ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

1段だけではいけない、重ねなければ「アレ」にならないだろう

2011-12-27 23:07:23 | Weblog
 春と思えば夏が来て、夏と思えば秋が来る、そして、今は銀世界・・・そんな言葉で1年を締め括りたくなる今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 クリスマスも、もう過去の話になってしまいましたが、クリスマスディナー期間中は沢山の方にご来店いただき、感謝いたしております。
 先週1週間は毎日がほぼ満席、という有り難い状況でしたのでお席をご用意できずせっかくご来店くださったのにお返ししてしまいました、申し訳ございませんでした、この場をお借りして平にご容赦ください。
 クリスマスディナー前からクリスマスディナー並みの忙しさを体験しましたので本番では臆する事無く仕事に取りかかれましたが、最終日、クリスマス特別ランチを含む1日は「最後の締め括り」に相応しい内容で終われました。
 
 クリスマス特別ランチ開始→満席でほぼ全員ワインを飲むお客様→ロングタイムでワインを飲まれる方とお話をしながら微妙に仕込みをしていた所に・・・→クリスマスディナーのお客様来店→クリスマスディナー突入→クリスマスディナー終了→大掃除→疲れる→マネージャーも疲れている→昼抜きなので労い(ねぎらい)を兼ねて食事へ→食事に行った筈なのに食べないで飲んでしまう→更に労いを兼ねて次の店へ飲みに→結局3軒はしご→遅い時間なので店は全て閉店→私の自宅でマネージャーと飲み直し→朝5時閉会→午前中に起きて仕込みに向う→電話対応していたら満席になってしまう→焦る→26日のディナー営業開始。

 とこんな感じでした。("クリスマス"の文字、多すぎ)
 「疲れているんだったら飲むなよ!」そのようなお言葉を頂きそうでありますが、疲れているからこそテンションが上がり大変な事になるのではないですか、人は。
 この様子はカメラに収めていますので近日、映像にて公開したいと思います。あっ、クリスマスディナーの料理も忘れずに収めておりますのでそれも近日中にアップいたします。
 
 さて、話は変わりますが、クリスマスディナー期間が終了してしまうと次の作業に背中を押されてしまいます。
 ご要望を頂き「アレ」を開始してから4回目の「アレ」が始まろうとしています。
 例年ですとクリスマスを過ぎると意外に忙しくなくなりますから26日から「アレ」の仕込みに取りかかれるのですが、今年は本日(27日)までご予約様で殆ど埋まっており、着手できずにいました。
 ですから、今、結構焦っています。しかし、ブログも更新しなければ、という違う焦りもあり、ダブルの焦りを抱えながらキーボードを叩いている状況であります。
 毎年精神的に追い込んでくれるぜ!そんな「アレ」を止めれずにいる俺は何なのか!教えてくれ!「御節」よ!
 という事で、今年も1年の最後を締め括る仕事「マチルダベイ特製御節」の季節がやって参りましたが、昨年の御節のメニューを引っ張り出して見てみると愕然としてしまいました。
 1重に8種類の料理を配していてそれが3段、つまり24種類の料理を詰めていた事になっていたのです。(1段は4人分です)
 それを14台・・・もう計算したくありません・・・な。
 今年は1台増えて15台・・・有難い事です、体が続けば・・・。
 仕込みに明け暮れる日々が展開されるのですが、以前は

「大変だな・・・」

 とどこかネガティブに考えていたのですが、近年では

「これは前世の悪行を洗い流すカルマ落としなのだ。カルマは急に止まれない。今年の業は今年のうちに落としてしまえ!」

 と半分開き直ったかのようにポジティブになっております。
 この時期になると「店泊(“てんぱく”と読みます。)」という言葉が頭に浮かんできます。
 その言葉は読んで文字通り「店に泊まりこむ」という意味ですが、店に泊まりこまないと終わらない、という意味も含む私が考えた造語であります。
 
 通常営業をする→ひと段落したら仕込みをする→営業が終わる→仕込みをする→店のソファーで仮眠→朝起きて仕込む→掃除をする→一時帰宅してシャワーを浴びる→出勤して仕込み→営業が始まる→最初に戻る

 というルーティーンは慣れるとか慣れないとかではありません、やはり「カルマ落とし」でしょう。

 1段だけの御節を出すお店もあるようですが、基本は「3段」。広範囲にわたって弾を飛び散らす「散弾銃」のように御節も3段であらねばなりません。

 「どうでもいいけど、お前の文章「→」が多いよ!」

 いやいや、今、その話ではないですよ。

 それでは今から取りかかりますかね、仕込みに。→背中が泣いてます。











 
 
