ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

恐怖!1本だけ長い髪の毛事件!ドロドロドロ

2011-04-30 22:59:58 | Weblog
 一日の終わりに1時間ほどかけて掃除をするのですが、掃除に着手するのは日にちが変わってからであります、つまり、午前12時過ぎ。
 午前12時過ぎならかなり早いほうで、午前2時過ぎから掃除、なんていうのも珍しくありません。
 そんな中、少し前に気がついた事がありました。
 掃除のパターンとしては

「ヒートトップ磨き→ガスレンジ、バラして磨き→ストーブ前の棚、及び正面ステン拭き→換気扇フード拭き→冷蔵庫扉拭き→コールドテーブル拭き→シンク2つ洗い→作業台拭き→床掃き→床モップ掛け」

 となるのですが、最終工程「床掃き」の時に必ず、長く黒い髪の毛が1本だけ出てくる事に気付いたのです。
 最初、「あれ?長い髪の毛だ。」くらいにしか思っていなかったのですが、次の日も「あれ?また長い髪の毛。」その次の日も「あれれ?また・・・長い・・・髪の毛?」とほぼ毎日出てくる長い髪の毛に疑問が湧いたのです。
 毎日、長い髪の毛が、しかも、1本だけ、必ず作業台の下から、出てくる、というのは疑問に思わない方がどうかしているくらいであります。
 私もマネージャーも髪は決して長い方ではありませんから、「誰の髪の毛なのか?」という問題と、なぜ1本だけなのか、という問題が出てきます。
 マネージャーがいて2人で掃除しているのならまだ笑えますが、稀に仕込みで居残りを決めて1人で午前4時前に掃除している時にこの髪の毛が出てきた時には後ろを振り向いてしまいました。
 因みに、後ろをゆっくり振り向く時、私の頭の中で流れた音楽はバイオリンの「キュッ!キュッ!キュッ!キュッ!」という不協和音であります、オォ!怖さが倍増しますぜ!
 客席から風に吹かれてきた、というのも何か考えづらいですし、1本だけ風に吹かれてきた、というのも不自然です、しかも、毎日のように。
 お客様の男女比率が、男性の方のほうが多い、いや、誤解を恐れずに言わせて頂ければ「オヤジ指数が高かった日」でもその髪の毛が1本だけちりとりに迷い込んできましたから微妙に説明がつきません。
 不可解な出来事、として私の心に留めていたのですが、マネージャーと一緒に飲んだ時にその事を話してみると「女性の生霊が髪の毛として現れたんじゃない?」と何だか説得力があるんだか無いんだか判らない説を主張してきました。
 「という事は、死んだ人の何か、そういう念というか、そういうものではないんですね?」と聞いてみると「判らないけど、薄気味悪いですね。」と話を振り出しに戻してしまいました。
 しかし、謎の髪の毛、というのは何なのか?次の日の掃除の時、「よし!採取してみよう。」と思い立った途端、出てこなくなりました、その日からパッタリと。
 今でも不思議な出来事だった、という話なんですけど、スミマセン!これにはオチがありません!ただ、何となく書いてしまったのですが、皆様、ゴールデンウィークをどのようにお過ごしでしょうか。

 さて、話は変わりますが、ホームページにも載せましたが、当店はゴールデンウィーク中はお休みしません、ブッ通しで営業いたします。
 5月の3,4,5日はランチ営業も致しますのでこの機会に如何でしょうか。

 今日はどうでもいい話で終始しましたが、いつも、こんな感じですので流してお読みください。

 1本だけの長い髪の毛にまつわる話、というのは、まだ若かりし頃の私が既に1度体験している事であります。

 その話はちょっとここでは書けない、シャレにならない話しですので割愛させていただきますが、夏にでも書いてみようかと・・・

 いやいやいや、止めておきましょう。

 恐怖ブログになってしまいますからな。









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何処でもいいんだ、旅をしたいんだ、だから、切符をくれないか、誰か

2011-04-29 22:57:25 | Weblog
 本格的に大型連休に入り、「G」や「W」の字がやけに気になるようになってきた今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 「ゴールデンウィーク」をいつから「GW」と略して表記するようになったのでしょうか。
 「C・W・ニコル」さんの名前でさえゴールデンウィークと間違えそうではないですか。下手すると「W・C」つまり「トイレ」でさえもそれらしく見えてくる、というものです。
 仕事をしてからゴールデンウィークに休んだ事のない私にとってその時期は「混雑する」というのを意味します。
 しかし、「混雑する」から楽しい時もあるのではないでしょうか。(休んだ事のない人間が言うのも何ですが)
 例えば、ついこの間、再開した「ディズニーランド」。混雑していない、誰もいない、ディズニーランドは逆に不気味です。
 出来れば適度な賑わいが欲しいもの。人気アトラクションが2時間待ちだとしても、それはそれで楽しいのでしょう。
 物凄い人気アトラクションが、仮に「4時間待ち」になったら、4時間待ちの人たちのためのイベント、というのを企画したらどうでしょう。
 「長時間待ちの人たちのためのイベントが面白い!」のような噂が広まり、人気アトラクションに並んでいたがイベントの方が楽しそうなので並ぶのをやめた、や、長時間待ちの人のためのイベントを見る為に並ぶ、という何がメインだか判らない状態になるでしょう。
 連休になると、やたらと「蕎麦」を打ちたがるオヤジが出てくるのもこの時期ならではです。
 歳を重ねるごとに「蕎麦」に傾倒していく姿は、ある意味、宗教がかっていますし、そこまで行けなかった人は蕎麦打ち道具の残骸だけが痛々しく残るだけですから気をつけたいところです。
 
「じゃあ、お前は連休になったらどうやって過ごすのだ!」

 そのようにツっ込まれる方もいらっしゃると思いますが、残念ながら連休を取っても2日くらいが限度ですから「温泉場で飲む」くらいしか出来ませんが、仮に1週間くらい休めるのであれば旅にでも出たいものですな。
 電車の、できる事なら「鈍行列車」の旅、楽しそうじゃないですか。

