ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

緊急指令!女性を上手くエスコートせよ

2008-10-31 13:44:08 | Weblog
 私は料理を作るのを仕事としており、料理を作る事自体、まったく苦になりませんから「料理を作るのが好き」という事に分類されると思います。
 しかし、それと同じくらい「料理を」「食べる」というのも「好き」ですから、「人が作った料理を食べるのが好き」になるでしょう。
 なぜ「人の作った料理」に限定しているかと申しますと、自分で作った料理はその過程、味付けがわかりますから、タネが判っているマジックショーを見せられているような感じ、いや、結末の判っている映画を見るような感じ、いや、同じラーメンをもう一杯食べるような感じ、いや、漫画「美味しんぼ」を1巻から読み返すような感じ、いや、スーパーの魚売り場で「お魚天国」の曲を聞くような感じ、いや、もういいです、だんだん遠くなっていくような気がしてきました。つまり、そんな感じなんですよ。(分からないって)
 ですから、時間があれば他のシェフが腕を振るっているレストランなどにお邪魔してお食事させていただくのですが、これがまた、楽しいのですよ。
 そして、その楽しさを増幅させるのが同伴者だったりするわけですが、勿論、女性の方なら増幅の幅が広がるわけです。誤解なきようお願いして書かせてもらえば、奥さん以外の女性だと尚、幅が広がるというものでしょう。(誤解しないでくださいね、食事だけですから)
 その場合、何処に何を食べに行くか、という問題に腐心するのは当然の事ですが、どんな服装で行くのか?というのも見落とせません。
 40を目の前にしてカジュアル過ぎる格好をしてディナーに出かけるほどの勇気を私は持ち合わせておりませんし、三つ揃えのスーツで行くのはやり過ぎです。
 最低でもジーンズ、つまりデニムにジャケットくらいは着用したいところ。しかし、それもやりすぎると「チョイ悪オヤジ?レオン見過ぎ。」などとバカにされてしまう恐れがありますから難しいところです。
 ですから私はもっぱら、スーツに色物シャツ、ノーネクタイ、という無難な服装に収まってしまいます。
 稀に上下ジャージ、スニーカーといった出で立ちをなされてレストランで食事をしている方に遭遇しますが、危険球ギリギリでデッドボール、といった感じでしょうか?
 それはいいとして、そんな時チョイスするレストランはフレンチでお願いしたいものです。そして、私以外の方は当店をご利用なされる事をお勧めいたします。(前もそんな話書いたような・・・)
 イタリアンでもいいのですが、パスタの炭水化物が邪魔をしてワインの量が飲めなくなる可能性も秘めておりますから、予め「パスタの量を減らしてください。」とお願いするか、この際潔く「同じ料金を払いますからパスタはいりません。」と宣言するのも手ではないでしょうか。(店側から嫌がられる可能性大)
 しかし、それよりも大事なのは「何を話すか」だと思われます。
 食事を楽しむ大部分のウエイトを占めていると思われる「会話」。「会話」なくして「食事」を語るなかれ、いや、「食事」の重要な鍵は「会話」が握っている、いや、「会話」という武器を手にしなければ「食事」を制圧する事はできない、いや、君は「会話」というエンジンを載せていない「食事」という名の車を運転できるのか、いや、もういいです・・・いや、それくらいの名言(かどうかは別として)が出てくるほど「会話」というのは重要だという事です。(回りくどいよ)

 昔、女性と食事に行った際「自分なりの焼肉のルールがある」という話をしたら「めんどくさい人なんですね。」と一蹴された事がありますから、自分しかわからないような話はご法度だな、と思い、学習させてもらった次第でした。
 それを踏まえて考えるとダメな話は

・「下ネタ」(当然です。レストラン内の雰囲気も読んだらそんな話できません)

・「政治ネタ」(県や市の情勢なども含めてほとんどの女性は政治話に関心がありません)

・「野球ネタ」(メジャーも含めて女性は野球の話題に関心がありません)

・「サッカーネタ」(モンテディオ山形を含めて女性はサッカー話に関心がありません)

・「お笑いネタ」(レストラン内で爆笑させるのは厳禁)

・「ガンダムネタ」(初期ガンダムも含めて女性はガンダムに関心がありません)

・「歴史ネタ」(直江兼続も含めて女性は歴史話に関心がありません)

・「メタルネタ」(女性の98%はメタルに関心がありません)

・「ワインうんちく」(周りが迷惑します)

・「同じ話を繰り返す」(酔っています。速やかに退店する事をお勧めします)

・「ブランド自慢」(一部の女性には支持されるかも知れませんが、嫌な人は嫌なものです。周りの目というのも考えれば避けて吉)

 となるのではないでしょうか。
 私はこの話のほとんど、いや、全部くらいの勢いで食らいつく女性を友人に持っていますが、今だかつて2人きりで食事をした事がありませんし、これからもないと思われます。

