ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

花の付いた笠を振り回しながら練り歩く、そんなフェスティバル

2010-07-29 22:14:22 | Weblog
 山形市近郊にお住まいの方は、この時期になると「花笠祭り」を心待ちにしているのではないか、と勝手に推測してしまう今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 以前、当ブログで「花笠」の事を「フラワー・アンブレラ」とそのまんまの表現をしてみたところ、「バンブーハットではないのか。」とのご指摘を頂いた事がありました。
 確かに言われてみれば「なるほど、バンブーハットね!」と思いましたが、「バンブーハット」というと、どうしてもベトナムなどの東南アジアの活気のある市場や船上市場でにこやかに働いている人々を想像してしてしまいます。
 ならば、東南アジアの人を招聘して一緒に花笠祭りに参加していただいたら如何なものか、と考えてみました。
 「バンブーハット」の使い方も文化も違うかもしれませんが、是非、参加していただき、花笠、もとい、バンブーハット交流みたいな友好関係を結び、東南アジアにも「花笠祭り」という異文化を紹介していければ、どうなんでしょう?山形県のアジア進出なんて事にはならないんですかね、果物や牛肉とかもありますし、世界的視野の商売を目指してですね・・・吉村知事!ダメですか?
 
 毎年、「花笠祭り」の時は、何と言いますか、フレンチは弱いんですな、祭りですから。
 祭りになると日本人の血が目覚めるのでしょうか?皆さん、焼き鳥や焼きそばなどの「醤油」又は「ソース」ものに走ってしまうため、フレンチは立場がなくなってしまうのです。
 飲み物も祭りですから「ビール」になってしまうものです、気分的にそうですよね、ワインよりビールでしょう、判りますよ、その気持ち。
 3年前くらいは、所属しております商店街の屋台で出店をする、という事もしましたが、その年だけで終了、となりました。
 割と良い売り上げを出したのですが、何と言いましょうか、足並みが揃わない、と言いましょうか、売上金をくすねた人がいました、と言いましょうか、大変だったんですよ、まさか獅子身中の虫がいるとは思いませんからね。
 ですから、今、商店街で花笠屋台の話はタブーとされているのです。(ここでタブーを破って良いのか、という問題もありますが、この際、いいでしょう、ネタとして)
 その屋台(タブー屋台)では、私は「ヤキトラー(焼き鳥の焼き手)」として、前日から徹夜して焼き鳥500本近く刺し、平行して煮込みをフォン・ド・ヴォーを取る寸胴2本分一人で作るという強行軍で望み、お陰様で完売の運びとなりました、来店された方、その節はありがとうございました。
 さて、今年はどうするか?という問題があります。
 考えられるパターンは、

・通常営業をする(あくまで通常営業を貫き通す)

・店頭で何かを売る(チャコールグリラー、つまり炭火焼き台はありますからそれで何か焼いて営業する)

