先日、お客様とお話しをしていたら、
「アワビがあまり好きではない。」
とおっしゃられるお客様がいらっしゃいました。
単純に考えれば、「余計な出費をしなくていいな」や「家計にやさしいですね」とも思えるのですが、よくよく話を聞いてみたら
「貝類全般が好きではない。」
とのことでした。
人の食の好みですから、好き嫌いはあって当然なのですが、貝類が好きな私にとっては
「なぜ?あんなにおいしいのに。」
とも思えるのでした。
貝類の中で好きなものは色々ありますが、貝の身も勿論、肝にもおいしさを感じるのは私だけではないと思われます。
アワビなどがその代表格なのでしょうが、赤貝なども侮れません。
ただし、赤貝の肝の場合、「危険」とされていますから、ある程度の覚悟が必要でしょう。
体があまり丈夫でない方にはお勧めできません。
たぶんお店にそれがあったとしても、お店側はお客様には出さないのではないでしょうか。「危険」ですから。
私が貝の肝のおいしさに目覚めたのは未だ10代の頃でした。
その頃まだ下っ端だった私は、洗い物と掃除と魚の下処理が毎日の日課で、魚や貝類などの名前すらもうる覚えな状態でした。
ある日、アワビの肝を捨てるように命じられた事があったのですが、何か、もったいないな、という気持ちが出て、先輩に
「アワビの肝って食べられないんですか?」
と聞いてみたところ
「食べられるよ。食べたかったらたべれば?」
と笑って答えてくれました。
早速、わさび醤油で食べてみる事に。
するとこれがメチャクチャおいしいのですよ。
磯くさい、といいましょうか、海の香り、と言いましょうか。
それ以来病みつきになってしまいまして、諸先輩方にお願いをして貝の肝を取って置いてもらうようになりました。
しかし、赤貝の肝だけは禁じられており
「毒があるから絶対食べるな。」
と、注意されておりました。
「食べるな」と言われると、どうしても食べたくなってしまうのが人間の性。
そのチャンスを日々狙っていたところ、赤貝の肝を捨てて来い、という命令が下り、捨てる振りをして食べてみる事にしました。
これもまたうまい!
危険と隣り合わせだから余計においしさが増すのでしょうか?
アワビの肝よりも、繊細な感じがしました。
しかし、運が悪い事に、食べている現場を先輩に見つかってしまい、こっぴどく怒られる事になったのでした。
その日の仕事後に、その先輩に呼ばれ、居酒屋で説教を頂く事になったのですが、一通り説教を頂いた後
「赤貝の肝ってうまかった?」
と聞いてくる先輩に、私はニヤニヤしながら
「まずかったッスよ。かなり。」
と一言言うと
「ふーん。」
と流していた先輩でした。その日は。
次の日の仕事の最中、先輩がニヤニヤしながら私の方に近づいてきて
「赤貝の肝って、まずいな!」
と意味ありげに言い放ち、笑いながら仕事をしていました。
おいしかったのでしょう。とても。
皆様も機会があれば、赤貝は危険ですので、アワビの肝をご賞味ください。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが。
「アワビがあまり好きではない。」
とおっしゃられるお客様がいらっしゃいました。
単純に考えれば、「余計な出費をしなくていいな」や「家計にやさしいですね」とも思えるのですが、よくよく話を聞いてみたら
「貝類全般が好きではない。」
とのことでした。
人の食の好みですから、好き嫌いはあって当然なのですが、貝類が好きな私にとっては
「なぜ?あんなにおいしいのに。」
とも思えるのでした。
貝類の中で好きなものは色々ありますが、貝の身も勿論、肝にもおいしさを感じるのは私だけではないと思われます。
アワビなどがその代表格なのでしょうが、赤貝なども侮れません。
ただし、赤貝の肝の場合、「危険」とされていますから、ある程度の覚悟が必要でしょう。
体があまり丈夫でない方にはお勧めできません。
たぶんお店にそれがあったとしても、お店側はお客様には出さないのではないでしょうか。「危険」ですから。
私が貝の肝のおいしさに目覚めたのは未だ10代の頃でした。
その頃まだ下っ端だった私は、洗い物と掃除と魚の下処理が毎日の日課で、魚や貝類などの名前すらもうる覚えな状態でした。
ある日、アワビの肝を捨てるように命じられた事があったのですが、何か、もったいないな、という気持ちが出て、先輩に
「アワビの肝って食べられないんですか?」
と聞いてみたところ
「食べられるよ。食べたかったらたべれば?」
と笑って答えてくれました。
早速、わさび醤油で食べてみる事に。
するとこれがメチャクチャおいしいのですよ。
磯くさい、といいましょうか、海の香り、と言いましょうか。
それ以来病みつきになってしまいまして、諸先輩方にお願いをして貝の肝を取って置いてもらうようになりました。
しかし、赤貝の肝だけは禁じられており
「毒があるから絶対食べるな。」
と、注意されておりました。
「食べるな」と言われると、どうしても食べたくなってしまうのが人間の性。
そのチャンスを日々狙っていたところ、赤貝の肝を捨てて来い、という命令が下り、捨てる振りをして食べてみる事にしました。
これもまたうまい!
危険と隣り合わせだから余計においしさが増すのでしょうか?
アワビの肝よりも、繊細な感じがしました。
しかし、運が悪い事に、食べている現場を先輩に見つかってしまい、こっぴどく怒られる事になったのでした。
その日の仕事後に、その先輩に呼ばれ、居酒屋で説教を頂く事になったのですが、一通り説教を頂いた後
「赤貝の肝ってうまかった?」
と聞いてくる先輩に、私はニヤニヤしながら
「まずかったッスよ。かなり。」
と一言言うと
「ふーん。」
と流していた先輩でした。その日は。
次の日の仕事の最中、先輩がニヤニヤしながら私の方に近づいてきて
「赤貝の肝って、まずいな!」
と意味ありげに言い放ち、笑いながら仕事をしていました。
おいしかったのでしょう。とても。
皆様も機会があれば、赤貝は危険ですので、アワビの肝をご賞味ください。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが。