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ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

繁昌ダム

2019-07-20 15:46:05 | 佐賀県
2019年7月11日 繁昌ダム
 
繁昌ダムは佐賀県武雄市朝日町中野の六角川水系高橋川右支流繁昌川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
農水省の補助を受けた佐賀県の事業により1973年(昭和48年)から建設がすすめられ1978年(昭和53年)に竣工しました。
運用開始後は武雄東部土地改良区が受託管理を行い、武雄市北東部の農地356.6ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
 
堤高は30メートル弱ですが、かなり下流から堤体を遠望できます。
 
管理事務所のある左岸ダムサイトに市道が通じています。
天端も車両の通行が可能。
 
天端からの眺め
左下に放流設備が見えます。
 
総貯水容量64万5000立米の貯水池。
貯水池を周回する道路がつけられています。
 
左岸の斜樋。
 
右岸の金箔仕様の竣工記念碑が建ちます。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
上流面
ロック材で護岸されています。
奥の白い建屋が管理事務所。
 
ダム下に下りてみました。
これは放流設備。バルブが2条見えます。
 
草を掻き分け洪水吐減勢工から斜水路を見上げます。
 
(追記)
繁昌ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
2536 繁昌ダム(1472) 
佐賀県武雄市朝日町中野
六角川水系繁昌川
29.4メートル
156メートル
645千㎥/596千㎥
武雄東部土地改良区
1978年
◎治水協定が締結されたダム

渕の尾ダム(再)

2019-07-19 15:47:04 | 佐賀県
2019年7月11日 渕の尾ダム(再)
 
渕の尾ダム(再)は佐賀県武雄市武雄町武雄の六角川水系武雄川牛流(河川名未確認)にある上水道用水目的の重力式コンクリートダムです。
旧武雄市では1928年(昭和3年)に浅井戸を水源とした町営水道が開始され、戦後の高度成長を受けた水需要増大に対応して1958年(昭和33年)に初の本格的水源として踊瀬ダムが竣工、さらに第4次拡張事業として1973年(昭和48年)に竣工したのが渕の尾ダムです。
しかしその後も需要の増加が続いたため、第5次拡張事業として渕の尾ダムの嵩上げ再開発が進められ1980年(昭和55年)に竣工、翌1981年(昭和56年)より運用開始となりました。
なお2020年(令和2年)4月に武雄市を含む3市3町1企業団の水道事業が統合され現在は佐賀西部広域水道企業団が管理を行っています。
 
国道35号線に渕の尾浄水場の標識があり、これに従って南に折れると渕の尾ダム(再)に到着します。
上水道水源と言うことでガードは固く、ダムの手前の門扉から遠望するのみ。
市町村管理の上水ダムらしく洪水吐は自由越流式ゲート1門のみ。
 
実はダム下は地域コミュニティのゲートボール場になっています。
じいちゃんばあちゃんがプレイしていたらダム下まで行けるかも?
 
右岸を走る道路から上流面が見れます。
上水ダムではよくみられる円形の取水設備。
 
ズームアップ。
 
嵩上げ工事の竣工記念碑。
金箔文字です。
 
渕の尾ダムの嵩上げ以後も武雄市の慢性的水不足は解消せず、県営の本部ダム矢筈ダム狩立日ノ峯ダムの完成によりようやく武雄市の上水道は十分な供給能力を持つに至りました。
 
2556 渕の尾ダム(再)(1471) 
佐賀県武雄市武雄町武雄
六角川水系武雄川
29メートル
138メートル
585千㎥/560千㎥
佐賀西部広域水道企業団
1973年竣工
1980年嵩上げ再開発

日ノ峯ダム

2019-07-19 01:45:14 | 佐賀県
2019年7月11日 日ノ峯ダム 
 
日ノ峯ダムは佐賀県武雄市山内町宮野の松浦川水系狩立川左支流日ノ峯川にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1982年(昭和57年)に佐賀県は狩立川への多目的ダム建設を軸とした河川総合開発事業に着手します。
同事業においては地理的要因から狩立川と支流の日ノ峯川合流地点に、それぞれ狩立ダム・日ノ峯ダムを建設し両者を連絡水路と連結洪水吐で結び一体運用する方法がとられました。
両ダムは建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、狩立川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、武雄市山内町地域への上水道用水の供給を目的として2001年(平成13年)に竣工しました。
両者は延長148メートルの連絡水路トンネルと116メートルの連結洪水吐で結ばれ洪水吐は狩立ダムにだけ設置されており2ダム一体運用が行われています。
 
