ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

クリスマスはどう祝ったら良いのか、それを考えてみる

2012-12-27 22:11:32 | Weblog
 突き刺す風の冷たさと舞い散る雪の華麗さが年の瀬を演出し、そして、新しい年への期待を持ちながら1日1日を着実に過ごす、そんな今年最後のカウントダウンが聞こえてきそうな今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 「忙殺」という言葉がありますが、それに近い状態になりPCを開く事さえままならなくなっておりました。
 ブログが書けない、いや、書ける状態ではない、というのは意外と苦痛で、自分のストレスのはけ口をブログに投影している私としましては(大げさ)活字を発信したくなるものです。
 という事で、そのはけ口はフェイスブックの記事に移行していたのでした。(どれだけ「はけ口」を求めているのか)
 しかし、「写真と短い文章」では不完全燃焼感は否めなく、やっと今こうして新規投稿画面を対峙しながら記事を書いているのですが、よく考えるとネタがないんですな。
 「終わったけどクリスマスの話だろ!」そのようにツッ込んでいただけますとキーボードを打つ手も軽やかになるというものですが、確かにその通りですな、クリスマス期間の話でしょうね。
 以前当ブログに掲載しましたが、今年から「クリスマス特別ディナー撤廃」を掲げ、「クリスマスを普通に過ごしたい方の為のレストラン宣言」をいたしました。
 「クリスマス=売り上げ倍増期間」的な気持ちで料理を作って良いのか?、「クリスマスだから高い食材を使える」そんな気持ちで食材に接して良いのか?、「クリスマス期間は金額を上げても大丈夫」それは誰の了承を得ているのか?、誰の為の、何の為のクリスマスなのか、そして、それ以上に「クリスマスとは何か?」という初歩的な考えにぶつかってしまい、考えれば考えるほど苦悩し、悶え苦しみ、身体を掻き毟られる(かきむしられる)ような心の葛藤に苛まれたのです。(当然ですが大げさです)
 キリスト教という宗教観を持たない日本の料理人(この場合、フランス料理に従事している私を指します)が本当にするべき事は、キリスト教を理解する努力をし、そして、「本当のクリスマス」とは何か、を考え、それを店に反映させる事ではないでしょうか。
 数年前、ある雑誌にクリスマスが近づいた時の女子高生同士の会話、というのが載っていたのを読んだ事があります。
 以下、会話を再現したものです。

「ねぇ、ねぇ、○○(友達の名前)、知ってる?キリストってさ、すごいラッキーなんだよ!」

「エッ?ナニナニ?!」

「キリストってさ、誕生日が12月25日なんだって!」

「え~?!マジ?、クリスマスじゃん!」

「そう!クリスマスが誕生日って凄くない?」

「い~な~、キリスト。私も誕生日がクリスマスだったら盛大に祝って貰えるのに~。」

 どうですか、言葉が出ませんな。JK(女子高生の略らしい)だから許せる、という範疇ではないでしょう、国に教育要綱の見直しを求めたくなりますよ。
 頻繁ではないにしてもこのような事(雑誌の記事ですが)を目にしてしまうと色んな意味で心配になりますが(心配しすぎ)、それは私も同じで、曲がりなりにもキリスト教文化圏であるフランスの料理を標榜として調理しているわけですから自分なりの宗教理解で望みたいものです。
 そこで出た答えが「クリスマス特別ディナーという縛りでお客様を限定しない」というものでした。(それがキリスト教を理解した答えなのか、と言われるとビミョーですが、厳かにクリスマスを祝う、という点では理に適っていると思います)
 勿論、通常営業どおりコース料理は「\4725」「\6300」とし(\3675のコースは割愛させて頂きました)、それ以上のコースをご所望される方には「\8400」「\10500」のコースをオススメする、という通常と変わらぬ姿勢にしたのです。
 もしかするとご批判を頂くかも・・・そのように思って望んだのですが、ご予約のお客様からは「締め出されたような疎外感を味わっていたから歓迎」「柔軟に対応する事が大事」「お前の店は普段から高いからそれで良いのだ」といった声を頂き、そして、連日満席、という有り難い状況になりました、ありがとうございます。
 