 の2つであります。
 「花笠祭りを見に行く。」という選択肢もありますが、さすがにそれはイカンでしょう、飲食店経営者として。

 因みに、私は一度も花笠祭りを見た事がありません。

 ずっと仕事だったんですもん。

 音だけは聞こえてくるものですから、それで、祭りに参加したような気になってるだけであります。

 それでもいいですよね、ね。












 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

光陰矢のごとし、そんな言葉が頭を擡げる(もたげる)日

2010-07-28 23:08:36 | Weblog
 今日、某大手酒販メーカーの方が開店時間前にいらっしゃいまして「よろしくお願いします!」の掛け声と共にパンフレットをくれました。
 「早く中を見てね。」という気持ちが伝わりすぎるくらいの笑顔で私をガン見しておりましたので早速パンフレットを見てみると、夏には不似合いな文字が躍っておりました。
 その時点で何を言わんとしているか察してしまった私は、「えっ!?もう?早くないですか?」と返してみると、「今日はこのお願いで回ってるんです!」と私の質問内容にかみ合わない回答を頂いた次第でした。
 その不吉な笑顔のままでお帰りになられた某大手酒販メーカーの方でしたが、すぐに内容を見てみると、やはり、と言いますか、まだ早いだろ!と言いますか、「アレ」が大々的に載っていたのです。
 「アレ」が正式に解禁になるのは秋ですから、かなりのフライングだと感じましたが、営業的にはもう仕掛けなければならないんでしょうな、「ボージョレ・ヌーヴォー」よ!
 こんなに早くから、いや、3ヶ月以上前から「ボージョレ・ヌーヴォー」の営業を掛けられてもハッキリ言ってイメージが湧かないのは何も私だけではないと思いますが、パンフレットには「ボージョレ・ヌーヴォー」とどのような関係があるのか、「神の雫」の主人公の絵と「押切もえ」嬢が載っておりました。
 よく見ると「神の雫」の主人公が思いっきりブルゴーニュの名門ネゴシアン「アルベール・ビショー社」の「ボージョレ・ヌーヴォー」を持っている絵でありましたから、すぐにコラボレーションという名の販売戦略を感じてしまいましたが、これに弱い人は弱い、と思わずにいられませんでした。
 どういう経緯で「押切もえ」嬢が「ワイン・アンバサダー」つまり「ワイン大使」に任命されたのかは定かではありませんがキュートな笑顔で写っておりました。
 一説によると、この某大手酒販メーカーが持っている「カヴァ(スペインのスパークリングワイン)」を「押切もえ」嬢がテレビで褒めたのが切っ掛け、との未確認情報も流れております、美女は役得ですな。
 パンフレットを読んでみるとなかなか面白いのですが、ひとつツッコミを入れさせていただければ「ボージョレ・ヌーヴォー2010」の説明に「レッドカラント等の赤い果実を中心に、ベリー系フルーツの凝縮した豊かなアロマを生かしながらも・・・」という表記があります、もう味が判るんですか!まだ出来てはいないはずですよ!しかもこのパンフレットはいつ作ったんですか!
 
 失礼いたしました。しかし、私は思いました。このパンフレットを見て暑い季節を少しでも涼しく過ごして下さい、というメーカーさんのお気遣いなのではないか、と。

 そんな事を考えているとクリスマス食材の案内が来るかもしれません。

 もし本当にそれが来たら、1年が終わるのは早い!だから今を一生懸命に生きるのだ!というメッセージだと思うように努力します。

 でも、まだ考えたくはありませんな、年末の事なんて。












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

軟水か硬水か、それが問題だ

2010-07-27 22:57:45 | Weblog
 日を重ね、8月に近づくにつれて暑さが増し、涼しい所を探して求めて彷徨う流浪の民と化している人もいるのではないか、と思われる今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 ジリジリと暑さが増す中、先日のディナー営業で当厨房の温度は38度を超えてしまいました。
 「自慢ですか!」そのようにお感じになられる方がいらっしゃいましたらもう少々先をお読みください。
 燃えるんですよ、この熱さ。体力を奪われるような熱さの中、前菜を盛り付け、魚をポワレし、肉を焼き、そして、休ませ、最後に肉をオーブンに入れ「vian chaud(ヴィアン・ショー、熱くする事)」にして準備をしながらソースを仕上げる、そんな工程を汗だくでするのが。
 普段、スポーツなど一切しない私ですからそんなところで燃えたくなるんですな、まぁ、発散場所を求めているのか、言われれば反論できませんがね。
 そんな中、仕事がある程度終わった時に飲む「水」というがとても美味しく感じたりするのですが、その時飲む「水」というのは、私の経験上「硬水」だとちょっとだけ辛くなってきます。
 大別すれば、日本の水は「軟水」でヨーロッパの水は「硬水」となりますが、ガンガン動き回った後に「エビアン」はキツく感じますし、「コントレックス」は大変な事になってしまいます。(私的な意見でありますからご了承ください)
 勿論、それらの「水」が「嫌い」というわけではありません、普段は「エビアン」愛好者ですし、自宅には「コントレックス」を冷蔵庫に冷やしている時もあります。
 ただ、散々動きまくった後は、スーッと身体に入る「普通の水」の方が良いんでゲスな、天然水、などでもなく普通の水道水です。(当店では、簡易的なものではありますが浄水器を設置しております)
 私はこの水道水を「蔵王山水系浄水」と呼んで他のブランド天然水に「負けるともちょっとだけ劣るかもしれない天然風飲料水」の位置づけとしております。 
 例えるなら、「硬水」は「ポタージュ」で、「蔵王山水系浄水」は「鰹風味のお吸い物」といった感じでしょうか。(「鰹風味のお吸い物」は、鰹節を使用したお吸い物と一線を画します)
 その水をチャージした時の目の覚めるような体内浸透感、堪りませんな。そんな、そんな小さな楽しみを糧に生きているんですよ、私。

