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ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

労働に於ける人間らしさは「楽しさ」なのではないか

2008-09-30 14:05:19 | Weblog
 9月最後の日となる今日、皆様、いかがお過ごしでしょうか。急に寒くなったので、「夜、飲んでそのまま寝てしまったら、朝、喉が痛くなった。」や「夜、ビールを大量に摂取したら腹を冷やしてしまった。」、はたまた、「夜、体を温めようとワインを飲んだら、調子に乗って2本も空けてしまった。」などという方はいらっしゃいませんか?悪い事は言いません、生活を改善なさる事をご提案します。(もし、私以外にいらしたら、という事ですが)

 さて、「10月に入ってしまえば、年末まではアッという間だ。」というのは店を出して何年も経ちますから理解しているつもりなのですが、11月の後半になってから「クリスマスのバイト人数は足りるのか?」や「皿やシルバー(カトラリー、つまり、ナイフ、フォークなどの事ですな)を洗ってくれるだけの人数は確保できているのか?」などといった問題に直面するわけです。
 昨年は、中村嬢(正規アルバイト)とその友人(臨時アルバイト)に助けられたのですが、今年は中村嬢の友人に彼氏ができた、という情報を仕入れてしまいましたので、「クリスマスに投入するのは酷なのではないか?」「雨は夜更け過ぎに雪へと変わる、その時にバイトというのもどうなのか?」という事も考えるわけです。
 仮に、彼女が「男よりバイトを取ります。」という申し出をしたとしても気を使ってしまうのはここの職場がちょっとだけ過酷だからです。
 ですから、ここで「やんわり」と、しかも「消極的」にアルバイトを募集してみたらどうなのか?と思ってしまった次第です。(今までを見ても何の反応もなかったのですが、とりあえず、という事で)
 では、前にも書いた事だと思うのですが、当店でアルバイト、又は、正式に働くとどのような「特典」や「苦労」がゲットできるのか、考えてみましょう。

・色んな食材が食べれる。(端の部分ですが、フォワグラだろうが山形牛だろうが食べれます。これは特典でしょう。)

・料理の知識が付く(当然と言えば当然なのですが、これが役に立つ日が来るかもしれません。特典・・・ですよね)

・早い時間に入れば賄いが食べれる。(食べたい物をリクエストしてください。ワタクシが責任を持って作らせていただきます。これも特典・・・ですよね)

・色んなワインが飲める。(時として、素晴らしいワインを持ち込まれる方がいらっしゃるのでご相伴に預かれる場合があります。飲める人なら特典でしょうが、飲めない人は過酷かもしれません)

・フランス語の数字、メニューが覚えれる。(アン、ドゥ、トロワ、までなら誰でも覚えれるので安心。しかし、忙しい時は早口になり料理名もフランス語になる場合がありますので覚悟が必要です)

・忙しくなると厨房が殺気立ってくるので怖い。(私は無言で仕事をしていますが、その動きからブチ切れているのが察知できるため怖いのだそうです。言葉使いも乱暴になりますが、心では笑っているのですよ)

・入ったばかりだと、何かにつけて飲み会を開く。(歓迎会が小分けに続くのも当店オリジナルの歓迎の仕方です。これを特典と取るか、苦労と取るかは当人の判断に委ねられます)

・政治の話などに強くなる。(相撲、野球なども同じですが、事件事故の話にも及び話は尽きません。世界的には「グルジア問題」、そこから「バルト三国」の話などになると止まりません。これを特典と呼ぶ人は違う仕事が合うでしょう)

・オヤジギャグが聞ける。(メインはオヤジ2人ですから、くだらないネタが満載です。興味のない人がほとんどだと思いますが、勢いで笑ってくれる人も中にはいます。これは苦労にカテゴライズされるのではないでしょうか?)

・相談事を聞いてくれる。(年長者マネージャー佐藤が、あなたの悩み事を聞いてくれます。かなり重大な話の場合、弁護士を紹介することも可能です。)

・ブログを打っている藤原を生で見れる。(別に特典でも何でもありません。時々、笑いながらブログを書いているので「キモイ」などと言われても否定できません)

 とこのようになりますが、これを読んで働く意欲が出るのでしょうか?