 その前に、私の誘いに乗ってくれる女性もいないのが一番の悩み、といえば悩みなのですが・・・




 
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苦悩せよ!クリスマスメニューで苦悩せよ

2008-10-30 19:44:55 | Weblog
 寒さが増し、冬の訪れが身に染みて理解できるようになった今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 寒いのは季節的な事だけではなく、世界的な金融情勢を見ても冷え込んでいるのが判ります。
 当店から歩いて5分も満たない所にある某大手地方銀行は、10月1日から両替機による両替も手数料を取るようになっておりました。
 窓口での両替は手間が掛かるから手数料を取る、というのには目をつぶってきましたが、「便利ですからあちらで」と勧めてきた両替機による両替にも手数料を掛ける、という行為はまさに銀行側の都合としか思えません。
 その銀行に振り込むのにも手数料が掛かり、その銀行から自分のお金を下ろすのにも手数料が掛かる場合がありますから「手数料」の意味を今一度考えたいものです。しかも、何も消費していないのに消費税が掛かってしまうところも見逃せません。次に何が加算されるのか、ある意味、楽しみではありますが、まったく楽しめないこの現状、ご理解願いたいものです。
 某大手地方銀行も大分、株に手を付けていた、という話も漏れ聞こえるところではありますので、東証平均株価が7000円を割った時には幹部の人たちが卒倒しかけたのではないか、と予想されますが、何も両替機の手数料100円で逆転できるほど小さい金額ではないのでしょうから開き直って「手数料なし」というお客様還元、という大胆な構想をお持ちになる事をお勧めします。(そんな事したら潰れるって)

 さて、話は変わりますが、「マチルダ・ベイ特製御節」が今月の24日の時点で予約完売となりました。ご予約くださった方、本当にありがとうございました。
 
「あっ!注文しようと思っていたのに!」

 と、お嘆きの方がいらっしゃるかどうか判りませんが、是非増産してくれ!という声がありましたら10台単位でお受けしますので、ご連絡下るようお願いいたします。(いないよ、そんな人)
 御節の事も考えなくてはならないのですが、その前哨戦として「クリスマスディナー」という年末一大イベントが待っておりますので、そちらの方も考えなくてはなりません。
 毎年避けられない企画でありますから、12月に入るとどんなメニューで行くか、どんな料理に仕上げるか、といったことが頭から離れず、休みの日でも頭の中はクリスマスカラー一色に染まってしまいます。(大げさ)
 しかし、外せない食材、というのもありますから、それをベースに考えればたどり着けるのではないか、と思っては不安になり、思っては不安になりの繰り返しなのであります。

「フォワグラは・・・」

「外せない。」

「オマール海老は・・・」

「外せない。」

「山形牛は・・・」

「外せない。」

「トリュフは・・・」

「外せない、いや、使いたい。」

「キャビア、しかもベルーガは・・・」

「ダメダメ!原価的にヤバイッて!」

 などと自問自答を口に出して呟いておりますから、街中でその行動をした日にはちょっと、いや、結構、いや、かなりキテる人と思われるでしょう。(もうすでに手遅れかも。因みに、ベルーガはキャビアのランクで最高位に位置づけられているものです。その他は、セヴリューガ、オショートラ)

 私は、一人で仕事をしている性質上、独り言がかなり多い男でありますのでテレビを一人で見ていて突然、意見をしたりするのは勿論、一人で仕込み中でも独り言を、呟くのではなく、大声で喋ったりしています。

 ですから、その場面に遭遇した人は

「誰と喋ってるんですか?」

 などと戸惑ったりしているものです。

「今、誰と喋ってたんですか?」

「あっ、いや、独り言ですよ。」

「でも、笑ってましたよね、さっき。」

「あっ、いや、ま~、何か、こうした方がいい感じに出来上がるな、というのを理解できた時ってうれしくてね、笑っちゃうんですよ。何で今まで悩んでたのかな~って思うと、尚更、ねっ。」

「だ・・・大丈夫ですか?かなりの音量でしたよ。」

「いや~、関係ないけど死んだじいちゃんが蒲鉾職人でね、たまに話しかけてくるんですよ。」

「本当に・・・大丈夫ですか?」

「いやいや、ウソウソウソ、今のはウソよ。」

「藤原さん疲れてるんですね、心クリニックって知ってます?」

 そんな事がありますから、独り言には注意しましょうね。






   
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憧れの赤い本

2008-10-27 18:11:01 | Weblog
 来月、物議を醸し出している「ミシュラン東京」の「2009年度版」が発売されると聞きました。
 「物議を醸し出している」というのは、「掲載拒否している店がある」や「星を取ったのに閉店した店がある」「本当にその実力があるのか?」などですが、山形に住み、山形で店を営んでいる私といたしましては

「まぁ、まぁ、そんなに目くじら立てなくても、それはそれでいいじゃないですか。それにフランスの「ミシュラン」が星を挙げましょう、と言ってくれた店があるんですから名誉な事ではないですか。」

 と単純に思ってしまうわけです。
 「お前みたいに単純に考えるヤツがいるから「ミシュラン」にみんな踊らされるんだ!」などと熱くなられる御仁がいるかどうか判りませんが、読んでいて、いや、写真に目を通しているだけでも楽しいじゃないですか「ミシュラン」。(写真掲載が前提なのは「ミシュラン東京」だけです)

 先日、読み返しておりましたら、ふと、こんな事が頭の中に浮かんできました。

「俺、これに掲載されている店って・・・行った事ないよな。」

 気になって次の日、マネージャーに

「ミシュランに掲載されている店、つまりミシュラン星つきの店って、マネージャー、何件行きました?」

 そう言いながら、人の事なんですがマネージャーが「あの時行った」という話を思い出し、問いただすと何店かありました。(ホテルも含む)
 店舗の場合、食事をした、ホテルの場合、宿泊したのが「行った」という事実になるのであれば、マネージャーは「パークハイアット(ホテル)」「ウェスティン(ホテル)」「竹葉亭(うなぎ)」とこの3つになります。
 私の場合、星つきのホテル「帝国ホテル」には行きましたが、2階のバー「オールドインペリアル」でカルヴァドス(林檎のブランデー)を2杯ほど引っ掛けた程度ですので、厳密には行っていない事になります。(宿泊してませんからね。滞在時間2時間弱、といったところか?)
 