 さて、話は変わりますが、最近、業者さんとの付き合いで「十勝ハーブ牛」というブランドの牛肉を仕入れました。
 この牛肉は所謂「和牛」というものではなく「F1(エフワン)」と呼ばれる「交雑種」の牛肉であります。
 「交雑種」と聞くと何か物凄い雑種のように思うかもしれませんが、乳牛である「ホルスタイン」又は「ジャージー種」と「和牛」の掛け合わせであり、特徴としては「育ちが早い」「病気に強い」「価格がリーズナブル」というのがあります。
 「サシ」、所謂、脂が入り込んでいる「マーブルタイプ」の牛肉と違い噛み締めるタイプの赤身の美味しさが身上であります。
 その赤身が「硬い」と感じるか「噛み締めて美味しい」と感じるかは意見の分かれるところでありますからお出しする際には説明をさせていただき、「赤身肉は嫌だ」と仰る方にはお出ししませんのでご安心ください。
 
 最近、「歯が悪いので・・・」と仰る方が増えているように思います。
 
 歯が悪いから柔らかいものしか食べないのか、柔らかいものしか食べないから歯が悪くなるのか、判断に困ってしまうところでありますが、やはり、柔らかいものを出して吉なんでしょうか。

 私は牛肉の噛み締めた時の迸る(ほとばしる)肉汁を赤ワインで流し込むのが好きであります。

 その時のチェイサーはなぜか「硬水」が合うんですな。

 










コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

身体を冷やしてはいけない、そう誰かは言った

2010-07-20 20:50:23 | Weblog
 日差しが強くなり真夏の様相を呈してきた今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 「暑い時こそ冷たいものを欲する。」というのが一般的だと思いますが、歳を重ねた結果、私が辿り着いた「暑い時こそ論」は、「暑い時こそ熱いものを」であります。
 日差しが強くなる事を示唆するような暑い朝に「ホットコーヒー」、うだるような暑い昼に「かけそば」、灼熱の太陽の暑さを吸収したアスファルトの熱を感じる夜に「熱燗」、それに限定しているわけではありませんが、それが心地良い、と感じるようになったのは、来月で不惑の歳をゲットする、そんな年齢になったからかもしれません。
 しかし、「熱いもの」だからと言って「グラタン物」はあまり感心いたしません。「チーズグツグツ系」は秋口か冬に食べたくなるものでしょう、文章にしただけでも汗が出てきそうであります。
 「暑い時こそ熱いもの」という考えは少数派でありますが、殆どの方は「暑い時こそ冷たいもの」でしょう、そうでしょうとも。
 最近、市民権を得たと思われる「冷やしラーメン」。その元祖と言われているお店は当店の近くにありますが、たまたま通った時に見た光景は大行列でありました。
 「冷やしラーメン」を食べようと店外にまで行列が出来ているのは同じ飲食店の者として羨ましい限りでありますが、大粒の汗をかきながら「冷やしラーメン」のために外で待っている、というのはどうなのでしょうか?すぐに入れて涼しい店内で熱いラーメンを食べても汗をかく量はそれほど変わらない、もしくは後者の方が汗をかかないのではないか、と思ってしまいます。
 これも最近、市民権を得たと思われる「冷たいスパゲティ」。これは元々前菜として考案されたものですから爽やかに、そして少量で提供しているはずですが、これをメインで食べたい方が意外にいらっしゃいます。(当店はフランス料理ですのでお出しいたしておりません。「どうしても食べたい!」と仰る方はご相談ください)
 仮に、「冷たいスパゲティ」をメインとしたセットを用意したとしましょう、サラダ、冷たいスパゲティ、ドリンク、となるはずです。
 そうなると「サラダ」と「冷たいスパゲティ」の味が被るのではないか、と心配してしまいます。
 「冷たいスパゲティ」は清涼感を出すためにレモン汁やヴィネガーなどの酸味とその酸味の角を取るためにオリーブオイルを使用します。どう考えてもドレッシング系の味の構成を成していますからサラダのドレッシングとバッティングしてしまうはずです。
 「だったら違う冷たいスパゲティにしたらいいだろう!」そのような罵声も聞こえてきそうですが、先日、たまたま目にした冷たいスパゲティで「冷たいカルボナーラ」というのがありました。食べたいですか?わざわざカルボナーラを冷やす意味が判りません。
 因みに、本国イタリアに「冷たいスパゲティ」は存在しません。近いものならば茹で上げたスパゲティにフレッシュのトマトを使った冷たいソースを合わせた生ぬるいスパゲティは存在します。
 「スパゲティ・ア・ラ・ケッカ」という名前ですが、直訳すると「オカマのスパゲティ」。どっちつかずの温度だからその名前だと思われますが、それを注文するとそういう人だと思われるかどうかは未確認であります。