狩立・日ノ峯ダムの位置関係
赤マルが連結洪水吐で、これにより両ダムの水位は同一に保たれています。
 
狩立ダムから連結洪水吐沿いに西に進むとすぐに日ノ峯ダムです。
ダム下から
日ノ峯ダムには洪水吐はなく、水位が上昇した際には連結洪水吐を経由して狩立ダムの洪水吐から放流される仕組みです。
 
左岸から下流面。
 
上流面
対岸に管理事務所と狩立ダムとの連結洪水吐が見えます。
 
日ノ峯ダムは非越流式のためダム下には減勢工はありません。
右手の建屋は日ノ峯川の利水放流設備。
 
ダム湖の総貯水容量は46万立米。
両ダム湖は水路トンネルでもつながっておりは狩立・日ノ峯合計で179万立米の貯水池が一体運用されています。
 
狩立ダムの天端と同じくこちらも車両通行可能。
 
狩立ダムとの連結洪水吐と管理事務所。
 
天端親柱の銘板と装飾。
 
上流面。
 
連結洪水吐越しの上流面。
 
連絡水路トンネルと連結洪水吐で接続しており両ダムの貯水池を一つの貯水池とみなせば、実質的には狩立ダムが主堤、日ノ峯ダムが副堤という解釈もありかも。
 
(追記)
狩立・日ノ峯ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2560 日ノ峯ダム(1470) 
佐賀県武雄市山内町宮野
松浦川水系日ノ峯川
FNW
28.4メートル
112メートル
460千㎥/447千㎥
佐賀県県土整備部
2001年
◎治水協定が締結されたダム

狩立ダム

2019-07-18 17:17:47 | 佐賀県
2019年7月11日 狩立ダム 
 
狩立ダムは佐賀県武雄市山内町宮野の松浦川水系狩立川にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1982年(昭和57年)に佐賀県は狩立川への多目的ダム建設を軸とした河川総合開発事業に着手します。
同事業においては地理的要因から狩立川と支流の日ノ峯川合流地点に、それぞれ狩立ダム・日ノ峯ダムを建設し両者を連絡水路と連結洪水吐で結び一体運用する方法がとられました。
両ダムは建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、狩立川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、武雄市山内町地域への上水道用水の供給を目的として2001年(平成13年)に竣工しました。
両者は延長148メートルの連絡水路トンネルと116メートルの連結洪水吐で結ばれ洪水吐は狩立ダムにだけ設置されており2ダム一体運用が行われています。
 
狩立・日ノ峯ダムの位置関係
赤マルが連結洪水吐で、これにより両ダムの水位は同一に保たれています。
 
狩立ダム下流から。
非常用洪水吐として4門の自由越流式クレストゲート、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲート1門を装備。
朝までの雨の影響でオリフィスゲートから越流しています。
 
天端は車両の通行が可能
奥に隣接する日ノ峯ダムとの間に管理事務所があります。
 
上流面
対岸に日ノ峯ダムとの連結洪水吐が見えます。
 
天端から。
 
総貯水容量は133万立米。
 
左岸の艇庫とインクライン。
 
窯業が盛んな地域らしく天端高欄には有田焼の陶磁器が填め込まれています。
 
下流面
横長の減勢工。
 
上流面
ゲート右手が取水設備。
 
金箔仕様の竣工記念碑。
 
連結洪水吐と管理事務所。
運河のようです。
 
2ダム1事業で建設されたダムとしては兵庫県南あわじ市の北富士ダム成相ダムがありますが、あちらは両者ともに洪水吐を備えています。
一方狩立・日ノ峯ダムは連結洪水吐により狩立ダムにのみ洪水吐が装備され日ノ峯ダムは非越流堤体となっています。
 
(追記)
狩立・日ノ峯ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2559 狩立ダム(1469) 
佐賀県武雄市山内町宮野
松浦川水系狩立川
FNW
28.4メートル
177メートル
1330千㎥/1243千㎥
佐賀県県土整備部
2001年
◎治水協定が締結されたダム