「すみません、切符を購入したいのですが・・・」

「はい、どちらまででしょう?」

「え~っと、とりあえず、『青春18切符』を。」

「・・・・、青春18、ですか・・・、失礼ですがお客様、おいくつになられます?」

「18は軽く超えてますけど、心は18くらいです。」

「いやいや、心の年齢ではないですから、実年齢でお願いします。」

「心は見えないけれど・・・・」

「いやいや、それ、関係ないですよ、今。」

「青春って、何ですかね~」

「お客様、大人の休日クラブ、というのがありますが、そちらの方がよろしいんじゃないですか?」

「大人、とか、休日、とか、クラブ、とか、響きがイヤなんですよね。」

「・・・・、それって、名称全てですが。」

「あくまでも、青春気分で列車の旅を満喫したいんですよ。」

「ですから、大人の休日クラブで青春気分を満喫する、というので良いではないですか。」

「それじゃ、スリルが無いんですよね。あっ!青春キセルクラブ、というのは?」

「お客様、それ、犯罪ですよ。しかもその名前だと集団ですからね。」

「じゃあ、夜行列車にでも揺られていこうかな・・・」

「お客様、残念ながら、今は夜行列車そのものがなくなってきてるんですよ。」

「じゃあ、早朝列車にでも・・・・」

「何でも良いのか!」


 そのようなやり取りが繰り広げられるのではないか、と考えてしまいました。

 賢明な方ならもうお判りだと思いますが、この「会話形式」が出た、という事は、ネタ切れ、であります。

 すでに800回、超えてますからね。

 「文章を短くする」というのにもチャレンジした事はあったのですが、やはり、調子が出てくると長くなるんですな。

 初めてこのブログを目にする方は

「コイツ、大丈夫か?」

 と思う事でしょう。

 又、当店へご来店なされた方などは、

「アイツ、こんなに喋るのか・・・」

 と思う事でしょう。

 稀に「喋るんですか?」などと言葉を失った人的に思われたりする節がありますが、ここでハッキリさせましょう。

 人間ですから喋ります。しかし、仕事の最中は喋らないでしょう、普通。

 カウンターのお客様とは喋りますが、どちらかと言いますと聞き手になっていますから「喋らない人」のイメージがあるようですが、話を聞くのも仕事ですから。

 それと、これは「文章」ですので「喋り」とは違います、その辺もご理解ください。

 ゴールデンウィーク、頑張って更新しようと思いますので、飽きずにお読み頂ければ幸いです。

 それでは皆様、良い連休を。















 
  
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ハンディキャップを物ともしない猫は勇気を与えてくれるだろうか

2011-04-27 13:32:44 | Weblog
 先日、業者さんの方(女性)に「藤原さん、猫飼ってるんですか?」と疑惑の目で、と言いますか、いぶかしげな顔で、と言いますか、どっちにしても「良い方」のベクトルには向いていない表情で言われてしまいました。
 「飼っていますけど・・・それが何か?」それしか言いようが無いのですが、聞いてみると、ブログで少しその事(猫の事)に触れた事があったそうで、「ブログに書いてありました。」という事でした。
 当ブログを読んでくれている事には感謝しますが、それと猫の事が何か繋がりがあるのか?うちの猫が何なのか?一瞬の事ですが色々な考えが頭を駆け巡ったのですが、意を決して

「猫がどうかしたの?」

 と聞いてみると

「私も猫が好きなんです。」

 との事でした。
 その方は当店の用事を済ませたらすぐ帰ってしまいましたが、「猫が好きだから何なのか?」「猫が好きだからどうしたと言うのか?」「藤原が猫を飼っているのがどうなのか?」という最大の疑問を残したまま帰っていったため、心の不完全燃焼は燻ぶり(くすぶり)続けたのでした。(大げさ)
 稀に「猫を飼っている」と言うと、「以外ですね。」や「本当に?」のように言われてしまう私ですが、やはり、その言葉の続きは「その顔で?」というものなんでしょうか。
 基本的に私は「猫がすごく好き」というものではなく、「奥さんが飼いたい、というから渋々承諾した」というものです。
 しかも、ペットショップで買った猫ではなく、事情があって飼えなくなった猫をボランティア団体が引き取った猫を引き取った、という猫と、捨てられて病気で目が見えなくなった猫を病院に連れて行ったら行きがかり上、飼う事になった猫、という「訳アリ」猫ばかりです。
 その中でも目の見えない猫は、仕込み杖で殺陣がうまい盲目で坊主のマッサージ師の名前を頂いて「イチ」と名づけたのですが、それに反して、名前負け、と言いますか全く緊張感の無い猫であります。
 左目眼球喪失、右目は白内障気味でほとんど視力が無く、鼻も詰まっていると思われる「イチ」は、名前を呼ぶと「ニャ?」と答えるので耳は良いようです。
 夜、寝ていて夢見が悪く、うなされている時は大抵、胸の辺りに乗って寝ている猫で、「また捨ててやろうか。」と本気で思った事もありましたが、常に足に纏わりついてきたり、トイレまでついてくる姿を見ると「しょうがないな・・・」と帳消しになったりするものです。
 しかし、たまに思うのです、あの「左眼球喪失」していて陥没している目の奥では目に見えないものを感じ取っているのではないか、と。
 
 20歳の頃、仕事が忙しく、立場的にも重要なポストを任されていた私は、2ヶ月以上休みがなく、そのストレスを発散させる為に飲みに行くのが日課でしたが(まぁ、ソレは今でもなんですがね)、過度の疲れから「帯状疱疹」という病気に掛かった事がありました。
 しかも、それが右目付近に出来たため、目が開かなくなる、という事態に発展したのです。
 しかし、仕事は休むわけには行きませんし、身体が動かないわけではありませんから眼帯をして仕事をしていたのです。
 「海の男だ、眼帯勤務。月月火水木金金」などと歌って仕事をしておりましたが、病状が悪化し、ドクターから「右目失明の可能性がある」と告げられるまでになったのでした。
 流石に、「職務命令」で「休め!」と言われ3日お休みを頂いたのですが、当時、若かったんでしょうね、飲みに行きましたよ、しかも、飲んで寝たら治ってしまいましたけど。
 その頃は横浜に住んでいまして、晴れた日に電車に乗ると運が良ければ富士山が見えたりしたのですが、休みを頂き、病院に行く途中、「仮に失明したら、右目で富士山も見れないのか・・・」という考えが頭を擡げたのです。
 結果的にドクターが驚くほどの治癒能力で乗り切りましたが、「イチ」の左目を見ているとその時の事がボンヤリと浮かんできます。
 
