ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

料理人になる理由

2007-02-28 13:15:00 | Weblog
 私はよく、料理または、それに関連する雑誌などを読むのですが、料理人がクローズアップされていて、経歴と料理人になろうとしたきっかけが載っていたりします。
 いくつか読んでいくうちに、料理人になろうとした理由というのが、大きく分けて2つに分類されることに気がつきました。

 子供の頃から憧れていた、または、子供の頃から興味があったし、作っていた、というポジティブ(積極的)派と、何となく、食いっぱぐれがない商売だし、取り合えず手に職を付けてもいいかな、というネガティブ(消極的)派の2大派閥に分けられます。

 私はどちらかというと、後者の方に属してしまうのですが、何となくというよりも、更正の一環として、半強制的に入れられてしまったと言ったほうが適切な表現だと思います。
 なぜ、そんな人間が店を持つ事になってしまったのかといいますと、その奥深さにハマッてしまったからです。
 プロの仕事というのは、一般の方が考えるより、緻密で理論的、しかも、それを具現化するための技術、それを支える為の体力、というものが必要とされます。
 10代も半ばにそんな光景を目の当たりにした私は、ある意味、興奮に近いものを感じました。

「そこまでやるのか。」

 生まれて初めて厨房で働き、しばらく経ったときに思ったのがこれでした。
盛り付け1つにも、その理由を説明しなければならず、説明できなければ、その場で盛り付けの仕事から外されてしまう、そんな厳しい先輩もいました。

「盛り付けの中には、物語が存在しなくてはならない。」

 その言葉を連日聞かされ、失敗すれば殴られ、蹴られ、怒鳴られ、仕事の後に、トクトクと説教を聞かされた時もありました。

 ある時、前菜の盛り付けを全て一人で任される、という大仕事がありました。
笹の葉を川に見立て、前菜の食材を岩のように配し、川蟹のから揚げを、川で遊ぶ蟹に見立てた前菜は、親方にも、先輩にも評価を得ました。
その日の夜、先輩に飲みに連れて行かれ、お褒めの言葉を頂きました。

「お前、今日の盛り付け冴えてたな。何か本でも見たのか?それとも、あの情景が浮かんできたのか?」

指導していた立場からなのでしょう、先輩はご機嫌でした。
少し酒も入って、リラックスした私は、

「いやぁー、緊張して結構悩んだんですけど、ハッと思いついたのがありまして。」

「おっ、何だそれ。」

「機動戦士ガンダムの敵キャラで、ズゴックっていう川蟹みたいなヤツがいるんですよ、そのズゴックが川を渡るシーンを突然思い出しまして、あの盛り付けになったんですけど、ジャブローの攻防っていうタイトルにしようかと思いまして。」

「・・・・・・。(怒)」

その後、延々と説教されたのは、言うまでもありません。

 今でも料理の奥深さに勉強させられるばかりです。
「何となく」入った料理の世界、その料理というものにハマリっぱなしになっているのは私自身かもしれません。
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バンドやろうぜ、略してバンやろ

2007-02-27 15:02:29 | Weblog
 20代の頃、バンドをやっていました。
以前勤めていたレストランでバイトをしていた男の子(今は、いい年になったでしょう)2人と組んでいたのですが、私を含め3人ともギターだったので、ジャンケンでパートを決めるという、かなりアバウトなバンドでした。
一番負けた者がドラム、その次がベース、勝った人がギター残留というルールを決め、ジャンケンに挑んだのですが、私はベースになってしまいました。
 ということで、すぐさま楽器店にすっ飛んで行き、なけなしの金でベースを購入するという罰ゲームにも似た行為をしたのでした。
しかし私はまだ良い方で、ドラムに就任したオガワ君(現在、ダーツバー店主)は、ドラム練習キットを購入するという本格的な行動に、一同唖然としたものでした。

 ギターのオヤマ(現在、実家岩手で国家公務員)は、ジミヘンとエリッククラプトンを愛するブルージー派。
ドラムのオガワ君は、ガンズ&ローゼズが好きなハードロック派。
私は、キッスが好きと言いながら、隠れアイアンメイデンファンの隠れヘビーメタル派。
この3人がバンドを組んだのですから、意見が合わない。
よって、話し合いの結果、ハードロックなドラム、ヘビーなベース、ブルージーなギターという路線で行こうということになったのですが、なかなか大変でした。
 というのは、ボーカルが見つからなかったからです。