 まぁ、当店はそのようなクリスマスでありました。

 今回はご報告記事、ということでご容赦ください。

 そして、今思い出しました、書こうとしていたネタを。

 これを書き始めたら長くなりますぜ。(普段から長いだろ)

 また、こんな調子で当ブログが進みますからこれからもよろしくお願いします、ね。









 
 
 
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どこまでを「イベント」と呼んだらいいのだろう、少しだけ悩む

2012-12-18 23:46:16 | Weblog
 日数的に少しづつ聖なる夜に近づき、その日をどう過ごそうか悩み、挙句の果てにはその日をただの飲み会にしようと画策している方がいらっしゃると漏れ聞く今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 「クリスマスなんて、所詮仏教徒である日本人には理解できないのさ・・・」と投げやりな言葉をポロリとこぼしてしまった方がいらっしゃいましたが、確かに、間違いではないでしょう、しかし、正解でもありません。
 「クリスマス」というキリスト教のイベントを変則ながら理解しようとする努力も必要でしょう。
 その代わり、日本人らしい側面も見せれば問題ないのではないでしょうか。
 例えば、12月25日の「クリスマス」も祝うけど、4月9日の「大仏の日」も忘れない心が欲しいものです。
 そうすれば毎月、何がしかのイベントが付きまとう事になるわけです。
 
 12月25日、フランス料理店(この場合、当店で、という設定にしてください)でデートをした二人は離れ離れになりたくない衝動から12月31日から1月1日にかけても一緒に過ごします。
 1月2日は初売りです。一緒に初売りでの買い物を楽しみ、その余韻で1月を過ごしたら、2月14日は「バレンタインデー」という確かめたはずの愛を更に確かめる一大イベントに突入します。
 その余韻で2月も過ごしたら、今度は「確かめたはずの愛を更に確かめた」その気持ちを更に確かめる「ホワイトデー」が待っています。
 「クリスマス」「お正月」「バレンタインデー」「ホワイトデー」と4度に渡る愛を確かめたのち、次のイベント4月9日「大仏の日」待っているわけです。
 「大仏の日」に仏に感謝し、日本料理を楽しみながら愛を確かめた二人はその余韻を引きずり、5月始めの「ゴールデンウィーク」に突入します。
 「ゴールデンウィーク」、東京ディズニーランドでスペースマウンテン(古い)に乗りまたも愛を確かめた二人は、なぜか悲しい梅雨の時期に突入してしまいます。
 降り続ける雨のせいで「物憂い」「物悲しい」「憂鬱」こんな言葉が似合う6月は愛を確かめ合った二人はケンカしてしまいます。
 ベッドに臥せって(ふせって)泣き続けた彼女に彼から謝罪のメールが届き、腫れた目で和解交渉のメールを打つ彼女は、何もイベントのない6月に活路を見出します。
 「ジューンブライド」。これがあるではないですか!そこで結婚式場などへ下見がてら一緒に過ごした二人は仲を戻します、単純ですぜ。
 7月20日の「海の日」を海で過ごし、8月のお盆は二人でお墓参りします。9月は「芋煮会(山形在住者のみ)」で野外を楽しみ、9月の敬老の日(9月20日は「ワインの日」だそうです)、10月は体育の日、11月は勤労感謝の日、そして、またしても12月の「クリスマス」というイベントに行き着くわけです。
 イベント、イベント、あぁ、イベント・・・仕事で参加できない人間はどうしたらいのでしょうか?(知らないよ)
 そして、先日のイベントと言えば「衆議院総選挙」でありましたが、やはり、と言いましょうか、取りすぎでしょ!、と言いましょうか、何とも言えない結果になったわけですが、今回の投票率は60%を切っていたそうです、オー・マイ・ブッダ・・・。
 関心が無いから投票行動をしなかったのか、それとも政治家を信用できないから投票行動をしなかったのか、投票行動をしても選べる人がいなかったから無効票を投じたのか、それは判りかねる所ですが、仮に「選べる人がいないから無効票を投じた」というのであれば、それはれっきとした投票行動でありますからそれは投票率にカウントしていただきたいものです。
 以前、とある若者は「投票所の雰囲気が暗いから嫌だ」と発言していたのを聞きましたが、ん~、それならどんな雰囲気にすれば良いのか、いつものように考えてみましょう。
 「雰囲気が暗い」と言われてもそういう真面目な場所で真面目な事をする所ですから「アホか!」と言いたいところではありますが、いやいや、彼ら(彼女ら)の為にも何か考えようではありませんか。
 例えば、投票所を「20代」「30代」「40代」「50代」「それ以上」の5つの年代別に分け、投票所の受付や手続きなどを同年代の人がサポートする。そして、掲げてあるポスターにも世代を反映したキャラが登場して訴える、というのはどうでしょう?
 20代のポスターには「ワンピース」が、30代のポスターには「ドラゴンボール」が、40代のポスターには「ガンダム」が、50代のポスターには「ウルトラマン」が、それ以上のポスターには「怪傑ハリマオ」が、それぞれ登場して訴えるのです。
 「女性は興味が無い物ばかりですよ!」そういう声も聞こえてきますから、「浜崎あゆみ」や「キャンディー・キャンディー」も登場させときますか、とりあえず。
 そして、「20代、30代」投票所には「カップルシート」ならぬ「カップル記入所」があり、イベント感を盛り上げてくれます。
 「40代」投票所には痛々しい「お立ち台」と「ミラーボール」でも設置しときますか、こちらもとりあえず、ね。
 「50代」投票所には当日限り「VAN」のステッカープレゼント、「それ以上」には「囲碁会場」を作ってあげた方がよいでしょうな、楽しみながらの投票、という事で。

