ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

土曜から日曜に掛けて寝れない男の独り言とは

2010-10-31 18:56:26 | Weblog
 まず始めに謝罪しなければなりません。お気づきの通り、今朝、ランチメニューをアップしませんでした。
 言い訳も含め、正確に言わせていただくならば「出来ませんでした。」になると思われます。
 土曜の夜から日曜の朝にかけては何が起きるか判らない状況でして、昨晩もそうでした。
 お陰様で昨日の営業は満員御礼だったのですが、料理を出し終わり、鍋などの洗い物をし、食器の洗い物に着手し、終わりの目途(めど)が立ったのが午前12時少し前。それからマネージャーと新しく使うかもしれないワインのテイスティングをしながら今日の営業の反省を話し合ったのが12時半過ぎでノーゲストになったのでそろそろ閉めようか、と話にあったのが午前1時少し前でした。
 そんな時に限って来るものなんです、同業者が。同業者の彼と話をしながらワインを飲んで気がついたら2時半、彼が帰り、掃除をし厨房を磨き、床をモップで拭き終わったのが午前4時でした。
 ランチの仕込みなども考えると目標起床時間は「7時半」でしたから単純に考えると3時間半しか眠れません。
 それで帰宅と当時に布団に潜り込んだのでした。
 という事で、事後報告になりますが、ランチメニューの説明行きましょうか!(もう遅いんですけどね)


        10月31日(日)ランチメニュー(でした)

        前菜

・アオリイカのグリエとトマトのマリネのサラダ仕立て

        又は

・50℃で加熱した鶏胸肉 山形産米のソース ハーブ風味


        本日のスープ

・4種のきのこのスープ


        メイン

・本日のお魚のポワレ アスパラ菜のソテー 白ワインヴィネガー風味のバターソース

        又は

・豚ロース肉と里芋のロースト ジュ・ド・ポール


        本日のデセール

・ガトーショコラとヴァニラのムース


 以上になります。

 前菜でお出しした「アオリイカ」は、鮮度が良く、肉厚で甘みがあり私の中でおすすめでした。
 だからといって他の物はおすすめではない、という意味ではありません。鶏胸肉は50℃をキープしたフォン・ド・ヴォライユでポシェ(茹でる)しているので身質が硬くならずジューシーさを含んでおりました。
 今日の魚は「鱸(スズキ)」でありましたが、昨日活け締めしたやつで刺身でも食べれる代物でした。
 豚ロース肉は、1,5キロのブロックのまま表面を焼き、休ませて、200℃のオーブンで5分焼き、休ませて、という作業を1時間繰り返し開店時間の11時半に丁度良く火が入る、というのを計算して調理したものです。
 鶏胸肉もそうですが、豚ロース肉も火を入れすぎてしまうとパサつき、身質も硬くなりがちでジュ(肉汁)も多く流れ出るものです。
 5分焼く、5分休ませる、という作業を繰り返す事により豚肉の繊維の縮みを防ぎ、且つ、ジュを肉内部に閉じ込める事ができる、と私は考えております。
 「料理本に載っている事だろ!」そのように思われる方もいるでしょう。しかし、料理には本では判らない「経験値」というのが必要になります。
 本の通り調理しても経験値が追いつかなければその作業の意味を掴めず、表面だけの料理になってしまいます。
 因みに、5分焼く、5分休ませる、という肉の焼き方を本で見かけた事はありませんが、これが俺のオリジナルだ!と言い切れるほどのものではありません、やり込んでいるうちに「この焼き方だな。」と思って実行しているだけですから。

 来週こそはランチメニューを日曜日の午前中に見れるようにアップしたいと思いますのでお時間のある方はご覧ください。

 
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同志が集まり飲食をする会、その名称は・・・

2010-10-29 23:18:58 | Weblog
 ちょっと判り辛いかも知れませんが上記の写真は当店のショップカードで、昨日出来上がったものです。
 しかし、今回作っていただいたショップカードは通常の1種類ではなく、6人のデザイナーが当店をイメージして各々デザインした6種類のショップカードであります。
 店名、住所、コースの紹介、私のメッセージ、と内容は一緒でありますから字体やデザインが6人6様でありますので、気付かないと6店舗を展開しているような錯覚に陥ってしまうでしょう。(大げさ)
 今回は、マネージャーのお知り合いであります「ユナイテッド・フロント・アド・ネットワーク」の原さんという方にお願いしてこのような企画になったわけですが、「ユナイテッド・フロント・アド・ネットワーク」と今でも一発で言えるか不安でありますし、酔っている時なら確実に言えません、そんな、「ユナイテッド・フロント・アド・ネットワーク」さん(しつこい!)、いや、原さん、良い仕事していただきましてありがとうございました。
 因みに、「ユナ・アド(急に思いっきり省略)」さんの今まで手がけた仕事は、山形の方しか判らないと思いますが、「だまされちゃいやいや~♪振り込んじゃダメダメ~♪」とオヤジ声楽隊が歌う「振り込め詐欺撲滅キャンペーン」のCMを製作した会社であり、原さん個人は「ミッドナイト・ミーティング」という伝説のローカルテレビ番組を手がけた人でもあります。
 そんな方を筆頭に、当店のロゴマークや名刺のデザインを担当していただいたデザイナーさん、フリーのデザイナーさん、など6名の方に思い思いの「マチルダベイ」を表現していただきました。
 私的にはどのショップカードも甲乙付けがたい出来ではないか、と思っておりますので、気になる方はご来店いただき、6枚持ってちゃってください。そして、デザイン関係の相談事がある時には気になるデザイナーさんへご連絡してみては如何でしょうか。
 