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雪積もる山の中は美しく、そして、何故か悲しげだ

2011-12-20 22:57:06 | Weblog
 所々に見られる雪の小さな塊を見ると、「降り積もる雪、雪、雪、また雪よ・・・」と歌いたくなる衝動に駆られる今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 昨日は「ケータリング」でありましたが、通常のケータリングですと大皿に盛りつけ、ワイワイと楽しむパーティー系なのですが、今回の、いや、今回もご依頼主は「ひとりひとりにコース立てで料理をお願いしたいのですが・・・」という「完全店再現型」のケータリングをご所望でありました。
 今回は「8名」でありましたが、前回は「20名」でありました。「20名」分の皿やカトラリー(ナイフ、フォークなどの総称)を運ぶのも大変でありましたが、その食材を持ち込み、調理する、というのもかなり大変でありました。
 20名様分のコースは、アミューズに始まり、冷たい前菜、魚料理、肉料理、デザートの5品、しかし、皿数は「×20」になりますから、100皿分であります。
 これら全てを2時間以内にお出しするというのは並大抵の事ではありません。しかも調理一人、サービス一人ですからね。
 今回は8名様でしたので1時間半くらいでお出しし、洗い物を終わらせて帰るまでの所要時間約2時間半でした、慣れですな、慣れ。
 この一連のご依頼主様は、当店で使用する野菜を作っておられる方で、前回は、その生産者さんの旦那さんの「49日法要」後の食事会だったのです。
 今回は「女性生産者」のクリスマス会(まぁ、アバウトに言わせていただけるならば「女子会」なんでしょうな)なのだそうですが、当店に来店できない、いや、来店を躊躇するには訳があります。
 山奥なんですよ、その方の野菜工房は。古民家を移築して改装した「カフェ風野菜工房」が会場となったのですが、かなり、山奥です。
 今年の初め、その方から料理教室を依頼され、訪れた時は正直言いまして「ここまで人が来るのか?」と思わずにはいられませんでしたから、かなりなものです。
 その山奥に昨日、お邪魔しましたら雪が積もっておりました、軽く10センチくらい。
 それを目の当たりにした私は「早く終わらせて帰らなければ・・・」と一抹の不安を抱いたのです。
 生産者のおばさん、いや、マダム達は「泊まってったらいいんねがよ~(泊まっていったらいいじゃない、の山形弁)」と笑いながら仰っておりましたが、その笑い声は「ドリフ大爆笑」のバックの笑い声を髣髴させるものでした。残念ながら帰ります、しかも迅速に。
 カフェ風野菜工房の話に戻りますが、その建物は、生産者さんの亡き旦那さんが計画し、約3年前に移築されたもので、今年の初めにお話しさせてもらった時は「何度かここで料理教室をお願いしたい。そして、それを足がかりにして地元の6次産業を活性化させたい。」との事でした。
 その想いが宿っていたのでしょうか?8名様分用意したはずの食材が、ほとんど「9名分」になっていたのです。
 盛り付けしていて「これもだ、あっ、これも・・・」と1つづつ余る不思議さを感じる時、亡き旦那さんの顔を思い浮かべてしまうのです。
 最初、その事はマネージャーに言わなかったのですが、霊感の強いマネージャーは「誰かいるような気がする・・・」と言い始め、最後に配る為に持ってきた、というショップカードも「あれ?9枚ある・・・数えて持ってきたのに・・・」と、全て一つ多いのです。
 「マネージャー、実は食材も数えて持ってきたのに、殆ど1つ多いんですよ、もしかすると、旦那さん、いるんじゃないですか?この辺に。」と言ってみると、「だからか・・・」と2人で顔を見合わせてしまいました。
 
「旦那さんの思い強いだろうからな・・・」

 そう呟くマネージャーに、

「じゃあ、旦那さんの想いを大事にする、という事で、今日の会を頑張って・・・」

「頑張って?」

「終わったら飲みに行きますか!」

 帰る頃には更に20センチほど積もった雪は辺りを更に静まり返らせ、車のタイヤの「ギシギシ・・・」という音だけが響きます。

「気をつけでな!(気をつけてね、の山形弁)」

 手を振っていつまでも見送る生産者さん達の姿をバックミラーで見る時、9人目がいないか確認する私がいました。

 山形市に近づくと積もっている雪は殆ど無くなり、しかし、雪は舞い散る、といった状態でした。

 店に帰って皿や箱などを所定の位置に戻し、着替えると、私とマネージャーは夜の街へ繰り出しました。

 「クリスマスが近いんで明日から飲めないからな・・・」それを言い訳に相当量を飲酒したのは言うまでもないでしょう。

 旦那さんも喜んでくれたかな?という想いも忘れずに、ね。











 