 そういえば、周りの同業者や知人は「すきやばし次郎(寿司)」へ行った、「銀座久兵衛(寿司)」へ行った、「ピエール・ガニエール(フレンチ)」へ行った、などの話をよく聞きます。
 別に行ったからどう、というのはないのですが、私の行った店に「星」がないだけで、これから行ってみたい店も「星」がありません。
 そうなってくると「ミシュラン」は、外国資本のただのガイドブック、という位置づけになってしまいますからなかなか難しいところです。

 フレンチの料理人の憧れであります「ミシュラン」。絶対、山形は対象になりませんし、なる理由がありません。

 ずっと憧れのままでいいのかもしれません。


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ランチ営業の後、朗報を聞いた

2008-10-26 18:17:20 | Weblog
 日曜日のランチを終わらせて一息ついたこの時間は(現在、午後5時15分過ぎ)、必ず「睡魔」という名の悪魔が私の体を支配します。
 いつキーボードに突っ伏してしまうのか心配になりながらこの記事を書いているわけですが、そんな日曜の夕方、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 ディナー営業に突入してしまえば目も覚めるのですが、それまでの15分、20分というのは、「人って、ここまで眠くなるものなのか?」と自分自身に疑問を持ってしまうくらいですから大変な事です。
 翻って考えてみると、昨晩は通常営業がほぼ終わってから、ランチの重要部分の仕込みをしはじめたのですが、なかなか思うように進まず(色んな要因はあったのですがここでは割愛させていただきます)、仕込が終わり、掃除をして店を出たら午前3時を回っておりました。
 今朝は8時前に厨房入りしましたから、現在「睡魔」に襲われても仕方ないのか、と一人で考えております。
 しかし、恒例であれば、夜9時を回った頃、頭の中が完全復活する事が決定しておりますので「それまでのガマン」なのか、それとも「その完全復活、前倒しになってくれよ」と神に祈ったほうが良いのでしょうか。夜9時過ぎ、10時近くだともう仕事が終わりかけてる時間ですから復活の意味がありません。

 さて、話は変わりますが、毎週恒例の日曜日のランチメニュー公開、と行きますか。


   前菜

・軽くスモークした鮪と村山たもやま農園の水菜と芥子菜のサラダ

(鮪はサクに取り、塩とグラニュー糖を振り、1時間ほど脱水してから10秒ほどスモークをかけます。スモークの香りが付きすぎてしまうと「ツナピコ(キューブ状の乾き物)」を連想させてしまいますから注意したいところ。水菜と芥子菜はサラダドライヤー(ザルが回転する水切り機)で十分水切りします。ソースはフレッシュトマトのソースとフヌイユのピュレ)


   又は


・鶏肉と海老のテリーヌ レバー風味

(またお得意のテリーヌ。それしかないのか、と言われてしまえばそれまでですが、いいんです、テリーナーですから。このテリーヌは昨日の夜に仕込んだのですが、本当は「キノコと胡桃のテリーヌ」にする予定でした。しかし、1種類キノコを注文し忘れてしまい、慌ててこのテリーヌに変更した次第です。レバー風味のレバーは鶏の白レバーです。海老を入れたのは食感の違いを出すためで、急いで考えたらそんな事が浮かびました)


   本日のスープ 

・かぼちゃのポタージュ

(私はかぼちゃの煮つけはあまり好きではありませんが、かぼちゃのポタージュは好きです。同じく、さつま芋の天ぷらもあまり好きではありませんが、さつま芋のポタージュは好きです。その他にあまり得意ではないものに、赤飯、というのもありますが、流石にそれをポタージュには出来ません。そんな想いでこのポタージュを作りました)


   メイン

・本日のお魚のポワレ 蕪のブレゼ添え 魚介のソース

(本日のお魚は「アマダイ」か「キンメダイ」でした。ランチでこの手の魚を使用するレストランがありましたらご一報いただきたい、そんな気持ちでこの皿を仕上げました。ダメですか、こんな解説では)


・豚ばら肉の煮込み 山葡萄風味

(前回もこれでした。しかし、もう一度作りたくなった「豚バラ煮込み」。今回はカシスリキュールを加えましたので甘さを感じると思いますが、私はこの甘さが好きです。出来れば、赤ワイン、いや、白でも可!それを飲みながらお願いします。などと昼だというのを無視して、念を入れて作りました。今回の付け合せには黄色い人参「黄人参(そのまんま)」のシャトーに剥いた物をお付けしました)


 と、このようなラインナップになりましたがいかがだったでしょう。(デセールは割愛。今度詳しく載せます)

 ランチ終了後、モンテディオ山形が快勝した、という報告を受けて、年甲斐もなく大喜びしてしまった私ではありますが、住民票が山形県である方は皆、大喜びしていただきたい、そんな気持ちであります。

 そして、J1昇格が決定したら県民挙げて応援すべきでしょう。当店はスポンサーになるほど金銭的に余裕はありませんが(弱気)、本当はユニフォームに名前を入れたいくらいの気持ちではあります。(大げさ)

 モンディオさん!気持ちだけ貰ってください!