 「結局、お前は冷たいもの否定はなのか!」そのような声も聞こえてきそうですが、全くそのような事はありません、冷たいものも好きであります。

 ただ、それだけ、冷たいものだけ、というのはどうかな、と。

 身体を冷やすのはイカンのではないか、と思っているだけであります。

 飲み過ぎた次の日の「冷たいウーロン茶」は好きなんですけどね。












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

果樹王国山形の偉大さを知る

2010-07-09 23:02:13 | Weblog
 参議院議員通常選挙がすぐそこまで迫ってきつつあり、その投票行動を促すテレビ広告山形バージョンで大笑いしてしまった今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 山形県民以外の方がこの文章を見たら「何で大笑い?」と不思議に思うかもしれませんが、選挙行動を促すテレビ広告山形バージョンには「あき竹城」さんがご出演なされております。
 その他に山形県出身のお笑い芸人「ロケット団」も出ており、そちらの方が主役的ではあるのですが、私的にはどうしても「あき竹城」さんに目が行ってしまいます。
 「あき竹城のファン」「あき竹城を愛している」といったラブ系ではなく、あのビジュアル、あのボイス、あの訛り、インパクトが強すぎます。
 ご出身が米沢牛で有名な米沢市でありますから訛りも「置賜系訛り」を前面に押し出した台詞回しでありましたが、長く東京に住んでいるはずなのに未だに訛りが取れていない、いや、もしかしたら敢えて取らない姿勢には山形県人の矜持を感じずに入られませんでした、尊敬に値します。
 「7月11日、忘れないでね。」という台詞を「あき竹城」さんはこう言います。

「すずがずじゅういじにじ、わすれんなな!」

 どうです?一回で理解できた人は根っからの山形県人か山形通の人だけだと思われます。
 今、芸能界で活躍している山形県出身(寒河江市だそうです)の訛っているアイドル、通称ナマドルの女の子がいらっしゃいますが、私には作為的な訛りに映ってしまうのです。
 やはり「あき竹城」さんくらい強烈な、強引な、そして、ネイティブな山形訛りを操るくらいの勢いが欲しいものです。
 よく見るとポンキッキに出てくる「ムック」に似てなくもない「あき竹城」さん、これからも山形独自の訛りを駆使して頑張っていただきたいものです。

