goo blog サービス終了のお知らせ 

風そよぐ部屋

ウォーキングと映画の無味感想ノート

映画/FRANCES HA、アバウト・タイム

2015年04月07日 | 映画


題名の"HA"とは?と思っていました。
フランシスは、一人でアパートを借りる経済的力がありません。
ダンサーの夢はかないませんが、子どものダンス指導員の職を得て、やっと一人でアパートを借りることが
出来るようになりました。
職場に出かける日の朝、郵便ポストに"表札・Frances Halladay"を張り出すのですが、
彼女の不器用さが発露、字が大きすぎ入らず、姓は折り曲げて「HA」だけ、と言う次第。
主演のGreta Gerwigはウディ・アレンの『ローマでアモーレ』に出ていたそうですが、気がつきませんでした。
映画館にわざわざ足を運ぶほどの映画ではないですが、新鮮で楽しみました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ティム家の男性はタイムトラベルの能力を持ちます。従ってストリーにリアルティはありません。
この種の多くの映画は、歴史的事件の遭遇、死んだ人を生き返させたり、大成功や奇跡的、
つまり「非日常的な劇的変化」を話題にしますが、この映画では、日常的些細な出来事の小さい修正だけです。
話が非現実的とわかっていても、小さい失敗の訂正ですから応援する気持ちも出てきて、
それが映画としては上手く行ってゆったりて見ることが出来、軽い人情物語となっています。
イギリス上流階級の大袈裟さは嫌みですが、イギリス英語の発音はとても心地よいです。
しかし、わざわざ映画館に見に行く程の映画ではないです。       【3月30日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/アメリカン・スナイパー

2015年04月01日 | 映画

movixの試写券が当たり、『アメリカン・スナイパー』を見て来ました。
クリント・イーストウッドの監督というので期待したのですが、大いなる期待外れでした。
アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイルの自伝の映画化だそうです。
スナイパーの彼は4回イラク戦争に出征した「英雄」です。
妻と携帯電話で話しながら「標的」を探し、射殺します。そう、まるで日常のルーティンのように。
子どもであろうが女性であろうが武器を行使しようとする人間すべてです。
アメリカンフットボールでは何ヤードランしたとか成功パス率は何%とかすべてを数字化しますが、
彼が殺した人間の数はカウントされ160人以上だといいます。
「この戦争・殺人が国、家族を守る」ことだと、彼は確固と信じています。
私は、映画の中程からこの余りの無機質な殺人に気持ち悪くなりました。
アメリカは最近、無人飛行機、ロボット兵器を多用していると聞きます。
人的被害、損害を減らすのが第一の理由ですが、戦争帰還兵の多くがPSTDに陥るのを避けるためとも言われます。
スパイナーとなれば自分が引いた引き金で人が死ぬのですから彼らの多くがPSTDを抱えることになるでしょう。
映画では彼は心に深い傷を負ったと言いますが、その扱いは刺身のツマ程度でしかありません。
彼が人々の共感支持を受けるのは、PSTDにも打ち勝つと祭り上げられた彼の精神的タフさにあるのではないでしょうか。
映画では、彼に生身のイラク人にはせる思い、感情、想像力は皆無です。
彼に殺された人々と関わりのある人がアメリカ人を恨み、殺意を抱くことは至極当然のことで、それは彼らの「正義」となります。
かつてイーストウッドは「硫黄島の戦争」を日米両方の側から描こうとしましたが(全く描けてはいませんが)、
果たして彼は、イラク人サイドからこの出来事・戦争をどう描くのでしょうか?
彼の葬式はまさに国葬並みだったそうで、この映画は今アメリカで大ヒット中だそうで、私は恐ろしくなります。
アメリカは、やはりと言おうか、ベトナム戦争・イラク戦争などから何にも学んでいないだとおもいます。
「強いアメリカ、永遠の星条旗、強い男、家族と妻愛」といういかにも「アメリカの価値観」はカビどころか
人々の心を蝕んでいるウイルスのように感じです。
私は、「永遠の0」に喝采する日本人がオーバーラップしています。     【3月29日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/ショート・ターム12、悪童日記