 さて、話は変わりますが、最近、私の中で気になるのがたまに見かける「女子会プラン」という飲食店の企画であります。
 とある店の黒板にも「女子会プラン」と大き目の字で書かれてあり、その下に「女性限定です」と念を押すように書き添えてありました。
 男性も紛れ込む「女子会」が過去にあったのか不明でありますが、「女子会」は人気のようですな。
 「女性のみの食事会」との違いがいまひとつ明確ではありませんが、言葉にした時、イメージとして可愛らしく思えるのではないでしょうか。
 何歳まで女子ですか?などと不遜な事を直接的には言いませんが、それらしき事をほのめかすと「女子は女子でいいじゃないですか!年齢なんか関係ないんです!女子は永遠に不滅です!」などと言われる可能性があります。
 賢明な男性なら「長島か!」と言いたくなる衝動を押さえ、「なるほどですね。」と冷静に対処した方がよろしいでしょう。
 しかし、男性も同性同士で食事をし、お酒も飲みます。それは「男子会」とは呼ばないのでしょうか?
 「男子会」と言うと「草食系男子」の集まりのようで「女子会」に匹敵するものを持っていると思うのですが、あまり取り沙汰されません。
 想像するに「女子会」は、女性の友達同士が集まり、若干アルコールを入れながら(入れなくても可)食事をし、自分の今の境遇を言い合い、そして、喋る事で日ごろのストレスを発散する会だと思われます。
 それに対し「男子会」の「草食系男子」は聞き役が多いので喋りが苦手、それでストレスを発散できない人種なのかもしれません。
 という事は、「女子会」に匹敵する会は「男会」、オヤジの飲み会ではないですか!
 オヤジ同士が集まり、大量にアルコールを入れながらツマミに箸を付け、自分の今の境遇を話し合い、そして、慰めあい、日常を忘れる事でストレスを発散する会なのです。
 1軒目「焼き鳥屋」、2軒目「居酒屋」、3軒目「ラーメン店」という王道のコースを回る人生の手練(てだれ)は、もしかすると、3軒目の記憶が霧の中かも知れません。

 妻子というものではなく全てを包括した「家」の為にオヤジは身を粉にして働き、そして、その行く末を神に託しています。

 そんな「男会」を開催している愛すべきオヤジの働きは、実は日本を支えているのです。

 言い方を変えれば「男会」が日本を盛り上げている、といっても過言ではないでしょう。

 「男会」の回数が増えればGDPが上がるかも知れません、いや、いずれ上がるでしょう。

 そんな、頑張っているオヤジが、今夜の「男会」開催場所を選択しながら働いている時、

 奥さんは、「セレブの会」を開催しているかも知れません。

 ギャップありすぎですな。









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秋刀魚、秋刀魚、秋刀魚苦いかしょっぱいか、それを型に閉じ込めたい

2010-10-28 21:00:56 | Weblog
 もう11月に近づこうとしているのに台風が来る、という異常な気候状態に、その後は雪ですか?と独り言を言いたくなる今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 雨のせいだけではないと思いますが、毎日、寒さを実感する事ができ、自宅では遂に石油ファンヒーターを燃焼させてしまうまでとなりました、もうそんな季節なんですな。
 当店の暖房システムもエアコンの他に石油ファンヒーターを使用しておりますが、石油を注文する所、「K商店」の配達のおじさん、いや、おじいさんに近い年齢と思しき男性は当店の名前を覚えてくれない特技をお持ちで、領収書には「わざとでしょ!」と思えるような店名を記載してくれます。
 「マルチさん。」などとそれらしい名前で声を掛けてくれるのは有り難いのですが、私のどの辺が「ネズミ講」っぽいのか一度お伺いしてみたいものです。
 しかし、「マルチさん。」と呼んでおきながら、領収書には「マキルダイ様」と最初の「マ」しか合っていない名称を書き込んでいる行為が解せません。領収書を見た瞬間、不覚にもその場で大笑いしてしまったではないですか。
 「マキルダイ」「マルチダイ」「マルチベイ」と段々近くはなっているのですが、根本的に何かが違う事に気がついていません、「マチルダ」でしょ!「マチルダ」!
 また、他所のところでも、「マチルダベイ、でお願いします。」と領収書の名称をお願いし、相手も「ハイ。」と快活に答えたのにもかかわらず、