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突然の来訪者、その時、何を思うか

2008-10-25 13:13:48 | Weblog
 先日の夜10時頃、突然、知り合いの方から電話が掛かって来まして、話を聞いてみると用件は「少ししたらそちらへお邪魔したいのですが・・・」という内容でした。
 知り合いの方、というのは某大型冠婚葬祭会社関係の方でしたので「何だろう?」と思っていたのですが、もう一度電話がかかってきて「フィリップ・バットンさんをそちらにお連れしますので・・・」という事でした。
 そういえばその日、某大型冠婚葬祭会社(以下、パレスグランデールさんと書きます。まどろっこしいのでね)で「フィリップ・バットン氏を呼んでの宴(「フィリップ・バットン氏のフランス料理とワインの夕べ」だったかな?)」が催された事はお客様から聞いておりましたので、その流れかな?などと悠長に考えておりましたが、冷静になって考えると凄い事です。
 「フィリップ・バットン」氏は「ロイヤルパークホテル」のメインダイニング「パラッツォ」のシェフ、「レストラン エブリーヌ」のシェフ、など名立たるレストランのシェフを経験なされ、独立なされて「ル・プティ・ブドン」「ル・プティ・トノー」複数店を経営されている方で、日本におけるフランス料理の重鎮であります。(年齢的にはマネージャーと一緒くらい)
 その方がパレスグランデールさんの料理顧問になられた事は漏れ聞いており、パレスさん関係者に「ねぇ、フィリップ・バットンさん来たら連れてきてよ。」と軽くお願いしていたのでした。
 お願いしてみるもんですねぇ、早速実現してしまったではないですか。
 
 そして、その日ご来店なされた関係者は、パレスグランデール総料理長、同西洋料理料理長、同西洋料理次長、パレスグランデール社長の娘(この人が知り合い)、そして、フィリップ・バットンシェフ、の5名でありました。
 西洋料理料理長とは結構前からお知り合いでして、何かあるとお声を掛けて頂ける間柄ではありますが、当店アルバイト長、中村嬢のおたあさま(お父上)のご学友でもございます。そのため「よろしく頼む。」と言われておりますので、中村嬢!お願いしますよ、O料理長に変な事言わないでくださいよ。
 ご来店なされてワインを注文なされたご一行はすでにハイな状態でありまして、「おい!藤原シェフ、早くこっちに来て一緒に乾杯しよう!」とノリノリでございました。
 フィリップ・バットンシェフはボルドーのワインを御所申されて、いたくご機嫌のご様子でしたが、まだ本格的に酔ってはいないと判断できました。(流石!フランス人、強いのね)
 他の4人は西洋料理次長以外、皆、ハイテンションでありましてあまりバットンシェフと話す機会がありませんでしたが(総料理長から話しかけられてそれどころではなかった)、最後に少しお話させていただいた印象では「とても優しい方」との考えに至った次第です。
 来月、またいらっしゃるそうで、その時、「食事に来るよ」と軽くおっしゃっり、そして、「一緒に写真取っとく?」とおっしゃってくださいましたが、「また今度、お願いいたします。」と丁寧にお断りし、その後、握手を交わして帰られました。(写真をお断りしたのは、その時お客様がご来店なされたからです)
 「意地張らないで写真、取っとけばよかったかな?」とミーハーな考えも後で浮かびましたが「フィリップ・バットンシェフが食事に来るって・・・プレッシャーですな。」ということの方が大きいのも事実であります。

 余談ではありますが、フィリップ・バットンシェフは見た目にも中身もいい男であります。

 私の場合、もう、見た目はどうしようもありませんから諦めておりますが、中身の方は、今からでも遅くなければ何とかなるのではないか、と考えた次第です。

 料理の腕の方も・・・一生懸命頑張りますよ。






 
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撮影前日まで何もしない男の物語

2008-10-24 17:38:04 | Weblog
 先日、あの「山形のエド・サリバンショー」と名高い(ウソ)テレビ番組「酒の肴つくってみーよ」の当店版が放送された、という話を人から聞きました。
 放映された時、私は結婚式への参加の最中でしたからリアルタイムで見る事はできませんでしたが、まぁ、撮影時のことを思い出せば何となく想像はできるというものです。
 「人から聞いた」と書きましたが、その人は「私の母親」でありまして、電話口で

「お前、なぜテレビに出る事くらい両親に言わないのだ。テレビを付けて見たら自分の息子が出ていてビックリした。嫁に確認の電話を入れたら嫁も知らなかった、といっていたが、お前の家庭大丈夫か?」

 と一喝されてしまったのですが、当の本人も詳しい放送日を知らなかったので伝える事ができませんでした、というより、そんな事があったことすら記憶の中から消去されていたような気がします。

 では、一体どんな料理を作ったのか記憶の糸を手繰り寄せて思い出してみましょう。

 まず一品目は「セレブ風パンケーキ」なるものです。以前も書きましたが、このネーミングは私の意思とは関係なく付けられてしまったもので(マネージャーが命名したのを制作サイドが喜んで付けた)、撮影時、私は何度も「セレブではなく風ですからね。」とさりげなく「勘違いしないでね」という注意にも似た発言を繰り返しております。(そこがカットされた可能性大)
 