2015年03月30日 | 映画

文句なく秀作です。

--------------------------------
以下煩雑ですが、受賞・ノミネート(一部)した賞を列挙します。
■サウス・バイサウスウエスト映画祭 長編ナラティブ部門審査員賞、長編ナラティブ部門観客賞 ■リトルロック映画祭 長編ナラティブ部門ゴールデン・ロック賞 ■マウイ映画祭 長編ナラティブ・ドラマ部門観客賞、ライジング・スター賞 ■ロサンゼルス映画祭 長編ナラティブ部門観客賞 ■ナンタケット映画祭 長編映画脚本賞 ■ロカルノ国際映画祭 女優賞/ジュニア審査員賞(国際コンペティション)/エキュメニカル審査員賞/金豹賞 ■アテネ国際映画祭 観客賞 ■ハンプトンズ国際映画祭 ブレイクスルー演技賞 ■ヘント国際映画祭 ヘント港パブリック・チョイス賞 ■バリャドリッド国際映画祭 観客賞 ■タリン・ブラックナイト映画祭 作品賞/若手作品賞 ■ゴッサム・インディペンデント映画賞 女優賞 ■ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 インディペンデント映画トップ10入選 ■サンディエゴ映画批評家協会賞 作品賞/監督賞/脚色賞/主演女優賞/アンサンブル演技賞 ■デトロイト映画批評家協会賞 主演女優賞/ブレイクスルー賞/作品賞/脚本賞 ■サンフランシスコ映画批評家協会賞 主演女優賞 ■シカゴ映画批評家協会賞 有望監督賞/主演女優賞 ■オンライン映画批評家協会賞 作品賞/脚色賞/主演女優賞 ■オースティン映画批評家協会賞 主演女優賞/ブレイクスルー賞/作品賞 ■フェニックス映画批評家協会賞 作品賞/見落とされた作品賞/若手女優賞/ブレイクスルー演技賞 ■セントラルオハイオ映画批評家協会賞 見落とされた作品賞/脚本賞次点/主演女優賞次点/レイクスルー映画人賞次点/ブレイクスルー映画人賞/アンサンブル演技賞 ■放送映画批評家協会賞 主演女優賞 ■サンタバーバラ国際映画祭 ヴィルトゥオーソ賞 ■ブラック・リール賞 助演男優賞/ブレイクスルー演技賞/サテライト賞/歌曲賞 ■インディペンデント・スピリット賞 編集賞/主演女優賞/助演男優賞
アメリカのアカデミー賞は、全くの商業主義で問題外ですし、映画祭賞のいくつかはなぜ受賞作品なのか、
よくわからない作品もありますが、この映画は、制作費もあまりかかっていないと思われる小作品ですが秀作です。
ショートタームとは、家庭の事情などで成育環境が十分でない18歳までの青少年を短期預かる短期保護施設のこと
のようで、日本の児童相談所の一部のような気がします。
映画でのここは、とても小規模で、塀や囲いはありません。
冒頭のポスターのシーンは、施設を脱走する子を追いかける職員の姿で、映画の最後のシーンでもあります。
奇を衒う特別すぎるエピソードはありません。
ここの若い恋人同士の男女職員と子ども達の格闘を描いています。
映画ですから、子ども達の抱える問題はかなり大袈裟・深刻に描かれていますが、二人の職員は権力を振りかざさず、
非常なるユーモアとゆとりを持って接しています。
この穏やかさは、施設全体のものなのか、二人の徳性なのかはわかりません。
グレイス自身も、子どもの頃父親から性的虐待を受けています。
この映画では、そうした出来事の映像を映しません。
他の子どもの自傷行為や家族の暴力など過去の出来事の映像もありません。
映画では、過激なセックスシーンや暴力シーンを入れがちですがほとんどの場合不要です。
たくさんの受賞は納得です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


こちらも過酷な運命を背負った子どもの話しですが、ストリーに違和感があって失敗です。
双子の男の子が疎開に行くのですが、その切実な理由、疎開先の祖母が彼らに愛情を注がない、
母親が夫ではない男性とともに彼らを迎えに来るのですが彼らは会おうともしない、
最後に一人だけが国境を越えて脱出するのはなぜか、などがどうしてなのかよくわかりませんでした。   【3月23日鑑賞】



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/蜩ノ記、舞妓はレディ

2015年03月03日 | 映画


大いなる期待外れ。ストリーに無理が多すぎるし、下手な岡田准一もご勘弁を。
----------------------------------------


全くの駄作、わざわざ映画館に見に行く映画ではない。
唯一素敵だったのは富司純子の美しさとうまさ、特に京言葉の素晴らしさでだけでした。【3月2日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/ぼくを探して、グレート・ディズ