「マチルダベイデ様」

 と思いっきり、何の迷いも無く書かれた後、

「すみません、あの・・・名前なんですけど、マチルダベイ、とお願いしたかったんです。」

 と訂正のお願いをしたところ、またもや、笑顔と共に「ハイ。」と答えた後の領収書には、

「マチルダベイト様」

 と書かれた事がありました。
 流石に、私はそれまでも訂正する事をしませんでしたが、そんなに笑わせて何がしたいのでしょうか?どう考えてもヤル気で書いているとしか思えません。
 最近はそこまで笑わせてくれる方がいないのが寂しいく感じるくらいになってしまいましたが、普通に考えると結構失礼です、ちゃんと聞いてくださいね、私の言っている事を。

 さて、話は変わりますが、ここ最近、お勧めのメニューにランクインされているのは「テリーヌ・ド・カンパーニュ」「蝦夷鹿のテリーヌ」そして、「秋刀魚とじゃがいものムースのプレッセ」であります。
 テリーヌ物に特化しているような前菜のラインナップではありますが、ワインのツマミにはこれ以上ないのではないか、と私は思っております。
 この3種類の中で一番手間が掛かった、いや、作っていて「辛い」と感じたのは「秋刀魚とじゃがいものムースのプレッセ」であります。
 「プレッセ」とは、「プレスする」「押し固める」という意味でありまして、テリーヌ型に材料を入れ上から押し冷やし固める、という「テリーヌ」という分野では比較的新しい調理法であります。
 「テリーヌ」というとテリーヌ型にファルス(肉や魚のミンチにしたもの)を詰めて湯銭で蒸し焼き状態にして作るのが一般的ですが、最近では「ゼラチンで固める」「プレッセする」というテリーヌ型自体を過熱しない方法も見られるようになりました。「芋系テリーヌ」や「野菜のテリーヌ」などがそれですね。(豚足や豚の頭のゼラチン質を使用したテリーヌは古典的ですが、それよりも軽いテリーヌ、という意味で)
 今回「秋刀魚」という魚をチョイスした理由は、偶然、鮮度の良い秋刀魚を仕入れたからであります。
 内臓もしっかりしていて解けていない新鮮な秋刀魚はなかなか手に入りづらいものです、それを今回手に入れた時浮かんだのは

「これをこのまま塩と酢で〆たりグリルするのはもったいないだろう。」

 という事でした。
 出来ればもっと厳密に火入れをし、それを綺麗な状態で提供できないか、それを考えた時、じゃがいもと一緒にテリーヌ型に入れる事を考えたのです。
 まず入手してすぐにヒレの辺りにある鱗を落とし、頭を切断します。次に内臓を取り出しすぐに3枚卸しにします。この場合、「大名卸」と呼ばれる卸し方で一気に3枚にし、時間短縮を狙います。青背の魚は丁寧さより正確に、そして、スピーディーに、という仕事が求められます、鮮度の落ち方が早いですからね。
 全て卸したら腹の骨を削ぎ、素早く小骨を取ります。そして、塩を振り30分冷蔵庫で休ませます。
 その30分の間にじゃがいもを火に掛け、熱々のうちに皮を剥き、じゃがいもを裏漉しにかけます。
 それを今度は更に火に掛け、水分を飛ばし、塩、胡椒で味を調えます。
 そのじゃがいもと平行して、長葱の白い部分に縦に切り目を入れ芯を取り出し薄い部分をボイルします。これはテリーヌの外側を包む役割を果たしますから火を入れすぎると裂けたりしますので注意したいところでありますな。
 これが終わると先ほどの秋刀魚の水分をふき取り、皮目に火が入る程度に過熱し裏返して余熱で火が入る程度に焼きます。
 焼いた秋刀魚を休ませているうちにテリーヌ型にラップを敷き、長葱を広げながら並べていきます、最終的には包み込まなくてはなりませんから端がはみ出さなくてはなりません。
 ラップ、長葱を敷き詰めたテリーヌ型に、秋刀魚、じゃがいものムース、秋刀魚、じゃがいものムース、秋刀魚、じゃがいものムース、という順に敷き詰め、最後に長葱で包み込み、ラップで密封し、上に板を乗せ輪ゴムで両端、真ん中、を止めて冷蔵庫で冷やします。
 一晩冷蔵庫で冷やしたこのテリーヌは、断面が秋刀魚とじゃがいもの層になっており関東ローム層を髣髴させるくらいのビジュアルになっております。(大げさ)
 
 ソースはサワークリームを牛乳で延ばしたものにレモンの皮のみじん切りを散らして。

 どうでしょう?作り方を書くと、読むのがイヤになるほど長くなりますが、作っている最中はもっと先が見えません。

 だって、使用した秋刀魚は、16本だったんですよ。
 
 3枚に卸してフィレだけで32枚の作業は、骨抜きが大変でした。

 えっ?骨はどうしたのかって?