 さて、話は変わりますが、先日、大量の「さくらんぼ」を頂きました。
 昨年も同じ方から頂きましたので2年連続で頂いた事になりますが、毎回、デセールに仕立てるべく努力しております。
 昨年はキルシュ酒に漬け込んでヴァニラ風味のババロアに混ぜ、ジェノワーズでサンドしてお出ししましたが、今年はコンポートにしてみました。
 昨年はさくらんぼの種取りで苦労した経験から、今年は「さくらんぼ種取り器」を購入して臨んだ次第です。
 「さくらんぼの種取り器・・・そんなものがあるのか・・・」そのように思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、その道具は山形独自のものではなく、ドイツ製でありました。
 山形の、いや、日本のさくらんぼをドイツのさくらんぼ種取り器を駆使して種を取る・・・そこにイタリアの風味を加えてしまえばまさに「三国同盟デセール」が出来上がるわけですが、そこまでしてそれを成し遂げる意味があるのかどうか微妙であります、いや、意味ないでしょう。
 ですから今回はそのような事は頭から切り離しコンポートにしてみたのです。
 丁寧に洗ったさくらんぼの種を取り(全部で10キロくらいあった)、水、白ワイン、グラニュー糖、レモンのスライス、ヴァニラビーンズ(鞘ごと)を沸騰させた中に投入します。
 アクをすくいながら弱火で20分くらい煮込み、そのまま放置して冷まします。
 お出しする際には深めの皿にさくらんぼのコンポートを盛り付け、コンポートの汁をジュレ状にしたものを流し、クレーム・アングレーズ(ヴァニラ風味のカスタードソース、と言えば判りやすいでしょうか)を上から掛け、細かく切ったジェノワーズを散らし、ミントの葉を飾って出来上がりです。
 
 さくらんぼを頂ける、というのは大変有り難いですし、山形に生まれて良かったな、と思う瞬間でもあります。
 
 山形の中では「さくらんぼは買うものではなく貰うもの」という考えが根付いておりますが、その言葉の真の意味は「果樹王国山形万歳!」というものだと解釈しております。
 
 因みに、今までさくらんぼを貰った事がない、という方が先日いらっしゃいましたが、それはですね・・・申し上げにくい事ですが・・・多分ですが・・・

 やっぱり止めておきましょう。











コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

焼き網に乗せた瞬間から物語は始まる

2010-07-08 21:31:05 | Weblog
 来月、東京へ行かれる常連のお客様が「サマージャンボ宝くじ買ってきてあげようか。」とお声を掛けてくれました。
 山形よりも東京の方が当選確率が高いから、なわけで、ご本人も買われるそうなので、ついでと言ったら何ですがお願いいたしました。勿論、お願いの際の言葉は「当たるヤツをお願いします。」で。
 割と、と言いますか、かなりくじ運に見放されている私は、初詣のくじ引きで4年連続で「凶」をブチ当てた「ハードラック野郎(「ハードラック」とは幸が薄い、薄幸という意味)」でありますから、今回のサマージャンボ宝くじも結果が見えているというものでしょう。
 しかし、夢を見る権利くらいはありますからその方に「お願い」をしたのですが、仮に3億円当たったらどうしましょうか?
 まず、ひとつに「現在の借金を返す」というのがあります。現実的に考えてこれが一番の優先順位でしょう。
 その次に、「親孝行のため家を建てる」でしょう。自分よりも一番黄泉に近い人へありがとうの気持ちを込めるのも必要かもしれません。
 次に「店を改装する」、その次に「最新調理機器購入」、そして「家族のために使う」、この使い道は私は判りませんから丸投げになる形でしょう。
 そして、最後に「自分の好きなギターを買う」。ここまで残高があるか分かりませんが3億円ですから大丈夫なのではないでしょうか。
 しかし、実家の家を建て直す、下手すれば自宅も買えるかもしれない、となると心配になってくるのが「固定資産税」でしょう。あぁ、そうなると毎年何期かに分けて支払わなければならない状況になるわけで、少しはプールしておかなければならないでしょう。
 そうなると・・・いやぁ、とてつもない金額の使い道を考えるって楽しいですな。(バカ)