2015年02月05日 | 映画

原題『アッティラ・マルセル』、この映画の主人公の父親の名前ですが、
アッティラは昔、ローマ帝国に侵入した東方の遊牧民族フン族の王の名前、
またマルセルは『ベルヴィル・ランデブー』のサントラで使われた曲「アッティラ・マルセル」名でもあり、
同時に、フランスの文豪マルセル・プルーストの名作『失われた時を求めて』がバックボーンに流れているとか。
私は、残念ながらプルーストの『失われた時を求めて』を読んでいないのではっきりしたことは言えないのですが、
ハーブティとかお菓子のマドレーヌなどの小道具もそれに関係するとか…。
いずれにしてもフランス的エスプリというか教養のパロディがちりばめられているようです。
映画の、もう一人の主人公の謎の女性の名前がこれまた"マダム・プルースト"ですから。
ストリーは奇想天外です。
主人公のポールの親は夫婦でプロレスのパフォーマー、上の階のグランドピアノが落下して下敷きになり夫婦は死亡、
そのショックでポールは話せませんが、ピアノの名手です……。
ほとんど喜劇なのに、クスリとも笑い声が起きないのが何とも不思議です。
あの「アメリ」をプロデュースしたクローディー・オサールがプロデュースしたというので期待したのですが、
面白いですが、残念ながら秀作とは言えませんでした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

こちらもフランス映画、いわゆる「障害者」もので普通の出来です。     【2月2日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/ジゴロ・イン・ニューヨーク、アデル・ブルーは熱い色

2015年01月26日 | 映画

アレンのとぼけた味は良いですが、それ以上にジョン・タトゥーロの哀愁を帯びた表情は素敵でした。
映画としては可でもなし不可でもなし、と言ったところですが、
ニューヨークのかなり特殊なユダヤ人コミュニーティが面白かったです。
私はその実態・真実を全く知らないのですが、また映画ではそれは誇張されていると思うのですが、
かなりの真実も描いているのではないかと思うのです。
今日、世界では宗教的原理主義が様々な問題を引き起こしています。
いや、その表現は正確ではではないかも知れません。
宗教的原理主義が問題を起こしているのではなく、世界・社会の様々な問題がそれを生み出し、
宗教的問題として顕在化しているのだと思います。
この映画で垣間見るだけでもユダヤ教とユダヤ人社会は私にはとても奇妙に感じます。
独自の自警団も存在するようですし、長老やラビによる尋問も本当なのでしょうか。
日本は多神教とアニミズムの社会で、それは私にはとても居心地が良いです。
多様性を認めること、"ローマ人の寛容"が相互・すべてに求められ、必要とされているのではないでしょうか。
喜劇なのに、映画館では笑い声が起きないのですから薄気味悪く不思議です。
----------------------------------------

英語の原題は、「Blue Is the Warmest Colour」、
フランス語の原題は「 La vie d'Adèle – Chapitres 1 et 2」、アデルの命(あるいは人生)の1章・2章でしょうか。
3時間は長すぎますし、同性愛のセックスシーンが延々と続きもう辟易というか退屈でした。
カンヌ映画祭で最高賞を取った際、セックス描写が大胆で斬新と賞されたそうですが、
私にはそうは思えません。際どいですが過激でもありませんし、刺激的でもありません。
映画の作り方としてかなり一人よがりが強いと思いました。
最後に、アデルはかつてのパートナー=エマの成功の場で、彼女に別れを告げずに立ち去り、
後ろ姿で歩き去るシーンで映画が終わります。
エマとの生活が1章、彼女との別れが2章、これから彼女の新しい3章が始まるということなのでしょうか。
私はエマとの出会い・別れが1章、そしてこれからが彼女の新しい第2章=自立と思えるのですが…。      【1月19日】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/チョコレート ドーナツ,シンプル・シモン

2015年01月07日 | 映画

秀作です。
バイセクシュアルカップルのルディとポールはダウン症の少年・マルコを養子にしたいと願っています。
マルコの母親はシングルマザーで薬物中毒です。
彼女が刑務所に入ることになり、マルコは孤独となります。
マルコは「ハッピィエンド」の物語が好きでしたが、自分の家を求めて夜の町をさまよいます。
ルデイとポールは裁判で負けます。
マルコが死んだ新聞記事が、裁判関係者とポールのかつての上司に送られます。
ルディを演じるアラン・カミングは自身バイセクシュアルと言い、その自由のための運動家でもあるそうです。
映画などではバイセクシュアルの一方は女装・化粧・女言葉を使うように描かれことが多いようですが、この映画では違います。
仕草にちょっとした「なよなよ」さはありますが、ルディの腕は毛むくじゃらですし、
仕事以外では女装せず、化粧はしません。
しかし、無精ひげの彼はぞっとするほどのセクシーさ、美しさ、強さを見せていました。
他方、ポールの服はいつもジミで、髪も短く櫛が通り、とても穏やかでした。
ルディとポールの関係の表現も奇を衒わず極めて禁欲的に表現したことがとても成功しています。
マルコ少年は、小さな女の子が遊ぶ女の子の人形が大好きでした。
それは母親だったのでしょうか、妹だったのでしょうか、それとも友達だったのでしょうか?
マルコを演じたアイザック・レイヴァはダウン症の男優です。
日本での映画の題名・「チョコレートドーナツ」はマルコが大好きな食べ物です。
でもこれでは何のことかわかりません。原題は"Any day now"
これは映画の中で、ルディが歌う"I shall be released"(私は解き放たれる)の一節で「もうすぐに」と言うような意味らしいです。
でも、これはとても重いですね。
マルコに「いつママに会えるの」、「家に戻れるのはいつ」とマルコに問われてもルディは「すぐさ」とも応えられないし、
性・人種・宗教・人の身体的特徴・人の能力や人の意識などの色々な差別や偏見からの私たちの解放は、
「すぐさ」とは言えないから。
------------------------------------------