 骨は干してから焼いて、塩と共にミルサーで粉砕して密かにアクセントとして振りかけてますよ。

 カルシウムも大事ですからのぉ。











 
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日曜日の昼の過ごし方を考えている方へ

2010-10-24 08:32:40 | Weblog
 10月も終わりに近づいておりますが、日曜日のランチ、休日のひとときに如何でしょうか。
 では、メニューの紹介に行きましょうか。



        10月24日(日)ランチメニュー

        前菜

・女川産秋刀魚とじゃがいものムースのプレッセ サワークリーム添え

        又は

・子羊のロースト サラダ仕立て


        本日のスープ

・山形県産米「夢ごこち」のポタージュ


        メイン

・本日のお魚のポワレ 蕪のソテー シェリーヴィネガーのソース

        又は

・鶏もも肉と牛蒡のロースト ジュ・ド・ヴィアンド


        本日のデセール

・さくらんぼのコンポート 葡萄のソルベ


 以上になります。

 時間的にサラッとした内容になってしまいましたが、次回は上記の料理の説明をしたいと思いますのでいつものように長文化することは必至であります。

 という事で、この辺で。



 
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人の心は秋の空のように変わる、しかし、変えていけないものもある

2010-10-23 14:43:10 | Weblog
 秋の諺(ことわざ)で有名なものと言えば「秋茄子は嫁に食わすな」でありますが、なぜ嫁に秋茄子を食わせるな、と注意を促しているのか疑問になった事がありました。
 数年前の記事にも載せた事がありますが、「嫁」に限定して食べさせるな、と発言しているところから舅か姑しかいないな、と思い、「姑意地悪説」「舅の嫁優遇に姑嫉妬説」「姑茄子毒性論知らなかった説」と3パターン考えた事がありました。
 その後、茄子を調べてみたら「じゃがいも」も茄子科の植物だという事が判明し、「じゃがいも」の芽に含まれる発ガン性物質「ソラニン」が茄子にも微量ながらに含まれているのか、と妙に「秋茄子は嫁に食わすな」は「姑の優しさか・・・」と納得してしまったのでした。
 そう考えると妙に秋茄子を嫁に食べさせようとしている姑さんがいた場合、「もしかして・・・」と疑わなくてはなりません、平成の毒婦、ですな。
 秋の諺にはなぜか人間の業、と言いますか、それを感じさせる諺が多いように思います。
 「女心と秋の空」これは有名ですが、「秋の夜と男心は七度変わる」というものもあり、結局、男女共に心が変わりやすいのか、と斜め読みしたくなるものがあります。
 しかし、よく考えると、「男心」も「女心」も変わるのは理解できますが、秋の空や夜がそんなにコロコロ変わるとも思えません、この諺を作った人がかつて恋人の裏切りにあったのではないか、と深読みしたくなるものです。
 
 私も男ですから心変わりがする時もあるのでしょうが、「料理心」だけは変わりたくないものです。
 「料理心」とは「料理に対する心構え」という捉え方もできますし、「料理に向き合う心」とも考えられます。
 「料理に対する心構え」と考えれば「食材や生産者さんへの敬意」になるでしょう。「料理に向き合う心」というのは「調理を突き詰める」となるでしょう。
 どちらも大切な事ですし、この二つが無くては料理は成立できない、といっても過言ではないと思われます。
 「食材や生産者さんへの敬意」は、ただ単に食材にこだわり「地産地消」を訴えるだけはなく、スーパーで売っている食材でも同じ立場で使い、そして、それらを無駄にする事無く使い切り、生産者さんの想いを昇華する努力を惜しまない事ではないでしょうか。
 その「努力」の一環として「調理を突き詰める」を考えなくてはならないでしょう。
 毎日同じ仕事をしている、と訴える調理見習いの方がおりますが、それは、同じ仕事を「させられている」のではなく、同じ仕事を「している」だけの話であって、毎日、人参の皮を剥くのも「どうしたらこの人参の皮を美味しそうに剥けるのか?」と日々心の中で考えながら仕事をすれば「同じ仕事」ではなくなるはずです。
 鍋磨きも同じで、どうしたら効率良く、しかも綺麗に磨けるか、と考えながら磨いていけば必ずその考えは調理にも生きてきます。
 これらは、毎日、広大な土地で土にまみれて野菜を作っている、家畜を育てている、魚を獲っている、方々に対する尊敬の念がなければ持続しません。
 