 ローリングストーンズの「デッドフラワー」という、カントリーっぽい曲をハードロック風にアレンジしたり、ザ ステッペンウルフの「ボーントゥービーワイルド」をカバーしたりしていたのですが、いかんせんボーカル不在のため、ただ演奏をしている状態になっていたのです。

「これじゃ、カシオペアみたいに割り切ってフュージョンにした方がいいみたいですね。」

オヤマが言います。

「でも、そんなにテクニックないでしょう、みんな。」

心にグサッと刺さる一言をオガワ君は言います。
しかし、本当のことなので何も言えません。

「それじゃ、またジャンケンで決めるってことで・・・。」

私がそう切り出すと、

「ちょっと待ってくださいよ。ドラムですよ、俺。」

オガワ君が、訴えてきました。

「その時は、C.C.Bってことで。」

「・・・・・・。」

因みに、C.C.Bとは、ココナッツボーイズという80年代前半に活躍した、日本のアイドルバンドです。ドラムの人がインカム付けて歌っておりました。

そして、ジャンケンをしたのですが、残念ながら私が負けてしまい、ベース兼ボーカルを担当する事になったのでした。

 その後も、ミーティングしながらオリジナルの曲を作り、活動らしきものを続けてきたのですが、メンバーの帰郷や独立ということもあり、自然消滅したのです。

 メンバーとは最近ご無沙汰ですが、先日、ギターのオヤマと再会し、久しぶりに飲んだのですが、公務員になった彼は

「退屈ですよ。またバンドしたいっスね。うちらのバンド、イギリスだったらヒットしてたと思うんですけど。」

 いい感じで酔った彼は、そんな事を言っていました。

「オヤマ、無理だよ。絶対に。」

そう言ってあげようとした時、眠りこけておりました。

たまに、バンドの練習風景のビデオなど見ることがあるのですが、若いっていいなぁ、という言葉しか出てきません。

 久しぶりにギターでも弾いてみようかな、帰ったら。
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More than word

2007-02-26 18:01:10 | Weblog
 わが店「マチルダベイ」の厨房は、フルオープンキッチンなものですからカウンターに座られたお客様からは丸見えの状態です。
ですから、冷蔵庫に張ってある手書きのメニューやルセット表(レシピを書いてある紙)なども当然、目にすることができます。
 しかしそれらは、全てフランス語で記入してあるため、読み取る事は難しいと思われます。

 それらを見たからか、稀に「何かフランス語を教えてください。」と言われる事がありますが、正直に言いますと私は、料理に関するフランス語は読めますし書けますが、会話になりますとまったく自信がありません。
 しかし、お客様にその様な事は言えませんから、何とかその場を回避する為に、あまりにも基本的なフランス語で煙に巻こうとするのです。

「ボンジュールは、”こんにちは”ですが、”こんばんわ”はボンソワールです。」

や、「サヴァ?は、”元気?”という言葉でよく使います。」など

 少しだけ説得力がありそうですが、大したことありません。ただの挨拶です。

「もう少し、へぇー、みたいな難しい言葉ないんですか?」

と言われてしまうと困ってしまいます。
その基準が分かりませんし、難しい言葉は余り知りません。
一度、

「スーツというのをフランス語で何と言うか知ってますか?」

「えー、分かりません。」

「セ ヴィロト ズ ヴォンです。」

と言ったら、感心しておられました。
「背広とズボン」をそれらしく言っただけだったのですが。

「もっと他にないんですか。」

「じゃあ、自分自身に、”俺はウジウジした奴だ”と言い聞かせるフランス語は、知っていますか?」

「想像も付きません。」

「メメシー ボークー、です。」

「・・・・・・。」

さすがに、ここまで来るとウサンクサイのが、ばれてしまいます。
因みに、メルシー ボークーは「どうもありがとうございます」の意味で、
「女々しい 僕。」とは何の関係もございません。

 言葉は難しいものです。
日本語でも難しい、とブログを書き始めてから更に実感しました。
始めたばかりのブログを読み返すと、幼稚な文章に呆れるばかりです。
今でも幼稚だと思いますが、初期のものは特にヒドイ。削除しようかと本気で考えました。
 私は、日本語も英語も、そしてフランス語も中途半端だな、と常々反省しております。
 フランス語の会話も、本気で勉強しようと思い、トイレなど普段目に付くところには、フランス語会話の本を置いて常に読んではいるのですが、なかなか上達しません。
 