 さて、話は変わりますが、先日購入した某雑誌のメイン特集は「肉を焼く」とありましたが、そのトップに君臨していたのは「焼肉」でありました。
 しかも、その記事に出ていた方の「焼肉5か条」の中に「4人が丁度いい」という箇所がありました。
 その気持ち判ります、判りますよ、その方が色んなものを注文できますからね。しかし、4人全員が「肉を焼く事に興味がある」かと言えばそうとも言えないのが世の中であります。 
 どうしますか?塩物(この場合「塩タン」を指す)を焼いて楽しんでいる中でタレ物を広げようとしている人がいるとしたら。
 出来れば「アッサリもの→コッテリもの」というセオリーで行きたいではないですか、しかも、最初は「刺し物」&「ビール」などから始まればいい感じであります。
 「勝手に焼かせろ!」「料理人だからってそういった場面でも拘ろうとするのか!」などのご批判もあるかもしれませんが、肉を焼いて食べるのであれば美味しく食べたいではないですか、同じお金を出すならば。
 仮に、マネージャーと焼肉に行ったとします。もう長い付き合いですし、お互いの焼肉、いや、肉焼きスタイルが異なる事は承知しておりますから、暗黙の「焼き網不可侵条約」というのを厳守して焼肉に興じるのですが、初対面の方が一緒だとそうは行きません。
 私は自分のテリトリー以外の肉に関しては無関心ですし、自分が食べる肉以外焼き網に乗せないのですが、稀に「ハイ、これ焼けてますよ。」と、焼けすぎの肉をタレの中に投入してくれるご親切な方がいらっしゃいます。
 ここで「すみませんね、ありがとうございます。」と言ってしまうと「自分の面倒見ている肉(なぜかこういう言い方をします)」以外のものも受け入れる「容認派」と決定付けられる可能性がありますし、「いや、自分の肉は自分で焼きますから。」などと言ってしまうと「嫌なヤツ」になってしまいますから、どのタイミングで「あんまり肉を網に乗せ過ぎない方がいいと思うよ。」という、暗に「無駄に焼くな!」宣言をするか悩んでしまうというものでしょう。
 ですから、私は焼肉屋さんへ足を踏み入れる前に軽くスタンディングのパブ(山形市限定で実名を出させていただければ「ラフロール」さん)でビールでも飲みながら焼肉について話し合った後、焼肉屋さんへ入店、というのが好ましいのではないか、と考えます。
 
 そして、肉の焼き方ですが・・・

 あまり言い過ぎてしまうと、肉の焼き方の「自慢?」などと言われる恐れがありますから、今日のところはこの辺にしておきますか。










コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

料理にまつわる話をしていい場所と悪い場所がある

2010-07-07 21:34:41 | Weblog
 先日とある方から「最近、ブログの更新が遅いですね。」というお言葉を頂戴いたしました。
 また、その方は「そんなに忙しいのですか?」と付け加えてくれたのでした。
 結論から言いますと、地方でやっているフランス料理店に毎日「激」が付くほど忙しい店はそれほどないと思いますし、残念ながら当店はそれに該当しません、たまに忙しい時もありますけどね。
 当店の月の売り上げを最近、何かと話題の「相撲」の勝敗に例えるならば「8勝7敗」でギリギリ勝ち越す月もあれば「7勝8敗」でうなだれる月もある、くらいのものであります。年末付近にかけては「13勝」は確実なのですが、厳しいぜ、現実よ!
 では、何がそんなに私を忙しくしているのかと言いますと、またもや来たのです、新店舗の立ち上げの話が。
 今回は、店舗及び厨房設備の監修、というややこしいもの。この話は、4月にオープンさせた「トラットリア ニーナ」の話を聞きつけたオーナーが「うちでも頼む」と持ち込まれたものです。
 今回は近場ですから前回ほど移動の不便さを感じませんが、近ければ近いなりに面倒くさい事もあるものです。
 「当店が忙しい場合は電話も遠慮してほしい。」「基本的に現場の確認作業等は空いた時間、又は休みの時。」「打ち合わせ等は当店が閉店してから、又は休みの時。」という3大基本条約を理解していただき、今回の仕事を請けたのです。
 何処なのか?どういう店なのか?という事はここでは書けないのですが、どうにかして見つけた方、よろしくお願いいたします。
 ほんのちょっとだけ厨房機器の自慢をさせていただけるならば、今回は「オール電化」を採用しております。
 理由としましては、厨房の狭さ、というのが挙げられます。つまり、狭い厨房=店舗内の関係上、ノーチョイスだったわけですが、そこに輻射熱系ガス機器を配置してしまうと働く人に負担が過剰に掛かってしまう、と判断したからであります。別に「ガスがダメ!」という理由ではありませんよ、山形ガスさん!当店はガス機器に特化した厨房作りをしておりますぜ!
 今月の後半にグランドオープンの予定でありますのでうまく行く事を祈りつつ厨房作りと内装をあのようにして良かったな、と一人ほくそ笑んでおります。