「結局、お前は何が言いたいのだ?」

 そのようなお言葉を頂きそうではありますが、この考えに近づける料理人になろうと、私自身ももがいているのですよ、もっと精度を上げるために。

 先日、

「お金の良し悪しで職場を決める。ある程度の給料が無いと女にモテない」

 と、公言していた若き料理人がおりました。

 その考えも「アリ」でしょう。世の中ですから。

 しかし、私は一点だけ、一点だけ、疑問に思ったことがありました。

 では、なぜ彼は独身者で彼女もいないのか。

 給料の金額が足りないのではなく、ひとつの事に対する「想い」が足りないからではないか。

 仮に、高額を手にしても相手は心変わりはするものですよ、秋の空と一緒でね。

 秋の空は変わってもひとつの事に対する「想い」を変えずにいればいずれ何かはあるものです。

 いずれね。
















  

 

 
 
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出でよ、米界のプリンセスとドリーマーよ!

2010-10-21 21:27:09 | Weblog
 夜、「涼しい」というの通り越して「寒い」に昇格し、そろそろ冬支度でも、と思わずにはいられない今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 寒いのは気候だけではなく、世の中も、という事なのでしょうか。先日、日銀の景気判断が下方修正された、と新聞のトップ記事として載っておりましたが、そんなネガティブな事を大々的に載せてしまうと国民的に下を向いて歩きたくなる、というものでしょう。
 確かに、景気判断を下方修正しなければならない状況かもしれませんが、ここはひとつ、その言葉をオブラートに包んで、「若干、右肩上がりだと思っていましたが、気が付いたら左の肩の方が上がり気味のような・・・」や「横ばいよりもちょっとだけ下がったような感じですが、どうでしょう?」のような「日本的曖昧表現」で誤魔化して欲しいものです。
 そんな先行き不透明な時期に、我が県の切り札、とも呼び名が高い、山形が開発したブランド米「つや姫」が満を持して発売されました。
 当初、ネーミングが微妙、ネーミングを全て漢字にしてしまうともっと微妙、という事が言われておりましたが、今更、何を言っても遅いでしょう。微妙なのを承知で応援するしかありません。 
 発売前、私も食べた事がありましたが、米一粒一粒がピンと立って主張し香りも豊か、咀嚼すると香りと共に口の中に甘さが広がる、そんな美味しいお米、いや、ご飯に炊き上がっていたように記憶しております。
 ご飯そのものの美味しさが際立っておりましたからおかずに思慮しなければならない、という点があり、何が合うのか考えましたところ、私的には野菜だったような気がしました。
 しかし、もっと「つや姫」の美味しさを引き立てるのは何か、と考えると結局「塩」に行き着いてしまいますから深く考えるのはお勧めできません、好きなものを合わせるのが一番ですな。
 とある地域情報誌には、和服を纏った(まとった)吉村美栄子山形県知事が、「つや姫」ブランド化戦略実施本部本部長の肩書きで載っておりましたが、私は、温泉旅館の女将さんにしか見えませんでした。
 どうせなら、山形県温泉旅館観光戦略実施本部本部長も兼任した方が良いのではないでしょうか?
 ダブル本部長の肩書きを持つ県知事、という「珍しい県知事」で雑誌に取り上げられ、更にそこで観光、つや姫、の宣伝をすれば一石二鳥になるでしょう。
 そして、「つや姫」も良いのですが、「ササニシキを超える米」と言われております「夢ごこち」という新品種の米が、当店に持ち込まれました。
 フレンチ、イタリアンで使えないか、という生産者さんの要望があったようで、要望を受けた方からの依頼、という経由で届いたのですが、正直に言いますと、ネットでは結構有名なお米のようでしたが、はじめてその存在を知った次第でした。
 米は、「アミロース」という成分含有量を減らすと粘りが出るそうで、その粘りが米自体の美味しさに繋がるとの事でした。
 早速、厚手のホーロー鍋を使い同量の水で炊いて食べてみましたが、こちらも米自体の美味しさは群を抜いているかもしれません、繊細な香りと口の中に纏わりつくような甘さがキーワードのように感じました。
 ご飯で炊き上げ、塩を掛けて食べただけでこの美味しさならば、別に洋食仕様にしなくても良いのではないか、とも思いましたが、それではイカンでしょう、それを認めてしまったらイカンですよ。
 「リゾット」という手法が一般的でありますし、その方が食べ手も安心するかもしれませんが、あの甘み、香りを生かしたいのならば「ポタージュ」に仕立てるのがいいのではないか、と私は考えました。
 工程の考え方はこうです。