 
 
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時として男は「ストレート・ノーチェイサー」ではいけないのだ

2011-12-16 23:32:01 | Weblog
 本格的に冬将軍が到来してきた事を知らせるような雪が舞い散り、そして、積もらんかな、と言いたげな今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 “犬は喜び庭駆け回り、猫はコタツで丸くなる”という歌詞があるように我が家の猫(不遇な過去を持つ猫たち)は、ホットカーペットで丸くなったり、隙あらば布団に入ってきて丸くなったり、と丸くなりっぱなしです。
 よく猫を女性に例え、「猫と女は追うと逃げる。追わない時こそやって来る。」としたり顔で語る方が稀におりますが、「追わないのに」「やって来ない」という男性はどうしたらいいのでしょうか?
 女性を「追っていて逃げられる」というのは男性の常でしょうからそれは、もはや笑い話にしかなりませんが、女性を「追わないのにやって来ない」というのは、女性側から言うならば「追ってもいないのにやって来るわけないじゃん。」となるのでしょうな。
 「追うと逃げられる」しかし「追わないとゲットできない」その男女の攻防が、あと1週間ほどで来たるクリスマスに向けて繰り広げられているのか、と思いますと、私も何か手助けを・・・と考えるのが普通でしょう、そんな想いでクリスマスディナー、頑張らせていただきます。(強引)
 
 しかし、よく考えてみるとクリスマスも今回で7回目となりまして、私的にも色んな想いで料理(この場合、クリスマスディナー)を作らせて頂いているわけです。
 思い起こしますと記念すべき第1回目のクリスマスディナーは、¥6300でウサギだったり鹿だったりを食材として使用したように記憶しております。(勿論、トリュフもね)
 2回目からは¥8400に値上げさせていただき、望んだのですが、値上げした理由としましては、やはり、より良い食材を使用したい、との思いからでした。
 その頃からテーブルクロスを掛けるようになりまして、店として、レストランとして何が必要か、というのを考えるようになったのです。
 それは今でも同じで、クリスマス近くになると「今、自分の店に何が必要か?」というのを自問自答し、皿、ワイングラス、クロス、ナフキン、確認し、料理、サービスも若干のマイナーチェンジが必要であればそれに対応していく、としています。
 つまり、クリスマスは特別な日、というのはご来店される方々だけではなく、私達、店側の人間にとっても特別なわけで、クリスマスにレベルを上げ、それをキープしながら来年もそのレベルで頑張る、そして、次の年のクリスマスにはまたレベルを上げ、というのを少しづつ続ける事がレストランとしての「モティベーション」なのではないか、と考えます。
 クリスマスだけ高額なコースを出してそれが過ぎればまた元通り、というのではなく、クリスマスを切っ掛けにハード、ソフトの両面を鍛え上げ、それを維持して来年の指針とする、という方がポジティブではないですか。
 ですから、クリスマスの恋人達よ!当店はその日の為に毎年、皿や備品を購入して待ち構えているのですよ!頑張ってお洒落しましょうね。
 そして、男性諸君!君達も女の子を追いなさい!追って追って、追い疲れて結果が出せなかった場合、クリスマスはひとりで過ごしなさい。
 因みに、当店では「ムニュ・スウル」というおひとりさま用のクリスマスコースをご用意してお待ち申し上げます、残念会として如何でしょうか?
 草食系男子が蔓延る(はびこる)世の中に、「女性を追ってもゲットできない」生き方が不器用な「肉食希望男子」がいてもいいではないですか。
 念ずれば花開く。近い将来、ゲットできますよ、努力を続ければ。

 私も料理の努力を惜しみません。女性にも努力を惜しみたくは無いですが、何せ時間がありませんからねぇ、ひとりで厨房に籠る(こもる)のが関の山ですよ。

 今度の月曜日はコース立てのケータリングのご予約があり、その後、怒涛のような営業が始まりますから、休む暇がありません、いや、無いくらいの方が燃えますぜ!
 御節もほぼ完売となりました、有難うございます。こちらも不眠不休で頑張らせていただきます。

 こういう事を書くと、嫉妬なさる同業の方がいらっしゃると漏れ聞きました。

 もっと、嫉妬させれるよう頑張ります。











 
 
 
 

  
 
