不意に降り出した雨の温度やその粒の大きさにも「冬」が感じられなくなり、微妙に温まったアスファルトがその雨を吸収して春特有の匂いを放つのです。それは恰も(あたかも)地中で目覚めた虫たちが蠢き(うごめき)、這い出てくるのに似ていて、生命の力強さを感じる季節「春」を印象付ける今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
暖かくなり、身を屈めて寒さを凌いだ季節にはお別れを言わなければなりません。これからやって来る「春」という季節は、新しい何かが起きそうな、その何かは判らないけれど、何かが起きそうな、そんな気持ちにさせてくれます。
そんな気持ちの時はなぜか「サラダ記念日」ばりに、その湧き出る気持ちを「五・七・五」の縛りに乗せてサラリと口に出してみたいものです。
気温的に暖かくなり、今まで厚めの上着を着ていたのが普通のジャケットでも大丈夫だな、と思うと、
「春はそこ 畳む上着に さよならを」
そんな言葉が浮かんでくるではないですか。仕舞う冬用の上着に半年ほど別れを告げ、仕舞っていた春夏用の上着に「お帰り」と声を掛けてあげる、他の人から見られたら確実に通報されるであろう光景ですが、春はそういう季節だ、と言い切る勇気も必要であります。
「通報を される私は おかしいの?」
いや、そこまで詠まなくていいでしょう・・・しかも、疑問形で終わってるし。
本格的に衣替えを終えると、今度は街中に出かけたくなる、というものでしょう。出かける先は最近できた巨大ショッピングモールではなく、普通の街中の方が風情があり、その中に佇むチェーン系カフェも自分の時間を有意義に使うために一役買ってくれるはずです。
「春の風 頬和ませる(なごませる) テラス席」
そろそろテラス席があるお店はその場所を開放するでしょう。どこに焦点を合わせるでなく街を眺めているとまだ小さい子供たちの笑い声が空に吸い込まれるようです。しかし、残念ながらその傍らにはハーモニカを吹きながら子供たちと仲良くなろうとしているおじいさんがいます・・・お母さん方!迅速な対応をお願いしますよ!
「上手いのか? そうでもないのか ハーモニカ」
カフェでエスプレッソをクイと飲み干して、また街中を歩きながら時計を見るとお昼時になっている事に気が付きました。よく考えてみたら朝ご飯を食べていませんでした。「どこかで、落ち着いて食事をしたいな」そう思うと、今度は何を食べるか、という大変な選択肢が待っている事に気が付きました。
気持ちが浮つき加減で、先ほどのエスプレッソの香りが口の中に若干残っている事も考えれば「イタリアン」というのが妥当な線でありますが、和食で「松花堂弁当」というのも悪くありません。それを考えたら「春=ピクニック=弁当」という図式も出来上がってしまいます。という事で、お昼は和食に決定し、そのお店へ向かう事にしました。
「弁当」と言っても、「松花堂弁当」は2000円以上する事は必至。しかし、そんな優雅なお昼だって許されるのが「春」なのです。暖かな日差しが現れ始めた「春のお昼」に躊躇は禁物なのです。
「竹の子や 木の芽が似合う 春の箱」
「松花堂弁当」がある和食店へ入りそれを注文して店内を見渡すと、上品そうなおば様方が目立ち、男性指数の低さに気恥ずかしさを感じてしまいますが、それを払拭させてくれたのは厨房から流れてくるであろう鰹出汁の香りと、野菜を茹でたような青い香りでありました。
その「鰹出汁」と「茹でた野菜」の香りがブレンドされ、店内から見える借景、店内の木の匂いなどが得も言われぬ空間を作り上げているようです。
そうなればお茶だけでは役不足、というもの。すぐにお給仕さんに声を掛け、ビールを注文しました。ビールは瓶ビールです。季節外れの生ビールは野暮。お昼の、そんな雰囲気には瓶ビールが良く似合うのです。
「弁当を まだ見ずうちに ビールかな」
ようやく来た弁当を開けると四分割に仕切られている弁当箱の中に松の形に固められた竹の子ご飯が目に入り、淡く炊いた海老やお浸しの緑も春を演出しています。
これを食べ進めると日本酒を欲してしまうな・・・そんな一抹の不安は「春だから」というよく判らない理由によって消し去られるのです。そんな事を思っているとお隣のおば様方の笑い声が聞こえてくるのでした。
「思い出す その笑い声 ドリフだな・・・」
結局、「松花堂弁当」を食べながらビール大瓶1本と日本酒2合を飲み、気分良く午後の春、午後の街中を歩くと今度はワインが飲みたくなってしまいました。
「飲むまいか いや、飲むべきだ 春だから」
そんな言葉が浮かんで来たらやり過ぎです。
しかし、そのやり過ぎ感までも優しく包んでくれるのは「春」だと思いませんか!皆さん!