・米に対して3倍のミネラルウォーターで全粥に炊き上げる。

・一晩冷まし締める。

・冷ました全粥をフォン・ド・ヴォライユとフュメ・ド・ポワソンで煮て荒熱を取る。

・ミキサーに掛け滑らかにする。(滑らかにならない場合、裏漉しを掛ける)

・更に温める。

・牛乳を若干量加える。

・レモンの皮を剥き、洗剤で洗う。

・洗ったレモンの皮を乾かしてミルサーで粉砕し、その粉末を米のポタージュにちょっとだけ振り掛ける。

 このように考えました。

 まだ作っておりませんが、コンソメではなく、フォンとフュメを使用するのは、コンソメですとコンソメの香ばしさが前に出てしまい米の香りを損ねるのではないか、と考えたからです。

 明日辺り、試作してみようかと思っております。

 その試作、うまく行った暁には・・・

 ランチのスープに、出るかもしれません。

 しかし、失敗した際には・・・

 賄いは連日、お粥でしょうな。








  
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電話の向こうの見知らぬ人が話しかける時

2010-10-20 22:58:16 | Weblog
 今日の夕方、とてもビミョーな電話が掛かってきました。

 10月4日(月)にお休みさせていただいてから「体育の日」を含む連休もご予約を頂戴しておりましたので2週間近く休まず営業させていただきました、有り難い事です。
 その為、日曜日、月曜日と店を休ませて頂き、マネージャーは「ドンキー佐藤」としての仕事をしその後、友人と飲みを、私は何ヶ月ぶりかで実家に帰り墓参をしその後、友人と飲みを、という休日を過ごしたわけです。
 休み明けの火曜日は、特別なコースのご予約を頂いておりましたからその仕込み、そして、営業をし、次の日の水曜日、つまり、今日は、某酒販店主催の試飲会に顔を出し、その後、またしても「酒の肴 つくってみーよ」収録の打ち合わせ、その後、ホームページリニューアルの為、制作会社さんとの打ち合わせ、それが終わると本日のご予約の仕込み、そして営業、と1時間単位でのスケジュールだったのです。
 電話が掛かってきたのは仕込みをしている最中でした。

 「報道通信」を名乗る方から電話です、と受話器を渡され「共同通信?報道通信?何の用?」と思いながらも代わると

「報道通信社と申しますが、当社で発行しております報道ニッポンという雑誌が今度、山形特集を組む事になりまして、つきましてはそちらのお店を取材しながらオーナーさんにインタビューをしたいのですが・・・」

 という話でした。
 仕込みの進み具合を考えていた私にとって不意打ちとも思える内容に「何で・・・うち?」としか思えませんでしたが、話を聞いてみると

「渡嘉敷勝男さんってご存知でしょうか?その渡嘉敷さんが実際そちらにお伺いしまして対談形式のインタビューをさせていただこうかな、と思っているんですよ、如何ですか?」

 との事でした。
 報道通信社が発行する「報道ニッポン」という雑誌がなぜに「山形特集」という、報道的でない地域の特集を組むのか、軽く疑問を感じましたが、

「別に構いませんよ。」

 と答えると、

「そうですか!では早速ですが、今度の金曜日、というのはお時間ございますかね。」

 と、かなりタイトなスケジュールを提示してきました。
 
「何時になりますかね。」

 質問してみると、11時に伺います、との答え。山形駅から店までどのくらいなのか、という質問に答えると、渡嘉敷勝男氏と帯同する記者に代わります、と告げられました。
 記者は自分の名前を告げると、渡嘉敷氏が質問しますのでそれに答える形になる事、カメラマンも同行する事を軽快に話しました。
 私はその声、そして、その軽快な喋り、そして、若干の関西系訛りが、ある事を思い出させたのです。

「ミシマ・・・か・・・お前は。」

 「ミシマ」。かつて、東北電力保安部を名乗り飲食店に動力話を無差別にしてきた怪しい男。東北電力に確認の電話を入れると「保安部などは存在しません。」と心地良いほどにその存在を否定してくれたカスタマーセンターの女性の声が懐かしいほどです。(2010.9月1日、7日の記事参照)
 「ミシマ」がパワーアップをして次の一手を打ってくるのであれば必ず金銭的提示をしてくるはず、と私は確信し、電話に対応しました。
 話を聞いていると

「・・・と、まぁ、そんな形でインタビューしたいのですが、このところの景気、というのでもないですが、雑誌を作るのにもお金が掛かりまして・・・

(キタァー!)