 作り方を説明しましょう。
 まず、じゃがいもをすりおろし、ボールに入れます。そこに、卵、牛乳、小麦粉(薄力粉)を入れもったりするまで混ぜます。
 それを、少量のサラダ油をたらしたテフロン加工のフライパンで直径7~8センチくらいの大きさに焼いていきます。
 両面焼きましたら、クッキングペーパーに取り冷ましておきます。別のボールに生クリーム(植物性のホイップクリームでよし)、塩、コショウ、レモン汁を加え撹拌しサワークリームを作ります。
 それをパンケーキに塗り、お好みで玉葱のみじん切り(これは放送では出てません)、スモークサーモン、ボイルした海老、キャビア(放送時はランプフィッシュの卵、廉価版キャビア、キャビアの代用品を使用)などを乗せて出来上がり。
 立食パーティー、というものを想定して考えたのですが、冷静に考えれば立食パーティーが出来るご家庭、というのもなかなか見つからないのではないでしょうか。畳の上で立食をしても痛々しいだけです。

 2品目は「秋刀魚のパイ包み焼き」。これは制作サイドから「安くて秋の旬、といった食材でお願いします。」と口酸っぱく言われて考えたのですが、「安くて秋の旬」の食材といったら「秋刀魚」しか思い浮かびません。もしかすると、制作サイドが「秋刀魚」になるよう仕向けたのかもしれません。
 思い起こしてみると打ち合わせの時、「どんな食材がいいのですか?」との質問に「安くて秋の旬のもの」と提案してきたのですが、「幅がありすぎですね~」と言うと「例えば、秋刀魚とかいいんじゃないですか?」と振ってきました。
 「きのことかは?」と提案してみると「ん~、もう少しボリュームのある・・・例えば秋刀魚とか・・・」と、どう考えても「秋刀魚」に追い込んでしまう作戦のようにしか感じませんでした。
 という事で、「秋刀魚のパイ包み焼き」に決定したのですが、この料理、試作などしなかったため、撮影本番ではじめて作った料理です。(いつもこのパターンが多いんですけどね)
 打ち合わせが終わった後、冷静に考えたら「秋刀魚をパイで包んで美味いの?」と不安になったのですが、撮影後に残ったものを食べたら「何だ、美味いじゃん!」と一人で喜んだ次第でした。
 前置きが長くなりましたが、作り方の説明です。

 秋刀魚は3枚に卸し、小さくカットしておきます。ボールに鶏胸肉の挽肉、カットした秋刀魚、同じくカットした豚の背脂、溶き卵を1個の半分(残り半分はパイに塗るため保存)、塩、コショウを入れ、手で粘りが出るまで混ぜます。
 混ぜたものを市販のパイシート(放送時はちゃんとしたパート・フイユテ、パイ生地を使用)で包み、取っておいた溶き卵を塗り200℃のオーブンで25分焼き上げます。
 カットして皿に盛り付けます。お好みで煮詰めたバルサミコヴィネガーを添えてもいいでしょう。(撮影時、ソースがないと寂しいな、と思っているとき、偶然、冷蔵庫の中で煮詰めたバルサミコを発見、知らない振りして皿に流した)

 余談ですが、市販のパイシートを撮影前日に買って用意しておこうと思っていたら、近所のスーパーはおろか、デパートの食料品売り場にもありませんでした。
 業者さんから取り寄せれば膨大な量を取らなくてはならないので、急いで店に戻りパート・フイユテ(パイ生地)打ちをはじめ、打ち終わったのは夜中でした。(一回打つごとに1時間は休ませなければならないので5回打つとなると、それなりの時間がかかるのです)

 そんな事があった「酒の肴つくってみーよ」の撮影でしたが、今度打診があったら他店を紹介しようか、とはた迷惑な事を思っております。

 その時はお願いしますよ。「ラトリエ・ド・シャルロット」さん、「オステリア・イル・ペッシェ」さん!



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「専門」という言葉に憧れを感じて

2008-10-23 17:56:57 | Weblog
 山形のお隣の県、宮城県では仙台港と泉、錦が丘にあるアウトレットモールが大人気だそうです。(錦が丘は大人気か不明)
 休日はアウトレットモール目当てに山形からも人が流出している、という話をよく聞きますからその人気がどれほどなのかうかがい知れる、というものでしょう。
 ブランド物をリーズナブルに購入できるのは若い女性にとって魅力があるのでしょうが、魅力を感じない人がそこに行っても苦痛を強いられるだけなのではないか、と老婆心を抱いたりする私でありました。(例えば、彼氏とか)
 私は普段から「ブランド物」というものにあまり興味を持ちませんし、それらに関する知識も、まったくとは言いませんがほとんど持ちあわせておりません。
 しかし、それらは「洋服」「バッグ」「財布」「時計」といったものの話で、調理器具、食器、ワイングラスといった仕事で使用するものに関しては別問題となってくるのです。
 モーヴィルの銅鍋やロティパン(ローストする際に使用する長方形の鍋)、プジョーのペッパーミル、グレステンの包丁、ルクルーゼの鍋やスキレット、テリーヌ型、ストウブの鉄鍋、といった厨房備品、リーデルのワイングラス、くらいまでは私も買い揃えましたが、ベルナルドの皿、辺りになってくると店構えから考えなくてはならない為、手出し無用、といったところでしょうか。(それ以前に皿の金額的な問題もある)