「世界が同じ言葉だったらなぁ。」

などと、子供じみた事を思っても仕方ない事くらい、私も分かります。もういい年なんですから。

 因みに、大昔、人々は同じ言葉を喋っていたそうです。
ゆえに、意思の疎通が出来、仲が良かったのだそうです。
その勢いで、神に近づく為の塔を建設する事になりました。
しかし、その塔の建設途中、その行為に神が怒って、言語をバラバラにしました。
言葉の通じなくなった人間は、喧嘩を始め、塔の建設はストップし、人間たちは各地に散っていったそうです。
その中途半端な建設途中の塔こそ「バベルの塔」なのだそうです。

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カレーという名の呪術的ドラッグ

2007-02-25 20:02:35 | Weblog
 ランチ営業と片付けが終わり、ディナーに突入しながらも少しの時間を利用しながらブログを書いている訳ですが、賄いを食べたら休憩時間が無くなってしまいました。
 
 今日の賄いはカレーでした。

 私が3日前に作ったヤツを温め直したものですが、時間が経ったからでしょうか、味がマイルドになっていました。
かなりスパイシーに作ったのですが、時を経て優しくなった感じです。
この状態は「熟カレー状態」とでも言うのでしょうか。

 私は、オーストラリアにいる頃、一緒に働いていたパキスタンの人に、簡単なカレーの作り方を教えてもらいました。
それ以来、カレーにハマッテしまい住んでいた近くのインド人経営カレー店に、週5回は通いつめ、研究したものです。
関係ありませんが、現在、パキスタンの大統領は、ムシャラフ大統領です。

 カレーの決め手となるのは、私はカルダモンと見ていますが、コリアンダーやクミンといったものも軽視してはいけません。
いや、シナモンも、いや、黒胡椒も・・・もういいです。

 カレーの具材も色々ありますが、やはり、チキンかマトンに尽きるのではないでしょうか。(超個人的意見)

 ここで、私なりのチキンカレーの作り方をご紹介します。
(ご自宅でお試しの後、胃を壊したなどのクレームは受け付けませんのであしからず。)
約10人前とお考えください。

①玉葱4個は、全てスライスする。
②大き目の鍋にサラダ油を多めに引く。ローリエ2枚、シナモンスティック1本を入れ、火にかける。(中火より弱め)
③スライスした玉葱を②に入れ、飴色になるまで炒める。(約1時間)
④黒胡椒12g、コリアンダー5g、クミン7g(共にホール使用)は、ミルサーにかけて粉末にしておく。
⑤卸した生姜100gとニンニク80gを③の鍋に入れ、生臭みが取れるまで炒める。
⑥④を入れ、さらに炒め、シナモン10g、カルダモン12g、クウォーターエピス2g、カレー粉30g、カイエンペッパー5g、ターメリック4gを入れたら、一旦火を止め、ヨーグルト500g、グラニュー糖50gを入れ、混ぜる。
⑦鶏もも肉1.2kgを一口大にカットし、⑥に入れる。
⑧ブイヨンをかぶる位入れ、火にかける。
⑨時々灰汁をすくいながら煮込んでいく。(約45分)
⑩塩とナンプラーで味を整える。

 とまぁ、こんな感じなのですが、自分なりにアレンジしていった結果、最初に教えてもらったカレーとはかなり違ったものになりました。
しかし、アレンジしていく中、しっかりとした計量が必要と考え、このように細かい分量に行き着きました。
 味的には、黒胡椒のボディーブロー、クミンの誘惑、そしてカルダモンの胃薬的フィードバックが効いて、とてもヘビーに仕上がっている筈です。
それと、最後のナンプラーに何ともいえない郷愁を感じるのは私だけでしょうか。

 このスパイスというヤツは、人の心を捉えて離さない、ある意味ドラッグのような刺激物だと思うのは考えすぎですかね。
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バスの中に夢を乗せて

2007-02-23 16:41:59 | Weblog
 皆様、矢沢永吉さんの「トラベリンバス」という曲をご存知でしょうか。
ご存じない方は気にせずお読みください。

「ルイジアナ、テネシー、シカゴ、遥かロサンジェルスまで」

という、アメリカの街を羅列しながら始まるこの曲は、永ちゃんファンの中でも、
ひと際人気の高い曲として有名です。
この曲はさらにこう続きます。

「キツイ旅だぜ、お前に分かるかい?あのトラベリンバスに揺られて暮らすのは、
若いお前はロックンロールに憧れ、生まれた街を出ると言うけど・・・」

 そうです。この曲は、アメリカを縦断しながらロックンロールを歌う男の歌なのです。
余談ですが、「シカゴ」のところを「しかも」と聞き間違えたり、
「キツイ足袋だぜ、お前に履けるかい?」などと歌詞を変えて歌ってはいけません。永ちゃんファンに怒られます。
 私が中学生の時、仲間の間で矢沢永吉ブームになり、その頃聞いていた曲なのですが、「キツイ旅」とはどんなものか、その頃は想像も付きませんでした。