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アカザエビ科のサブタイトルを持つ者、その名は「オマール海老」

2011-12-15 23:33:41 | Weblog
 今年も残り15日ほどになってしまい、今年やり残した事を思い出そうと必至になってしまう今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 今年やり残した事、と考えるとあまりに多すぎてどの辺から着手していいのか、そちらの方で悩んでしまいますが、とりあえず「やり残した」事は、やはり、ガンガン、トリュフを刻む事でしょうか?それは今から、いや、クリスマスで消化できるよう頑張りたいと思います。
 そして、クリスマスの予約状況ですが、23日(金)の1席だけ空いているだけになってしまいました。
 大本命の24日(土)はすぐに埋まってしまいましたから、クリスマスイブは特別なんでしょうな。
 25日(日)もディナーは満席になっておりますのでご了承ください。
 23日、クリスマスイブイブの1席は誰の手に渡るのか、という興味もございますが、期待したいのは「23日は天皇誕生日だから、それを祝いに8400円のコースを食べに行きたいんですけど・・・」というおもいっきりな人の登場ですな。
 日の丸旗をマント代わりにご来店くださいましたら、店内騒然とするでしょう。マントをお預かりする時のマネージャーの表情も気になるところです。
 因みに、有り難い事に、23日を抜かしました、21日、22日、24日、25日はカウンター以外は満席となっておりますので、ご了承ください。
 カウンターは空いておりますので「テンパっているお前を見に行ってやる!」という奇特な方はご遠慮なさらずにご予約ください。突然のご来店は、テンパっているマネージャーがお断りする可能性がございますので是非ともご予約を。
 
 さて、話は変わりますが、12月ならでは、と言いますか、年末だから、と言いましょうか、高額のご予約を頂く事が多くなりまして、その関係上、色んな食材が当店にやってまいります。
 その筆頭格なのが「活オマール海老」であります。
 以前もオマール海老の写真を載せた事がありましたが、その時、確か3本か4本写っておりました。
 それをご覧になった同業の方が「ひとり半分付け、と考えると8人くらいの予約が入っているな・・・」とブログから当店の売り上げを算出しようとした方がいた、と漏れ聞きました・・・怖いでしょ、それは。
 という事で、今回は1本だけの写真でご覧頂きますが、「本当は2人の予約なのではないか・・・」などと深読みされる可能性があります、それはご想像におまかせいたしますが、怖いですよ、色んな意味で。
 まぁ、それはさて置き、オマール海老は英名「ロブスター」であります。「ロブスター」と聞くと「レッド・ロブスター」という、今も存在するか未確認なファミリーレストランを思い出してしまいますが、仏名「オマール」英名「ロブスター」とお見知りおきを。
 大別すると「アカザエビ科」だそうですから、日本で取れる「赤座海老」も親戚筋になりますな。
 オマール海老は良く見ると可愛い顔をしており(子鹿から可愛いシリーズですが)、ひげもチョロチョロ動かす愛嬌も持ち合わせていますが、大きな爪で指を挟まれると一瞬でも「可愛い」と思った事を後悔するくらい憎らしくなります、可愛さ余って憎さ100倍、と言った所か。



 ねっ、愛嬌のある顔をしてるでしょ。
 全体的に見てみると、こんなんです。



 どうですか、腰が引けてますよね、手はデカイけど。
 これを料理するのですが、腕から下は切り離し、爪と腕は熱湯で4分、茹でます、キッカリ4分、それ以上茹でると火が入りすぎ、それ以下だと生っぽいのです。
 次にオマール海老を裏返して頸の辺りから包丁を入れ、ぐるりを一周させて頭を切り離します。その時、オマールは暴れますが、構わず、そして、素早く包丁を入れてください、心の中で「南無参!」と唱えながら。
 尻尾だけになったオマールはまだバタバタを動いておりますが、縦に半分に割り、軽く塩、胡椒をして殻からローストしましょう。
 そうして調理したのがこちら、



 「鮟鱇とオマール海老ロティ 鮟鱇風味のバターソース 蕪とプティキャベツのブランシール」です。
 
 寒さが増すこの時期、鮟鱇(あんこう)が美味しくなりますから、1皿に合わせてみました。
 
 因みに、鮟鱇の写真は撮り忘れてしまいました、残念。

 クリスマスディナーにも「活オマール海老」の料理を組みますので、ご期待ください。

 という事で、23日、どうですか?1席だけですけど。















 
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過去のボツ記事を復活させると恐ろしいまでの「ある量」が見えた