アスペルガー症候群のシモンの物語です。
コメディにしたのが大成功で、十分楽しめました。
シモンは、初めて会う人に自分はアスペルガーだと言います。
スウェーデンではアスペルガー症候群が知られていることでしょうか。
英語(日本語)の題名は"SimpleSimon"、飾り気や無駄が無く単純なシモンと言うことでしょうか。
でも、スウェーデン語の原題は、I rymden finns inga kanslor.『宇宙には感情がない』と言うことらしい。
それは、シモンが常日頃思っていること=感情が無ければ物事は複雑では無くシンプルと言うことでしょうか?
1月5日鑑賞、新年早々の映画は十分堪能しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/めぐり逢わせのお弁当、マダム・イン・ニューヨーク

2014年12月27日 | 映画

---------------------------------------
秀作です。ほのぼのとした、でもちょっぴり寂しいお話です。
原題の、Dabbaは「箱」=弁当箱のこと。
この映画の重要なポイントは、インドのムンバイのランチ弁当の配達システムです。
それは、"ダッバーワーラー"と呼ばれているそうです。
そこには、いくつか複雑な歴史的事情もあるようです。
イギリスの植民地時代提供されるイギリス式食事が口に合わない、宗教的に食べられない商材が入っている、
カースト制度の差別意識から最下層の身分の人が作った食事は食べない…などの。
インドでは家庭で作られた弁当を持参するのが伝統的で、弁当を職場に届けるサービスのことだそうです。
料金は月500~600円と安いのですが、ミスは1600万回に1回、つまりミスが無いそうです。

各家庭から集められた弁当が自転車、自動車、鉄道、自転車を通じて配達されると言います。
さて、映画は、ミスの無いはずの弁当が「誤配」されます。
夫の浮気に悩むイラが作った弁当が、早期退職間近の男やもめのサージャンの所に誤配されます。
何回か弁当が行き来するうちに、弁当箱にはメモ・手紙が双方から添えられるようになります。
そしていつしか二人の間には、親密で心寄せ合う感情が芽生えます。
イラはサージャンに逢いたいと勇気を出しますがサージャンはその申し出に応えることが出来ませんでした。
しかし、イラは、家庭を捨てて、「幸せの国・ブータン」へ旅立つことを決意します。
インド映画は、"歌って踊って"の娯楽映画が多いのですが、この映画はお金をかけずに人々の内面を見事に描き、
インドの新しい映画文化を開いたように感じます。
欧米の俗な映画では、恋愛関係になって二人で旅立つか、セックスしてその後現実に戻るのですが…。
ムンバイには、きれいで大きな仏像があるそうで、私はいつか行って見たいと思っています。
インドの猛烈な通勤・交通事情もわかります。電車の中に女性はいません。
それもインドの現状なのでしょうか。
ダッバーワーラーについては、ムンバイの弁当配達システム、またはウィキペディア・ダッバーワーラーに詳しいです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