 またしても、そんな事を思ってしまったのですが・・・「国民の代表を選ぶのに楽しんでやるなんて軽率です!」そんな声も聞こえてきそうです。

 確かにその通り。じゃあ、それを国民投票で決めようではないですか!

 絶対、敗北ですな。















 
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断片的な判りづらい事に遭遇するとそれを深く掘り下げたくはならないか

2012-12-11 22:52:24 | Weblog
 シンシンと降り積もる雪を見ると「雪は降る、あなたは来ない・・・」というフレーズを思い出してしまいますが、冷静に考えると「雪が降る最中」「待ち人が来ない」という事は・・・そういう事ですよ、もう諦めて中へお入りなさい、と優しく声を掛けたくなる気持ちが芽生える今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 昨日は思いっきりな雪降りでした。天候の専門的な言葉で「連続降雪」と表現するのかは不明ですが、そのような言葉を使用してまで雪の降る様を他県の人に知らせたいものです。
 目に見えて雪が積もるくらいの雪降りを「凄く雪が降ってる」や、先の「シンシンと雪が降り積もる」と山形以外の方(雪国認定県以外の方)は言うのかもしれませんが、山形ではそのような表現はしません。
 止めどない雪降りを山形では「モサモサ」という言葉を使って会話します。
 「モサモサ」。判らない人には暗号のようでしょうし、深読みする人にしてみれば「イスラエル諜報部“モサド”」を可愛らしく呼んでいるようにも思えますが、「物凄く雪が降っている」様子を、山形では「モサモサ」と表現するのです。
 会話的にはこうなります。外の様子を知らない室内にいる人が、外から来た雪まみれの人に問いかけて始まる会話だと仮定してください。

