トロ~ンとしたハワイアンの音楽と、ネットリとしたボーカルが耳に残る「チューブ」の音楽が何処からともなく流れているような気がし、慌てて周りを見渡してしまう、そんな季節の今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
昔、「チューブ」のギタリストが、サーフィンボードの形をしたギターを弾いておりました。気持ちは物凄く判るのですが、「そこまで夏ですか!」とツッコミを入れたくなる瞬間でありました。
代表作「あー夏休み」に象徴されるように、日本の「ビーチボーイズ」と呼ばれている「チューブ」は「夏」がキーワードになっております。
「夏に湘南で恋をする」のような展開が多々ある「チューブ」の曲ではありますが、その中で「恋してムーチョ」というのはワールドワイドな曲になるのでしょうか。
「ムーチョ」というくらいですから南米を意識しているのは分かりますが、南米でしたら常に夏、「チューブ天国」と言えるでしょう。
しかし、「ムーチョに恋をして」なら日本語としてある程度成立しますが、「恋してムーチョ」は、難解なタイトルであります。もしかして、「カラムーチョ」からインスパイアされた曲なのではないか、と変に勘ぐられてしまいますから気をつけたいものです。
さて、話は変わりますが、先週の頭、製菓関係の業者さんから新商品の案内とその新商品の期間限定値下げのお話を頂きましたので、その製菓新商品を注文してみました。
「新商品なのに、いきなり値下げ・・・何で?」という疑問が付きまといましたが、とりあえず。
「ヤウート・シャンティイ」という商品名は「ヤウート(ヨーグルト)」を「シャンティイ(ホイップ)」出来る、というそのまんまのネーミング。(仏語です)
「ヨーグルトをホイップする利点とは何か?」と一瞬、考えてしまいましたが、よく考えると、水っぽくなく、ストレートにヨーグルトの味を出せる、と取れます。
では、これをどう、デセールに生かすか?というのが問題になるわけです。
グラニュー糖を入れ、ホイップして、マリネしたフルーツに合わせるのもいいでしょう、クリームチーズと合わせてレアチーズケーキのようにするのも悪くありません。
色々考えましたが、私は、この「ヤウート・シャンティイ」にイタリアン・メレンゲを混ぜ合わせ、「シブースト風」にするのがいいのではないか、と考えました。
本来「シブースト」とは、「クレーム・パティシエール(カスタードクリーム)」にイタリアン・メレンゲとゼラチンを合わせたクリームを言い、焼いたタルト生地にフルーツを乗せ、シブーストクリームを絞った「タルト・シブースト」が有名であります。(その他に「サン・トノレ」などのお菓子にもシブーストクリームは使われます)
今回私は、「クレーム・パティシエール」の部分を「ヤウート・シャンティイ」に置き換え、「クレーム・パティシエール」の風味を「ソース・アングレーズ(卵とヴァニラ風味の甘いソース)」をかけて再現しようと試みました。
まず、「ヤウート・シャンティイ」には、甘みがありませんから加糖しなくてはなりません。
味を見ながら「これくらいか?」などと勘に頼るような仕事は、私の仕事ではありませんから、きっちり計算する必要があります。
ケーキに使用するホイップクリーム(仏語クレーム・シャンティイ)は、生クリーム100%に対して10%の砂糖を加糖しています。これを叩き台にすると、ヤウート・シャンティイ(以下、「Y・S」と略)に10%のグラニュー糖、となるのですが、酸味のある「Y・S」は甘みの余韻が短くなります。
しかし、この過程でグラニュー糖を入れすぎると、この後のイタリアン・メレンゲの、卵白100グラムに対してグラニュー糖200グラムという甘さと混ぜ合わせた時の味も考えなくてはなりません。
という事は、15%の加糖くらいで様子を見たほうがいいでしょう。
そうやってルセットが完成していきます。
・ヤウート・シャンティイ 400グラム(100%)
・グラニュー糖 60グラム(15%)
・レモン汁 1/2個分
これをホイップしておきます。
次に「イタリアン・メレンゲ」。
これは、普通のメレンゲと違う点は、118~125℃に熱をつけたシロップをホイップした卵白、つまりメレンゲに加え、メレンゲ自体に火を入れ保存性を高め、且つ、しっかりした固さのメレンゲを作り、クリームなどと混ぜ合わせた時にメレンゲ独特のフワフワ感を持続させる、という普通のメレンゲとは一線を画す目的のあるメレンゲであります。
・卵白 100グラム
・グラニュー糖 200グラム
・水 70グラム
まず、鍋に水とグラニュー糖を入れ火に掛け、同時に卵白をミキサーに掛けます。
鍋のシロップが118~125℃になった頃、卵白も固く立って来ます。
ミキサーの鍋肌からシロップを注ぎ、さらにミキシングし、荒熱を取ります。
ゼラチン8グラムを戻し、鍋に入れ火を掛け溶かしたものを、ホイップした「Y・S」に入れ混ぜ、イタリアン・メレンゲを加えセルクル型に流します。
冷やし固めたものに「ソース・アングレーズ(卵黄、グラニュー糖、牛乳、ヴァニラを混ぜ、82℃に加熱したものを冷ます)」をかけて完成。
このようになります。
只今、コースのデセールとしてお出しいたしておりますので、ご興味のある方は是非、ご賞味ください。
前半「チューブ」の話などをしておりましたから、物凄い字数になってしまいました。