----------------------------------------
こちらもインド映画。こちらは普通の作品。
インドのお金持ち家庭の主婦シャシは、英語が上手く話せないため夫や子ども達から軽んじられています。
彼女はニューヨークに住む姪の結婚式に招待され、その準備のために家族より早くアメリカに行きます。
ジャズをジャァーズと発音して娘から馬鹿にされたり、出入国窓口で係官の言葉がわからなかったり、
ハンバーガー店員で早口でまくし立てられたり……。
でもこれらのシーンは、過剰演出で真実味がなく、「おいおいこれはないよ」、でした。
中学で習った三人称単数現在の時、動詞に"s"を付けないからと言って通じないわけでは無いし、
多くの店員は外国人にはとても親切で、「早く注文しろ」なんて絶対言わないです。
彼女が飛行機内に水を持っては入れないことを知らないのも変だし、注文を早くしろ等という店員も変だし、
語学学校の受付が早口なのも変だし、シャシは毎日サリーを着替えたり……。
彼女は、英語学校に通います。わずか5週間ですごい英語の話し手になってしまいます。
一人の女性の自立と言えばかっこいいのですが、かようにストーリーに真実味や工夫はありません。
美しすぎるシャシだけを目立たせるかのようです。
映画の最後に、おまけのようにインド映画の定番「集団で歌って踊って」が出てきてがっくりでした。
英語は、英国英語・アメリカ英語だけが英語ではありません。
クレオール英語、ピジン英語だって立派な英語です。
ちなみにWikipediaによると、クレオール言語とは、異なる言語の人々の間で自然に作り上げられた
言語(ピジン言語)が、その話者達の子供達の世代で母語として話されるようになった言語のこと。
それらが映画の中でもっと大いばりにたくさん紹介されると良かったです。
出入国窓口で英語が話せなくても大丈夫です。
ただスムーズに済ませるには、入国の目的:観光、滞在先ホテル住所などのメモを準備し見せれば良いのです。
レストランでもアレ・コレと指させばOKです。
ヨーロッパでもアジアでも英語を話さない人の方が多いのですし、
その国の言葉や英語が話せなくても、彼らは親切に身振り手振りで応えてくれますし、
時には道案内すらしてくれることもあります。        【12月22日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/ダブリンの時計職人・私の、息子

2014年12月17日 | 映画


原題は、"Parked"。 秀作です。
フレッドは、海辺の駐車場でホームレス生活をしています。
彼は、時計職人と言いますがベテラン時計職人とは言えないようです。
彼がロンドンでその職を失い、なぜ故郷に戻ってきたのかなど細かいストーリーはわかりません
その駐車場で、彼はカハル青年と出会います。
彼も、車で暮らすホームレスです。彼は薬中毒で、借金を抱えています。
その二人の奇妙なホームレス生活と友情・絆は、ほほえましいのです。
そのほほえましさに観客はやすらぎを感じるのですが、忍び寄る悲劇も同時です。
カハルの借金はわずか600ユーロです。父親は、彼に金をあげませんでした。
なぜ、父親は彼にお金をあげなかったのか、私には全く理解できません。
結果、彼は、殺されます。
彼が死なないストーリーだと良かったです。
ダブリンの冬は本当に寒そうです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


何とも後味の悪い映画でした。
子離れできない母親・親離れできない馬鹿息子の物語。
ルーマニアの法律事情はよくわかりませんが、車で子どもをひき殺しても、逮捕されないし、
警官や証人を買収したり…。これは親の愛情などでは断じてありません。
コルネリア一家はセレブだそうですが、余りの傲慢さと生意気に嫌気です。
映画の半分以上を占める母親のこの延々と繰り返されるシーンに吐き気を覚えました。
母親は、無条件に子をかばう、これを母の無償の愛などと美化しては決していけません。
子どもを殺された家族が、この母親と息子をいとも簡単に許してしまうのも全くおかしいです。
なぜこの映画が、ベルリン映画祭の金熊賞を取ったのか私には全く理解できません。

台湾旅行に行ってたりして、久し振りの映画でした。【12月15日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/超高速!参勤交代、 WOOD JOB!(ウッジョブ) ~神去なあなあ日常~

2014年10月29日 | 映画


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

始めに見た『超高速!参勤交代』がつまらなかっただけに、こちらは軽妙で楽しめました。
いわゆる青春物・ラブストリーとしないでコメディにしたの良かったです
筋は単純、大学受験に失敗した無気力な若者が、1年間の林業研修生になります。
勧誘パンフレットのモデルに会えるかも、なんて軽~い気持ち・動機で参加したのですから…。
今回は、観客席から笑い声が頻繁にもれて、とても良かったです。        【10月27日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/フルートベール駅で(Fruivale station)、それでも夜は明ける(12yeare a slave)

2014年10月24日 | 映画


2009年の元日、米サンフランシスコのフルートベール駅で22歳の黒人青年・オスカーが警官に銃で撃たれ死亡しました。
オスカーは「薬の売人」で前科者ですが、母親の誕生日でもある大晦日を機に足を洗うことを誓います。
誕生パーティを終えて仲間と新年のカウントダウンが行われる花火会場に電車で向かいます。
車内で、刑務所で見かけた白人男性にイチャモンを付けられ殴り合いになります。
駆けつけた警官たちは、白人は放置し、黒人たちだけを拘束し、抗議するオスカーを背中から射殺します。
映画は、大晦日から元日までの彼の24時間を淡々と描きます。
取り立てての大事件はありませんが、彼が麻薬の売人を止める下りは印象的でした。
冒頭の港のシーンです。
彼が殺された後の社会の反応などを描かなかったのは良かったです。
彼の24時間の生活の描き方ももう少し工夫があれば良かったと思います。
この映画の事件の約10年後の2014年10月8日、米ミズーリ州セントルイスの路上で、
18歳の少年が警察官により射殺されました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

