ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

雨の降らない梅雨にはどうでもよい話が似合う。それは湿気のせいだろう

2016-06-16 17:01:34 | Weblog
 時折見せる鈍色(にびいろ)の空に「おっ、そろそろ本格的に梅雨入りですか?」などと思っていると普通に晴れてしまい、喜んで良いのか悪いのか一瞬戸惑いながらも肌に感じる湿気だけは梅雨の香りという今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 PCキーボードの叩き方を忘れそうなくらい久々なブログ更新でありますが、ここ最近世の中の関心を最も集めたのは「アノ方」の問題ではないでしょうか。
 「厳正なる第三者」「ホテル三日月」などは今年の流行語大賞に出てくること間違いないと思われる「アノ方」の問題は、連日の袋叩き的報道を見ているうちに白いタオルをテレビに投げ込みたくなるくらいでありました。
 しかも「もっと俺に突っ込んでくれ!」と言わんばかりの「アノ方」の受け答えの連続に「実はみんなを笑わせるために・・・」と余計な事さえ思わせるフシがありました。(本人はマジメだったんでしょうけど・・・)
 あの一連の問題の中で一番気になったフレーズは「違法ではないが不適切」という表現だったのではないでしょうか。「法を犯してはいないけれど適切ではなかった」。これは何回聞いても「悪い事とは言い切れない」と捉えられ、最後には「悪い事ではない」とも思えてしまう最強のフレーズであると考えられます。
 このフレーズが一般化してしまうと危険です。仮に飲食店従業員のマニュアルに組み込まれたら大変な事態を招いてしまうでしょう。

「ちょっと!この魚生焼けなんですけど!」

「大変申し訳ございません。違法ではありませんが不適切な調理でした。」

 こんな返答をされたらどうですか。何となく言い返しづらくなります。会話はまだ続きます。

「こんな生焼けの魚食べれないんで新しく魚焼いてください!」

「大変申し訳ありませんお客様、不適切な調理ではありましたが違法ではございません。」

 こう返されたらどうですか。謝罪しているのにも関わらず法律を盾にしてくる・・・しかも何となく生焼けの魚を正当化してそうな・・・。会話は続きます。

「あなたのお店では違法でなければ生焼けの魚を出しても良い、という事なの?!」

「いえ、えぇ・・・と、この魚が生焼けかどうか・・・」

「どう考えても生焼けでしょう!コレは!」

「生焼けかどうか厳正なる第三者の目で厳しく判断していただいてから・・・」

 もうこうなったらどうしようもありません。どう考えても引くつもりがないのですから何を言っても仕方がない、そう諦めてその店に2度と行かない決意をしましょう。
 しかし、この逆バージョンというのはどうでしょう。これは許せる、いや、もっと限定的に言わせていただければ、オヤジならば大幅に許せる問題です。

「おい、ちょっと、このレバー生焼けだぞ。」

「お客様、違法ですが適切な調理ですよ。」

「だよな!これ、もうひとつと熱燗2合ね。」

 このようにオヤジは納得したほかに追加注文までしてしまいますから簡単であります。
 こういう場合もあるでしょう。仮に中華料理を食べに行き、最後の会計を見て不可解な金額がプラスされている事に気づき指摘してみると・・・

「すみません。」

「はい。」

「これって、何の料金ですか?」

「違法ではありませんが・・・」

「いやいや、食べてもいないものを加算したら違法だろ!」

「不適切でした?」

「不適切だよ!どう考えても!だからこれ、何の値段なんだよ!」

「それは・・・特別、と言いましょうか・・・」

「特別とか頼んでないよ!」

「実は、料理人が鍋を振りやすいように中国服に着替えまして・・・」

「そんなの知らねーよ!」

「腕の滑りが良くなる、と言いましょうか、柔道してたもので腕が引っかかる、と言いましょうか・・・」

「知らねーよ!」

 まぁ、今だけのネタではありますが、次にその立場になられる方は一応、堂々として説明できる方がよろしいかと・・・

 次の候補者として「アノ女性」が取り沙汰されておりますが、東京オリンピックも絡んできますから

「1番でなきゃダメなんですか?」

 なんて発言しそうな方は少し考えたほうがよろしいのではないでしょうか。

 











コメント (2)
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