「イチよ・・・お前、目に見えないものも見えているのか?」

 そう「イチ」に語りかけると、眼球を喪失した目でこちらを見つめます。

「イチよ・・・お前、捨てられた事、どう思っているんだ?」

 そう「イチ」に語りかけると、思いっきりクシャミをしました。

「あぁ!汚ねー!お前、鼻水ダラダラじゃん!」

 「イチ」は鼻も悪く、常に鼻づまりしてるのでクシャミをすると鼻水が飛び散るのでした。

「どんだけ鼻水出るんだよ、お前・・・」

 そう「イチ」に語りかけると

「ニャ?」

 と答えました。

 「イチ」、お前、幸せ者だよ。

 ハンデを判ってないんだからな。











 
  
 
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現状で満足してはいけない、自分に負荷を掛けるのだ

2011-04-26 20:07:26 | Weblog
 桜が咲き乱れる、という言葉を使用してもいいのではないか、と思えるくらい桜の満開度が上がっている今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 山形市の観桜所である「霞城公園」では今年、ライトアップを取り止めにしたそうですが、「自粛ムードを吹き飛ばせ」的な世の流れに敢えて(あえて)反逆の狼煙を上げているのでしょうか?
 日本3大植木市と呼ばれている「山形植木市」も通常午後9時までのところ、午後7時までとするそうです。
 節電のため、というのであれば言い訳が通用しません、自家発電が主でしょうからね。どう考えても「自粛」以外の何物でもないでしょう。
 「ハデにやれ」とは言いませんが、楽しみにしている方もいらっしゃるのでしょうから、何も普通でいいではないか、と思うのですが、役所的には「クレームが来たらどうする!」というのが本音かもしれません。
 「青少年達を守る為の時間短縮だ!」と言われてしまえば何も言えなくなりますが、まぁ、若いうちに道を踏み外してみるのもまた人生、というものではないですか。(無責任)
 
 さて、話は変わりますが、当店でお出ししているパンは、勿論、私が作っているものですが、前々から「種類を増やしたい」と思っておりました。
 躊躇って(ためらって)いた原因として「時間的」な問題がクリアできるか、というのがありましたが、今回、根本的なところから考え直し、且つ、パンの製法そのものを見直す事にしたのです。
 今までのパンは「ライ麦」を40%配合したルセット(レシピ)で、フランスパン用準強力粉を60%、塩、グラニュー糖、バターを2%づつ、インスタントドライイースト1%が入るものです。
 今回作ったのは小麦粉の香りを重要視した小型のフランスパン「バケット・ア・ラシエンヌ」というのを意識して作る事としました。
 「時間的な問題」というのは、通常作っているパンは捏ね上げてからフロアタイム(1次発酵)を1時間、ベンチタイム30分、成形、2次発酵約40分、焼成20分、と出来上がるまでにおおよそ2時間半掛かるわけです。
 その工程の中でもう一種類、というのはキツイな、と思っていたのですが、もっと発酵に時間を掛ければ種類を増やせるかもしれない、と考えたのです。と同時に、今までのパンも少し改良し、より料理に合うようなパンにしようと決意したのです。(大げさ)
 まず、今まで頭の何処かに「早く発酵させたい」という意識があったためイーストを若干多めに加えていた部分があったように思いました。
 イーストを1%から0,2%に減量し、その分、発酵時間を長く取る事でグルテンを引き出す方向で調整しました。
 フランスパンの製法で「オートリーズ製法」というのがあるのですが、それは塩とイースト以外、つまり、小麦粉と水だけで捏ねて休ませ、後から塩とイーストを加えて捏ねる、という段階を踏みます。これはこれで良い製法なのですが、今回、私が採用した製法は「オーバーナイト」と呼ばれる冷蔵庫で低温でゆっくり発酵させるものです。
 時間は掛かりますが、今のところ、これが仕込みの時間に組みやすいようです。
 作り方はこの通りです。(500グラムで仕込みます)

・フランスパン用準強力粉 100%(500グラム)

・塩(ゲランドの塩) 2%(10グラム)

・インスタントドライイースト 0,2%(1グラム)

・水 69%(345グラム)

①全て合わせミキサーで低速4分、中速6分回す。
 
②常温で2時間発酵させ、冷蔵庫に入れ12時間更に発酵させる。

③常温に30分置いて温度を戻す。

④40グラムに分割し、軽くまとめ30分ベンチタイム。

⑤成形し、30分休ませる。

⑥天板に並べ、切り込み(クープ)を入れ250℃のオーブンに入れる。

⑦予備熱を加えていた下の段の天板に水を入れ蒸気を出す。

⑧25分焼成し出来上がり。

 このような工程であります。

 夜の11時くらいに仕込み始めれば次の日のお昼過ぎから作業が出来る、という段取りができるわけですな。
 出来上がりがこれです。





 お好きなパンをお選びいただけますのでマネージャー佐藤にお申し付けください。

「食べ比べしたいので2つ出せ!」

 そのようにお考えの方がおりましたらそのようにお申し付けください、ふたつお付けしましょう。

「もっと種類増やせ!」

 そのように言われましたら・・・勘弁してください!

 軌道に乗りましたら種類を増やしたいと思いますので、その時まで!