 書いていて逆効果のような気になってきました。

 やはり、中村嬢!またお願いするかもしれませんので、連絡つけてくださいね。


 
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残り物には酒があり、福がある

2008-09-29 20:33:04 | Weblog
 当店では、ワインなどの持ち込みに対しては極めて寛容な姿勢を取っているつもりなのですが、先日、予約段階での持ち込みの打診をなさらずに、当日、アルコール類何本かを「持ってきちゃいました」的な「なし崩し策」を強行し、グラスと氷を要求される団体様がいらっしゃいました。
 「確信犯的なお方だな。」と心の中で呟いてしまったのですが、もう持ち込んで開封しておりましたから、こちらとして「あら?!焼酎ですか?」や「あら?!その白ワイン、フランスなんですかねぇ?」などと笑っているしかなかったわけです。(誤解なきよう説明させていただきますと、その団体様は、当然、まったく当店からアルコール類を注文しなかったわけではありません。)
 しかし、帰られてから空瓶などを回収していると、ほとんど手付かずの状態で残っている酒がありました。
 エチケット(ラベルの事)を見てみると「初孫 麻耶山(まやさん) 純米大吟醸」とあるではないですか!
 日本酒に詳しいマネージャー佐藤に聞いてみると、東北銘壌(初孫の会社)でもそう多く作っていない日本酒で、しかも、鶴岡市温海(旧温海町)でしか流通していないものだということが判明。
 早速、ご相伴に預かりながら(勝手に)テイスティングとなりました。(かなり勝手に)
 やはり、「純米大吟醸」というだけあってほぼ無色、香りはフルーティーな中にも米の甘い香りを纏っています。
 口に含むと、ファーストアタックはやや甘みを感じますが、日本酒独特の酸味と香りもあり、全体的に上品、かつ、米の力強さも口の中を支配します。
 のど越しはスッとしていますが、口の中の余韻が長めな事からもこの日本酒の美味さを表現しているのではないでしょうか。(他人の酒だから余計に分析できる)
 「お客様が忘れていった酒を盗み酒としているのか!」などとお怒りになられる方も当然、いらっしゃるかとは思いますが、閉店後は忘却された酒は当店に帰属するものと考えますので予めご了承ください。(ウソです。「飲んでください」と言われたのです)

 しかし、なぜ、この希少で入手困難な、しかも「純米大吟醸」という冠も付いている日本酒にほとんど手をつけず、いや、手をつけないばかりか飲まない、という行為に及んでしまうのでしょうか?(「純米大吟醸」は米をギリギリまで磨いて中心の雑味のない部分で作られる日本酒です)
 その答えはそのお客様の会話にあったようです。
 一度は開封したのにもかかわらず

「えー!俺、日本酒苦手だから。」

 と言って日本酒には手をつけず、焼酎しか飲まなかったという事実を、マネージャー、中村嬢から聞きました。(白ワインもあったのに・・・)
 
「そ、それだけの理由か?」

 としか私は思えないのですが、米の酒は飲めないが、麦の酒なら大歓迎、というのも何か釈然としません。
 
 山形は米処です。米処という事は日本酒も美味しいものができるわけですから、山形で暮らしていて日本酒が飲めないのはもったいないでしょう。(アルコール全般飲めない、という方は別ですよ)

 因みに、私は日本酒の本醸造も好きです。あの力強い味と香り、熱燗にしても飛ばないアルコール、体内残留度は高いのだろうな、と思いながらも手が出てしまう気軽な値段、これが日本酒の伝統に裏打ちされた醍醐味なのではないでしょうか。
 そんな「本醸造」を「アル添(アルコール添加)しているからまずい!」などと言って邪険にしてはいけません。「アル添」は「伝統」と呼ぶべきでしょう。

 「純米大吟醸」は確かに美味しかった、いや、美味すぎ、かも知れません。

 その証拠に、飲みながら食べたいものが頭に浮かばないほどでした。

 唯一、「これなら・・・」と思ったのはデザートでした。

 「ロールケーキ」なんかいいと思ったのですが、どうでしょう?私だけですか。



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バッカスよ!恵みの酒を与えたもう

2008-09-25 21:44:42 | Weblog
 最近、涼しいな、と思ったら、厨房内温度計は27度となっておりました。夏の蒸し暑い時で、厨房内温度は36度、湿度85%、という高温多湿な状態になっており、少し動くだけで汗だくになるため、忙しい時の仕込みの際はそれだけで発汗作用が促進され、営業が始まる前に全部着替えをしなければならない、という営業前のサウナの如き暑さでした。
 暑さが続いた時は、仕事後に麦系スパークリングアルコール(ビールの事です)を欲したものですが、最近では過ごしやすい夜が続いておりますから、やはり、赤ワインでしょう。
 「ほぼ毎晩、ワインを飲んでいる。」と言うと、

「金持ちなのか?」や「自慢しているのか。」、「スカしている。」「俺たちは焼酎で結構。」(最後の言葉はちょっと意味不明に感じますが言いたい事は判る)

 などとイヤミを言われてしまうのですが、私が普段飲んでいるワインは1本500円くらいのテーブルワインです。(2000円のワインを「安ワイン」とおっしゃった方がいましたが、2000円のワインだったら安くないでしょう!決して)
 500円というと、ビールなら2本分、発泡酒なら4本分、といったところではないか、と思われますが、ワイン1本からグラスで6杯程度取れますから安上がりと言えば安上がりなのではないでしょうか。

