ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

白い食べ物、それは儚い

2009-07-29 13:45:23 | Weblog
 最近、自宅で猫を飼ったのですが、思いっきり黒猫で、深夜帰宅すると闇夜に眼だけ光っている様には恐怖すら覚えてしまいます。
 一瞬「ハッ!」となるのが、エアコンをつけなくても良い結果に繋がる、というのに気づきました。
 それで猫の名前を「エコ」にしようとしたのですが、もうすでに「クロ」で決定していました、私の意見は通らないのですな。
 しかし、「黒猫」だから「クロ」というのもそのまんまな名前でありまして、「白猫」だったら「シロ」という名前になっていたのでしょうか。
 ですから私は、「クロ」という名前は、略して「クロ」なのだ、という考えを持ち、「クロ、お前は今、クロと呼ばれているが、その名前は略して「クロ」なのだからな。」と言って聞かせました、勿論、その時「クロ」は、「何言ってんだ、お前?」という顔をしておりましたが・・・
 色々考えたのですが、「黒沢年男」で「クロ」では可哀想ですし、第一、クロはメスであります。
 「クロード」も男性名ですし、「クロエ」では「24」に出てくる女性になってしまいます。「クロッカン(仏語でカリカリした状態)」でも意味不明です。
 そこで出てきたのが「クローチェ・エ・デリツィア」という言葉でした。
 イタリア語で「苦悩と歓喜」を意味するこの言葉、まさに人生を表しているとは思えないでしょうか。(六本木にこの名前のイタリアンレストランがありました。一度行った事があったのでこの名前が出てきたのですが、現在は閉店したそうです、残念。)
 「クロ、お前の本名は「クローチェ・エ・デリツィア」なのだからな。」と言い聞かせておりますが、その名前では見向きもしません、一生懸命考えたのに!
 因みに、クロは4歳で、人間の年にすると「37歳」なのだそうです。微妙な年齢なのね、お前は。

 さて、話は変わりますが、いつも当ブログをお読みになっている方より

「カリフラワーのブランマンジェと、簡単に出来る野菜か魚介類のテリーヌの作り方を教えて欲しい。」

 とのコメントを頂きました。
 ですから、今日から2回に亘って(わたって)、「カリフラワーのブランマンジェ」「野菜と魚介のテリーヌ」の作り方を載せたいと思います。
 まず、今日は「カリフラワーのブランマンジェ」から。
 
 通常「ブランマンジェ」というとアーモンドを牛乳で煮出し、ゼラチンで固めたデセールを指すのですが、最近では料理にも応用される事が多くなりました。
 「ブランマンジェ」は仏語で、「ブラン(白い)」と「マンジェ(食事、食べ物)」という意味を持ちます。因みに、伊語では「ビアンコマンジャーレ」となります。
 私が作っていた「カリフラワーのブランマンジェ」の作り方はこうです。

「カリフラワーを掃除→牛乳で煮る→塩とカレー粉を加える→荒熱が取れたらミキサーに掛ける→ゼラチンを加える→生クリームを加える→冷やし固める。」

 このような工程です。
 ルセットはこのようになります。

・カリフラワー 1株

・牛乳 400cc

・塩 6グラム

・カレー粉 0,5グラム未満

・ゼラチン 10グラム

・生クリーム 150cc

  
 カリフラワーの掃除、というのは、1房づつに分けた時に房に下の方に付いている小さな葉のようなものを取り除く作業です。
 掃除したカリフラワーを水洗いした後、鍋に入れ、牛乳を注ぎ、火にかけます。沸騰しすぎると吹き零れますので注意してください。
 牛乳で煮ている時に塩とカレー粉を加えますが、カレー粉を加える理由は、カリフラワー独特の生臭さをカレー粉で消すためです。
 しかし、カレー粉を入れすぎるとカリフラワーの香りが損なわれますので、ホントに少量で結構です。カレー粉の香りがするな、となった時はもう遅いのです。
 カリフラワーがクタクタになるまで煮て、荒熱を取ってからミキサーに掛けますが、濾す必要がないくらいまでミキサーで回してください。濾してしまうと繊細な風味が無くなり、生クリームを加えた時、クリームの味しかしない可能性が出てきます。
 水で戻したゼラチンを鍋に入れ、弱火にかけ、溶かします。すぐに溶けますので、溶けたらピュレ状のカリフラワーに加えてください、すばやくです。
 ボールに入っているカリフラワーのピュレを氷で冷やしながらゴムヘラで固まってくるまで混ぜます。
 固まってきたら生クリームを加え、すばやく混ぜ合わせます。
 それをさらにすばやくプリンカップに入れ、冷蔵庫で冷やして完成です。

 ゼラチン物の場合、スピードと正確さが必要になりますので、材料を全て用意しておく、プリンカップを並べておく、などの先読み仕事がカギになってきます。

 そのまま食べても美味しいと思いますが、ボイルした海老や海胆(うに)などを添えると、より豪華さを演出できるでしょう。

 如何でしたでしょうか?なると様。

 明日は、家庭で出来る「野菜と魚介のテリーヌ」を載せたいと思います。

 う~ん、やはり白ワインでしょう、この2品には。









 
コメント (2)
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