 
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それを読み込む事で見えてくるものとは何か

2011-04-22 23:08:58 | Weblog
 統一地方選挙「県議会議員」版が先日、終了したと思いきや、今度は「市議会議員」版の選挙が繰り広げられており、「こんな時期に連チャンか・・・」と複雑な心境に陥ってしまう今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 営業の都合上、期日前投票にしか行けない私ですが、今回も勿論、毅然とした態度で、そして、ちょっと疲れた面持ち(おももち)で候補者名を書き込み、そのまま投票箱にブチ込んで雄叫びを上げてきました。(ウソ)
 毎回、選挙になると選挙公報や新聞を持参してマネージャーと共に賄いを食べながら候補者の当落を予想し、赤鉛筆で書き込むのが当店の選挙への関わり方になってきております。
 当選者上位3名と落選者を予想しながら選挙公報を読むのは、殆ど競馬に近い感覚かもしれません。
 しかし、この「選挙公報」というのも読み込むと、ツッコミどころ、と言いますか、それって、どうよ?的なものが結構、出てくるものです。
 例えば、ある候補者は「限りなく正直でありたい!」と掲げておりましたが、ビミョーな言い回しです。
 言いたい事は何となく判りますが、「限りなく正直でありたい!」というのは「私は正直です!」より人間的でありますが、「私は、限りなく正直でありたい!でも、なかなかそうはいかないモンですよね・・・」の略かもしれないではないですか。
 いや、もしかすると「私は、限りなく正直でありたい!とは、思ってるんですけど、どうでしょうね?」や「私は、限りなく正直でありたい!という言葉が好きですが、正直になんてなれませんぜ、普通。」などかも知れません。(考えすぎ)
 その他に、「100年先を見据えた山形アイデンティティーの継承」というのを掲げている方もいらっしゃいましたが、100年先、長すぎです。しかも、こんな時期に・・・
 その方は「山形アイデンティティーの継承」の詳細として、「日本伝統文化をはじめ地域の伝統芸能を育成し、山形をジャパニーズトラディショナルのモデル地区として世界へ発信します。(山形市会議員選挙 選挙公報より抜粋)」とありましたが、日本の伝統を重んじる割には横文字が好きなのでしょうか?
 世界を視野に入れていらっしゃるようですが、山形市の市会議員としてやらなければならない仕事は他にあるように思われます。
 また他の方は、プロフィールに「昭和○○年○月○日生まれ(61歳)充電完了!」と書いてあり、いけないとは思いつつおもいっきり笑わせていただいた次第でした、そんなに充電していたのですか、立候補する今まで。
 「選挙をバカにしているのか!」そのようなお言葉を頂きそうですが、そんな事はありません、選挙公報を読み込んでいる、という事は、当選した方には公約として掲げた事を守っていただかなくてはいけません、それが仕事ですからね。
 その為に、各候補者の公約を読み込み、熟慮して投票行動をしなければならないでしょう。
 ですから、私はこれからもこのようにして市を、県を、国を動かす人を考えて決めたいのです。
 そういえば、昔、「貴女の為に頑張ります!」と書いていた方もいらっしゃって「俺(男)のためには頑張れないのか?」と笑ってしまった事がありました。
 「ほら!そうやって本当はバカにしているのだろう!」いやいや、それくらい読み込んでいる、という事ですよ、良くも悪くも、ね。

 さて、話は変わりますが、もうすぐ世の中はゴールデンウィークに突入するわけですが、当店は連休中、休まずに営業いたします。
 5月、3日(火)、4日(水)、5日(木)も毎年の事ですがランチ営業を致しますので、お時間のある方はこの機会にご来店ください。
 ただし、2日(月)は、ランチをお休みさせていただき仕込みをさせていただきますのでご了承ください。
 詳しくは、ホームページと連動しているブログ「マチルダベイ シェフのブログ」をご覧ください。(一応、これもシェフのブログなんですけどね)

 「連休の月曜日の昼、どうしてもワインを飲みたいんだ!店を開放しろ!」

 とおっしゃる方は、カウンターのみですが、如何ですか?私は厨房で仕込みをしながらお話し相手をさせていただきます。

 「本当に?」

 本当ですとも、常に「限りなく正直に営業いたしたい!」と思っているのですから。

















 

 
 
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天気が良いと羨ましく思える、そんな日曜日

2011-04-17 03:18:34 | Weblog
 昼と夜の気温差が気になり、何を着ればいいのか悩んでしまう今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 日中、コートを着ると暑いように」感じますが、夜はコートが必要なくらい寒さを体感する事が出来ます、どっちかにしなさい!気温さんよ!
 もう今日になりましたが、今日は天気が良いとされております。この天気が続けばいいのでしょうが。

 さて、先週、先々週、と日曜ランチメニューをお休みさせていただきましたが、自宅のPCの調子がよろしくなったせいであります、最近は調子が戻ってきたようですな。
 それでは、ランチメニュー紹介行ってみましょうか。


        4月17日(日)ランチメニュー

         "前菜"

・蝦蛄と蛍烏賊のサラダ バジル風味

         又は

・豚肉のテリーヌ 和辛子と蜂蜜のソース


         "本日のスープ"

・蕪のポタージュ


         "メイン"

・本日のお魚のポワレ 小松菜のソテー ブラックオリーブのソース

         又は

・庄内もち豚のロティ 牛蒡のカラメリゼ シェリーヴィネガー風味


         "本日のデセール"