 最近、アルコール飲料の需要が低下している、との記事を読んだことがありますが、そういわれてみれば、街中でベロンベロンになった人たちを見かけたことがありません。そういう姿は古き良き昭和のセピア色の光景、と言うことなのか?さみしい!
 そして、記事を読むにつれて恐ろしい事に気づかされます。
 アルコール飲料の需要が伸びているのは「ワイン」と「発泡酒」なのだそうです。この中間のない、両極端の需要は、あれじゃないですか、まさに格差社会の縮図ではないですか。
 「ワイン」は葡萄から作られている事は認識されていますが、「発泡酒」は何から作られているのでしょう?認識度は低い、と考えます。
 「第三のビール」の原料の「穀類」というのも曖昧で何か煙に巻かれているところを感じますが、「第五のビール」なんていう超低価格のビールが出た場合、それは「事故米」なのではないか、などという疑問まで湧き上がってくるはずです。
 「焼酎」の人気も衰えを見せないところです。居酒屋さんなどでショットで注文した場合、大体売価は400円くらいではないかと推測されますが、よく考えてみると1升瓶で仕入れた焼酎(ある程度名の知れたもの)で仕入れ値は3000円くらいと仮定しましょう。
 焼酎ロックで注文すると、メジャーカップで量り売りになると思われますから1杯45mlとなるはずです。
 1升(1800ml)÷1杯(45ml)=40となりますから、1升瓶から40杯取れる計算になります。
 1升瓶仕入れ値3000円÷40杯=75円となりますから、原価75円に対する約6掛けで販売していることになり、考えただけで恐ろしくなってきます。
 そうなると、自分で買ってきて自宅で飲んだほうがいい、という理論になるのでしょうが、やはり、それは雰囲気代、という事で諦めましょうぜ、皆さん。(勝手に話を煽っておいて言うのもなんですが)

 私の場合、店が終わってからでは飲みに行く所があまりありませんから、自宅で飲むことが多いのですが、休みの日くらいは食事を兼ねて外で飲みたいものです。

 何処に飲み、いや、食事に行くのかって?

 アルコールがあれば何処にだって行きますよ。

 フランス料理なら言うことなし・・・ですよね。




 
 
 
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右のポッケにゃ夢がある、鉄板の下にはコンロがある

2008-09-24 19:26:04 | Weblog
 料理以外の事には疎い私ですのでブログに写真を掲載するのは稀な行為なのですが、掲載するとなると必ず厨房内での写真しか掲載しない、という徹底した物ぐさ男です。
 デジカメなどを持ち歩かないのはもちろん、携帯でも写真を撮る事などほとんどありませんから「食べ歩きブログ」など出来るわけがありません。
 ですからその分、このブログでは何とか文章で伝えようと躍起になっているのですが、いかんせん、文章が長くなるばかりか、話が脱線してしまう、という二重の苦しみを皆様にご提供する羽目になりますから、お読みになる方は予めお覚悟を持って読まれたほうがよろしいかと存じます。
 
 さてこの写真は、ご覧になって判るように「ガス台」です。
 しかし、ガス台確認のため載せたのではなく、ここが私の立ち位置なのだ、という事を訴えようとしているのは誰もわからないでしょう。(当たり前だよ)
 わが厨房のガス台(業界用語ではストーブと呼びます)は2台あり、左側のストーブ(もうお分かりですよね)は、3基のガスコンロにコンベクションオーブン(強制対流型オーブン)を搭載しているタイプのもので、右の鉄板が敷いているものが、ヒートトップレンジ(フレンチではピアノという愛称を持つストーブ。ここでソースという音色を奏でる、という意味を持つのか?)に自然対流型のオーブンを搭載しているタイプのものです。
 通常、私は右側に立って仕事をしているわけですが、このヒートトップレンジなしでは仕事が出来ない、といっても過言ではないでしょう。
 しかし、このヒートトップレンジ、よく電磁調理器と間違われるようで、「IHですか?」などの質問をお受けする場合がございます。
 確かにトップがフラットになっていて、中央にカーリングのポイントサークルのような円がありますから(お得意の判りづらい説明)、そう思われるののも致し方ありませんが、これはれっきとしたガス台でございます。
 あのサークルの蓋を開けると(蓋はかなり重い)、ガスコンロが設置してあり、下から分厚い鉄板を熱しているのです。
 ですから、ガスコンロがある中央は一番火力が強く、中央から離れると弱火になる、という、間接的加熱により柔らかい火入れが出来るため、煮込みやソースの仕上げなどに活躍します。
 普通のストーブの直接過熱、輻射熱過熱とは違い、煮込み鍋、ソース鍋の鍋肌が焦げ付かないのも魅力のひとつです。(勿論、いくらヒートトップレンジといえど鍋をそのまま掛けっぱなしにしていると底は鬼のように焦げ付きますけどね)

 忙しい時はこの鉄板の上に、温前菜の付け合せのリゾットとソース、ポワソン(魚料理)のソース、ヴィアンド(肉料理)のソースなどが集中して、鍋で溢れる時があります。ここまで来ると「おっ、いいねー、ソース屋さんみたいで。」と、ピンチな状況なのにも関わらず思ってしまったりするものです。(バカ)
 電磁調理器(IH)対応のフライパン(テフロン加工)などは底が厚く、フラットになっているため、ヒートトップレンジで焼くと、じんわりした火の入り具合で気に入っているのですが、ひとつだけ問題があるのですよ。

 IH対応の鍋やフライパンって結構なお値段なんですよね。

 もっとリーズナブルにならないのでしょうか?(無理!)