「ゆぎふっでだが?(雪降ってるか?)」

「いや~、“モサモサ”だ!」

「“モサモサ”?!」

「“モサモサ”よ!“モサモサ”!」

 どうですか?会話の7割が「モサモサ」で占められている事がお判りだと思いますが、これに「路面が凍ってツルツル」という苦難が重なると会話はまた違ってきます。

「ゆぎふっでだが?(もうお判りだと思いますので訳しません)」

「いや~、“モサモサ”で下(した)が“テロテロ”だ!」

「“モサモサ”で“テロテロ”?!」

「“モサモサ”で“テロテロ”よ!」

 こうなると意味不明です。取り様によっては「毛むくじゃらのテロリスト」のようにも思われます。
 先日、知り合いの方の弟さんが「山形に帰ってきた(一時的な帰県ではなく完全に帰ってきた、という意味)」というので知り合いの方、件(くだん)の弟さん、そして、弟さんの奥さん、で当店へ顔を出してくれた事がありました。
 弟さんは関西で仕事をなされていたそうなので、奥さんは関西の方か聞いてみると「奈良県」の方でありました。
 「山形の言葉、大変でしょ。」と聞いてみると、「皆さん、お優しい方ばかりで・・・」と質問の内容と合ってない気を使った答えを頂きましたが、もう一度聞いてみると「何を言っているか判らない時がある」と、これをオブラートに包んだお言葉を頂きました、優しいんですね、いいんですよ、ハッキリ言って頂いて。
 そうです、そうなんですよ、その一端が上記の会話だと思われるのですが、「言葉が聞き取れない」「何を言っているのか判らない」と言われると何だか特殊な民族のように思えて私的には「ちょっとだけ」嬉しいですな、と言うとポジティブ過ぎですかね。
 「聞き取れない」や「見づらい」「よく判らない」的な、何となく判るけど微妙に判らない、という事柄に出会うと人はそれを理解しようと必至になるものですが、今までの話はそんな「ちょっとだけ」出たあるシーンを目撃したからかもしれません。(強引な話の展開にご注意ください)
 それは今日の情報番組に出ていた「isp細胞研究」を世界に認められた「山中教授」のノーベル賞授賞式、及び、晩餐会の様子を特集でしていた事でありました。
 授賞式はともかく、日本時間未明に行われた、という「晩餐会」の模様をクローズアップしておりましたが、私の動作が止まってしまったのは(大げさ)、その晩餐会の料理メニューでありました。
 「料理は3皿で構成されていました」と言うとおり「3皿のコース」で、「前菜」「メイン」「デザート」という意外に簡素化された構成でしたが、ちょっとだけ映し出されたその写真に私は想いを馳せたのです。
 まず「前菜」は、「イワナとカリフラワーのテリーヌ マスのマリネ添え」だったように記憶しておりますが、晩餐会なのだからキャビアも添えたらいいのに・・・などとつぶやいてしまうとスウェーデンの人から怒られてしまうのでしょうか?
 では、私が考えた作り方です。(あくまでも私が「こうなのでは?」という作り方ですから「違う!」という意見は受け付けかねます)
 イワナとカリフラワーを使ってテリーヌにする場合、どちらかの形を崩した方がテリーヌにしやすい、という事が考えられます。
 という事は、カリフラワーをピュレにし、イワナと層にしてテリーヌにしたのではないか、と考えられます。
 そして、川魚の生臭さ、カリフラワーの独特の臭さ、というのを考えれば二つとも香り的な処理を施し、それらを合わせてテリーヌ型で冷やし固めたのではないでしょうか。
 それを踏まえると、イワナは3枚に卸し塩とグラニュー糖で一晩マリネし、塩などを洗い落としてから香草、オリーブオイルと共に真空に掛けさらに一晩マリネします。
 次の日、ほんのり香る程度にスモークを掛け再度、真空にかけて60℃で30分湯煎に掛けて加熱します。
 玉葱をスライスしてバターで炒め、カリフラワー、牛乳を加えて柔らかくなるまで煮ていきますが、その時、一つまみの塩、ほんの少しのカレー粉も加えて独特の臭いを抑えます。
 柔らかく煮たカリフラワーはミキサーでピュレにしゼラチンを加えて冷やしムースとします。
 テリーヌ型にラップを敷きカリフラワーのムース、イワナ、ムース、イワナ、ムースの層にして冷蔵庫で冷やし固めます。
 マスは塩をして3日ほどマリネしてから塩抜きし、ディル、タイムなどの香草類と共にオリーブオイルでマリネします。
 テリーヌは2,5センチほどの厚さにスライスしてから縦に半分にカットし、マスは少し厚みを持たせてスライスします。
 それらを盛り付けて完成ですが、その他の付け合せ、ソースは不明です。ワインとの相性を考えているのならばヴィネガーを効かす構成にはしないと思われますから、ルッコラのピュレのような青臭いけど青菜特有の甘さもあるものをソーすとするのではないでしょうか。
 続いて「メイン」は「キジ」でした。
 「キジ」の調理法は失念しましたが、「キジ」の身質、特性を考えれば丸のまま「ブレゼ(蒸し焼き)」が正攻法でしょう。
 しかし、食事をする人数が1000人以上だとされておりましたので丸ごと焼いてから捌く、という事はオペレーション的に難しいでしょう。「キジ」のポーションを一人当たり半身つけるとしたら500羽以上必要でしょうから、裏の調理場のバタつきようが目に見えるようであります。
 という事は、事前に捌き、胸肉(フィレ)はブレゼ風の真空調理、モモ肉はロースト、骨でジュ(仏語でジュース、肉汁の意。シンプルなソースの事)を取って別々に調理をしてドレッセ(盛り付け)の段階で組み合わせる、というオペレーションだったのではないか、と推測されます。
 付け合せは時期的にも相性的にも「きのこ類」であると推測されますが、モリーユ茸、トランペット茸などが使用された可能性があります。トリュフはそれらしき姿がありませんでしたから今回は使用しなかったのでしょう。
 最後のデザートですが・・・「ピスタチオを纏ったマスカルポーネの何とか 何とかのシャーベット添え」でありました。
 「何とか」という曖昧な部分が多いのですが、使用している食材から逆算すればすむ事です。
 まず、「マスカルポーネ」というクリームチーズを使用していることから「硬めのムース、又はムース状の物を凍らせてイタリアンのデザート(正確にはドルチェ)の「カッサータ」のようにして、カットし砕いたピスタチオ(仏語ピスターシュ)を周りに塗した(まぶした)と推測できます。
 付け合せるシャーベットですが、これは間違いなくベリー系、例えば「フランヴォワーズ」のような酸味の強いものを合わせたのではないか、と考えられます。
 
