私はよく、料理または、それに関連する雑誌などを読むのですが、料理人がクローズアップされていて、経歴と料理人になろうとしたきっかけが載っていたりします。
いくつか読んでいくうちに、料理人になろうとした理由というのが、大きく分けて2つに分類されることに気がつきました。
子供の頃から憧れていた、または、子供の頃から興味があったし、作っていた、というポジティブ(積極的)派と、何となく、食いっぱぐれがない商売だし、取り合えず手に職を付けてもいいかな、というネガティブ(消極的)派の2大派閥に分けられます。
私はどちらかというと、後者の方に属してしまうのですが、何となくというよりも、更正の一環として、半強制的に入れられてしまったと言ったほうが適切な表現だと思います。
なぜ、そんな人間が店を持つ事になってしまったのかといいますと、その奥深さにハマッてしまったからです。
プロの仕事というのは、一般の方が考えるより、緻密で理論的、しかも、それを具現化するための技術、それを支える為の体力、というものが必要とされます。
10代も半ばにそんな光景を目の当たりにした私は、ある意味、興奮に近いものを感じました。
「そこまでやるのか。」
生まれて初めて厨房で働き、しばらく経ったときに思ったのがこれでした。
盛り付け1つにも、その理由を説明しなければならず、説明できなければ、その場で盛り付けの仕事から外されてしまう、そんな厳しい先輩もいました。
「盛り付けの中には、物語が存在しなくてはならない。」
その言葉を連日聞かされ、失敗すれば殴られ、蹴られ、怒鳴られ、仕事の後に、トクトクと説教を聞かされた時もありました。
ある時、前菜の盛り付けを全て一人で任される、という大仕事がありました。
笹の葉を川に見立て、前菜の食材を岩のように配し、川蟹のから揚げを、川で遊ぶ蟹に見立てた前菜は、親方にも、先輩にも評価を得ました。
その日の夜、先輩に飲みに連れて行かれ、お褒めの言葉を頂きました。
「お前、今日の盛り付け冴えてたな。何か本でも見たのか?それとも、あの情景が浮かんできたのか?」
指導していた立場からなのでしょう、先輩はご機嫌でした。
少し酒も入って、リラックスした私は、
「いやぁー、緊張して結構悩んだんですけど、ハッと思いついたのがありまして。」
「おっ、何だそれ。」
「機動戦士ガンダムの敵キャラで、ズゴックっていう川蟹みたいなヤツがいるんですよ、そのズゴックが川を渡るシーンを突然思い出しまして、あの盛り付けになったんですけど、ジャブローの攻防っていうタイトルにしようかと思いまして。」
「・・・・・・。(怒)」
その後、延々と説教されたのは、言うまでもありません。
今でも料理の奥深さに勉強させられるばかりです。
「何となく」入った料理の世界、その料理というものにハマリっぱなしになっているのは私自身かもしれません。
いくつか読んでいくうちに、料理人になろうとした理由というのが、大きく分けて2つに分類されることに気がつきました。
子供の頃から憧れていた、または、子供の頃から興味があったし、作っていた、というポジティブ(積極的)派と、何となく、食いっぱぐれがない商売だし、取り合えず手に職を付けてもいいかな、というネガティブ(消極的)派の2大派閥に分けられます。
私はどちらかというと、後者の方に属してしまうのですが、何となくというよりも、更正の一環として、半強制的に入れられてしまったと言ったほうが適切な表現だと思います。
なぜ、そんな人間が店を持つ事になってしまったのかといいますと、その奥深さにハマッてしまったからです。
プロの仕事というのは、一般の方が考えるより、緻密で理論的、しかも、それを具現化するための技術、それを支える為の体力、というものが必要とされます。
10代も半ばにそんな光景を目の当たりにした私は、ある意味、興奮に近いものを感じました。
「そこまでやるのか。」
生まれて初めて厨房で働き、しばらく経ったときに思ったのがこれでした。
盛り付け1つにも、その理由を説明しなければならず、説明できなければ、その場で盛り付けの仕事から外されてしまう、そんな厳しい先輩もいました。
「盛り付けの中には、物語が存在しなくてはならない。」
その言葉を連日聞かされ、失敗すれば殴られ、蹴られ、怒鳴られ、仕事の後に、トクトクと説教を聞かされた時もありました。
ある時、前菜の盛り付けを全て一人で任される、という大仕事がありました。
笹の葉を川に見立て、前菜の食材を岩のように配し、川蟹のから揚げを、川で遊ぶ蟹に見立てた前菜は、親方にも、先輩にも評価を得ました。
その日の夜、先輩に飲みに連れて行かれ、お褒めの言葉を頂きました。
「お前、今日の盛り付け冴えてたな。何か本でも見たのか?それとも、あの情景が浮かんできたのか?」
指導していた立場からなのでしょう、先輩はご機嫌でした。
少し酒も入って、リラックスした私は、
「いやぁー、緊張して結構悩んだんですけど、ハッと思いついたのがありまして。」
「おっ、何だそれ。」
「機動戦士ガンダムの敵キャラで、ズゴックっていう川蟹みたいなヤツがいるんですよ、そのズゴックが川を渡るシーンを突然思い出しまして、あの盛り付けになったんですけど、ジャブローの攻防っていうタイトルにしようかと思いまして。」
「・・・・・・。(怒)」
その後、延々と説教されたのは、言うまでもありません。
今でも料理の奥深さに勉強させられるばかりです。
「何となく」入った料理の世界、その料理というものにハマリっぱなしになっているのは私自身かもしれません。