 さて、話は変わりますが、今日は朝に近い午前中から“また”であり“あの”でもある、山形ローカル・クッキング・レクチャー・TV「酒の肴 つくってみーよ」の収録でありました。
 「お前、何回出れば気が済むのだ。」と半ば呆れ顔の方もいらっしゃるかも知れませんが、「お願いします。」と言われればやるしかないのが人間というものでしょう。
 また今回も打ち合わせまでに料理を考えていなかったのですが、もうその辺はスタッフの方の中で暗黙の了解、という域に達しているのかもしれません。
 ぼんやりと「こんな感じでいいかな?」というのを言葉にしながらそれらしい料理を作る姿勢を見せて打ち合わせに望みましたが、流石に収録が次の日だと知った時は「ハッ!」としました、お願いしますぜ、あんまり深く考えていないんですから。
 番組製作スタッフの方も当ブログを意外とディープにお読みになられているとの事でしたから、こんな記事を書いてしまうと私的心情がバレバレになってしまうのですが、本番ではそれなりにうまく行っていると思われますから相殺していただきますようお願いいたします。
 ただ、ファックスで送られて来た台本を読んで「この台本と全く関係のない話をして暴走してしまうと楽しいのではないか。」と毎回思ってしまうのはどうしてでしょうか?一応、私にも良心というものがありますから封印しておりますが、一度、台本から脱線し暴走列車の如く突き進んでみたいものです。
 例えば

「今日の料理は藤原さんです、よろしくお願いします。」

「お願いします。」

「さて、今日の料理は?」

「はい、今日の料理は『鶏肉のカツレツ キエフ風』です。」

「藤原さん、キエフ風、という事は、ロシアの都市キエフから来ているんでしょうか?」

「いいえ、違います。キエフはウクライナの首都です。」

「あっ、失礼しました・・・でもウクライナはロシアですよね・・・?」

「いいえ、ウクライナの人々はロシアだと思っていないでしょう。それは、モスクワで作られているウォッカ、ストリチナヤと、ウクライナで作られているウォッカ、ペルツォフカほどの違いであります。知っていますか?第2次世界大戦の頃、ウクライナにはウクライナ師団というのがありまして、かつてドイツと手を組みスターリンをですね!・・・」