・リンゴのソテーシナモン風味 ヴァニラのムースとカラメルのアイス添え


 以上になります。

 今日は前菜に使用する蝦蛄(シャコ)をボイルして殻剥きしたのですが、蝦蛄のファイティングポーズとも何とも言えない姿が頭から離れません。

 カマキリにも似たような蝦蛄は味わい深くお勧めです。

 数に限りがございますので早い者勝ち、という事で、ひとつ、お願いします。











 
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今でもフランス料理への憧れは変わらない

2011-04-13 23:16:41 | Weblog
 山形市内の某幼稚園の中庭では桜が咲いたそうですが、スローリーですが一歩一歩確実に大地を踏みしめながら春がやって来ているのではないか、と思われる今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 天気も気温もやっと春らしさを醸し出し始めましたが、今日、八百屋さんへ買い物へ行った際、中心市街地交差点で歩行者信号が青になると交差点のど真ん中へやって来て踊り出している40過ぎの男がおりました。
 「どじょっこ」だの「ふなっこ」だの、は春になると出てくるのかもしれませんが、「何っこ」なんでしょうか?彼は。
 信号が赤になるとニヤニヤして信号機の柱にしがみついていた彼は、その後、通報されていた節がありましたから「春が来たな。」と確信した次第であります。
 食材的にも春らしさを感じるものが出てきました。私個人的には「蛍烏賊」が出回ると「春だな。」と思ってしまいます。
 毎回、蛍烏賊が出回る季節になると書いている事ではありますが、蛍烏賊を食材として使用し、それを商売とするならばせめて掃除は完璧にしていただきたいものです。
 蛍烏賊に限らず烏賊全般に言えることですが、目、口ばし、背骨の3点セットは取り除くべきです。
 「普通の烏賊の下処理では3点セットを取り除くけれど蛍烏賊の下処理では取らない」というのは言い訳になりません。
 背骨が残っていた、くらいでしたら笑い話で終わりますが、目が残っていた、口ばしがあった、というのは食後感が悪くなってしまいます。
 それどころか「3点全て残っていた」というのは下処理をしていなかった、という事になり、負のスリーカードをお客様に手渡すようなものですから気をつけたいところです。
 普通、蛍烏賊は「酢味噌」で食べるものですが、私的には「タバスコ」と「オリーブオイル」を絡めて食べるのが好きです。
 店でお出しする時も、トマトソース、タバスコ、オリーブオイルを絡め、小口に切った胡瓜、トマト、玉葱、そして、蒸したスムール(所謂(いわゆる)「クスクス」と呼ばれているものです)と混ぜ「タブレ」にしてお出しします。(「タブレ」はスムールを使用したレバノンが発祥のフランスのサラダです)
 「タブレ」全体の色もピンクがかっていて春を連想させるものとなっております。今の時期ですと前菜でお出ししておりますのでご興味のある方は如何でしょうか。
 「メインで出せ!」そのように仰る方がおりますかどうか判りませんが、もし、そのような事が提示されましたら蛍烏賊の中にリゾットでも詰めて「蛍烏賊ぽっぽ」としてお出ししましょうか。
 ただ、サイズがサイズですから何個も食べなければならないでしょうな。

 さて、話は変わりますが、最近、コメントを頂いた中で「なぜ、フランス料理を選択したのか?」というご質問がありました。
 「説明が長くなりますので本編でご説明いたします。」とお答えしたのですが、よく考えてみるとそれほど長くなる説明でもないな、と思ってしまったのです。
 しかし、「本編で」と書いてしまった以上、本編で説明しなければ、いや、その義務があるだろう、と勝手に思ってみた次第です。(大げさ)
 仕事というのはどの職種でも同じだと思いますが、突き詰めれば「終わりが無い」ものです。
 「これでいい。」と思ってしまえばそれで止まってしまいますし、「この次のレベルを」と思えばやらなければならない事が湧き出てくるものです。
 
 私にとって「フランス料理」は難解で複雑な高い山のようでありました。
 オーストラリアから帰国し、山形の店(以前、勤務していたダイニングバー。現在は閉店)を任されたのが26歳の頃でしたが、その店は数品フレンチがあるもののイタリアンを全面に押したメニューの店でした。
 当初、以前からのメニューを踏襲していたのですが時間が経つにつれ、一品一品の料理を深く考えると「もっと手を掛けなくてはならないのではないか」というひとつの結論に達したのです。
 それは「イタリアン」への決別であり、困難である「フレンチ」へ針が振れた瞬間でもありました。(結構大げさ)
 それから、たたみ1畳分程の厨房で「牛肉のワイン煮込み」「レバーのテリーヌ」「豚塊肉のロティ」などのメニューを少しづつ作っていったのですが、如何せん、理解されづらい、という難点がありましたな。
 そんな時、当時、本店である(そちらにオーナーがいました)イタリアンの厨房の人間が相次いで辞める、という不測の事態に見舞われ、ヘルプで入っていたのですが、「イタリアンランチ→イタリアンディナー→ダイニングバー朝方まで」というローテーションの中、フライパンを振りながら「これじゃないだろう。」と疑問が頭を擡げるのでした。
 「やりたい事があるのにやれない」「もっと突き詰めて仕事がしたいのに忙殺されてしまう」、身体の疲れは克服できるが、精神的な疲れは人を哀しみの果てに追いやってしまいます。
 結果、「独立するから」という形で辞めましたが、「自分の考えがブレないように」という想いを込めて店名の冠に「フランス料理」と付けさせていただいたのです。
 開業資金の借り入れの際、その機関の方から「フランス料理」という肩書きに対して「ダメ出し」をいただいたりしましたが、ほぼ毎日通い詰め説得したものです、決めゼリフは「フランス、嫌いですか?」でしたな。

 今でも「フランス料理」は難しく手間がかかり、パーツの多い料理だな、と感じる時があります。
 
 しかし、それもまた楽しみであります。

 ひとつひとつ料理を紐解き、クリアしていく楽しさ。そして、それを評価していただいた時の嬉しさ。一日の最後に掃除をしながら鍋や機器に感謝する時、それらが去来するのです。

 今年の6月で当店は丸7年、8年目になります。
 
 今回の記事を書いていて色々思い出される事がありました。

 初心を忘れずに邁進したい、そう思いました。

 そう!初心を忘れずに蛍烏賊の掃除はキッチリと!

 しつこいですか?









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その男は何処かに紛れ込んでいるかもしれない

2011-04-08 23:53:39 | Weblog
 「余震」と呼ぶにはあまりにも大きな地震が東北、関東地区を襲いましたが、今回は皆さん冷静であったように思えた今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 小さな余震は結構な回数体験しましたが、今回のはホンチャンくらいの大きな揺れがあったと体感しました。
 幸い、店の備品は損壊せずに済みましたが、信号機まで消えてしまう停電は全く何も見えず、帰宅するのが大変であります。
 しかし、暗闇というのは目が慣れてしまうと闇夜の中でも薄っすらと見えてくるのが判りました。判ったわりには自宅の玄関先でつまづきましたけどね。
 蝋燭がユラユラと灯る暗闇の中で「このまま店が潰れたらどうするよ、俺。」と一人、ワインを飲みながら物思いに耽ったわけですが、冷静に考えると地元で仕事するのは難しいのではないでしょうか。
 まず、年齢的なものを差し引いても何処も雇わないのではないか、と推測されるからであります。
 しかも、「フランス料理をしてました。」という肩書きですと敬遠される事、間違いありません。「すぐ、納得行かない、とか言うんでしょ。」などと言われそうであります。
 しかし、「元フランス料理の料理人が握る回転寿司」や「元フランス料理の料理人が揚げるトンカツ」などというとちょっと趣向が変わってイケルのではないか、と勝手に想像したのでしたが、どうせなら定食屋さんのオヤジにでもなってメニューを考えてみたらどうでしょう。
 やはり、フレンチテイストは何処かに潜めたいですから「バター」や「生クリーム」「フォン」などは使いたいところ。
 でも、あまり使いすぎるとイヤミになりますから、判らない程度、又は、判っても許せる程度、というのが鉄則になってくるでしょうな。
 例えば「バター」だったら「バター乗せご飯」という思いっきりフィーチャーしたオン・ザ・ライスで攻める事が出来ますし、「フォン」とりわけ「フォン・ド・ヴォライユ(鶏の出汁)」だったら「ラーメン」で生かせる事が出来ますが、「生クリーム」は難しい。
 「ホワイトシチュー」という手もありますが、ご飯に本当に合うか、というと賛否、分かれるところなのではないでしょうか。
 となると、トリッキーに「味噌炒め」的なものに生クリームをほんの少し加え、マイルドにすればご飯にも合うのではないか、と考えられます。
 味噌汁の出汁も「フュメ・ド・ポワソン(魚の出汁)」を使用する、というのはどうでしょう。
 