 


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石の上にも3年というが、その石はどこにあるのか

2008-09-23 18:39:52 | Weblog
 急に涼しさが増してきた今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 出だしの話は何を書こうか悩んでいましたが、やはり、ここまで触れてきたので自民党総裁選がらみの話は避けて通れないでしょう。(またか、とお思いの方もいらっしゃるとは思いますが、ガマンして読んでくださいね)
 大方の予想通り、「麻生太郎」新総裁に決定しましたが、私が推していた「石破茂」先生は下から数えた方がよかった、というより最下位でした。非常に残念!
 しかし、これで終わったわけではありませんから、石破先生!これからも「国防を機軸とした独自の政策論」を展開していただきたい、と思います。
 そして、いつか先生の「目つき」が、女子高生あたりに「キモカワいい」などと人気が出ることを私は祈っておりますので、次の総裁選にも出馬してください。
 
 さて、話は変わりますが、このブログを立ち上げてから丸2年が経ちました。その事をこの場をお借りして報告し、いつもこのような長文をお読みいただている方に感謝いたしたいと思います。
 いつの間にか2年が経ってしまった、という言葉が相応しい当ブログではありますが、本当に少しづつですが閲覧数が増えていくのを確認するのは、書いている者にとってはとても励みになります。
 振り返ってみますとブログを通して色んな事がありました。
 
・何も判らずにブログを立ち上げた事。(やれば何とかなる、と思っての立ち上げでした)

・どこまで料理の話を書いていいのか判らずすべてさらけ出して書いたら「マニアックすぎる!」といわれた事。(料理をパーセンテージで考える、などの話は「本当なのか?」と問われる事がありました)

・成りすましさんのコメントに悩まされた事。その後、実は成りすましさんのコメントは笑えると判った事。(最初は戸惑いましたが、よく考えてみると笑えるものです)

・だんだん文章が長くなっていくのを本人も自覚しながら止めれなくなった事。(わかっちゃいるけどやめられない、というのは人間の真理なのではないでしょうか)

・お客様に「ブログ見てます。」といわれた事。(有難い事です。しかし、皆さん、微妙に笑っているように見えるのは文章の内容と本人の外見が一致しない、という事なのでしょうか)

・キーボードが異様に早く打てるようになった事。(最近はタッチタイピング(ブラインドタッチ)も少しづつ出来るようになりました。しかし、早く打てるのと、PCを使いこなせる事はイコールではありません、いや、使いこなしていない、のほうが的確でしょう)

・ネタに困ると政治話で煙に巻くようになった事。(ご覧の通りです)

 と、このような事柄が挙げられます。しかし、ブログを立ち上げて良かった事はブログを通じて色んな人と関わりあえるようになった事でしょうか。

 常に厨房にいてあまり外には出ないですから、仕事以外の方と関われるのはうれしい事です。(色んな話を聞けると面白い)

 こんな取り止めのない話ばかりのブログですが、これからもよろしくお願いいたします。

 という事で今回は〆させていただきますが、今日は疲労が蓄積した為か乱文となったようです。どうかご容赦ください。





 
  
 
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仕事と趣味を混同してはならない、真剣味が失われるから

2008-09-19 18:17:58 | Weblog
 9月も後半戦に突入しましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 昨日、9月18日は「カイワレの日」だったそうですが、なぜ「カイワレ」なのか調べてみたところ、「18日8の字を横にして1を立てると、カイワレ大根の姿(竹とんぼ型)になるためだという。(食の記念日カレンダーより引用)」なのだそうです。いいのでしょうか?これで。強引過ぎやしませんか?
 他にも「9月1日はキウイの日」や「9月3日はクエン酸の日」などが制定されており、まさに「語呂合わせ」。
 それが許されるのであれば、今日、9月19日は「クイックの日(早飯の日)」、明日、9月20日は「クニオの日(全国のクニオさんに何かする日)」、9月21日は「国井酒屋の日(東原町にある酒屋さんです)」9月22日は「工夫の日(何か工夫する日)」、9月23日は「国見の日(国のことを考える日)」、9月24日は「崩しの日(貯金を解約する日)」、9月25日は「国護の日(国を護る日」などと毎日が記念日になってしまいます。(食には関係ないんですけどね)
 因みに、「国護の日」で思い出しましたが、自民党総裁選では、是非、石破茂先生に頑張っていただきたいと考えます。(私だけの考えですよ)
 「痛みの総点検」いい考えじゃないですか。「改革に伴う痛みの後には痛みの点検が必要」いいじゃないですか、山形はかなり痛んでますよ、「イテテテ」なんてもんじゃないでしょう、もちろん痛んでない人もいるかもしれませんが。
 そんな石破先生を「目つきが気持ち悪い」や「ホモっぽい」などと揶揄するのはイカン!あんなに理路整然と、しかも熱く政治論を語れる人はいないでしょう。そこに外見的な判断を下してはいけません。(最近、政治ネタなどが多いのはネタ切れの証拠です)