有田ダム

2019-07-18 14:24:40 | 佐賀県
2019年7月11日 有田ダム
 
有田ダムは佐賀県西松浦郡有田町白川の有田川水系白川川にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、有田川上中流域の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、有田町への上水道用水の供給を目的として1961年(昭和36年)に竣工しました。
有田ダムは佐賀県営ダム第1号となっています。
 
有田中心街から白川川沿いを北に進むと有田ダムに着きます。
ダム便覧には有田ダム下流からの写真はなくてっきりダム下にはゆけないと思っていましたが、職員さんに伺ったら難なく到着です。
ダムはゲートレスで非常用洪水吐として3門の自由越流式クレストゲート、常用洪水吐としてハウエンバンカーバブルを備えています。
 
竜門ダム岩屋川内ダムなど古い佐賀県営ダムではおなじみ、ハウエルバンカーバルブが常用洪水吐となります。
 
ダムサイトに上がってきました。
堤体はずいぶん苔むしています。
 
竣工プレートと概要板。
 
上流面
三角屋根の取水設備建屋が目を惹きます。
 
天端は立ち禁。
 
今回職員さんのご配慮で天端に立ち入りさせていただきました。
減勢工と副ダム。
 
ダム湖の名前は『秘色の湖』
総貯水容量188万立米です。
池の背後は黒髪山で山の向こうに竜門ダムがあります。
 
ダム湖右岸上流にある艇庫とインクライン。
 
上流面
とんがり屋根の取水設備建屋が目立ちます。

ダム便覧等によれば日本で最初にクレスト自由越流頂を採用したのは1973年(昭和58年)竣工の鳥取県の百谷ダムとされています。
当ダムは1961年(昭和36年)竣工でゲートレスダムとなっています。
当初はゲートダムとして建設され、その後に改修されたということでしょうか?
 
2526 有田ダム(1468) 
佐賀県西松浦郡有田町白川
有田川水系白川川
FNW
27.5メートル
108メートル
1880千㎥/1580千㎥
佐賀県県土整備部
1961年

竜門ダム

2019-07-18 11:40:43 | 佐賀県
2019年7月11日 竜門ダム
 
竜門ダムは佐賀県西松浦郡有田町広瀬山の有田川水系広瀬川にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、広瀬川および有田川下流域の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、伊万里市及び旧西有田町(現有田町)への上水道用水の供給を目的として1976年(昭和51年)に竣工しました。
有田川水系では1961年(昭和36年)に有田ダムが建設されており、竜門ダムの完成により上下流域での洪水対策が可能となりました。
有田から広瀬川沿いに東に進むと竜門ダムに到着します。まずはダム下へ。
クレストには非常用洪水吐として真っ赤なローラーゲートが2門、ダム下部には常用洪水吐となるハウエルバンガーバルブが備わっています。
ダム便覧にはこの位置からの写真はなく、貴重なショットと自画自賛。
 
広瀬川左岸沿いを進むと左手に竜門ダムが見えてきます。
ダム一帯は『竜門峡』として紅葉の名所になっている景勝地です。
屹立する流紋岩の大岩壁とダムが並ぶ眺めは絶景の一言。
流紋岩だから竜門峡というわけではないでしょうが。
 
堤体は右岸側がわずかに湾曲しています。
 
下流面。
 
上流面
堤体から管理事務所へと続く道路は橋梁となっており、地形の峻嶮さが伺えます。
 
竣工記念碑
金箔がかなり剥げ気味。
 
導流部と減勢工
右手が利水放流設備、左手はハウエルバンガーバルブ。
 
右岸の管理事務所
ダム湖は総貯水容量235万立米
奥の三角錐の山が黒髪山で周辺は流紋岩特有の断崖が続いており紅葉期には絶景が広がるそうです。
黒髪山の向こうには有田ダムがあります。
 
天端は車両通行可能ですが、ダム湖は時計回りの一方通行。
手前のクレーンはゴミや流木の吊り上げ用。
 
管理時事務所から見た上流面
橋の下に浮桟橋があり巡視艇が係留されています
上流面は右から取水設備、クレストローラーゲート、バルブ用のコースターゲートが並びます。
 
流紋岩の断崖に寄り添うように建設されたダムは、人工物でありながら絶景に溶け込んでいます。
できれば紅葉期に再訪したいダムですが混雑するんだろうなああ・・・・。
 
2535 竜門ダム(1467) 
佐賀県西松浦郡有田町広瀬山
有田川水系広瀬川
FNW
42.2メートル
150メートル
2350千㎥/2220千㎥
佐賀県県土整備部
1976年