「・・・ですね、取材費、まぁ、広告費と考えていただければ判りやすいと思うのですが、4分の1ページで7万円という金額になるんですが・・・」

 と、話はそちらに流れました。
 私は

(ミシマ、7万円とは中途半端な金額設定だな。小さな事からコツコツと、西川きよし戦法、又は、五月雨を集めてはやし最上川、芭蕉山形編戦法か。この話を断るといつもの如くブチ切れるのだな。)
  
 と思い、

「お金が掛かるのでしたら当方は結構ですので・・・」

 と断ると、

「あぁ、判りました、どうもすみませんでした。」

 アッサリ引き下がられてしまいました。

 どうしちゃったのよ、ミシマ。そんな、肩透かしな気分すら感じてしまった今回の電話でしたが、本当に「ミシマ」ならば「報道通信社」でネット検索してみると出てこないでしょう、「ミシマ」なんですから。

 で、先ほど、ネット検索してみましたら、あるんですね、「報道通信社」さん。

 「報道ニッポン」も存在しておりました。

 いやぁ~、でも、随分と怪しかったですよ、あの電話。

 てっきり、作戦を練り直した「ミシマ」だと思ったんですがね。

 山形特集、頑張ってください、報道通信社さん。






  
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突然のお知らせ

2010-10-17 08:20:43 | Weblog
 突然のお知らせですが、誠に勝手ながら今日10月17日(日)、18日(月)は休店させていただきます。
 よって日曜日のランチもお休みさせていただきますのでご了承ください。

 来週、24日(日)は通常通り営業いたしますのでよろしくお願いいたします。

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皮と身の間に美味しさがある、これ葡萄の心得なり

2010-10-15 22:38:05 | Weblog
 天高く馬肥ゆる秋、という言葉が似合う季節になり、何を食べ、そして、何を飲むか、軽く悩んでしまう今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 今年は秋刀魚が高い、と言われておりますが、日本きのこ界の「レクサス」と呼び名が高い「松茸」が大量に取れたため大暴落だそうです。
 株の大暴落なら大弱りですが、松茸の大暴落は諸手を挙げて大歓迎であります。この機会に国産松茸を「これでもか!」と使いたいものです。
 そんな、松茸が大発生するからでしょうか?最近、山形発の全国ニュースに取り上げられた話題に「熊が中学校に侵入!」というのがありました。
 熊が中学校生徒登下校口からガラスを破り学校内に侵入、学校関係者2人をなぎ倒し、逃亡、その後、理科室に侵入、猟友会の人たちの誘導により外へ出たところを射殺されたとのことでした。
 彼(熊)が学校内侵入し、理科室に立て篭もった理由は判りませんが、熊版「安田講堂事件」とも言えるニュースを聞いて、実は熊は着ぐるみで中に誰入っていたのではないか、と思わずにはいられませんでした。
 その後、彼(熊)のそこに至るまでの経緯が紹介されていましたが、山や畑、街をも通り、途中で農作業中のおじさんの両腕をへし折り、逃亡してきたとの事。
 という事は、熊版「俺達に明日はない(アローン編)」状態だったのか、と一人思ってしまいました。
 森の番人、と言われる熊が人里に降りてくるにはそれなりの事情があったのでしょう。餌を探しに来てそのまま無軌道な行動に出たのかもしれません。
 捕獲する、という選択肢が無かったのか軽く疑問ではありますが、北海道では熊保護のため蝦夷鹿を生贄にする、というヴードゥー教的蝦夷鹿調整捕獲をしておりますから「蝦夷鹿<熊」という図式があるようです。
 その図式のお陰で当店に蝦夷鹿が安定供給されるわけですからそれに異存はありませんが、山形に蝦夷鹿はいませんから(当然ですが)あのような結果になってしまったのでしょう。
 「山形って街中に熊が出てくるくらい田舎なんだな。」。今回の事でそのように思われた方もいらっしゃるでしょう、いや、いるでしょうとも。
 その通りでございます、田舎なんですよ、かなり。熊が出てくるくらい田舎、ではなく、熊が出てきたくなるほど何も無い、と言った方が的確かもしれません、いや、熊が遠慮しないほど、なのか。
 これから山形に求められるのは熊との共存なのではないでしょうか。
 たまに熊が来る「ハチミツ・カフェ」なんかできたら良いかも知れませんな。熊が暴れそうになったら蜂蜜を掛けてやると大人しくなる、というパフォーマンスなんかも見れるような。
 こんな事を書いてしまうと猟友会の方に怒られてしまうのでしょうか?まぁ、これもご愛嬌、という事で、ひとつ。