 しかし、オーストラリアに住んでいるときに、その「キツイ旅」に出会いました。
 当時、私はシドニーに住み、仕事をしていましたが、パースに移り住む事を決意し、引っ越すことになりました。
因みに、シドニーとパースは、オーストラリアの端と端に位置し、オーストラリアを縦断する事になります。
交通手段を調べたところ、飛行機では4時間、寝台列車では1日半、バスでは3日
かかることが分かりました。
 飛行機か寝台列車が一番楽なのは分かっていたのですが、金額的に厳しい。ということで、バスで縦断することに決定しました。
 バスで3日、というのは理解しておりましたが、それが「キツイ旅」になることは予想できませんでした。
まず食事、食事は基本的にドライブインのようなところで30分で済まさなければならず、どう考えてもハンバーガーしか選択の余地がありません。
しかも、田舎の方に行くと、英語のオーストラリア訛りがひどく、聞き取る事もそうですが、話すのも通じない。

「Can I have Bacon egg barger please.(キャナイハブ ベーコンエッグバーガープリーズ)」

ベーコンエッグバーガーください、の意味ですが、

「パードン?(なんですって?、英文略)」

と言われてしまい、自分の中のネイティブな発音でもう一度

「キャナイハブ ヴェーコン エッグブァーグァー」

でも通じません。
「ベーコン」はオーストラリアで「バイカン」と発音するのでした。

 その他、色んな人種の人間が乗っているので、体臭でバスの中の匂いが凄い事になっていた、や平原の一本道なので景色が変わらなく精神状態が悪くなる、など
72時間というのは、まさに「キツイ旅」でした。
またオーストラリアに行っても、あのバスにはもう乗らないでしょう。好んでは。

でも、仕事と借金に追われている今が、本当の「キツイ旅」なのかもしれません。
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顔の見えない街

2007-02-22 12:56:32 | Weblog
 先日、アルバイトをしたい、という男の子から電話が来ました。
会話は以下の通りなのですが、

「ありがとうございます。マチルダベイでございます。」

「あのぉ、バイト募集してたみたいなんで電話したんですけど・・・」

「あぁ、はい。学生さんですか?」

「はい。○○大ですけど。ホールのバイトっスよね。」

「まぁ、ホールだけって事はないんだけど、全般的にかな。」

「じゃあ、キッチンでもいいっスよ。」

「まぁ、詳しい事はお会いしてお話ししましょうか。」

「あっ、時給いくらっスか?」

「それも含めてお会いしたときにお話しします。」

「えー、じゃあ、検討します。ガチャ、プープー」

 皆様、どう思われますか?
ほとんど会話として成立しておりません。しかも一方的に電話切られちゃいましたし。
そんなに会って話ししたくないのでしょうか?
それとも、時給を開示しなかったのがイライラきたのでしょうか?
最後に、検討されちゃってますし、うちの店。

 確かに人と会わずに問題が解決したら、そりゃー楽でしょうとも。
でも、この手の方は意外に多いのです。
 以前働いていたところでは、置手紙をして辞めていったアルバイトの子がいました。
手紙の内容は、

「疲れたので辞めさせてください。今までのアルバイト料は、友達に取りに行かせますので渡してください。」

 その友達は、アルバイト料の何%の手数料が報酬なのか気になるところではありましたが、やはり自分自身で来るべきなのではないでしょうか。こういう場合は。

 私の考えが全て正しいとは思いません。
色んな人がいる世の中ですから、上記の人の事も全部は否定しません。
ただ、お客様商売なのですから「人と関わりたくない」というのでは、仕事として成り立ちません。
ましてや、食事だけのお客様だけではなく、お酒を飲んだ人の話を聞かなければならない仕事なので、何を言われるか分かりません。
 うちの店はオープンキッチンなので、仕事をしていてもお客様がカウンターにいればお話しますし、酔ったお客様に暴言を吐かれることも珍しい事ではありません。
そんな時は「まぁまぁ、乾杯しましょうよ。」と言って、一緒にワインでも飲めば、何とかなるものです。
それでも何ともならないときは、