 おぉ、気が付いたら3000字を超えておりましたが、私は今日の晩餐会の画像でこのような事を思ってみました。

 まぁ、それはいいとして「山中教授」、ノーベル賞受賞、おめでとうございます!(遅いよ!)

 今回の記事は長いだけではなく料理の話も織り交ぜた、読む人をくじけさせる内容となっておりますが、どうでしょう?ここまで無事たどり着けた方はいらっしゃるのでしょうか。

 料理の話になると長くなりますから次回はまたくだらない話で。(いつもだろ!)














 
 
 
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いつ雪が降ってもおかしくない状況になると長文になる傾向がある、と思う

2012-12-05 23:14:49 | Weblog
 気が付くとその辺に「カメムシ」がいるのを何度も目撃し、「今年は大雪になる事を覚悟しなければならないようだな・・・」と雪国ならではの心構えで12月に突入している今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 「ふりむけばヤツがいる」というドラマが昔ありましたが、「ふりむけばカメムシがいる」くらい、カメムシを発見してしまいます。
 1日に4匹くらい目にしてしまうと「もしかして、カメムシに尾行されているのだろうか・・・」と心配になったりするものです。(大げさ)
 「カメムシが大量発生するときは大雪になる」と言われておりますが、去年は殆ど見掛けた事がなかった「カメムシ」をここ1週間で10匹近く見つけてしまった、という事は、相当な、いや、物凄い、いや、とてつもない、いや・・・あとなんですかね・・・とんでもない、大雪になる、という事が大決定でしょう、そのくらい「カメムシ」ですよ、世の中。
 大雪になる、という事は、今年も「雪下ろし」が待っている、という事であります。
 雪があまり積もらない地域にお住まいの方は「あぁ、雪が降らなくて良かった・・・」と安堵の胸を撫で下ろすでしょうが、豪雪地帯の「雪下ろし」は死と隣り合わせの個人競技のようなものでやっているうちにハイになってきます。これは雪国ならではの行為なのではないでしょうか。
 雪を効率良く下ろす、その雪をどこに捨てるか考える、屋根から雪がなくなる、その一連の作業を終えた時、屋根からダイビングしたくなる衝動に駆られます、いや、やってしまいますよ、私は。
 そんな「雪下ろし」を首都圏から体験に来るツアーもあり、雪下ろしをした後、食事をして1泊し、地元の人と交流を深めるツアーだそうですが、今もやっているかは不明であります。
 しかし、この「雪下ろしツアー」面白いではありませんか。面白いのですが、このままでは面白くありません。(どっちだよ)
 私なら「雪下ろし合コンツアー」と銘打って、過疎地の高齢者を巻き込み、若者の発展的出会いをフルサポートできるようプロデュースしたいものです。(最近、合コンネタが多いように思われますが、実際参加できませんからせめて活字での参加、という事でご理解ください)
 まず参加メンバーは予め振り分けられた、首都圏から来た女性と地元の女性、首都圏から来た男性と地元の男性、という4人一組で構成され、会場は豪雪地帯の過疎地で一人暮らしをしている高齢者のお宅で執り行われます。
 1泊では交流が半端に終わる可能性がありますから3泊4日というショートステイな設定にさせていただきます。
 