 その中でも数的に多く所有しているのが包丁だといえるでしょう。
 私は昔から「その作業にしか使用しない」という「専門的包丁」というのが好きでして、今でもそれに憧れ、そして収集しております。
 では、「専門的包丁」とは何でしょう。和食であれば「鰻裂き」や「泥鰌(どじょう)裂き」「剥き物包丁」「鱧切り包丁」といった「それ以外使用しません」的なものですが、洋食では「ソールナイフ(舌平目を卸す際に使用する包丁)」「骨すき(骨付きの肉をバラす際に使用する包丁)」「筋引き(肉の筋を引いて掃除する際に使用する包丁)」「ソーモンスライサー(サーモンをスライスする際に使用する包丁)」といったものになります。
 これらはまさに「それ以外使用しない」という「専門包丁」であり、その作業に合うように作られています。
 しかし、「ポワソンクリュ(一般的には「カルパッチョ」と言いますね。仏語ではこう言います)」、半生に仕上げた「マリネ・ド・マクロー(「鯖のマリネ」の事です。判りやすく言いますと「〆鯖」ですな)」などを切る為の包丁というのは洋食包丁には当然、ありませんから「筋引き」で代用しておりました。(長さがある包丁ですから「柳刃」のように使用できる)
 最近までそれでも納得していたのですが、やはり食材の断面を見ると納得できずに色々考えていたのです。
 勿論、「腕の問題」と言われてしまえばそれまでなのですが、「生の魚」を「スライスする」という考え方は日本にしかなく「生の魚をスライスして提供する」という概念そのものがヨーロッパの食文化にはないため、それに対応する包丁自体存在しない、という事になります。(ソーモンスライスはそれに当たるのですが、断面はザラザラになる)
 ですから、洋包丁で無理やり対応しても刺身のような滑らかな断面には行き着かないのではないか、という考えになりました。
 「ソノ手のメニュー出してないでちゃんとしたフランス料理を作って欲しい!」などと言われてしまう可能性も秘めておりますが、「ポワソンクリュ」はかなり前から日本のフランス料理で出しておりますし、「マリネ・ド・マクロー」はフランスのお惣菜的な料理を再構築したものです。
 それをちゃんと「切る」、というのは簡単ではない、と私は考えまして、洋包丁の要素を持ちながら和包丁の切れ味を再現してくれる包丁はないのか?と探しておりましたところ、やっぱりあるんですね、そんな包丁。
 探した甲斐がありました。刃はモロ「和包丁」というか「柳刃包丁」ですが、「グリップ」などは洋の要素を持ち合わせており、材質は「ステンレス」です。
 これはいい!しかし、使用する機会がほとんどないのが難点と言えば難点。

 「中華は包丁一本で何でも出来る」「弘法、筆を選ばず」といった意見もあるでしょうが、私は「専門包丁」好きなんです。

 「それ以外使わない」というのが何か秘密兵器みたいでいいじゃないですか。

 何となくね。



 
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素直な言葉が一番の「サプライズ」ではないか、という考え

2008-10-22 17:43:19 | Weblog
 sur・prise[サプライズ]驚き、驚くべき〔意外な〕事、不意打ち(デイリーコンサイス英和辞典より引用)

 「サプライズ」という言葉をここ最近よく耳にするようになりました。
 当店のお客様でも

 「最後にサプライズでケーキを出したいのですが・・・」

 というリクエストがありますので、当日お作りし、最後に何気なくお出ししたりする、という演出も当店ではいたします。
 コースで食事をし、最後のデセール(デザート)まで召し上がって、お会計なのか?という雰囲気で不意打ちのケーキ、しかも、ローソクに火が灯され、「お誕生日おめでとうございます。」の声と共にテーブルに生クリームでデコレーションされたアントルメ(ホールのケーキ)が出てくるのは、まさに「サプライズ」というに相応しいのではないでしょうか。
 携帯で写真を撮ってからゆっくり眺めているカップルの方々、携帯で写真を撮ってから厨房で切り分けたものを食べながら第2のデセールタイムに突入し、ゆっくりとした時間を楽しまれるご夫婦の方々、携帯で写真を撮るのを忘れて彼氏の計らいに涙する結婚前の彼女と彼氏、とそのシチュエーションも様々です。(なぜか、携帯での撮影が絡んできます。因みに、当店は料理の撮影に関しては協力的であります)
 
 しかし、稀にそれ以上の「サプライズ」を求める方がいらっしゃいまして、「サプライズ」というのは難しいものだ、と考えさせられます。
 「彼女を驚かせたいので店側で何とかしてくれ。」というのは、果たして彼自身の彼女への「サプライズ」なのでしょうか?(大抵、男性が女性への想いを「プレゼント(サプライズ)」につなげる場合が多い)
 彼女を驚かせて喜ばせたいなら、事前に店側との打ち合わせをし、脚本と演出などの提案を持ってきてから協力するよう要請するべきなのではないか、と私は考えます。
 「ケーキの他に何か「サプライズ」を用意してくれないか。」というのは、「店側が何か自分達にプレゼントしろ。」と強要しているようでこちら側は釈然としません。
 「ケーキの他に」「サプライズ」であれば、スタッフ全員(といっても最大3名ですが)で客席にお邪魔して「ハッピバスデ~トゥーユー~」と歌うか、他のお客様に了解を得て、店内の電気を消し、ローソクの明かりだけの中、店全体でお祝いする、くらいしか考えつきません。
 これでも結構な「サプライズ」ではないか、と思いますが、それ以外ですと大道芸人でも呼んでくるしかないので雰囲気が台無しです。
 店側は、お客様の考えた「サプライズ」でしたら出来る限り協力いたします。