2011-12-13 03:02:33 | Weblog
 ブログを5年以上続けも続けますと、ある理由から「一時的ボツ」にした記事も発生してきます。
 今回載せる記事は2年前の12月某日の記事でありますが、ちょっとした理由により封印しておりました。
 あまりにも「飲み」に特化した記事だから、という理由もあるのですがその他の理由も勿論あるわけです。今回復活させたのはたまたまその記事を見つけてしまったからなのですが、やはり、せっかく書いた記事をしまっておくのはかわいそうです。
 という事で、寝かせて置いた記事復活ブログ、という事でお読みください。
 私も改めて読み返しましたが、年末で疲れていたと思われる身体にあれほどまでアルコールをブチ込意味が判りません、ハッキリ言って飲みすぎです。
 普通にサラッと書いていますが載せている酒量を計算しただけで酔いそうです、などと言いながら飲み会を開くとこうなってしまう、という材料としてお考えください。
 最後に酒量合計を算出しておりますので記事を読むのが面倒な方はそちらだけお読みになって「あいつ・・・やっぱりバカだな・・・」と思って流していただければ幸いです、ではどうぞ。



 昨日の日曜日はランチをお休みさせていただいてディナー営業のみとさせていただきました。
 ご予約を頂いておりましたので、普段通り営業し、夜は早めに終了させていただき、私とマネージャー、そして、某串揚げ店主の3人で忘年会を開催しました。
 「忘年会」と言っても、お客様がお帰りになり、掃除を終えたのは夜の11時を過ぎておりましたから、普通の飲み会クラスの忘年会であります。
 事前に予約を兼ねて1本だけワインの持込を確認しておりましたから、赤ワインを携えてお邪魔した先は、某割烹ダイニングでありました。
 このお店は前に一度お邪魔した事がありましたが、3人で来店するのは初めて。他の2人は何回か利用している感じでありましたが、隅に置けませんぜ、大将。
 まずは、生ビールを。そして、先付けとして小さな前菜の6点盛り。
 烏賊の入った松前漬けは、烏賊の漬け込みが絶妙で味も上品。蟹の小袖寿司は小さいながらも味がしっかりしていてビールに合います。穴子の八幡巻きも牛蒡が柔らかく良いつまみになります。胡麻豆腐はネットリとしていて濃厚。自家製カラスミは風味も味も良いのですが、バーナーで炙ってあるためガスの臭いが気になりました、どうかご再考の程を。鱈白子の天ぷらはミルキーで美味しい、もう少し食べたいくらいでしたが、まぁ、これくらいが丁度良いのでしょう。
 先付けを食べ終えた頃、赤ワインを抜栓し1杯づつ飲み、残りはスタッフの方へプレゼント。
 そして、これからが恒例の「熱燗攻め」に移行します。
 赤ワインのために注文した「牛さがり炭火焼」「TOKYO軍鶏炭火焼」をつまみながら1合徳利を8本を飲み干し、次の店舗に移動します。
 移動途中、某ワインバーの明かりを目にし、強行来店。閉店し、後かたずけをしていたのにも関らず白ワインのグラスを強行オーダー、そして、店主を誘って、次の店へと移動したのでした、もう半分拉致ですよ、これは。
 次なる店は、某深夜系焼き鳥屋さん。まずは生ビールで乾杯し、熱燗タイムへと移行します。
 熱燗2合徳利4本目で1人がリタイヤ、というか、寝てしまいました。しかし、そんな事で閉会するような私たちではありません、睡眠者を放置し飲み続けます。
 牛フィレ、シロ(ホルモン)、ハツ、など焼き鳥屋さんなのに鶏肉を食べないのは、何も嫌いだからではありません、みんなで何となく注文したらそうなっただけであります。それらをつまみながら気付くと熱燗2合徳利は10本になっておりました、考えただけでも恐ろしい数であります。
 いい加減酔っ払ってきましたので店を出て解散、となったのですが、マネージャーと盛り上がってしまった私は、次の店へと向かいます。
 しかし、殆どの店が閉まっていたため(日曜日ですからね)、自分の店のカウンターに場所を変え、赤ワインを飲み始めました。
 「明日の仕事があるから1杯だけ・・・」そんな言葉は何の意味を持っているのでしょうか?もう十分ですよ、アルコール摂取量は。
 結局、赤ワインボトル1本飲み干し、「今日はこの辺にしときますか。」と、朝方4時過ぎの帰宅となったのでした。
 
 そして今日。私は私的な用事のため午前中から行動し、午後から厨房入りし、年末の発注をし、仕込み。

 現在に至る、というわけです。

 年末のこの時期、飲み会が多く開かれるでしょう。

 皆さん!お体にはお気をつけください!