原題は、奴隷の12年間、でしょうか。
この映画には、二人の印象的な名前が登場します。
一人は、監督・制作のスティーヴ・マックィーン、「大脱走」のスティーヴ・マックィーンではありません。
ロンドン生まれのマルチアーチストです。
もう一人は、彼と共に制作に携わった、ブラッド・ピットです。
アメリカの奴隷制が公的に廃止されたのは、1865年です。
つまりわずか150年ほど前までアメリカには全くの非人道的奴隷制度が存在していたのです。
日本の幕末の時代ですから驚きです。
17世紀後半からおよそ200年の間にアフリカからおよそ1,200万人のアフリカ黒人がアメリカ大陸に連行され、
このうち、5.4%(645,000人)が現在のアメリカ合衆国に連れて行かれたと言われています。
1860年にはアメリカの奴隷人口は400万人に達していたと言われます。
黒人やネイティブの人々の富の略奪無しに、アメリカの今日の繁栄はあり得ません。
しかし、アメリカ社会も歴代の政府も彼らへの感謝や、彼らへの根本的謝罪と賠償をしたとは私は聞いていません。
それどころか今日でさえ、彼らへの偏見や差別はなくなっていません。
アメリカは、今日自分たちは一番民主的で人権的で自由だと言っていますが、断じてそんなことはありません。
中国への人権批判や「イスラム国」への批判をする資格など彼らにはありません。
さて、映画の主人公・ソロモンは、バイオリン奏者です。
黒人ですが奴隷ではなく、「自由証明書で認められた自由黒人」でした。
演奏会の帰り、彼は突然、白人に拉致され、奴隷商人に売り渡され、奴隷とされてしまいます。
彼は生き残るために生きます。
彼は、農場主の農園で小屋を建てる大工とたまたま一緒になります。
この大工は、奴隷制を疑問に思う活動家で、ソロモンのために一肌脱ぎます。
ソロモンが自由国人であることが証明され、彼は12年間の奴隷から解放されます。
大工を演じるブラッド・ピットは、この映画の共同プロデュースをし、「社会派」をアピールしています。
映画としての出来はもう一つと言うところです。
ところで、奴隷はどれくらいの値段で取引されていたのでしょうか。
映画では1000ドル云々でした。
当時の庶民の年収は200~400ドル程度とも言われますので決して安くはない価格と思われます。
そんな高価な生産手段を、奴隷主は、生殺与奪出来るからと言って決してむげに殺しはしなかったはずです。
映画では、演出上からか黒人を過激に過酷に扱って居るように感じましたが…。
---------------------------------------------
いずれにしても、今日の二本の映画は、アメリカの「黒人差別」問題を描いています。
『フルートベール駅で』は、背筋が凍るような恐怖を覚えました。
『それでも夜は明ける』は、決して大昔の歴史ではなく、ほとんど近代の出来事です。
アメリカは、自由の国などと称していますが、彼らの歴史は黒人・ネイティブ・第三世界諸国の人々への暴力・
収奪・抑圧と言っても過言ではありません。            【10月20日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Blue Jasmine, Augusut:Osage County(ブルー・ジャスミン、8月の家族たち)

2014年09月23日 | 映画
Blue Jasmine(ブルージャスミン)

宣伝文句には、「ジャスミンの夫は裕福なビジネスマン」とあるが、実は詐欺師。
そんな彼が捕まらずに超金持ちの生活をしているのが何とも作り話的で全くリアリティがありません。
彼女の夫は度重なる浮気の果てに彼女と離婚し、10代の女子学生と結婚したいと言い出した夫に切れた彼女は、
FBIに夫の詐欺を通報、彼女は一文無しになってしまいます。
過去の虚栄と嘘にちりばめられた生活を忘れられない彼女は、益々泥沼に陥ってしまうと言うお話。
アレンは、相変わらず無意味な修飾語をたくさん含む長過ぎる台詞を早口で役者に言わせます。
私は台詞の余韻や意味などを味わう余裕もなく、忙しく字幕を追って行きます。
その上、画面が過去と現実を頻繁に行ったり来たりするので筋を追って行くのも一苦労です。
さて、ジャスミンは妹に誘われて偶々参加したパーティで、金持ちの野心家に好かれ、結婚直前まで行くのですが、
彼女の前歴と嘘がばれ、破談となり、彼女はもうほとんど立ち上がれないほどの打撃を受けます。
この最後のエピソードは何とも薄っぺらで嘘っぽく映画はもうすっかり中だるみです。
結末の精神・心の病の重篤化は深刻で、この後の彼女はどうなるのでしょう。
結婚詐欺にあって身ぐるみを剥がされ、ぼろぼろになる方がよっぽど良いのに。
----------------------------------------