 「店内の照明を一瞬、ムーディーにしてくれないか」「俺が目で合図するからその時、事前に預けてある指輪を持ってきてくれ」「ケーキはシェフが持ってきてケーキの説明とお祝いの言葉を言ってくれないか」「この店の常連、という設定で頼む」などは事前におっしゃっていただければいくらでもそのように店側は協力いたします。
 
 「サプライズ」というのは、受動的なのではなく能動的な方が一番効果的なのではないか、と考える次第です。

 しかしながら、私が考える一番の「サプライズ」は

「好きです。」「愛しています。」

 を素直に伝えることなのではないでしょうか。


 因みに、私はここ何年も「サプライズ」しておりませんな~





 
  
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脳内を年末モードに切り替えよ

2008-10-21 22:02:35 | Weblog
 最近、仕事的に忙しいのもありましたが、後輩の結婚式などの慶事などもありブログの更新が滞っており、先ほど久々にPCに触り、管理者パネルを開けた次第です。
 何と言いますか、ブログというのは更新の間を空けてしまうとまったくヤル気がなくなってしまう、という厄介なものですから、今日から連続更新を心がけたいと思います。
 後輩の結婚式では、〆の挨拶を担当する事になっておりましたので(マネージャー佐藤は乾杯の挨拶担当大臣)、式の最中、ビールを結構頂いたのですが、緊張の為まったく酔うことがなくシラフのまま挨拶を終える事が出来ました。
 夕方4時くらいから式の祝宴が始まり、6時30分くらいから2次会、その後、いつものメンバー(このメンバーで結婚式に呼ばれる事は珍しい!)で3次会、といつもの如く飲み歩いたのですが、それでも酔うことがなく、自宅に帰ってから遅れを取り戻すかのようにガンガン飲んでしまいました。(午前4時就寝)
 今までいくつかの結婚式に呼ばれましたが、帰宅するまでほとんど酔っていない、という経験をしたのは今回が初めてでしたので、「何だ、今までは緊張感に欠けていたわけね。」などと、どうでもいい事を思ってしまいました。(バカ)

 さて、話は変わりますが、昨日(結婚式の次の日、当店は定休日)、山形フランス料理店オーナーシェフの中で最も映画を見ている男、別名「鶴岡出身、セルジュ・ゲンズブールの皮を被った吉川晃司」こと、「ラトリエ・ドゥ・シャルロット」オーナーシェフ、齋藤氏とマネージャー佐藤の3人で、リーズナブルイタリアンの聖地「サイゼリア」へ食事を兼ねてワインをたしなみに行こうとしたのですが、歩いて行く途中、後輩であるショージ君のお店「オステリア・イル・ペッシェ」の近くを通ったため、急遽、「イル・ペッシェ」さんに訪問、となりました。
 お昼の1時半過ぎ、という落ち着いた時間でしたので、前菜の盛り合わせとビールを3本、白ワインを1本というランチらしからぬ我侭な注文をし、寛いだ時間を過ごさせていただきましたが、私達の他には、某ホテル係長でありながら中華料理の名手にして総合格闘技の使い手でもある「Hさん」(Hさんは、前日の結婚式にも呼ばれており、一緒のテーブルでした。しかも、2次会、3次会と共に飲み明かしたため、何時間ぶりの再会です)が食事をしていて、店内が飲食店関係者でほぼ占められる、という異常事態に発展しておりました。
 ショージ君、ご馳走様でした。他に一般のお客様が2人だけでしたので、他に及ぼす被害が最小限で食い止められて何よりでしたね。
 その後、ようやく「サイゼリア」へ到着し、またもや前菜物とワイン、というヤル気満々のオーダーで食事が始まったのですが、今日の話の本題はここから始まります。(えっ、え~!?)
 やはり、同業者同士ですので「腹の探りあい」と言いますか、ワインを飲みながら「今年のクリスマスはいくらで行くんですか?」や「クリスマスディナーは何日から始めるの?」「食材は何使う?」といったクリスマスの話に終始し、更に盛り上がりを見せるのでした。
 今年のクリスマスは、23日(火)が祝日(天皇誕生日)となっており、前後の事を考えると21日(日)からはじめるのか、それともその前の週末まで視野に入れるのか、といった戦略が求められてきます。
 
 当店では、もうすでにクリスマスディナーのご予約が入っておりますので(齋藤さん、昨日この話しするの忘れてましたよ)、クリスマスメニューもそろそろ考えなければなりません。

 「早期対策に憂いなし」といったところでしょうか。

 もうすぐトリュフの季節、とりあえず、押さえておかなければ、などと思いながら秋の同業者ワイン飲み会は過ぎていくのでした。

 という事で、もうクリスマスディナーのご予約は受け付けておりますので、もし「当店でクリスマスを過ごしたい」とお考えの方は、どうかご一報を。

 そして、あの!注文が入るのかどうか危惧されていた「マチルダ・ベイ特製御節」がなんと、残り1台となってしまいました!(本人が一番ビックリ)