「カット!カァーット!藤原さん・・・今の話、全く料理に関係ないですよ・・・じゃあ、この料理を飛ばして次の料理から行きますので、お願いします。」

「藤原さん、2品目は、何でしょうか?」

「はい、『海老ときのこのパート・フィロ包み焼き』です。」

「藤原さん、パート・フィロ、初めて聞きますけど、これは何ですか?」

「はい、ギリシャや中近東でお菓子に使われる薄い春巻きの皮のようなものです。」

「へ~、あちらではよく使われているんですか?」

「私が思うにですが、オスマン帝国時代にどこかの国で作られていたものを戦利品として持ち込んだのが・・・」

「カット!カァーット!」

 このように、場の雰囲気を壊してみるのも楽しいかもしれません。

 今日のブログを番組製作スタッフの方が見ておられたら(多分見ていると思う)依頼が来なくなってしまう可能性がありますが、敢えて提案してみました。

 どうでしょう?「俺の話 暴走してみーよ」というのも。









 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日が七夕だと思い出させてくれた一人の男の話

2010-07-06 23:05:15 | Weblog
 七夕が目前に近づき、自分たちを「織姫」と「彦星」に準える(なぞらえる)カップルが出現してしまうのではないか、と一抹の不安を抱えてしまう今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 七夕と言えば「短冊」に願いを込めて書き記し笹の木に括り付ける、という風習があるわけなのですが、皆さんは短冊に何の願いを込めるのでしょうか。
 よもや「世界の人が幸せになりますように」や「人類が平和でありますように」といったモーターボート協会系の祈りを込める人は少ないのではないか、と推測できますが、「借金が減りますように」や「今の切羽詰りが消えますように」といった現実的過ぎるのも「七夕の夜」に失礼だと考えられます。
 ここはやはり「恋愛系」の願いを短冊にブチまけて頂きたい、と思うのが普通ではないでしょうか。
 しかも古風に「俳句」にして願いを込めると星がその気持ちを汲んでくれる、いや、汲んでくれやすいのではないか、と私は考えました。
 「今年中に結婚したい!」というストレートすぎる願いよりも、「婚活を、続けていつか、天の川」というようなかなり抽象的な、いや、半分意味不明な俳句でもイケるのではないか、と考えます。因みに、マネージャーにも考えてもらったところ「ゴンドラの、婚活シート、天の川」という句になりました、まぁ、2人とも「天の川」というキーワードを入れておけば「季語」になるかな、と考えただけなんだと思いますけど。

 さて、話は変わりますが、私が店を構える「山形市七日町」は、歩いて5分圏内に百貨店や大型本屋、はたまたリーズナブル八百屋さん、そして勿論、多くの飲食店が軒を連ねている街であります。
 ですから、注文し忘れた野菜を買いに八百屋さんへ、「月刊 専門料理」を買いに本屋さんへ、というシーンで知り合いの方と街で出くわしてしまうのは日常茶飯事であります。
 しかし、こちらが「合いたい」又は「合いたかった」、「合って良かった」という人ばかりではないのは仕方のないことであります。
 その中の代表格ともいえる「逸見さん」は、「合いたい」とか「合いたかった」という感情を突き抜けて「また合ってしまった」という違う表現をしなければならない方であります。
 パッと見、齢(よわい)70代後半、と取れるその老人は街の一番大きな交差点近辺で「ハーモニカ」を吹いている「自由人」であります。
 本名が「逸見さん」かどうかは未確認ですが、「逸見さん」と何となく呼ばれている事から「逸見さん」で間違いない、と思っていいのではないでしょうか。
 なぜに、どういう意図を持って、ハーモニカを吹きまくっているのかは不明ですが、最近気が付いた事は「子供のために吹いているのではないか」という事です。
 彼の得意なハーモニックミュージックは「どんぐりころころ」ですし、「夏は来ぬ」も最近のレパートリーでありました。
 思い出せるのがその2曲だけ、というのも弱いところなのですが、ハーモニカに特化している老人「逸見さん」は、その曲を吹きながら子供に近づきコミュニケーションを取ろうとします。
 当然ながら子供の親はそんな怪しい老人を全無視するわけですが、お母さん、1曲くらい聴いてやってくださいよ、一生懸命なんですぜ、「逸見さん」は。
 今日もまた「逸見さん」はハーモニカを吹いていましたが、今日は新曲(オリジナル、というわけではなく、「逸見さん」のレパートリーにはなかった曲、という意味)を吹いておりました。
 交差点で信号待ちをしていた私は、2小節ほどを反復するその曲を聴いて自然と歌詞が出てきました。

「笹の葉さらさら、軒端(のきば)に揺れる、お星様キラキラ金銀砂子」

 おお!「逸見さん」!実はタイムリーな曲、「七夕さま」をプレイしていたわけッスね!

 それを聞いて明日が「七夕」というのを思い出したわけです。

 怪しい老人だから、という外見だけの理由で判断してはいけません。

 ああいう人も街の「オブジェ」という見方で、ひとつ、お願いしたいものです。

 「逸見さん」に天の川から零れ落ちる幸があらん事を。









コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする