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風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

麦の穂をゆらす風

2006年12月01日 | 映画
麦の穂をゆらす風 11/29シネキャノン
第59回カンヌ映画祭パルムドール賞受賞
2006年/アイルランド・イギリス・ドイツ・イタリア・スペイン/126分

【あらすじ】1920年、英国の圧制に独立を求める声が起きているアイルランドの、南部の町コーク。英国の武装警察隊に若者の1人が虐殺され、村のリーダー格テディ(ポードリック・ディレーニー)、弟のデミアン(キリアン・マーフィー)らは義勇軍・独立運動に加わった。デミアンは医者としての将来を捨て、兄テディと共に過酷な戦いに身を投じていく。彼らの激しいゲリラ戦は英国軍を苦しめ、ついに彼らは講和条約が結ばれるが、アイルランドの完全独立とは程遠い。やっと訪れた平和もつかの間、条約の内容をめぐる支持派と反対派の分裂はやがて内戦へと発展する。それは共に戦ってきた同志たちが互いを敵に回すさらなる流血の戦いを意味していた。現実主義から条約をのんだテディ・完全独立を求めて拒否するデミアンの兄弟の絆にも暗い影を落とし内戦がぼっ発する。軍とデミアンが参加した条約反対派の間に[シネキャノンHPより]
 
2時間の映画で今日に至ってもなお争いが続くアイルランド・イギリスの戦争の背景を表現し、理解するのはむずかしい。
何と言っても悪いのはイギリスだ。
紳士の国・民主主義の国イギリスなんてのは真っ赤な嘘で、インド・中国アヘン戦争・パレスチナ・アメリカ・アフリカと全世界で、イギリスは本当にあくどいことをやってきた。
その非は誤解を恐れず言えば、第二次世界大戦の日本の戦争犯罪の比ではない。
 今日もなお、イラク・アイルランドでは派兵しているだけでなく「自爆テロ」という謀略さえやっている。
 映画を見ていて、イラク・アフガニスタンの今日の内戦・内乱が思い浮かんだ。
 アメリカ・イギリスは今日なお“帝国主義”で、多くの国と人々を蹂躙している。
 マルクスは、かつて「アイルランド問題を解決することなくして自分たちの本当の解放はない」と言ったが本当にその通りだ。
『ギャング・オブ・ニューヨーク』(ディカプリオ主演)はアイルランド移民とそれより先に移住したイギリス移民たちとのアメリカ・ニューヨークの対立と抗争を扱った活劇映画だった。イギリスは既に支配階級で、アイルランド移民は抑圧された。だが、アイルランド移民達は同様に黒人を抑圧した。
 この映画は、たしかにイギリスのそうした歴史と今日を告発している。だが、それは2時間では描けないし、描いてもいないし、映画のテーマもそこにはない。
 アイルランドの強烈な緑と、映画のタイトルになったアイルランド民謡“麦の穂をゆらす風”の美しく悲しい歌声は、印象的で珠玉であった。
 最近ずっと、映画では裏切られ続けてきたので、久しぶりに手応えある映画を見た感じだ。1000円は安い[水曜なので]。
 難点は、イギリス軍の描き方が一面的なこと、講和後の内部対立とその選択に至るそれぞれの葛藤の描き方が表層的なこと。
簡単な歴史を字幕で紹介したほうがよいのだが、そうすると政治的すぎるのだろうな。
 ラブシーンはあったが、裸もベッドシーンもなくよかった。
 10年位前に、アイルランド独立運動の指導者マイケル・コリンズの伝記映画[『マイケル・コリンズ』]があったが、この映画はラブ・ロマンス映画であったように思う。
 ・70%位の入りで200弱の観客だった。 
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