古木場ダム

2019-07-17 19:48:56 | 佐賀県
2019年7月11日 古木場ダム
 
古木場ダムは佐賀県西松浦郡有田町古木場の有田川水系有田川源流部にある灌漑・上水道用水目的のアースフィルダムです。
農水省の補助を受けて1973年(昭和48年)に着手された佐賀県のかんがい排水事業に水道事業者として有田町が加わり、1998年(平成10年)に竣工しました。
運用開始後は国見土地改良区が受託管理を行い、国見地区の農地874ヘクタールへの灌漑用水を供給、有田町へ上水道用水の供給を目的としています。
 
『有田ボーセンリンパーク』の北側を有田川に沿って東に進むと右手に古木場ダムが見えてきます。
堤高26.8メートルのアースフィルダムで、西日本の溜池としては珍しく7月のこの時期に草が刈られています。
堤体左岸(向かって右側)に洪水吐導流部があり、ダム下には利水放流設備や揚水機場などが並びます。
 
右岸ダムサイトに建つ金箔文字の竣工記念碑。
 
天端は車両通行可能ですが、対岸先で行き止まり。
左岸法面上は焼き物のテーマパーク『有田ポーセンリンパーク』。
 
左岸の洪水吐を遠望
上流面はロック材で護岸されています。
 
ダム下の眺め。
広場はヘリポートかな?
 
貯水池は総貯水容量117万2000立米。
 
左岸の斜樋。
 
洪水吐斜水路と減勢工
奥に放流設備が見えます。
 
横越流式洪水吐。
 
左岸から上流面。

2542 古木場ダム(1465) 
佐賀県西松浦郡有田町古木場
有田川水系有田川
AW
26.8メートル
193メートル
1172千㎥/1098千㎥
国見土地改良区
1998年

野々川ダム

2019-07-17 15:58:56 | 長崎県
2019年7月11日 野々川ダム
 
野々川ダムは長崎県東彼杵郡波佐見町の川棚川水系野々川川にある長崎県土木部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、川棚川上中流域の洪水調節と、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的として1972年(昭和47年)に竣工しました。
 
一方、野々川ダム完成後も川棚川中下流域では洪水被害が続き、さらに慢性的な水不足に悩まされていた佐世保市水道事業の水源確保を目的として左支流石木川へのダム建設事業が採択されました。
しかし同事業は近年では珍しく激しい反対運動が続いておりいまだ本格的な建設着手には至っていません。
 
野々川ダムは県道104号線沿いにあります。
ダム下への門扉は閉じられ車での進入はできませんが、ダムサイトからの歩道伝いに歩いてダム下に行けます。 
堤高24メートルの小ぶりなダムで、非常用洪水吐としてクレストにラジアルゲートが2門、常用洪水吐として自然調節式のオリフィスゲートが1門あります。
手前の建屋は利水放流設備。
 
堤体の大きさこそ違いますが、同時期に建設された佐世保の猫山ダムとゲートの配置が酷似しています。
 
ラジアルゲートをズームアップ。
 
堤体に直接触れられます。
程よく生した苔が年代感を醸し出しています。
 
右岸ダムサイトの銘板。
竣工記念碑が見当たらなかったのでこれがそのかわりになるんでしょうか?
 
諸元が記された銅板プレート。
長崎県営ダムではおなじみ。
 
導流部と減勢工。
 
長崎と言うことでゲートは佐世保重工製。
 
貯水池は総貯水容量105万立米
折からの雨でずいぶん水位が上がっています。
 
天端は車両通行可能ですが、左岸はダートのため一般車の通行はほとんどなさそう。
ゲート部分だけ上流側に張り出しクランクになっており、このあたりはいかにも昭和40年代のダムと言った風。
 
同じ川棚川水系の石木ダム建設事業はいまだに激しい反対運動が繰り広げられておりニュースソースとしてたびたび登場しています。
そのため同じ水系の野々川ダムも折に触れて注目されることが多くなっています。
 
(追記)
野々川ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2642 野々川ダム(1465) 
長崎県東彼杵郡波佐見町湯無田郷
川棚川水系野々川川
FN
24メートル
86メートル
1050千㎥/980千㎥
長崎県土木部
1972年
◎治水協定が締結されたダム 