「春だから その言い訳で 飲み過ぎに」
ですよね・・・ですよね・・・
だから!もう「春」のせいにはしません!
暖かくなると、昼飲みしたくなりますよね、何となく。(結局、何となく、のせいにしている)
暖かくなり、身を屈めて寒さを凌いだ季節にはお別れを言わなければなりません。これからやって来る「春」という季節は、新しい何かが起きそうな、その何かは判らないけれど、何かが起きそうな、そんな気持ちにさせてくれます。
そんな気持ちの時はなぜか「サラダ記念日」ばりに、その湧き出る気持ちを「五・七・五」の縛りに乗せてサラリと口に出してみたいものです。
気温的に暖かくなり、今まで厚めの上着を着ていたのが普通のジャケットでも大丈夫だな、と思うと、
「春はそこ 畳む上着に さよならを」
そんな言葉が浮かんでくるではないですか。仕舞う冬用の上着に半年ほど別れを告げ、仕舞っていた春夏用の上着に「お帰り」と声を掛けてあげる、他の人から見られたら確実に通報されるであろう光景ですが、春はそういう季節だ、と言い切る勇気も必要であります。
「通報を される私は おかしいの?」
いや、そこまで詠まなくていいでしょう・・・しかも、疑問形で終わってるし。
本格的に衣替えを終えると、今度は街中に出かけたくなる、というものでしょう。出かける先は最近できた巨大ショッピングモールではなく、普通の街中の方が風情があり、その中に佇むチェーン系カフェも自分の時間を有意義に使うために一役買ってくれるはずです。
「春の風 頬和ませる(なごませる) テラス席」
そろそろテラス席があるお店はその場所を開放するでしょう。どこに焦点を合わせるでなく街を眺めているとまだ小さい子供たちの笑い声が空に吸い込まれるようです。しかし、残念ながらその傍らにはハーモニカを吹きながら子供たちと仲良くなろうとしているおじいさんがいます・・・お母さん方!迅速な対応をお願いしますよ!
「上手いのか? そうでもないのか ハーモニカ」
カフェでエスプレッソをクイと飲み干して、また街中を歩きながら時計を見るとお昼時になっている事に気が付きました。よく考えてみたら朝ご飯を食べていませんでした。「どこかで、落ち着いて食事をしたいな」そう思うと、今度は何を食べるか、という大変な選択肢が待っている事に気が付きました。
気持ちが浮つき加減で、先ほどのエスプレッソの香りが口の中に若干残っている事も考えれば「イタリアン」というのが妥当な線でありますが、和食で「松花堂弁当」というのも悪くありません。それを考えたら「春=ピクニック=弁当」という図式も出来上がってしまいます。という事で、お昼は和食に決定し、そのお店へ向かう事にしました。
「弁当」と言っても、「松花堂弁当」は2000円以上する事は必至。しかし、そんな優雅なお昼だって許されるのが「春」なのです。暖かな日差しが現れ始めた「春のお昼」に躊躇は禁物なのです。
「竹の子や 木の芽が似合う 春の箱」
「松花堂弁当」がある和食店へ入りそれを注文して店内を見渡すと、上品そうなおば様方が目立ち、男性指数の低さに気恥ずかしさを感じてしまいますが、それを払拭させてくれたのは厨房から流れてくるであろう鰹出汁の香りと、野菜を茹でたような青い香りでありました。
その「鰹出汁」と「茹でた野菜」の香りがブレンドされ、店内から見える借景、店内の木の匂いなどが得も言われぬ空間を作り上げているようです。
そうなればお茶だけでは役不足、というもの。すぐにお給仕さんに声を掛け、ビールを注文しました。ビールは瓶ビールです。季節外れの生ビールは野暮。お昼の、そんな雰囲気には瓶ビールが良く似合うのです。
「弁当を まだ見ずうちに ビールかな」
ようやく来た弁当を開けると四分割に仕切られている弁当箱の中に松の形に固められた竹の子ご飯が目に入り、淡く炊いた海老やお浸しの緑も春を演出しています。
これを食べ進めると日本酒を欲してしまうな・・・そんな一抹の不安は「春だから」というよく判らない理由によって消し去られるのです。そんな事を思っているとお隣のおば様方の笑い声が聞こえてくるのでした。
「思い出す その笑い声 ドリフだな・・・」
結局、「松花堂弁当」を食べながらビール大瓶1本と日本酒2合を飲み、気分良く午後の春、午後の街中を歩くと今度はワインが飲みたくなってしまいました。
「飲むまいか いや、飲むべきだ 春だから」
そんな言葉が浮かんで来たらやり過ぎです。
しかし、そのやり過ぎ感までも優しく包んでくれるのは「春」だと思いませんか!皆さん!
「春だから その言い訳で 飲み過ぎに」
ですよね・・・ですよね・・・
だから!もう「春」のせいにはしません!
暖かくなると、昼飲みしたくなりますよね、何となく。(結局、何となく、のせいにしている)