ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

マーブルコーティングの力を君は信じるか

2009-07-09 20:52:55 | Weblog
 先日の休日、自宅の食材の買い物をしようと郊外に出たのですが、その途中、とあるホームセンターを見かけたので寄ってみる事にしたのです。
 ホームセンターのキッチン用品コーナーというのは、意外に使える物が置いてある事があり、時々ではありますがチェックしてしまうのです。
 そんな思いで見て回っている時、ある広告ポップが目に飛び込んできました。

「広告の品 マーブルフライパン(28cm) 特価¥598」

 マーブルフライパン。一昔前に、よく深夜のテレビショッピングにも登場していたように記憶している、表面を特殊加工しているフライパンは、その過剰ともいえるパフォーマンスが、逆に怪しさを強調しているようにも写っておりました。
 マーブル加工とテフロン加工の違いは何なのか、本当に金属製のヘラを使用しても傷つかないのか、などの疑問を抱えたまま、気がつくと手に取ってレジの前でオールレディー(準備オーケー、という意味です)な状態になっていた私でありますが、自宅用と店用と2つ買い物籠に入れていたのはその価格のせいであります。
 次の日、仕込みをしながら、そのフライパンの性能を確認のため、魚をポワレしてみる事に。
 しかし、その前にフライパンに付いている説明書を読んで、ツッコめるところはツッコんでおこうと「宣伝文句」や「取扱上の注意」などを読んでみました。

 まず、目に飛び込んでくるのは

「マーブルコーティングフライパン(28cm) 金属ヘラOK!焦げ付きにくく 
キズつきにくい!汚れも落ちやすい!」

 という、何か挑戦的な言葉です。
 「焦げ付きにくい、キズ付きにくい、汚れも落ちやすい」というのであれば、普通のテフロン加工のフライパンでもそう変わりは無いでしょう、「付きにくい」という言葉も何か曖昧さを感じます。「キズ付かない!」と言い切れていないところが怪しい。
 そして、マーブルコーティングの特徴として

「少量の油でカロリー控えめの調理が出来ます。金属ヘラの使用でキズが付きにくい!(金属ヘラによる耐磨耗テスト40,000回以上をクリア!)」

 と書かれています。
 しかし、「ご使用後の注意」というところでは、

「こげつき等を落とす際は、ナイフ等の金属類の使用は避けて、熱湯に浸してこげつきをやわらかくしてから取り除きください。」

 と一転、「焦げ付く可能性」「金属類は避けてね」という弱気とも取れる項目があることを発見しました。
 そんな事があり、期待と不安を抱えたまま魚をポワレしてみました。

 結果から言いましょう。

「ちょっと、ちょっと!マーブルコーティングフライパン!かなりイカしてますよ!」

 となります。
 1回使用しただけでその実力のほどが伺えました、スンマヘン!疑ったりして。

 強火で一気に過熱、というより、弱火でじわじわと過熱、の方がよりマーブルコーティングを堪能できる、と判断しました。
 まったく焦げ付かないのかどうかは分かりませんが、フライパン内部の表面に食材の一部がこびりつく事はありません。(現段階では)
 試しに、マーブルコーティングフライパンに油を1滴も使わず目玉焼きが出来るのか実験したところ、ごく弱火であれば目玉焼きが出来る事を確認しましたから「少量の油でヘルシー調理が出来る」というのもあながち大げさではないでしょう、いや、ヘルシー調理が出来ます、と言い切れます。

 そんな実力を目の当たりにしてしまいましたから、その日のうちに、そのホームセンターに電話をし、「いつまでマーブルフライパンの特売はしているのか?」と質問、「明日までです。」との答えに、次の日、朝一でホームセンターに再訪、そして、二つ購入、というフットワークの良さを実現した次第です。
 
 最後になりましたが、マーブルコーティングフライパン業界の方に私からの謝罪とお願いを記し、この記事を〆たいと思います。

「マーブルコーティングフライパンを一瞬でも疑った事を心よりお詫び申し上げます。そして、私を「マーブルコーティングフライパン大使」に任命してください!」

 以上。








 
コメント (15)
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