 話のタネに、とお考えの方がいらっしゃいましたら、こちらもご一報いただきますよう重ねてお願いいたします。




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この年で結婚式に呼ばれる事の嬉しさよ

2008-10-16 13:37:55 | Weblog
 今度の日曜日は、後輩の結婚式に呼ばれておりますので、ランチは「慶事の為、お休みとさせていただきます」となります。
 「店の売り上げの方が大事だから、土曜、日曜、祭日、平日でもお客さんが来そうな日の結婚式、葬式には行かない。」と言い切っておられるシェフの方もいらっしゃると漏れ聞きましたが、人のお祝い事ですので柔軟さが必要なのではないでしょうか?しかも、葬式に至っては永遠の別れの儀式であります、知人の葬式と店の営業を天秤に掛ける事自体、失礼ではないでしょうか。越路吹雪の「ろくでなし」を歌われても仕方ない。と思われます。

 今回の結婚式では、なぜなのか?新郎たっての希望で、式の〆の挨拶が「私」に任命されてしまいました。
 最初、お断りしたのですが

「藤原さん、大丈夫ですよ。いつもの調子でお願いしますよ。ガンガンワインでも飲んでろれつが回らないくらいで結構ですから。」

 と、頼りにしているのか、バカにしているのか、判らないような言葉で説得されてしまいました。(まぁ、長い付き合いだから断れないのですけどね)
 そして最後に

「2次会も用意してますから、絶対来てくださいね。嫁の友達でも紹介しますから。」

 という、人身斡旋にも取れるフレーズに、思わず

「奥さんの友達、何歳?」

 などと聞いてしまった次第でした。
 しかし、今まで結婚式で「新婦の友人」と呼ばれる人たちと話した記憶がほとんどなく、「新郎の友人」たちから声を掛けられ、酒を注がれ、その波に飲み込まれるように2次会、3次会と、さながら「ドリンキンジプシー」と化し、流れ流れて「魚民」辺りで全然知らない男性と熱く語っているのが、今までのパターンです。
 それを打開し、そして、飲みに走らない、おしゃれな結婚式の利用方法とは何でしょうか?今回は、今までの事を踏まえ、「してはいけない!」という事を考えてみたいと思います。

・ビールが注がれるの待つ。(これはかなり臨戦態勢です。)

・注がれたビールを男気で一気する。(式で使用されるビアタンブラー(グラス)は、飲みやすい量が入っていますから、ついクセで飲んでしまう)

・ワインをグラスで貰うと面倒なのでボトルを注文する。(基本的に、結婚式ではワインをボトルで出すことはしません。しかし、対応の遅さが日本酒に走らせる危険があり、ワインのボトルを強制的に要求するのですが、いかんせん、飲む量がボトル単位ですからグラグラです)

・料理に合う飲み物を考えるとチャンポンになってしまう。(和洋折衷の料理では、ワインで通すことが難しくなります。小鉢はビール、刺身は日本酒、メインの肉はワイン、などととっかえひっかえしているとグラグラになってきます)

・酒を注がれる場合、残っているとグラスを空にしないと失礼かと思ってグイッと飲み干してしまう。(これも男気系の行動ですが、「いや、結構です」と言える勇気を持ちたいものですね)

 こうして考えると、「失礼だと思って」「男気を大切にしよう」などの気持ちが結婚式でアルコールを大量に摂取してしまう原因なのではないか?ということが判ります。
 嘘でも「もう飲めません。」や「酒、弱いんですよ。」という姿勢が大事だ、という事なのでしょうか。

 私は、どうしても、育ってきた環境と言いましょうか、働いてきた環境と言いましょうか、物凄い「男気指数」の高いところにいましたので、今でも酒宴の場でお酒を断る事に罪悪感を感じてしまいます。
 トラウマとでも言うのでしょうか、修行中(15歳から)は寮で生活しておりましたのでその頃の「男気」という名のクセが抜けません。

 「ピーナッツ買って来い!」と言われて「柿ピー」を買っていったらビール瓶で頭を殴られた事がありました。(ピーナッツだけじゃないとダメなのだそうです。頭が血に染まったのは言うまでもないでしょう)
 別に何かしたというわけでもないのに「罰ゲーム」と称して、ウイスキーをビールジョッキに並々注がれたものを飲む、という事もやりました。(頭にきて一気で飲み干したら先輩たちが土下座した)
 「人の酒は断るな!」「大切な人には礼を尽くせ」「先輩が白と言ったら黒いものでも白く見えるよう努力しろ」などは世間知らずの少年(当時ですからね)にとっては「一般社会では当然なのか」と思ってしまうのです。(それがちょっと異常だった事を知るまで長い年月がかかりました。でも「大切な人には礼を尽くせ」というのは大事だと思いますよ)

 とはいえ、そんな事よりも今考えなければならないのは、〆のご挨拶。

 とりあえず、ここだけクリアしておけばOKなのではないか、と思われるのは、

「・・・という事でございまして、僭越ながら正調一本締めでお願いいたしたいと思います。正調一本締めとは、シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャンシャン、で一本締めですからこのように〆て頂きたいと存じます。それでは、○○君と○○さんのこれからのご活躍と、今日、ご参列の皆さんの益々のご発展をお祈りいたしまして! ヨーオ!」

 こんなところでいいのでしょうか?以外と心配です。



コメント (6)
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