「まぁまぁ、もっと飲んでくださいよ。私も飲みますから。」

と言って、一緒にワインを飲み、相手が潰れるのを待つだけです。

 案外、人と関われる商売というのも面白いものですよ。
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アダムのリンゴとイージス艦

2007-02-21 13:47:14 | Weblog
 皆様、突然ですが「イージス艦」というものをご存知でしょうか。
アメリカが誇る、高性能な戦闘能力を持つ戦艦なのですが、日本にも数隻ございます。
 イージス艦「こんごう」などがそれなのですが、今まで私は、イージス艦の心臓部にあたるコンピュータシステムの名前が「イージスシステム」なので、「イージス艦」であると思っていました。
 しかし、ある雑誌で「イージス艦」の名前の由来が書いてありました。
ギリシャ神話に出てくる、最高神「ゼウス」が、娘「アテナ」に送った盾がありました。
その何者からも身を守れる盾の名前が「イージス」だったのだそうです。

 私は、「なるほど。」と思うと同時に、「欧米人は神話好きだな。」
と思ってしまいました。

 フランス料理やイタリア料理では、「リンゴ」の名前が見え隠れするものがあります。
アダムとイブの話に登場する果物なので、神聖化しているのだと思われますが、
気をつけて見てみるとよく出てきます。
 例えば、イタリア料理ではトマトの事を「Pomodoro(ポモドーロ)」と言います。
トマトソースは「Salsa di pomodoro(サルサ ディ ポモドーロ)」ですし、
トマトソースのスパゲティは「Spaghetti al pomodoro(スパゲティ アル ポモドーロ)」です。
「Pomodoro」は、「Pomo di oro」がくっついた言葉で、「pomo」はりんごの意味、「oro」は黄金の意味、「di」は接続詞になりますので、「黄金のリンゴ」ということになります。
フランスではトマトの事は「tomate(トマテ)」と言いますが、別名「Pomme d’amour(ポム ダムール)」とも言います。
訳すと「愛のリンゴ」ということになります。いかにもフランス人らしい表現ではないでしょうか。
その他、じゃがいもは「Pomme de terre(大地のリンゴ)」などと呼ばれていますが、リンゴも大地から生えているでしょう、などと野暮な事は言わないようにしましょう。
 日本には、ソノ手の話しはありませんから(宗教が違うので当然と言えば当然)、リンゴの話しは出てきませんが、海外と共通なのは、料理の名前に人名が出てくる事でしょうか。
 今は誰でも知ってる「カルパッチョ」はイタリアの画家の名前ですし、フランス料理で「パルマンティエ」と付けばじゃがいも料理の事です。
因みに、パルマンティエさんは、フランスにじゃがいもを広めた人です。
日本では、ゴマを使った料理に「利休」と付く事があります。
利休さんは、ゴマが好きでよく料理に使っていたからだそうですが、それならば、
今話題の「セサミンEX」も「利休薬」みたいな古風な名称をつけていただきたいものです。
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酒と笑いと男と男

2007-02-20 18:18:39 | Weblog
 一昨日は「若い料理人の会」の新年会が、某天麩羅屋さんで行われました。
自己紹介の後、役員決め及び、活動内容の確認など話しが進み、新年会の乾杯になったわけです。
 因みに、前にも書いたとおり、ワタクシ副会長に就任することになりました。
会長は、お店が多忙につき欠席した為(羨ましいですよ、会長。)、私が代わりに挨拶をしたのですが、何を言ったか覚えていません。早く飲みたかったのでしょう。
 そうして始まった新年会は、話の内容的にも実のある宴会となったのでした。
その後、2次会、3次会と続いたのですが、4次会まで行ったのは、私を含めて2人。
 もう一人は、普段から仲良くしていただいている某ホテル中華料理主任ヒデオさんでした。
お疲れ様でした。帰ったら午前2時過ぎていました。
 次の日は、定休日だったので安心していたところ、お昼くらいに電話が掛かってきました。
電話の相手は、某ホテル内の美容室「D」の店長マツダさんでした。
話の内容は、今夜飲みに行かないか、という事でした。
私は、一瞬考えましたが、

「早くから飲んで、早めに帰れるのならばいいですよ。」

との提案に、マツダさんは

「何時から?」

「えー、今からっていうのはダメですかね。」

「・・・・。やってるとこあんの?」

「えぇ、ありますよ。探せば。」

ということで、某鰻&天麩羅屋さんで飲むことになりました。
そして、中華ヒデオさん(休みだったのです)も呼んで、昼から飲むことになりました。
どれだけ飲んだか思い出してみたいとおもいます。