 私も気をつけます。


 どうですか?くだらない記事でしょ。

 最初からの酒量をまとめると、

・3人で、生ビール3杯・赤ワイン1本・日本酒1合徳利8本(8合)

・1人増えて4人で、日本酒2合徳利4本(8合)

・1人リタイア、3人で日本酒2合徳利6本(1升2合)

・2人で赤ワイン1本

 という事になります。

 これは「1晩で」ですから困りものです。特に日本酒(熱燗)を2升も飲んだ事になる内容を読んだ時、「アホか・・・」と本気で思ってしまいましたから、気をつけたいものです、2年前の俺、反省しろ。

 今年の年末はこのような事がないよう気をつけてお酒に手を出します、というより、飲む時間があるのか、という問題の方が大きいですな。

 皆様も忘年会などは飲み過ぎにお気をつけください。(お前が言うな!)




 
 

 
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可愛いから美味しそうなのか、美味しそうだから可愛いのか、それが問題だ

2011-12-11 19:55:34 | Weblog
 仕事が終わり、帰宅しようとしたところ足元で「ベチャ」と音がしたのでよく見てみると水分過多な雪の塊であった事に気づき、生活の所々に年末感が漂うな、と思ってしまった今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 最近、更新頻度が落ちてしまい当ブログを楽しみにしていらっしゃる稀有な方には大変ご迷惑をお掛けしておりますが、仕込みや仕事に追われ、プラス、帰宅時間がやけに遅い(帰宅時間は早朝なので「遅い」という表現自体間違いかも)ため、PCを開く事もままなりません。
 少しづつですが更新し、時間があれば「書き貯め」し、更新頻度を上げたいと思いますので温かい目で見守っていただければ幸いです。
 「更新頻度、もそうだが、最近はランチメニューも公開していないではないか、貴様!」そのように恫喝されそうでありますが、時間が・・・時間が無いんです、という良い訳ではダメですか?一応、それでOKにしてください、それに、色んな所が疲弊しているんですよ、肝臓とか、レバーとか。
 
 さて、話は変わりますが、先日、蝦夷鹿の在庫がピンチになりそうでしたので、北海道の猟師の方と仲の良い方に頼み、また蝦夷鹿を送っていただく事になりました。(その方経由で購入しております)
 今回来た蝦夷鹿はなんと!「小鹿」でありまして、猟師の方がわざわざ画像まで送ってくれました。
 画像と一緒に「かわいそうと言う人がいるかもしれない」というメッセージ付きでしたが、これまで「豚の頭」「毛付の鴨」と「生きとし生けるものは命を頂いているのだシリーズ」が続いておりましたから、今回も画像を載せまして「食とは罪深い、しかし、わかっちゃいるけどやめられない」という人間の真理を画像をから汲み取りましょうぜ、人間どもよ、おっと、私も人間でしたな。
 先ほど書きましたが、今回は「小鹿」です。ですから、よく毛並みなどを見てみると「可愛い」んです、撫でて抱きしめたい、そんな衝動に掛かられるかもしれません。
 しかし、その肉は当店の冷蔵庫で食べられるのを待っています、そんな矛盾をご準備ください。ではどうぞ。




 どうですか、可愛いですよね。それと同時に美味しそうですよね。食べたいほど可愛い、とはこういう事を言うのでしょうな。
 「どこが・・・普通の蝦夷鹿と、どう味が違うんだよ!」と、嗚咽(おえつ)に塗れ(まみれ)ながらそう訴える方がいらっしゃるかも知れませんが、私が味見した感想は

「どことなくミルキーで柔らかな肉質。赤ワインの風味が強いソースよりも、若干、甘さのあるクリーム風味のソースが合うのではないか。オレンジのゼスト(皮)を忍ばせるとより魅惑的な味になるかも」
 
 というのもでした。大まかな所で言うと「子牛」に似ている、という事でしょうな。
 もうこの感想で料理の仕立て方が決まってしまいそうでありますが、これを基盤として最終的なところを考えてみたいと思います。
 
 脂も大人の蝦夷鹿に比べると真っ白で、もしかして心まで真っ白だったのか・・・と遠くの空を仰いで見つめてしまいそうですが、小鹿ちゃん、頑張ります。
 頑張って料理をし、成仏できますように心を込めて。色即是空、空即是色・・・

 入荷したばかりですのでご興味のある方はご来店ください。

 小鹿ちゃんがあなたを待ってます。













 
 
  
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出でよ!料理の訓練を受けたい者どもよ!