「鰹節の香りが無いぞ!」

 そのようにお怒りになられる方もいらっしゃるでしょう、その時は

「当店では、痛風の方にも安心して食べていただけますよう乾物は控えております。」

 と言い切ってしまえば乗り切れそうです。
 
「俺は痛風じゃない!」

 怒りが倍になるかもしれません、その時は、

「またまた~、本当は・・・でしょ。判ってますって。」

 ととぼけるしかありませんな。

 もしかするとチェーン店居酒屋さんにも潜り込んでいるかもしれません。

「いらっしゃいませ、こんばんは!」

「あれ?あなた、フランス料理屋さんにいませんでした?」

「・・・・・ご注文がお決まりになりましたらこちらのボタンを押してお呼びびください。」

「おいおい、話し聞いてんの?あれでしょ、この前、酒の肴・・・にも出てたよね」
 
「生ビールがおふたつ、ですね?」

「注文してないよ!」

「・・・・」

「まぁ、いいや。じゃあ、ウーロンハイふたつと刺身盛り合わせ、あと唐揚げ。」

「ご注文繰り返させていただきます、ウーロンハイがおふたつ、お刺身盛り合わせの唐揚げがおひとつ、以上でよろしいですか?」

「ちょっと!刺身盛り合わせをどうやって唐揚げにするんだよ!」

「私なら出来ますけど・・・・」

「そういう問題じゃないだろ!刺身盛り合わせ、と、唐揚げ、だよ!」

「かしこまりました。以上でよろしいですか?」

「おお、いいよ。」

「本当によろしいですか?」

「何だよ、それ。」

「いや、ちょっと言ってみただけです。」

「早くオーダー通せよ!」

「ウイ!」

「やっぱり、お前、フレンチ野郎だな!」

「ノン、ノン。キュイジーヌ・フランセーズです。」

「どっちだって一緒だろ!」

 こんな事になるのではないか、と考えてみました。

 最近、ブログ記事が800本を超えている事に気がつきました。

 ブログを始めた頃からお読みになられた方、又は、遡って全て読まれた方は、こんな内容の記事を800回以上受け止めてくださっている、という事なのですね、うううう・・・涙が。

 このような事にならないよう、頑張りたいと思います。

 ブログも・・・頑張りますが、どれだけ続けるんですかね?













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新しい調理師諸君に贈る、写真付き魚のバラード

2011-04-06 23:18:11 | Weblog
 ほぼ、春が訪れている、と言ってもいいであろう気温に恵まれていますが、大震災の不安も抱えている今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 天気の良さと先行きの不安が同居している4月でありますが、その微妙な空気の中、統一地方選挙が決行されます。
 震災の爪痕を映像で見たり、原発のニュースを見たりする度に、今、選挙をする必要があるのか疑問に思ってしまいますが、もう決まった事ですから投票行動に移るしかありません。
 今日、山形県議会議員選挙の選挙公報を見ましたが、こんな事を言ったら何ですが、もう結果が薄っすら見えているような気になっているのは私だけでしょうか?
 しかし、選挙は蓋を開けてみないと結果は判らないものですから、大逆転があるのか開票結果を待つしかないでしょうな。
 稀に、「私、選挙に行きません。」と笑顔でカミングアウトされる方がいらっしゃいますが、それではいけません、いや、イカン事になってますよ。
 選挙権を保有しているのならば、その権利を行使するべきです、いや、しなさい!中立などというものはないんですよ、世の中には。
 仮に、「誰も支持する人がいない。」というのならば白紙で投票する、という手もあります。要は、投票率を上げる、というのが大事なのです。
 白票でも立派な投票行動です。無関心で選挙に行かないよりも政治に関っている事になりますから気持ち的に成熟していると言えるのではないでしょうか。
 私は明日、期日前投票に行くつもりですが、あの仰々しい雰囲気の中に、気になる事が詰まっている会場が意外に好きです。
 県から派遣されていると思しき選挙管理委員の方々、どのタイミングで食事をしたりするのか気になってしまいます。
 笑顔をあまり見せない所も気になります、笑顔禁止なのでしょうか?
 妙に静まり返っている所を見ると、私語厳禁かもしれません。
 過度にオシャレをしてはいけない、という規則もあるのかもしれません、いや、もしかしたら普段の服装がそれなのか?
 色んな気になるところを見に行くだけでもある意味、楽しいのではないか、と私は思っておりますが、こんな事を書くと怒られますか?

