ハックルベリー」自体、それほど美味しいものではない、と判断できます。そうなると「ハックルベリー」なるものの存在が気になってきます。
ネットで調べてみると「ハックルベリー」という名前から「ベリー系」の果実だと思っていたのですが、「ナス科ナス属イヌホオズキ類」という「野菜系」である事が判明。しかも、更に調べてみると「食べられるのは実だけで、ガクなどにはソラニンという有毒な成分が含まれています」と書かれておりました。
そうなると気になるどころか、「どんな味なのか」「どれほど不味いのか」という興味の方が強くなり、ついにはコメント欄に「どれほど不味いのか興味があるので送ってほしい」と懇願する事となったのです。
そんなやり取りがあり、今日、その念願の「ハックルベリーのジャム」が届きました。ありがとうございました、荒川さん。興味のあるものを味わえ、しかも、ブログのネタにもなる、という一石二鳥的な品物に深く感謝いたします。(ブログのネタにする事は、事前に本人に伝えております)
届くや否や食べる(届くと同時に食べる)、というのは若き者の無作法な食べ方。ここはひとつ、いま一度「ハックルベリー」というものに想いを馳せ、どういう物なのかを自分の中に叩き込んでから食べ味わいたいものです。
おさらいすると、「ハックルベリー」とは「ナス科ナス属イヌホオズキ類の食用の実であり、食べられるのは実だけでガクにはソラニンという有毒な成分が含まれているものであります。
ここまでおさらいして、更に興味深く思ったのは「ナス科ナス属」で「ソラニン」という「有毒な成分が含まれてる」という点であります。つまり、この「ハックルベリー」は「ナス科ナス属」「ソラニン」という共通点で「じゃがいも」と親戚関係にあると思われるのです。
という事は、「ナス科ナス属」の親玉「茄子」、その血統である「じゃがいも」、そして「ハックルベリー」は同じ血で繋がっているわけですから料理に使っても何ら問題はない、いや、料理に使ってこそ、その真価を発揮できる、とは考えられないでしょうか。
頂いた「ハックルベリーのジャム」の瓶を眺めながら私はそう考え、そして、味見をする事にしたのです。

(これが現物です。これを見ただけでは普通のブラックベリー系ジャムにしか見えません)
どんなふうに不味いのか、「恐る恐る」ではなく「ワクワク」しながらひとくち口に含んでみると・・・小豆を煮たものに若干、バターを加えたようなどことなくオイリーな風味、それはハックルベリーそのものが発する香りではなく、適度な糖分(たぶん糖度60%までないと思われます)と加えたレモン汁が煮詰まる事によってハックルベリーのかすかな香りを押し上げたのではないでしょうか。
煮詰められた果実を噛むと少し硬めの小さい種を感じますが、この種も噛んでみると大きくなりすぎた茄子の種に似た食感があり、その後に口に残るハックルベリーの皮は、ピーマンやししとう、なんばんを煮付けたものを食べた時に口に残る皮に似ています。もしかすると、食感だけなら苦みのないピーマンのコンフィチュールと大差がないかも知れません。(味は別として)
「不味い」の定義は人それぞれかも知れませんが、私が食べた限り、これを「不味い」とは評価できません。
生の状態のハックルベリーを食べていませんから「ハックルベリーのジャム」に限定されますが、作った本人が自虐的に言うほど不味くはありませんし、私はむしろ「美味しい」方に分類できる「可能性のある食べ物」と思います。
「フランスの田舎町で売っているジャムです。」と言われて出されたら「へぇ、こういうのなんだ・・・」と思えてしまうくらい、ちょっぴり欧米チックな風味さえ持ち合わせています。(フランスにはルバーブジャムという野菜のジャムがあるくらいですから)
さて、その使い方ですが、「パンに塗って」や「デザートに」というのは正直、おすすめ出来ません。従来の「ジャム」という概念で食べてしまうと「果物感」がなく、どうしても違和感を覚えてしまうからです。(欧米人に成り切って、そっちの味覚で食べるぶんには問題ない、と思われますが)
では、「パン」や「デザート」に使用できない「ジャム」をどうするか?答えはひとつ、料理に合わせればいいのです。
「丸鶏のロースト」や「七面鳥のロースト」などのシンプルに焼いただけの淡白な肉(丸鶏の場合は胸肉)には高相性だと思われますし、カルダモンやクミンといったスパイス類にも合うと思いますのでカレーに加えたり、白ワインと共に煮詰めて甘めのソースを作る時にベースとして使用しても悪くありません。
だからと言って積極的にハックルベリーを仕入れてジャムを作るか、となるとまた話は違ってくるのですが(おいおい)、気になった「未知の味」という部分はクリアしました。
私が思う「不味い」は人為的なミスではなく、ちゃんと作ったのに10人中9人以上が「不味い」という評価するものだと思います。
私以外にも「不味くない」というジャッジを下して欲しいものですが、作った本人がダメジャッジを下してますから・・・ビミョーであります。
興味のある方は是非いらして味を見て頂きたいですな。そして、ブログのネタを・・・ください・・・
返信が遅くなりまして大変申し訳ございませんでした。