・鰻&天麩羅屋さんで、カキフライとポテトサラダを注文(結局それしか食べませんでした、すみません。)、ビール大瓶2本と日本酒1合徳利9本。
まだ2人だったので、2人で一升近く飲んだことになります。昼なのに。

・イタリアンファミリーレストランにて、ほうれん草サラダとピッツァマルゲリータを注文(これまた、それしか食べませんでした、本当にすみません。)、
赤ワインデキャンタ(500ml)を3本。
ここから3人になったわけですが、それでもデキャンタ1人1本。
ヒデオさんは格闘家でもあるので、格闘の話しで大盛り上がり。

・某串焼き屋さんにて、串焼き1人3本づつ注文(またそれだけです、すみません、本当に。)、日本酒5合徳利1本。
この頃はもうキマリ気味になってきているので、話の内容が過激化。

・某老舗バーにて、ジンリッキーで〆。

とまぁ、こんな具合だったものですから、午前中は体調不良でした。
昼から始まって、夜9時には解散したのですが、飲んだ量が量ですからねぇ。

皆様は真似しないで下さい。こんな飲み方。
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Drunker's market

2007-02-18 18:09:01 | Weblog
  今日は、あの「若い料理人の会」の飲み会、いや、新年会なのです。
第三日曜日なので、「マチルダベイ」は、ランチのみの営業となります。
ランチを終わし、休み前の大掃除終了後、一旦家に帰り着替えをして、今ブログを打っている訳ですが、もう時間が迫っているので、この辺にして行かなければなりません。
 あまり飲み過ぎないようにしようとは思いますが、まず無理でしょう。
今のうちに宣言しておきます。
今回は、文章が短くホッとしてらっしゃる方も多いと思いますが、
また明日から、長くなりますのでよろしくお願いします。
それでは、行ってまいります。
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店名の由来とは

2007-02-17 15:50:27 | Weblog
 時々、わが店「マチルダベイ」の名前の由来を聞かれることがあります。
「マチルダベイ」とは、私が修行時代過ごした、オーストラリアのパースという街にあるヨットハーバーの名前から頂きました。
 そのヨットハーバーに隣接するレストランの名前も「マチルダベイ」でございます。パクッてすみません。
 私がオーストラリアに住んでいるころ、あちらで出来た友人の一人にヨットを所有している者がおりました。
 その友人に誘われてヨットクルージングする事になったのですが、とても貴重な体験になりました。
昼はビールを飲みながら釣りをし、日が落ちてくると夕日を眺めながらビールを飲み、夜は星を望みながらビールを酌み交わす(それだけか!)、そんな中で見た光景にヨットの光が集まるヨットハーバー「マチルダベイ」の姿を見ました。
その残像が頭から離れず、店名とさせていただいた次第です。

 しかしこの名前、覚えづらいのでしょうか?
よく、全然違う物となって明記される事がしばしばあります。
領収書を貰うときなどは、「笑わせてどうする、俺を。」という名前で書かれることがあります。

「マチルダベイビー」こんな書かれ方なら日常茶飯事なのですが、

「”マチルダベイ”で領収書をお願いします。」

と言ったところ「マチルダベイデ」と書かれていました。
次の日、同じ失敗にならないように、ゆっくりとこう言いました。

「領収書を”マチルダベイ”と書いてください。」

まさかとは思いましたが「マチルダベイト」になっておりました。名前が。
ナメているのでしょうか?うちの店を。しかも2度に渡り。
しかし、それはまだ良いほう。違う店では、

「マキルダイ」

とだけ書かれてありました。
もうここまで来ると何の店か分かりません。
どういう意味なのでしょうか?「真 Kill Die」という風に直してもとてもいい意味には取れません。

 時々ですが、郵便物にもその様な訳の分からない事を明記してくるところがあります。
 うちの店が入っているビルの名前は「藤ビル」という名前なのですが、
「勝ビル」となっておりました。
その時点で笑わせてくれたのですが、名前がもっといい。

「マルチ ベイ」

 フランス料理のイメージは完全に吹き飛び、代わりに、健康器具や英会話グッズなどを売りつける怪しげな商法の店になっています。
郵便配達の人はどう思ったのでしょうか?2度ベルを鳴らしたくなったのでしょうか?

 皆様、ひとつお間違えの無いようにお願いします。

「マチルダベイ」ですから。
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