原題の、Osage countyとは、オクラホマ州の田舎の群の名
メリル・ストリープの相変わらずの大袈裟な演技が嫌みな上、ジュリア・ロバーツはすっかりおばさんです。
8月の暑い日父親が失踪します。
オクラホマの実家へ集まった三姉妹。長女バーバラは、反抗期の娘がおり、夫とは別居中。
次女アイビーは地元に残っています。三女カレンは婚約者同伴です。
ストリープ演じる母バイオレットは、口腔がんを患っていて、すっかり薬の中毒状態です。
老いた親の面倒を誰が見るのかは今日かなり一般的テーマですが、この家族はその問題を直視せず、
本音を言い合って居るようですが、実はわがままを言い合って大事なことを隠し、誤魔化しているのです。
実は彼らには、お互い言えないほとんどあり得ない「隠しごと」があり、それらが次々と明るみに…。
仲の良い夫婦を演じている長女は、実は別居中で、
次女アイビーが結婚しようとしている従兄弟は、実は母親の妹と父との子どもで、
三女の婚約者は、バーバラの14歳の娘にマリファナを吸わせて関係を持とうとしたり、
これはもう、わざと面白くするためとしか言いようがなく、はちゃめちゃな作り話過ぎで、
リアリティは限りなくゼロ、こうなるともうほとんどウンザリ状態です。
三人の姉妹は結局、別々に去って行き、母のみがこの田舎に残されます。
結局、家族なんて虚構・幻想に過ぎないと言いたいのでしょうか、
残された二人、お手伝いのネイティブと母親は他人同士、この田舎でひっそり暮らして行くのでしょうか。
-----------------------------------------
ブルージャスミンは、期待外れでした。
今日の二本の映画は、男女関係が浮気やセックス、人間関係がおおざっぱでいかにもアメリカって感じで、
しかも後味がとても悪い映画でした。                  【9月22日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/The Past、Labor day

2014年09月03日 | 映画


原題は、The Past、「過去」と言うことですか?
今はテヘランに住むイラン人のアーマドは、離婚手続きのため4年ぶりにパリに戻ります。
妻のマリー=アンヌは、すでに新しい恋人サミールや彼の子どもたちと新たな生活をはじめていました。
物語の導入のアーマドとマリーの離婚騒動がストーリーのテーマかと観客はすっかり惑わされてしまいます。
イラン人のサミールの妻はフランス人で鬱病です。
自殺未遂した彼女は、植物状態です。
彼女はどうして自殺しようとしたのか、その「真相」を巡る「すれ違い・勘違い」が物語の中心です。 
年頃の娘リュシーは、家の寄りつきません。
サミールは、リュシーは自分を嫌っていると思っています。
リュシーは、重大な過ちをし、その解決出来ないことに深刻なのです。
妻達と恋人達、その家族が背負う過去が次第に明らかにされます。
お互いの葛藤や反発・相互の不審が意思疎通を欠き、その行き違いが互いの溝を広げています。
細かいストーリーは明かしませんが、その互いの溝を広げているのは、各人の「思い込み」にあります。
私たちは、自分の感情や思いは「自分自身の真実・確実なもの」と思っていますが、
実はそれらは私たちが単にそう思っているという「思い込み」・「錯覚」から成り立っています。
人の心の中、感情・思いは本当は誰にもわかりません。
それは自分でも本当はわからず、実はそう「錯覚」、「思っている」に過ぎないのです。
ですからコミュニケーションをしたとしても、心の真実は本来は共有できないものなのです。
わかり合えるというのは実は「幻想」に過ぎないのです。
だからこそ人は安心してつきあうことが出来るのではないでしょうか。
互いが、お互いの真実の感情や心の思いを知り、共有したら息苦しすぎて生活できませんもの。
さて、映画は、「本当のことは誰にもわからない」で終わりした方がよかったのですが、
そうとは行かず、
安易な結末で、尻切れトンボ、息切れという感じでした。
悪い人を誰も出さずに終わらせるには、ありふれた所に落ち着かせるしかなかったのかもしれませんが。
この映画の出色は、サミールの男の子役で、どうしてこんなに上手く芝居できるのだろうかと思いました。
監督は、映画『彼女が消えた浜辺』などを送ったイラン人のA・ファルハディ。
フランスの多民族国家・移民事情や結婚・離婚事情、子どものしつけなども垣間見られます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