今回の記事は、料理に興味のない方には辛い記事だったのではないでしょうか。
心中、お察しします。
でも、これが私のブログなんです。
ご理解くださいね。
昔、「チューブ」のギタリストが、サーフィンボードの形をしたギターを弾いておりました。気持ちは物凄く判るのですが、「そこまで夏ですか!」とツッコミを入れたくなる瞬間でありました。
代表作「あー夏休み」に象徴されるように、日本の「ビーチボーイズ」と呼ばれている「チューブ」は「夏」がキーワードになっております。
「夏に湘南で恋をする」のような展開が多々ある「チューブ」の曲ではありますが、その中で「恋してムーチョ」というのはワールドワイドな曲になるのでしょうか。
「ムーチョ」というくらいですから南米を意識しているのは分かりますが、南米でしたら常に夏、「チューブ天国」と言えるでしょう。
しかし、「ムーチョに恋をして」なら日本語としてある程度成立しますが、「恋してムーチョ」は、難解なタイトルであります。もしかして、「カラムーチョ」からインスパイアされた曲なのではないか、と変に勘ぐられてしまいますから気をつけたいものです。
さて、話は変わりますが、先週の頭、製菓関係の業者さんから新商品の案内とその新商品の期間限定値下げのお話を頂きましたので、その製菓新商品を注文してみました。
「新商品なのに、いきなり値下げ・・・何で?」という疑問が付きまといましたが、とりあえず。
「ヤウート・シャンティイ」という商品名は「ヤウート(ヨーグルト)」を「シャンティイ(ホイップ)」出来る、というそのまんまのネーミング。(仏語です)
「ヨーグルトをホイップする利点とは何か?」と一瞬、考えてしまいましたが、よく考えると、水っぽくなく、ストレートにヨーグルトの味を出せる、と取れます。
では、これをどう、デセールに生かすか?というのが問題になるわけです。
グラニュー糖を入れ、ホイップして、マリネしたフルーツに合わせるのもいいでしょう、クリームチーズと合わせてレアチーズケーキのようにするのも悪くありません。
色々考えましたが、私は、この「ヤウート・シャンティイ」にイタリアン・メレンゲを混ぜ合わせ、「シブースト風」にするのがいいのではないか、と考えました。
本来「シブースト」とは、「クレーム・パティシエール(カスタードクリーム)」にイタリアン・メレンゲとゼラチンを合わせたクリームを言い、焼いたタルト生地にフルーツを乗せ、シブーストクリームを絞った「タルト・シブースト」が有名であります。(その他に「サン・トノレ」などのお菓子にもシブーストクリームは使われます)
今回私は、「クレーム・パティシエール」の部分を「ヤウート・シャンティイ」に置き換え、「クレーム・パティシエール」の風味を「ソース・アングレーズ(卵とヴァニラ風味の甘いソース)」をかけて再現しようと試みました。
まず、「ヤウート・シャンティイ」には、甘みがありませんから加糖しなくてはなりません。
味を見ながら「これくらいか?」などと勘に頼るような仕事は、私の仕事ではありませんから、きっちり計算する必要があります。
ケーキに使用するホイップクリーム(仏語クレーム・シャンティイ)は、生クリーム100%に対して10%の砂糖を加糖しています。これを叩き台にすると、ヤウート・シャンティイ(以下、「Y・S」と略)に10%のグラニュー糖、となるのですが、酸味のある「Y・S」は甘みの余韻が短くなります。
しかし、この過程でグラニュー糖を入れすぎると、この後のイタリアン・メレンゲの、卵白100グラムに対してグラニュー糖200グラムという甘さと混ぜ合わせた時の味も考えなくてはなりません。
という事は、15%の加糖くらいで様子を見たほうがいいでしょう。
そうやってルセットが完成していきます。
・ヤウート・シャンティイ 400グラム(100%)
・グラニュー糖 60グラム(15%)
・レモン汁 1/2個分
これをホイップしておきます。
次に「イタリアン・メレンゲ」。
これは、普通のメレンゲと違う点は、118~125℃に熱をつけたシロップをホイップした卵白、つまりメレンゲに加え、メレンゲ自体に火を入れ保存性を高め、且つ、しっかりした固さのメレンゲを作り、クリームなどと混ぜ合わせた時にメレンゲ独特のフワフワ感を持続させる、という普通のメレンゲとは一線を画す目的のあるメレンゲであります。
・卵白 100グラム
・グラニュー糖 200グラム
・水 70グラム
まず、鍋に水とグラニュー糖を入れ火に掛け、同時に卵白をミキサーに掛けます。
鍋のシロップが118~125℃になった頃、卵白も固く立って来ます。
ミキサーの鍋肌からシロップを注ぎ、さらにミキシングし、荒熱を取ります。
ゼラチン8グラムを戻し、鍋に入れ火を掛け溶かしたものを、ホイップした「Y・S」に入れ混ぜ、イタリアン・メレンゲを加えセルクル型に流します。
冷やし固めたものに「ソース・アングレーズ(卵黄、グラニュー糖、牛乳、ヴァニラを混ぜ、82℃に加熱したものを冷ます)」をかけて完成。
このようになります。
只今、コースのデセールとしてお出しいたしておりますので、ご興味のある方は是非、ご賞味ください。
前半「チューブ」の話などをしておりましたから、物凄い字数になってしまいました。
今回の記事は、料理に興味のない方には辛い記事だったのではないでしょうか。
心中、お察しします。
でも、これが私のブログなんです。
ご理解くださいね。