「こだなどごさきてけでなぁ~。(こんな所に来てくれてねぇ~。一部地域により方言が変わります)」

 腰が曲がり、皺が目立つ手でお茶を入れてくれるおばあさん、お茶のお供に持ってきてくれたのは自分で漬けている漬物です。
 
「おばあちゃん、お茶なら私入れますから・・・」

 首都圏から来た女性(以後「首女」と略)は、地元おばあさん(以後「地婆」と略)に何とも言えない可愛らしさを見つけてしまったようです。
 
「さっきって・・・何て言ったの?あのおばあちゃん。」

 首都圏から来た男性(以後「首男」と略)は地元出身の女性(以後「地女」と略)に聞きます。

「あぁ、“こんな所に来てくれてねぇ”って感謝したんだと思いますよ。」

 どこか恥ずかしさを持ちながらも説明する「地女」。それを横目に見てどうやって会話に入ったら良いのか判らない地元出身の男性(以後「地男」と略)。もう既に自然体合コンのゴングは鳴っているのです。

地婆:「いや~、こどすもゆぎおおいもねぁ~。ゆぎふるまえにりゃ、“かむめす”いっぱいいだっけがらなぁ。(いや~、今年も雪が多いんだよねぇ。雪が降る前に“カメムシ”がいっぱいいたからなぁ)
 
地女:「雪が降る前にカメムシがいっぱいいたから覚悟はしていたそうだけど、今年も雪が多いって。」

首女:「へぇ~、そういうの、あるんだ・・・カメムシがねぇ。」

首男:「カメムシって・・・臭いよね。」

首女:「今そういう事言ってるんじゃないでしょ、そういう昆虫の習性をおばあちゃんは知っていたのよ。」

地男:「あ、あ・・・」

首女:「どうしたの?」

地男:「か、カマキリの卵も・・・高い位置に生み付けられていたから・・・」

首男:「それって、なんだよ。」

地男:「いや、あの、カマキリの卵が・・・高い位置に生み付けられると・・・雪が多いって・・・よく言うから・・・」

首女:「ふ~ん、雪国ならではの話だよね、そういうのって。」

 こんな感じで話は進んでいくわけです。何でもない話からの進展が人生を変える切っ掛けになったりするわけですな。

 次の日、四人で協力して雪を下ろし、地婆の笑顔を引き出した四人の中にいつしか友情を超えるような何かが芽生えたのは言うまでもないでしょう。

 そして、最後の日を終えて帰宅準備をしている四人はすでに目頭が熱くなっています。そこに地婆は声を掛けます。

「んだら、きをつけでけらっしゃいね。おれもあどなんねんいぎられっかわかんねげど、みんながけっこんするどごみでみったいなぁ・・・(じゃあ、気をつけてくださいね。私もあと何年、生きられるか判らないけど、皆さんが結婚する所を見てみたいですねぇ・・・)」