2011-12-07 21:09:58 | Weblog
 ヒタヒタと、そしてまたヒタヒタと、年末が近づいてきそうな、そんな幻聴にも似た足音が聞こえてきそうな今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 「ヒタヒタ」というのは擬音です。本当にそのような音が聞こえ何かが後ろから近づいてきた場合、それは「年末」ではなく確実に「ストーカー」です、気をつけたいものです。
 当店のお客様で、何と言いますか、夜型女性系接客業のお仕事をされている方とお話させていただいた時、

「ストーカーっぽいの、いるのようねぇ。」

 と「桃井かおり」っぽい口調で“その道”の大変さを教えてくださいました。
 「ストーカーっぽい・・・」ちょっとその言葉に引っ掛かった私は、

「それは・・・厳密に言うとストーカーではないんですね。」

 と聞いてみると

「ハハハ、シェフ、細かい事気にすんのねぇ。ストーカーほどじゃないけど、それに近い、って事。」

 と、やけに細いタバコに火をつけ、フゥ~、と煙を吐きながら遠い目をしてワイングラスに手をかけました。(当店はカウンターのみ喫煙可となっております)
 
「例えば・・・どういう事があったのですか?」

 好奇心丸出しで(いや、本当はネタ探しだったのかも知れない)聞いてみると

「そうねぇ、例えばぁ・・・自動販売機のあるそれほど大きくない交差点があるとするでしょ。そこを曲がった先に私のアパートがあるんだけど、ある時、その交差点を曲がったらね、携帯が鳴って、見たら、お客だったのね、んで、携帯取って出たら“今、自販機のある交差点曲がっただろ”って、気持ち悪いでしょ。」

 “確かにそれはヤバイ”そう思い、

「尾けていたんですかね?」

 と聞いてみると

「いや、何か、仕事帰りに車で通った時、見かけたんだって。」

 “それだけで、それだけでストーカー風になってしまうのか?もしかして、思い込み?”そんな疑問が出てきたので更に聞いてみると

「多いのよ、付きまとう、っていうか、そういうの、困っちゃう。」

 と、鼻からタバコの煙を吹きながらその言葉を発した時、私は確信しました、

(勘違い・・・ですよね。)

 と。
 年末になり、寂しげな男性が夜型女性系接客業店に集まる時、微妙な男女の恋愛勘違い合戦が繰り広げられます。
 それは、まさに「ゲーム」のようで、その勢いのまま年越しをしてしまうのでしょう。
 良い、私は良いと思いますよ。それが狭い地域の経済の小さな起爆剤になってくれれば。
 そんな深夜の「ゲーム」を横目にしながら、私は今年も「店泊(てんぱく。店に泊まりながら仕込みに没頭する私的造語。シャワーにだけ帰宅する様はネットカフェ状態)」して頑張りたいと思います。

 さて、話は変わりますが、当ブログに何度か登場した話で「オヤジ料理スペナッズ養成機関」つまり、「30代以上男性限定の当店オリジナル料理教室」というのがありました。
 人員募集の対象は、

「料理に興味があり、ある程度包丁を使えて、ある程度の厳しさに耐えられるオヤジ」

 という「狭き門」でありました。
 当然、集まる筈が無い、と思っていたのですが、何と!集まってしまいました。
 多分、4人とも(限定4人でした)当ブログを見ていると思われますのでビミョーな緊張感が走っているかもしれませんが、来年から開始しますのでお願いしま、いや、開始する心構えは出来ているだろうな!貴様ら!・・・おっと、料理虎の穴の血が騒いでしまいましたな。
 因みに、「スペナッズ」とは、ロシアの特殊部隊の名前であります。その名はあまり知られていませんでしたが、一時期はグリーンベレー(アメリカ特殊部隊)よりも上なのではないか、と噂されていた部隊であります。多分、「スペナッズ」はロシア語で「スペシャル」を意味するのではないか、と思っております。
 当料理養成機関(当店では料理教室の事をこう呼びます)の趣旨としましては、趣味としての料理以上を狙うミドルエイジの男性を鍛え上げ、スーシェフ(2番手)くらいの実力を身に付ける為の訓練、という既存の料理教室を超えた料理教室であります。
 訓練内容と致しましては、「包丁心得」「野菜の下処理」「魚の下処理と調理」「肉の調理」「フライパンなどの使い方と洗い方」という実践を想定した内容となっております。
 月に1回を予定しており、回数は未定ですが、訓練終了後、「藤原の弟子」の称号が与えられます。(いらない場合、返納していただきます)
 