 さて、話は変わりますが、歓迎会などは自粛されているとは思いますが、入社した新社会人はいるのでしょうから頑張っていただきたいものです。
 我々飲食店関係でも新しく調理に携わる人が加わるのではないか、と思うのですが、残念ながら当店には入ってきません。
 しかし、他店の若き調理師を目指す人も当店の若者のようなものです。(強引)
 という事で、最初に覚えるとこれから先が楽になるであろう「魚」の下処理、というのを、何と!珍しく、写真入で解説しようではないか、という企画内容です。(ネタ不足のため写真を撮っていた)
 今回は、「黒ソイ」という魚の下処理を5枚の写真を使って説明したいと思いますが、「判りづらい!」「動画にしろ!」といった苦情は・・・まぁ、受け付けますか、改善できませんけど。

 では、まず1枚目の写真を見てください。



 これが「黒ソイ」です。岩礁魚である「カサゴ」の仲間でありますが、体の作りは特殊な魚を除いて皆、殆ど同じであります。
 頭を左にし、右手から左へ包丁を縦にして鱗を取ります。背びれや尾びれの近くの鱗は取りにくいので包丁の先や根元の方をよく使い取りましょう。
 次に、頭を右手にしエラを開け包丁を差し込んでエラの赤い部分と食道を切断します。



 切断したら、エラの赤い部分を引き出して取り出します。今回の黒ソイちゃんは食後すぐだったのか、喉元に鰯や鯵などが詰まっておりました。(エラの赤い部分の右隣)
 


 今度は、横にしてお尻の穴からアゴの辺りまで包丁を入れ、腹を割き、内臓を出します。
 胃袋、腸、肝臓、胆のうがあるのがお判りでしょうか。胃袋の中からは未消化の魚が尻尾を出しているのが見えますね。これは先ほどの喉から出てきたものもそうですが、良く洗い、入手経路を思い出さなければ食べれます。



 腹の中を洗い、水分をよくふき取り、頭の付け根からヒレの辺りまで斜めに包丁を両側に入れ、骨を切断すれば頭は外せます。

 

 ここまでが下処理です。
 後はシェフに「どうぞ!心置きなく3枚に下(お)ろしてください!」と告げれば良い師弟関係が築けるのではないか、と考えます。

 ただし、「綺麗に下ろしてください!」や「何なら私が下ろしましょうか?」などと余計な一言を発すると嫌われてしまいます、気をつけましょう。

 黒ソイは、焼いて(ポワレ)も美味しいのですが、蒸し焼き(ブレゼ)したり、茹でたり(ポシェ)しても美味しい魚です。

 内臓も新鮮なものでしたら焼いて食べれます、美味しいのですよ、これが。

 新鮮で偽りのない魚の内臓はピンクがかっていて綺麗ですが 、鮮度が落ちているものだと黒ずんでいたりします。

 勿論、前者の方が良いわけです。

 政治家も魚も腹の中が黒くない方がよろしい、という事で〆ますか。










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2話分の長さと愛情をブログに詰め込んで

2011-04-05 22:23:19 | Weblog
 薄っすらと雪が舞い散る時もありますが、春の訪れを予感させる日の射し方が見られる4月、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 日中はもうコートが要らないほどの暖かさを体感できますが、夜はまだ寒く、寒暖の差を思い知らされるようであります。
 そんな中、先週の日曜日に、あの「突然依頼が来る料理番組」である「酒の肴 つくってみーよ」の当店版が放映されました。
 先月の収録後、当ブログに書きましたが、番組出演依頼が何の前触れもなく電話でやって来て、しかも、電話を受けた次の日に打ち合わせ、それから4日後くらいに撮影、という非常にタイトな強制スケジュールでありました。逆にこれくらいの方がクセになりますぜ。
 打ち合わせをしながらメニューを考える事を余儀なくされたのですが、「放映前後の方と食材的に被らない事」「家庭で確実に用意できる食材」「作れるような範囲内の調理」という条件を満たそうとすると、今回は「野菜メイン」で行くのが妥当、と判断したのです。
 先週、ブログ記事で当店版放映の告知をしようとしたのですが、先週に限って何かとやる事が多く、ブログを更新できずにいたため告知出来ませんでした。
 知らずに番組を観て「またお前か!」とお思いになられた方もいらっしゃるのではないか、と推測されますが、私よりも出演されている店の方もいるはずですから、ご容赦くださいね。

 「明日、番組じゃないですか?」とマネージャーに言われて気が付いた、というのはいつもの事ですが、言われてから「何・・・作ったんでしたっけ?」と完全に料理したものを失念してしまったのは「若年性ホニャララ」の始まりではないか、と一瞬、虚空を見つめてしまったのでした。
 しかし、よく記憶の糸を手繰り(たぐり)寄せてみると料理を写真に収めたような、そんな行動を柄にもなく行ったような、そんなシーンがフラッシュバックしたためカメラを確認してみると、あるもんですねぇ、やっぱり。
 それを見て

「嗚呼!そうそう、これこれ!これね!作った作った!これですよ、これ!そうでした、そうでした!アレだな、アレ!アレしたんだよね!アレをね!ホラホラ、思い出しましたよ、もう思い出しました!完全に!アレだったんだよね、あの時!だからこうしたんだと思うんだけど、どうやって作ったんだろ?」

 と口走ってしまいましたが、隣にいたマネージャーがハリセンを探しているように感じてしまいました。ま、普通なら後頭部、ハリセンでしょうな、こんな事を口走るヤツは。
 確認のため、携帯のテレビで番組を観ましたが、まぁ、それなりに作っていましたぜ、藤原ってヤツは。(番組を観ないと思い出せないのか!という意見もおありでしょうが、一応、確認したんですよ、一応)
 という事で、今回は「酒の肴 つくってみーよ」で作った料理を写真付きで再現し、「俺の肴 つくってみーよ」と題して更に長文化してみましょう!

 まず1品目です。番組では「アスパラと菜の花のマリネ」と名づけられていたはずですが、それは便宜上であります。(おいおい、そんな事書いて良いのか?)
 正式には「アスパラガスと菜の花のサラダ 海草風味のソース・マヨネーズ」であります。
 この料理のポイントは、アスパラガスと菜の花を1%の塩分のお湯でボイルし、そのボイルした茹で汁を冷ましアスパラガスと菜の花を漬け込む、という作業がある所であります。
 理由といたしましては、茹でる際に流れてしまう野菜の味を漬け込んで戻す、という
ものでありますが、保存性もありますのでご家庭向きなのではないか、と考えました。
 では作り方を。

①アスパラガスは皮むき軸の硬い部分は切り落とす。(皮と軸は使うので捨ててはいけない)

②鍋に2リットルのお湯を沸かし、お湯の量の1%、つまり20グラムの塩を加える。(塩分1%の茹で湯で茹でると野菜の表面塩分濃度は0.7%になるはず、という考えの下に。つまり、下味ですな)

③アスパラガスの皮、軸を5分ほど茹で、茹で湯にアスパラガスの風味を付ける。(お湯の色が若干、緑がかるはず。これはアスパラガスの風味が付いた証拠です)