全員:「ばあちゃん!!」

 大粒の涙を流し、何度も振り返るといつまでも手を振る地婆がいました。

 見えなくなるまで、見えなくなるまで・・・

 その姿が忘れられなかった首女は、次の年の「雪下ろし合コンツアー」にも参加する事にしました。

 今年は前年とは全く違う地区になりましたが、大丈夫、前年の経験があるから。

 程なく、お茶を運んで来てくれた一人暮らしの高齢者が来ました。

「いや~、こどすもゆぎおおいもねぁ~・・・」

 そう言って運んで来てくれたのは、何と!前年の地婆だったのです。

首女:「おばあちゃん!」

地婆:「ハッ! 違うんです!ええとね、あの・・・違うんですよ!」

 実は地婆は、国の「少子化対策工作員」で、涙を誘いながら結婚に導くプロだったのです。

 近年、国家プロジェクトとして行われている「東北活性化を含む婚活及び少子化対策」の一環として派遣された工作員だったのです。

 コードネームは「0004」。高齢なんで一桁多いんですな。

 
・この話はフィクションであり、登場する個人、団体は架空のものであります。

 また、こんな事になるまで書いてしまったことについて、筆者が一番驚いております。振り上げたコブシ的な文章の落としどころが見つけられなかった事につきましては大変ご迷惑お掛けしました。心よりお詫び申し上げます。











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ポエムティックな言葉を投げ掛けたい飲み物、それは、「ワイン」

2012-12-04 23:45:52 | Weblog
 「別れとは、実は発展的なものなのかもしれないなぁ」と、とある方は仰っていましたが、次があるから発展的なのか、それとも、別れること自体発展的なのか・・・そんな事を思ってしまったのは11月に別れを告げ、新しく迎えた今年最後の月である12月に突入したからなのかもしれません、そんなアンニュイな気持ちになる今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 最後の12番目の月、つまり、12月になると押し迫る年末感から物思いに耽る方がいらっしゃるのではないか、と推測されますが、静かに積もる雪を見て「あぁ、確か、前に飼っていた犬もあんなに真っ白だったな・・・」や、凍りつく路面を見て「ウォッチ・ユア・ステップ、足元に注意・・・俺も足元を固めなきゃな・・・」など、ちょっとした事でも遠い目になってしまうのは致し方ない事でしょう。
 しかし、その想いが実はワインを味わうのに重要だ、という事は余り知られておりません。
 時々、当ブログも「かなり妄想入ってますよね。」と評される場合がありますが、ワインを味わい、そして、その想いを伝える、という事もだいぶ「妄想」が入っていなければ言葉が出てきません。
 ソムリエ世界1位になった某有名ソムリエ氏の有名な言葉でこういうのがあります。赤ワインを口に含み、香り、そして、味を堪能した後、しばし間を置き、

「このワインは、昔、子供の頃に遊んでいた自宅近くの神社の裏の湿った木屑の奥にあった大きな石を裏返した時に、その下敷きになって死んでいたカブトムシのような香りがします・・・」

 と発言し、大絶賛を浴びたそうです。もうこうなると「妄想」でしかないではないですか。
 つまり、ワインを味わい、そして、それを自分の中に深く刻むには自分の経験した「匂い」「味」「優しさ」「辛さ」「苦しさ」そして「嬉しさ」などを記憶から総動員し、その言葉で紡いでワインを語る事が、そのワイン(この場合、飲んだワイン)に対してのオマージュ(hommage。尊敬・敬意)なのではないでしょうか。(書いていて段々大げさになってきているのは判っているのですが、ここからどう話を膨らますのか、問題です)
 しかし、それは時として「語るに落ちる」になる場合もあるわけでして、一度滑ってしまうと「本当に知ってるの?」や「アイツの語りはブラフだな」などと影で言われてしまうわけです、恐ろしいぜ!ワインってヤツは!
 今回は、そんな場違いなワイン会に出席した時の対処法、と言いましょうか、どうやってその場を逃れるか、考えてみましょう。
 先日、あなた(この場合の「あなた」はこれを読んでいる皆さんの事です)は、ひょんな事から知り合いになった一部上場企業の社長さんに気に入られてしまい、「ワイン会をするから来い。」と言われてしまいました。
 「社交辞令だろうな・・・」と高(たか)をくくっていた「あなた」の元にその社長から出席の催促の電話が来た事で一気に緊張が高まる事となります。
 ワインなどあまり飲んだ事がなく、いつもビールや焼酎などを所望する「あなた」ですからワイン会、ましてやアッパーな方々が出席するワイン会などどう振舞って良いか判らないのも当然でしょう。
 そんな「あなた」の為にワイン会での会話のシュミレーションをしてみようではないですか。
 本来ならば、「あなた」に補聴器型のイヤホンを付けさせ、隣の部屋でモニターを見ながら変な指示をして、その姿を見ながら大笑いしたい所ではありますが、残念ながらそれができそうにありませんから、今回はシュミレーションで行きましょう。
 まずは軽い自己紹介の後、シャンパンが出てくるはずですが、「ドン・ペリニョン」や「モエ・エ・シャンドン」などの有名どころなら「基本中の基本ですな・・・」などと適当に言ってやり過ごせますが、今回持ち込まれた物は「ルイ・ロデレール クリスタル’02」という「あなた」が聞いた事もないシャンパンでした。
 そして、そういう時に限って感想を聞いてくる輩がいるものです。