 さて、話は変わりますが、皆様は「趣味」をお持ちでしょうか?
 私の趣味は「飲酒」と「ギター収集(もちろん弾きますよ、集めているだけではなく)」というお世辞にも健康的とは言えないのが趣味に位置づけされておりますが、皆様は料理人でありながら趣味が「料理」という人がいるのをご存知でしょうか。
 たまに雑誌などの特集に色んな人(料理人も含む)のプロフィールが載っている事がありますが、よく読んでみると、「趣味」が「料理」と堂々と書いてらっしゃる料理人がいるではないですか。
 これは、「仕事(料理)と趣味はイコールである」ということなのか?それとも「趣味という趣味を持たないので仕事(料理)ですかね」ということなのか?はたまた「趣味と実益を兼ねていますから」ということなのでしょうか?
 仕事が趣味の延長であった場合、真剣さを汲み取る事が出来ないではないか?と思ってしまうのは私だけでしょうか。
 「趣味が高じて・・・」というので商売をして許されるのは「蕎麦屋」くらいなものでしょう。(それでもリスクが高いし、かなりの執念がなければ成立しないでしょう。その執念こそ真剣さ、となるわけですな)
 「特に趣味がないから仕事が趣味」というのは、人間的にどうなのか?と判断されても仕方のないことのように感じます。
 「仕事は仕事、仕事とプライベートは分けて考える」のほうが、より仕事に打ち込めるのではないのか、と私は思います。

 「じゃあ、お前の、時々人の家に行って料理しているのは趣味ではないのか。」

 そのような事を思われる方もいらっしゃるでしょうが、言わせて頂きますと、あくまでも仕事の延長で行っていることですから、その場合は何らかの形の報酬はいただく事になっています。その報酬とは・・・

 タダ酒ですよ。これ以上の報酬はないでしょう。




 
 
 
 
 
 
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世界経済状況を載せつつ価格変更に伴うお願い

2008-09-18 23:11:53 | Weblog
 冒頭から時事ネタ(前々回)や経済系ネタになってしまいますが、昨日、リーマン・ブラザーズ(アメリカの投資銀行及び証券会社)が破綻する、というショッキングなニュースがありましたが、今度はAIG(アメリカの最大手生命保険会社)が破綻寸前で公的資金導入により首の皮一枚繋がる、との事柄が朝刊の一面を飾りました。
 リーマン・ブラザーズは「サラリーマンの兄弟なのか?」とお思いの方もいらっしゃるのかも知れませんが、ユダヤ人のリーマン兄弟が創始者だそうですので、「サラリーマン兄弟」というのも遠からず、近からず、といったところなのではないでしょうか。(そんなわけはない)
 リーマン・ブラザーズの日本法人、リーマン・ブラザーズ証券、リーマン・ブラザーズホールディングスも民事再生法を請求、とありましたから、大変です。
 リーマン・ブラザーズ日本法人のオフィスは六本木ヒルズにあるそうですから、正に「六本木心中」。「だけど株価なんて、お天気で変わるのさ~」とアンルイスの歌が聞こえてきそうです。
 一方、AIGは助かりましたが、大変なのは地井武夫です。アリコジャパンもその系列ですから、広告塔だった事には変わりありません。あのほのぼのとしたCMに出ていた地井武夫ももう見られないのでしょうか?残念です。(って無くなる訳ではないので見れないわけではないでしょう)

 さて、話は変わりますが、相次ぐ経営破綻の話に紛れて、当店もとうとう価格を変更する事となりました。
 自家製のパンを仕込むフランスパン用の小麦粉の値上げ(1000円近い値上げ!)、食肉関係の値上げ(鶏も豚も内臓も)、魚介類の価格高騰(原油高に伴う操業問題で高騰!魚屋さんも嘆いています)、生クリーム、牛乳、バターの値上げ(バター入手困難は解消されたが値段は上がったまま)、ワインなどの輸入アルコールの値上げ(EUよそんなに強いのか、なぜか密かに取っていた無名のワインまでもが値上げ狙い撃ち!)、ストレスによるアルコール摂取上昇につき血圧も鰻上り(これは関係ありません、私自身の話です。しかし、請求書を見るとシラフでいたくなくなります)、とこのような状況が今年はじめから続き、それでも現状維持で頑張っていたのですが、ここに来てランチ、ディナー共に価格変更を断行する事となりました。
 価格を変更した分、今まで以上に手を掛けた料理を皆様に提供できるよう、頑張る所存でございます。
 また、食材などのレベルアップを図り、一皿の完成度を重視し、皆様に喜んでいただけるよう、そして、その料理を的確にサービスできるようスタッフ一同、一からやり直すような気持ちで臨みますので、ご理解をお願いいたします。