④皮と軸を捨て、アスパラガスと菜の花を歯ごたえがあるくらい茹でる。(捨てる、と書きましたが、皮も軸も食べれます。食感が悪いだけで食べれる、という事も覚えておいてください)

⑤茹でたアスパラガスと菜の花を氷水で冷まし、茹で汁も冷ます。(ゆでた野菜を急冷する事を「色止め」と言います)

⑥冷ました茹で汁にアスパラガスと菜の花を漬け込む。(この状態で2~3日保存可能)

⑦焼き海苔を水につけ戻し、戻している間にマヨネーズ、レモン汁、ヴァージンオリーブオイルを混ぜ、戻した海苔を加え攪拌する。(人は追い詰められるとこんなソースを考えてしまう、という例でありますな)

⑧茹で汁に漬けたアスパラガスと菜の花を引き上げ、水気を切って適当な大きさにカットし、ボールでヴァージンオリーブオイルと和える。(下味が付いていますから塩など加える必要はありません)

⑨皿に盛り、ソースを流す。(完成です)

 完成品はこちら



 勢い、ソースと和えてしまいたい方もいらっしゃると思いますが、この料理は野菜が主役であります。
 ですから、野菜の味をマスキングしてしまうであろう「メランジェ(混ぜる)」ではなく、好みでソースをつける、という自己責任での食べ方を提唱したいですな、私は。
 さて、次、2品目です。
 「長すぎるだろ!今日のブログ!」もう、そのような「読み疲れモード」に突入している方が続出しているかとは思いますが、2品目です。
 番組でしたら「チャ~ン、チャチャ、チャララ~ン♪」というミュージックが流れる所ですが、説明、行きますか。

 次の料理は、「蕪と海老のポワレ」であります。
 これも番組の構成上、この名前になったのですが、冷静に考える、かなり短縮したネーミングになっています。正式には「蕪と海老のポワレ 牛蒡風味のソースを添えて」となります。
 この料理のポイントは、蕪と海老を同じフライパンで弱火でゆっくりポワレする、という事であります。
 料理人という立場上、番組(この場合、「つくってみーよ」さんですよ)の料理でも厨房で料理を考え、厨房で再現しようとすると、オーブンを使用したり、鍋を複数使用したりしがちです。
 しかし、実際、家庭にオーブンがある家など「ない」と思われますし、あっても余熱に時間がかかり面倒でしょう。ガス台も2口コンロである確率が高い為、鍋を複数かけれない、と考えるべきです。
 鍋ひとつ、フライパンひとつ、を無駄なく使う、を前提にメニューを考えた方が現実的でしょう。
 では、それを踏まえて。

①蕪は皮を剥き3センチほどの厚さに切り面取りしておく。(皮と面取りした際に出たものは使用するので捨てない)

②玉葱はみじん切り、牛蒡はすりおろし、蕪の皮と面取りで出たクズはみじん切りにしておく。(これがソースのベースとなります)

③鍋にバターを入れ火に掛け、玉葱を炒め、透き通ったらすりおろした牛蒡を加え水分を飛ばすように炒める。(玉葱も牛蒡も水分を飛ばすように炒めると甘みが出てきます)

④鍋底に付くくらい炒めたら蕪の皮などを加え軽く炒め、白ワインを加えます。(白ワインを飲みながら調理すると忘れる事がないでしょう。無き場合は料理酒でも可。それも無き場合・・・おまかせします)

⑤白ワインを軽く煮詰め、1品目の野菜の茹で汁を加え更に煮詰め、ある程度濃度が付いたら胡椒を加え、バターを加え混ぜ、ソースとする。(前出の茹で汁をフォン(だし汁)と捉えましょう。その方が無駄がないですし、塩分も加える必要がありません)

⑥面取りした蕪に隠し包丁を入れ、ヒマワリ油を引いたフライパンでゆっくり焼いていきます。(面取りした蕪に軽く格子目に包丁を入れる、それが隠し包丁。火を入りやすくするのとソースを絡みやすくする為。ヒマワリ油がなければサラダ油でもグレープシード油でも可)

⑦蕪と時間差で海老を殻ごとフライパンに投入し一緒に焼く。(有頭海老ですと油に海老風味が移り蕪にほんのり海老の香りが付くのでおすすめです)

⑧皿にソースを敷き、蕪を盛り、その上に殻を剥いた海老を乗せる。(完成ですが、オシャレにしたい場合、その上にサラダを乗せると立体的なビジュアルになり、色的にも綺麗で得点が上がると考えられます)

 完成品はこちら。



 すりおろした牛蒡の甘さを引き出す、というのがソースとしての完成度を上げる所でありますが、面倒くさい場合、カレー粉を入れてごまかす、という手もあります。
 家庭で再現するにはもっと簡単な方が良いのかも知れませんが、「ヤル気になれば出来るレベル」くらいの方が、丁度良いハードルではないか、と考えました。

 「簡単」や「手軽に」といった冠が付いている料理本をよく見かけますが、内容を見てみると、そうでもなかったりするものです。

 出来る人には「簡単」かも知れませんが、出来ない人にとっては至難の業かもしれません。

 「酒の肴 つくってみーよ」という番組に、僭越ながら出させていただき、料理を考える時、「出来る」又は「作れる環境にある」人を対象にするのではなく、むしろ「出来ない」「作り方がわからない」人にどれだけ興味を持ってもらえるか、という点に重きを置いて考えます。

 これは番組出演依頼がなければ考えなかったかも知れない「料理作り」であり、自分自身基本に立ち返る良い機会ではないか、と「酒の肴 つくってみーよ」製作スタッフ様には感謝いたしております。

 「酒の肴 つくってみーよ」製作スタッフ様は有り難い事に当ブログを読まれているそうでありますが、話をよく聞いてみると結構、ヘビーユーザーのようです。

 今回の記事も読まれる事でしょう。

 それを前提に私から番組へ提案があります。

 出演なさった料理人の方が、本当に家庭で再現できるのか、ご家庭の台所をお借りして作る特別番組「逆の立場で 再現してみーよ」を製作していただきたい。

 制約のある家庭の台所でどれだけやれるのか、見ものでしょう。

 その時は、視聴者の立場で応援しますよ、私は。












 
 
 
 
 
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