「どうです?○○さん(あなた)、ルイ・ロデレールの02じゃまだ若い気がしないですか?」

 こんな言葉で巧みに「あなた」の仮面を剥がそうとするヤツに同調してはいけません。「若い」というキーワードを使い、撃退しようではないですか!

「若気の至り、という言葉がありますが、若い時の荒々しさは大人に成るためのステップであり、その荒々しさを思い出し、そして、それを恥じる事で紳士になると考えられます。しかし、その若さあっての大人ですから非常に大切な時代と言えるでしょう。“若さとはクリスタルである”とサルトルも言っている(ウソ)ように、このシャンパンもそんな味がすると思いますね。」

 冷静に考えると何を言っているのか判らない発言ですが、それくらい回りくどい方が煙に巻く事が出来る、というものでしょう、その証拠に、どうですか、「あなた」を見る目が変わってきたではないですか。
 次に用意されたのは「ムルソー・クロ・ド・ラ・バール'04コント・ラフォン」という白ワインでした。
 普通に買って20000円以上する白ワインですが、そこでも怯んで(ひるんで)はいけません。

「○○さん、コント・ラフォンですよ、勿論、ご存知だとは思いますが・・・」

「・・・・」

「さぁ、口に含んでから先ほどのようにコメント、お願いしますよ!」

 また仮面を剥がそうとする輩です。「あなた」は言われるままにワインを口に含みゴクリ、と飲むと、その輩が話しかけてきました。

「どうですか?○○さん!素晴しいでしょう!どう表現しますか?このワインを。」

「見えます・・・見えますね。」

「何が見えるんですか?」

「私には見えます・・・」

「だから何が?」

「あなたの肩の向こうに微笑んでいる女の子の姿が見えます・・・」

「それって・・・水子、ですか?」

「お待ちなさい!・・・パパ・・・私大丈夫だよ・・・そう言ってます。」

「えぇ!?本当ですか?」

「本当です。」

「うぅぅぅぅ・・・すまなかったぁ!すまなかったよ!まだ俺も若かったんだぁ!」

「そんな、味がしますな・・・」

 会場が水を打ったように静まり返る中、「あの人、何だか判んないけど、凄そう。」そんな雰囲気が漂います。もうこうなると何を言っても大丈夫です、専門用語など使わずそれっぽく言えば良いのですから。

「板張りの廊下の香りがします。」

「クワガタが食べ残したスイカの匂いがします。」

「転がしておいた冬瓜の香りを纏ってます。」

 何でもいいでしょう。

 そして、最後に出てきたのは「シャトー・マルゴー '82」でありました。

 勿論皆さん、「あなた」の発言に注目が集まります。

「どうですか?○○さん!このマルゴーは!」

「ん~・・・」

「82年、グレートヴィンテージ(凄く葡萄の出来が良かった年)ですよ!」

「ん~・・・この香りは・・・」

「何ですか!その香りは!」

「有名パティシエの奥さんの血の香りがしますな。」

「“川島なおみ”だろ!それは!そんな香りしね~よ!」

 この年末、ワイン会が所々で開かれるかもしれません。そして、何かの切っ掛けで「あなた」もそれに呼ばれるかもしれません。

 そんな時、怖がらずに何か思った事を発言してみると世界観が変わるかもしれませんな。

 いや、変わるくらいの発言をしてみてください!

 責任は持てませんけど・・・













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