 さて、話は変わりますが、先日、知人からぶどうを頂きました。この場をお借りしてもう一度言わせていただきます、ありがとうございました。
 「スチューベン」という品種のぶどうでしたが、香りが良く、そして、糖度も高く、大変感心できるお味でした。
 ただ、結構大粒の種がありましたので、デセールに仕立てるには加工するしかない、と言う事でした。
 ぶどうは身と皮の間に甘みがあるもので、皮を剥いて、しかも、種も取って、というと本来の美味しさが損なわれるというものです。それを丸ごと生かすデセール、というと「ソルベ」しかないでしょう。
 早速、枝から房を取り、洗って水気を切り半寸胴鍋に入れます。頂いた量は全部で8キロ、という結構な量でしたので中途半端は許されませんし、失敗も許されません。
 半寸胴鍋に入れたぶどうの量の20%のグラニュー糖を加え全体的に混ぜ、蓋をして一晩そのまま置き、次の日、火に掛けます。
 グラニュー糖の浸透圧でぶどうのジュ(ジュースの意)が出ていますが、グラニュー糖が溶けている状態ではありませんから火に掛けると焦げる可能性があります、鍋肌に付いたグラニュー糖も落としながら軽く火を入れます。
 火を入れすぎると香りが飛んでしまいますからぶどう一粒一粒にある程度火が入ったのを確認し更に一晩置きます。
 次の日、ミキサーに掛け、シノワ(三角柱の漉し器)を使ってしっかりと漉していきます。
 それをすぐに氷で冷やし、アイスクリーマーに掛けると出来上がりです。

 元々、糖度の高いぶどうでしたから、20%のグラニュー糖を加糖する事によってネットリとした仕上がりになりました、予想通りだぜ!
 
 色は綺麗な薄紫色。口に入れると口の中に纏わり付くようなネットリとした食感とその後から来るピノ・ノワールを髣髴させるぶどうの香り。

 赤ワインに合いそうですが、甘めの白ワインにも合いそうです。

 現在、アヴァンデセール(デザートの前のデザート)でお出ししております。

 大人の、甘く切ない、そして、エロティックで何処か刹那的な、山形は川西町で採れましたスチューベンという品種のぶどうを使った「ソルベ」、いかがでしょうか。

 山の中に持って行って食べたら熊に襲われる事間違いなしでしょう。

 







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小雨に濡れたそれを見て想う事とは

2010-10-14 23:52:24 | Weblog
 先日、帰宅しようと小雨の中を歩いておりましたら歩道のど真ん中に「タバコ」の箱が落ちておりました。
 よく見ると、タバコは新品で箱の中から見えている限りでは殆ど吸われた形跡がなく、1本取られたか取られていないか、というものでした。
 気になったので近づいて更によく見てみると、落ちていた、というよりは、タバコを1本取り出したが箱を歩道に叩きつけた様な感じに若干、変形しているようでした。
 私は、そのタバコを拾う事無く、その場を後にしたのですが、小雨に濡れ叩き付けられたタバコの事が妙に気になり、帰る道すがらそのタバコの事について考えてしまいました。

①タバコ値上がりを忘れていて買う段階で理解したが怒りが収まらず手にしていたタバコを叩き付けた。

②決定的に女性にフラれてしまいヤケ酒を飲み、歩きながらタバコを手にしたがその女性の顔を思い出してしまいタバコを叩き付けた。

③仕事のストレスが溜まり、怒りが抑えられなくて値上がりしたばかりのタバコを叩き付けた。

④別れ話を切り出されて失意に打ちのめされ、雨に打たれながら歩いているうちに悲しみが込み上げて来て吸おうとしたタバコを叩き付けた。

 どの番号を選んでも「悲しみ」「怒り」というキーワードが絡んでしまいますが、レイニーな中での「悲しみ」「怒り」に任せてその行為をしてしまう様は、何か負のカッコ良さがあるではないですか!まるで、ザ・クラッシュのアルバムジャケットのようであります。
 しかし、雨に濡れ変形している箱に入っていたタバコは今、1箱400円超であります。
 愛煙家の首を真綿で絞めるようなタバコの値上げは、タバコを吸わない私が見ても可哀想であり、更に会社、街を挙げて喫煙かを追いやろうとする姿にも違和感を持ってしまいます。
 現実的な話になりますが、タバコの税収は結構なものですから愛煙家はダブル納税者、という事になりますな。
 タバコを槍玉に挙げてしまうと、そのうち、アルコールもその対象になるのではないか、と思わずにはいられません、それだけはヤメテ!
 タバコは身体に悪いからダメ、アルコールも身体に悪いからダメ、食品添加物は身体に悪いけどヨシ、冷凍餃子も身体に悪いかもしれないけどもう過去のものだからヨシ、防腐剤もヨシ、遺伝子組み換え作物も将来的にはヨシかも、何が良くて何が悪いのか、目に見える「身体に悪いもの」を抑えても、目に見えない「身体に悪いもの」はスルーなのか。

 傘に打たれる微かな雨音を聞きながらそんな事を何となく考え、そして、深夜系焼肉店の横を通った時、店内から響いてきたこんな声に耳を傾けました。

「オレ、たばこ、1000円まで我慢するな。上げれるもんなら上げてみやがれ!」

 意外と日本人はたくましい。

 私もたくましく生きなければ。

 アルコール、上げれるものなら上げてみやがれ!

 でも、ちゃんと考えてね。










 
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