 ランチは9月末から、ディナーは10月から変更となりますので何卒ご了承くださいますようお願いいたします。(ホームページの価格、メニューも10月1日から変更となります)

  マチルダベイ  オーナーシェフ   藤原




 


 
 
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現実を知るには自らその中に飛び込むしかない

2008-09-16 20:43:31 | Weblog
 鶏肉は私が好きな食材の中のひとつなのですが、実際メニューに載せると全くオーダーが入らない食材でもあります。
 お任せのコースの注文を頂いた際に「苦手な食材」というのを予め聞いて、その食材を使用しないよう努力しますが、その時も

「出来ればメインは鶏以外で。」

 とオーダーがかかる事があります。
 私的には「苦手な食材」というのは、「玉葱が食べれない」「香草が苦手」「生魚がダメ」というものを想定しておりますから、「出来れば鶏肉以外で」というのは想定外、という事になります。
 しかも、「出来れば」が付いているところを考えると、「別に嫌いな食材ではないのだが、どこでも食べられる食材なのでパス。もっと高そうな食材にして欲しい」と取れるのではないでしょうか。
 確かに、フレンチに来てまで日常的な鶏肉を食べる、というのに拒否反応を示す方がいらっしゃるのも理解できるのですが、たまに「フランス料理の鶏肉」というのを食べていただきたい、というのも私の胸中にはあります。
 「鶏肉を食べるのなら焼き鳥で十分」そんな考えの方もいるとは思いますが、焼き鳥が鶏料理の最終形、とは私は思いません。
 的確な火入れをするにはポーションが小さ過ぎますし、塩コショウだけでなく、鶏に合うソースは存在すると思われます。それを考えると焼き鳥タレバージョンの方が完成度が高いという事になりますね。(最近、塩だけの焼き鳥店が増えたような気がします。私的にはタレに拘ってこそ焼き鳥なのではないか、と思うのですが)
 鶏肉の品種にも様々ありますが、私はブロイラーを否定するつもりはありません。鶏肉の需要が多い今、ブロイラーに依存するのは致し方ない事でしょうし、最近のブロイラーは品質も向上していますので、原価的に考えても売価設定するにしてもブロイラーは手軽な食材と言わざるを得ません。
 しかし、食べた時の噛み応えや、肉汁の美味しさからいくと、レストランとしてはどうしても地鶏をチョイスしてしまうのはしょうがない事だといえます。
 私の場合、地鶏を仕入れる時に業者さんに注文するのは、「丸鶏で、もし可能ならば頭と爪の付いているもの」という事。
 出荷の問題や衛生上、内臓付きで羽も付いているのは無理ですから、可能であれば頭も爪も付いているものをお願いします。
 丸のまま1羽、頭も付いて首をうな垂れている鶏は、一見するとダランと寝ているようにも見えますが、よく見ると半目を開いているものもいて、「グロい」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。(確かに、夜中に見ると怖いかも)
 しかし、それが鶏のした後の姿であり、鶏肉のリアルな姿ともいえるでしょう。
 その首を落とし、爪の付いた足を落とし、手羽先を落とし、鎖骨にも似た部分のフルシェットと呼ばれるVの字の骨を抜き、解体準備に掛かります。
 鶏を捌く、というと包丁を使い卸していくイメージがあるかと思いますが、実際は包丁は皮を切り、骨の間接を切断するくらいしか使わず、ほとんどは手で剥いでいく作業になります。
 そうして解体の終わった鶏は、骨の付いたもも肉2本、手羽元の付いた胸肉2枚、ササミ2本、頭の付いた首1本、爪の付いた足2本、手羽先2本、首づるの付いたガラ1体に分けられます。
 今の説明でお分かりのように、鶏1羽からはこれだけしか取れません。ですからスーパーに無尽蔵に並んでいる鶏肉は何羽必要なのか、というのを考えていただきたい。
 鶏もも肉はそれだけで生息しているわけではなく、鶏胸肉もそれだけで生きているわけではないのです。全て鶏肉の部位なのです。
 私は料理に携わっている人ならば是非、鶏の解体というのを体験していただきたい、そして、普段注文している「もも正肉(鶏もも肉)」はもも肉の骨抜きをしてあの形になるのだ、というのを体験していただきたい、そのように思います。
 それが鶏肉(ブロイラーも含め)に愛情を持って調理できる第一歩なのではないか、と私は思います。「ブロイラーは安いから適当に焼いても大丈夫」そんな心は是非、捨てていただきたい。
 
 そのままズバリの形で来る食材というのは、見た目がショッキングですから躊躇するかもしれませんが、それが本来の姿であります。

 前に「テート・ド・フロマージュ」という豚の頭の肉で作るゼリー寄せを作った事があるのですが、豚の頭を茹でる際、大鍋の中からギロッとこちらを睨む豚がおりました。

 その時は、ハッ!としましたが「ゴメンね、ブーちゃん。美味しく作りますから。」と心の中で唱えたのは言うまでもないでしょう。




 
 