 それでは4名様、来月(来年)をお楽しみにお待ちください。

 因みに、もっと簡単のものはないのか?とお思いの方。(思わない方はスルーしていただいて結構です)

「家庭に特化した料理教室(仮名)」も企画しようかと思っておりますが、もうしばらくお待ちください、ね。













 
 
 
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肉も良いけど魚もね。そんな言葉をかけたくなる

2011-12-02 14:26:23 | Weblog
 とうとう12月。本年の最後を締め括る月として気が引き締まる思いですな!皆の衆!と無理やり気を引き締めようとしている今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 とうとう最終月、12月に突入してしまいましたが、どうですか?早くないですか、1年が経つのは。
 1年が過ぎるのも早いですが、気が付いたら今日でブログ開始から「1900日」が経っていました。
 1900を365で割ると約「5,2」ですから、何気に「5年2ヶ月」もこのブログを運営していた事になります。オー、ジーザス、子供ならもう少しで小学生ですぜ。
 ブログ開始当初は、初代バイト長の「ノッチさん」から「バカバカしいブログですね。」と評されてしまい、本気で時給を下げてやろうか、と思ったものですが、まぁ、あながち間違いでもないような気もしますな。
 相変わらず「文章が長い」「回りくどい」「読んでいて疲れる」と言われてしまう当ブログですが、いいではないですか、こんなブログがあっても、ね。
 最近、やっと写真を載せれるくらいになったのですが、如何せん写真の撮り方がヘタでありますから、来年こそは写真を綺麗に撮れるようになりたいものですな。
 という事で、これからの当ブログの「ブログ・マニフェスト」を挙げ、変える所は変え、変えない所は頑として変えない、そんなブログになりたいものです。

・国民の生活が第一!文章の長さは変えません。

・国民目線の画像の登用を心がけます。

・飲み会の画像を出来るだけ公開。開かれた飲み会宣言。

・料理の話を増やし、本来の「シェフのブログ」を考えます。

・問題解決の一助に!料理に関する質問には全力で答えます。

・ワイン専用レーンを開設予定!判りやすいワイン話を。

・環境にやさしいブログづくり。

・明るく健康的なブログを目指す。

 こんなところでしょうか。
 
「何を言いたいんだよ!」

 そんなツッコミを頂きそうですが、それくらい頑張ります、仕事もブログも、という事でご理解ください。

 さて、話は変わりますが、稀にお客様から「お肉料理が得意なんですね。」というお言葉を頂く事があります、有り難い事です。
 有り難いのですが、正確に言わせていただくなら「得意」というわけではなく「好き」なんです、肉料理が。
 「肉料理」は火入れなどが難しく、毎回反省する点は多々あるのですが、「次こそは!」と挑める所が好きであります。(いや、だからと言って失敗しているわけではありませんよ、今回より次、という自身への負荷、という事で)
 しかし、それと同様に「魚料理」も好きであります。
 魚の状態を見ながら料理を決めるのも色々想いを馳せる事が出来、楽しいですし、それに合わせるソース、ガルニチュール(付け合せ)を考えるのも楽しいものです。
 最近、魚料理のガルニチュールに根菜類を起用しているのですが、低温で加熱し、最後にソテーしてみたらどうか、と試行錯誤しながらやらせていただいております。
 野菜を100℃で加熱したらどうなるのか?というのから想起したのですが、100℃で2時間過熱しても最終的にはソテーしなければならないようで丸ごとソテーして切り分けて添えているのですが、まだまだ改良の余地があるでしょう。
 野菜を低温で加熱すると甘みが増すように思いますが、本来持っているであろう「苦味」や「えぐみ」も出るようです。
 「苦味」「えぐみ」は嫌なもののように思われますが、大地の味、とでも言いましょうか、野菜の中で否定してはいけない味のようにも私は思え、あえてその味を隠そうとはしません。
 魚、野菜、ソース、その3つを考え、一皿にしたのがこれです。



 魚は「金目鯛」、ガルニチュールは「村山の蕪」、ソースは軽めに仕上げた「ソース・ブール・ブラン」。「白ワイン、飲んでね。」という私の想いと共に。

 「フレンチの魚料理は好きじゃない」と仰る方が意外に多いのですが、昔のように重いソースで覆う、という時代でもありません。

 是非、当店お魚料理も召し上がってみてください。

 あっ、4675円と6300円のコースだと肉も魚も両方付きますから、それでどうでしょう。

 最後は宣伝だな。













 
 
 
コメント (2)
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