矢筈ダム

2019-07-17 13:38:00 | 佐賀県
2019年7月11日 矢筈ダム
 
矢筈ダムは佐賀県武雄市西川登町神六の六角川水系六角川源流部にある佐賀県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、六角川上流部の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、武雄市への上水道用水及び工業用水の供給を目的として1993年(平成5年)に竣工しました。
 
ダムのすぐ下流を武雄と波佐見を結ぶ県道102号線が走っています。
ダム下には野球場、洪水吐導流部には壁画とちょっとよそでは見られない光景です。
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートを5門、その右手に常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートを装備しています。
 
野球場とダムの間は親水公園になっています。
導流部に描かれているのは川のせせらぎとそこを泳ぐ魚。
壁画のあるダムはいくつかありますが、導流部に描かれているダムは初めて見ました。
 
ダム左岸よりのオリフィスゲート
ここだけ切り取っても一つのダムのよう。
 
上流面。
 
右岸に建つ金箔仕様の竣工記念碑。
 
ダム湖は総貯水容量139万立米
西九州自動車道が跨いでいます。
 
右岸管理事務所
艇庫とインクラインが併設されています。
 
減勢工と副ダム
左手は利水放流設備。
 
ダム下を広角で撮ると
横長の減勢工と野球グランドに目が行っちゃいます。
 
下流面
減勢工は横長で左岸寄りに導流路が続くのが特徴です。
 
中規模なダムですが、導流部に描かれた壁画、ダム下の野球場、ダム湖を跨ぐ高速と特色が多い矢筈ダムです。
 
(追記)
矢筈ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。  
 
2558 矢筈ダム(1464) 
佐賀県武雄市西川登町神六
六角川水系六角川
FNWI
32.5メートル
199メートル
1390千㎥/1310千㎥
佐賀県県土整備部
1993年
◎治水協定が締結されたダム

岩屋川内ダム

2019-07-17 11:18:43 | 佐賀県
2019年7月11日 岩屋川内ダム
 
岩屋川内ダムは佐賀県嬉野市嬉野町の塩田川水系岩屋川内川にある佐賀県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
塩田川水系では出水が多く、1962年(昭和37年)7月豪雨を契機に主要支流岩谷川内川への治水ダム建設が進められ、1973年(昭和48年)に岩谷川内ダムが竣工しました。
建設省(国交省)の補助を受けて建設された補助治水ダムで、塩田川水系の洪水調節・安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給を目的としてしています。
しかし、1976年(昭和51年)にも大きな洪水被害が発生したことで、新たに塩田川支流吉田川への治水ダム建設が着手され、2001年(平成13年)に横竹ダムが竣工しました。
両ダムの完成により塩田川水系での治水能力は大きく改善しました。
 
嬉野温泉から岩屋川内川沿いに県道6号を南に進むと岩屋川内ダムに到着します。
ダム下から。
非常用洪水吐としてクレストにラジアルゲート2門を備え、常用洪水吐としてハウエルバンガーバブルがあります。
佐賀県営ダムでラジアルゲートを装備しているのは当ダムだけ、佐賀県内のダムの中でも他には北山ダムがあるのみです。
 
左岸から下流面。
 
天端は車両通行可能です。
 
天端からの眺め。
 
右手は利水放流および灌漑用水ゲートです。
岩谷川内ダムには新規灌漑用水容量の設定はなく。不特定利水容量から既得取水権として灌漑用水が補給されます。
 
ダム湖は総貯水容量250万立米。
 
右岸から下流面
対岸は管理事務所
いかにも昭和40年代のダムといった風情。
 
上流面。
 
上流から
グリーンのゲートが鮮やかです。
左手は常用洪水吐(ハウエルバンガーバルブ)の予備ゲート。
水位が低く思えますが、治水ダムということでこれが常時満水位です。
 
佐賀・長崎ではおなじみの金箔仕様の竣工記念碑ですが、文字がずいぶん剥げています。
 
2533 岩屋川内ダム(1463) 
佐賀県嬉野市嬉野町岩屋川内
塩田川水系岩屋川内川
FN
59.5メートル
192メートル
2500千㎥/2280千㎥
佐賀県県土整備部
1973年