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ランチメニューを公開せよ

2008-09-14 19:01:19 | Weblog
 自民党総裁選が迫っていると思われる今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 ニュース、新聞などでは大々的に取り扱われている自民党総裁選ですが、よく考えてみれば自民党の党員ではないので票を投じる事ができません。
 しかし、自民党総裁=日本の首相となるわけですから、身の保身や損得だけで選ばないで日本にとって重要だと思える人を選んでいただきたいものです。もちろん、逃げない人でね。
 大事マンブラザーズバンドの「それが大事」という歌の歌詞には

「負けない事、逃げ出さない事、投げ出さない事、信じぬく事、ダメになりそうな時、それが一番大事」

 というのがありましたが、前首相、前々首相はこの曲の存在を知らなかったと思われます。
 知っていたら回避できたのか?と言われてしまうと何ともいえないところですが、私は「ダメになりそうな時、酒を飲むのが一番大事」なのではないかと信じております。

 さて、話は変わりますが、日曜日は恒例の(勝手に恒例にしている)ランチメニューの公開日であります。(月に一回程度ですが)
 それでは、ランチのメニューとその解説に行きましょう!

・キノコと野菜のテリーヌ
 
(自称テリーヌ男の私は、ランチに必ずテリーヌものを載せたがります。理由は早く出せるし、見た目が綺麗だからです。しかし、仕込みは簡単ではありません。椎茸の断面、インゲンとそれに合わせて切った人参の断面のモザイクなどを想定しながらテリーヌ型に並べる作業はかなり孤独です。サワークリームのソースで)

 又は
 
・鮪のブラックペッパー風味 サラダ仕立て

(鮪の柵に塩コショウし、フライパンで表面だけ焼きを入れたものを冷凍庫で急冷します。スライスして皿に並べ、ブラックペッパーとバージンオリーブオイルをかけ野菜を盛り、ヴィネグレット(ドレッシング)をかけます。周りにソースとしてアンチョビのヴィネグレット、フレッシュトマトのクーリを流します)

・本日のスープ(カリフラワーのブルーテスープ)

(ブルーテとは、ビロードのような滑らかなスープを指します。若干、小麦粉でつないでいますがそれがカリフラワーとブイヨンの味を舌に纏わり付かせるのです)


・本日のお魚のポワレ じゃがいものクリーム煮 ソースアメリケーヌ

(本日のお魚は、休み前の赤字覚悟の大放出でノドクロでした。付け合せのじゃがいもは、下茹でしてから玉葱と牛乳で煮てグズグズにしてあります。それにソース・アメリケーヌ、この組み合わせ好きなんです)

又は

・トリップと白いんげん豆のトマト煮 グラタン仕立て

(牛の第2胃のトリップは3回茹でこぼしてからフォン・ド・ヴォライユとミルポワで3時間煮ていきます。別鍋にみじん切りにしたミルポワをゆっくり炒め、白ワイン、白ワインヴィネガーを入れ煮詰め、ホールトマトをミキサーに掛けたもの、トリップを煮たフォン、トマトペースト、ローリエ、セージをいれ、沸騰したらバトネ(棒状)に切ったトリップを入れ、蓋をして180度のオーブンで1時間半蒸し煮します。戻して煮た白いんげん豆を加え、耐熱皿に盛り、グラティネ(焼き色を付ける事)します)

・デセール(ガトーショコラ、牛乳のソルベ)

(いつもこればかりになってしまうのですが、ガトーショコラは焼き立てです。作り方は割愛させていただきますが、昨年の記事に載せているような気がしますので、どうしても知りたい、という物好きな方はお手数ですがご自分で探してくださいね)

 と、このようなランチメニューになっておりました。
 昨日は、キノコと野菜のテリーヌ(ランチ用)、真鯵とポワロー葱のテリーヌ(ディナー用)、鴨肉とフォワグラのテリーヌ(アラカルト用)という、テリーヌ仕込み三昧な日でした。
 それでも、自称テリーヌ男はテリーヌの仕込が楽しくて仕方がないのです。(もっと仕込めと言われれば仕込みたい、くらいの勢いはある)

 しかし、残念ながら今日のランチの前菜チョイスでは鮪の比率が高かったような気が・・・

 よーし!今度は鮪もテリーヌにしてやろうか!

 鮪を酸味の利いたライスで覆い、その外側を海草系でまとめて、と・・・

 それ、鉄火巻きだろ!



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意地っ張りと負けず嫌いの境界線はどこか

2008-09-13 13:56:43 | Weblog
 
 いじ[意地]①気持ち(の持ち方)~がわるい、②やりとおそうとする気持ち、~を張る、③欲、~が汚い、欲張りだ(デイリーコンサイス国語辞典より抜粋)

 「意地っ張り」というとイメージが悪いのですが、こと仕事に関して言えばこの気持ちが必要な時もあるように思います。
 しかし、この「意地っ張り」を無関係な時に乱発する者もいるわけでして、私の友人には「意地っ張り」というのを通り越して「負けず嫌い」というものに昇華しているヤツもいます。
 この気持ちは飲んでいる時によく出るらしく、一歩も引こうとしないのでイライラもしますが、それ以上に笑わせてくれたりするわけです。
 昔、友人と飲んでいる時、なぜその話に行き着いたのかは失念しましたが、かぐや姫の名曲「神田川」の話になりました。
 酔いも廻ったのか「俺は歌詞を全て暗記している!」と豪語し始めた彼に「じゃあ、歌ってみろよ。」と煽ったのが始まりでした。

「藤原、あの曲はな、切ない歌なんだよ!分かるかお前?」

「分かったから歌ってみろよ。」

 すると彼は、目を閉じて頭の中から歌詞を捻り出すようにこう歌い出しました。

「あなたが編んだ赤いマフラー・・・」

「ちょっと!ちょっと!ストップ!最初からつまづいてんじゃねーかよ!」

 そう、歌を制止すると、彼はジョッキのビールを飲み干してこう言いました。

「ウルセーな、ちゃんと聞け!行くぞ! あなたが編んだ赤いマフラー・・・手ぬぐいにして・・・」

「ちょっと!ストップ!ストップ!お前、彼女が編んだマフラー、手ぬぐいにすんのかよ、赤いマフラーで大事なところ隠して銭湯に入るんじゃねーだろーな!」

「藤原、ちゃんと聞け!行くぞ! あなたが編んだ赤いマフラー・・・手ぬぐいにして・・・風呂屋へ行ったっけ・・・窓の外には神田川・・・」

「もういいよ、笑いすぎたよ。どんな銭湯だよ。歌詞、意味不明だよ。」

 そんな事がありました。最後まで彼はこの歌詞を否定する事はありませんでしたが、私はそれからも彼と飲む時、必ず「神田川」の歌詞を聞いてみるのですが、毎回、微妙に歌詞が変わっているのが気になります。
 因みに、正しい歌詞は「あなたはもう忘れたかしら、赤い手ぬぐい、マフラーにして、二人で行った横町の風呂屋、「一緒に出ようね」って言ったのに、いつも私が待たされた・・・」です。「窓の外には神田川」は2番に登場します。

 このように意地が引き起こす混乱もありますが、意地を持ってやり通さなければならない事もあるわけです。
 それは冒頭にも書いたように仕事の事だったりするわけですが、例えば、私事で恐縮ですが、「フォン関係は缶詰を使用しない」「仕込みをし過ぎない」「お客様からすすめられたワインは断らない」など様々です。(3番目はあまり関係有りません)
 「フォン関係は缶詰を使用しない」というのは、厨房を一人で回しておりますから、「一人で大変なので缶詰を使うしかありません」と言ってしまえば済む事だと思うのですが、それでは料理理念が伝わりませんし、「一人で大変」なのは、お客様には何の関係もありません。
 ですから、意地でもフォンを取らなければならないでしょう。
 昨日、「ソース・アメリケーヌ」のベースを取ったのですが、とあるお店で食事した際、ポワソン(魚料理)のソースのアメリケーヌは一口食べて缶詰だと確信しました。
 悪い事だとは思いませんが、厨房には結構な人数の方いらっしゃいましたからアメリケーヌくらい取れるのではないのか?と単純に思ってしまった次第です。

 ソース・アメリケーヌの作り方はこのようになります。

①鍋に潰したにんにくをオリーブオイルを入れ火に掛け、香りが出たらスライスしたミルポワ(タマネギ、人参、セロリ)を炒める。

②半割して砂袋を取った海老の頭(ラングースト、伊勢海老の頭が理想的)を5センチ角くらいにカットし①の鍋に入れ炒める。

③水分がなくなり、ジュ(エキス、ジュースの事)がカラメル化してきたら、ブランデーでフランベ、煮詰めて白ワインを入れ、水を入れる。

④ホールトマト、トマトペースト、ローリエ、エストラゴン(なければいらない)タイムを入れ1時間くらい中火で煮込む。

⑤シノワで力強く濾す。さらに茶漉しでも濾す。(フォン・ド・ヴォーと同じ理由、目が粗いと雑味が残るから)

 と、このような行程です。
 特に難しい作業があるわけでもないですから、材料費を気にしなければ取れるものだと思います。
 伊勢海老の頭、というところで引いてしまうのかも知れませんが、現在、伊勢海老の頭だけ、というのも流通しておりますから(意外に安い)是非、自家製を使用していただきたいと思います。

 シノワで力強く濾している様は、まさに意地を張っているように見える筈です。いや、フォンを取っていること自体、意地を張っているのかも知れません。

 いいんです。意地っ張りで。いや、ただの負けず嫌いなのかも。

 でも、そういう人間ですからご勘弁を。



 
 
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