原題は、Labor day は労働者の日(9月の第一月曜日で祝日)。でも、これでは意味がわからないですかね。
フランクは殺人犯です。妻を突き飛ばして殺してしまい、殺人罪で服役中です。
盲腸の手術中に病院を脱走し、スーパーで偶然出会ったアデルとその息子を拉致し、彼女の家に隠れます。
この二人が恋愛関係になってしまうストーリー。
どんな特殊な事情があろうともこれは陳腐としか言いようがないのですが、
こうした題材は、題名は忘れましたが、映画では良く取り上げられます。
実際には起こりえない話なので全く期待しなかったのですが、結構楽しめました。
それは、悲劇がどのような形で訪れるのかにあります。
アデルは元夫との間に数回の流産の経験があり、神経過敏になった彼女は夫に捨てられ、鬱病を病んでします。
大工仕事や料理など、またアメリカの中学生になろうとする男の子がキャッチボールの手ほどきを受けるなど、
陳腐を通り越したアホらしい「優しさ」に彼らは心を奪われ、わずか1週間の間に、すっかりフランクの虜に
なってしまい、彼のカナダへの逃亡を助けるだけでなく、行動を共にしようとするなんて。
計画は失敗し、フランクは捕まり収監されますが、数年後仮釈放後されます。
そして、息子の仲立ちでアデルと再会し、無事結ばれるという何とも無理筋ストーリーです。
「この愛は罪ですか?」とこれまた陳腐な宣伝文句が踊っています。
当然ストーリーにはリアリティは皆無なのですが、「悪人」が出てこないのが味噌です。
徹底してリアリティを排除して、期待した悲劇は起きず、「純愛」のハッピーエンドものに仕上げたのです。
しかし、私としては、フランクは根っからの悪人で、善人を徹底的に演じ、
色仕掛けを含めあの手この手の手管で鬱病の女性を手玉に取り、
カナダへの脱走が成功した後、即座に彼女を捨てさるのですが、
アデルは戻らない彼を信じてうつろな日々を過ごす、と言う方が面白いと思うのですが、…。
今日の二つの映画には、二人の「鬱病」患者が出ましたが、その病に特別な意味があるのかは
私にはわかりません。          【9月1日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/Dallas Buyers Club,Philomena

2014年08月20日 | 映画


マシュー・マコノヒーが登場して驚きました。

ダラスのマコノヒー              マッドのマコノヒー 
"MUD"や"ペーパーボーイ"の彼は、筋骨たくましい青年でしたが、別人と見間違う程やせていました。
エイズ患者を演じるために20キロほど体重を落としたそうです。
共演者のレイヨン役のジャレッド・レトも18キロ減量して挑んだそうです。
さて、ロイは、ある日突然倒れ、「HIVに感染し余命30日」と告げられます。
この当時は、HIVイコールホモセクシュアルの病気と思われ、今以上の偏見と差別がありました。
一方、大病院と製薬会社とFDA(アメリカ食品医薬品局)は、新薬開発を急ぎましたが、その三者は癒着し金儲けの為に腐敗し、
彼らは“個人の健康のために薬を飲む権利を侵害”していました。
副作用が強く大きいAZTの臨床試験が行われていました。
それはウイルスも殺すが多くの患者も死んで行く薬でした。
他方、有効と思われる未承認の薬は使えず、また処方箋が無いと薬が使えないなどの事情があったそうです。
ロイは、猛勉強と知恵を駆使して、ペプチドTなどの未承認薬や処方箋無しで薬が使えるように悪戦苦闘します。
当然それはイリーガルにならざるを得ないのですが…。
彼はその後約2550日余を生きました。
この映画が成功したのは、シリアスな題材を生真面目に「清く正しい患者の涙ぐましい努力と戦い」の"感動物語"ではなく
コメディタッチに仕上げたことです。
いわば「麻薬と酒とセックスに溺れ、ゲイへの差別主義者」のチンピラ風男がまさにドンキホーテのように
巨大悪に挑むのですが、笑いの連続です。
でも、映画館では全く笑いが起きないのです。
本当に最近、映画は、「高尚な芸術」になってしまったのでしょうか。
マシュー・マコノヒーは、若き日のポール・ニューマンに似たハンサム俳優ですが、
話題作に次々出演し、魅力を振りまいています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

人生の終焉を迎え始めたフィロミナは、50年前に強制別離させられた息子のことが脳裏から離れません。
彼女の唯一の気がかりは彼が「私のことを思っていてくれたかしら」。
かつてイギリスが養護施設の子どもを海外に移民させていたことをテーマにした映画・「オレンジと太陽」がありました。
今回の映画も、同じようにイギリスを舞台に、しかも修道院で同じことが行われていました。
しかも今回は多額の金銭の授受があったことと修道院の中には「セックス=快楽で堕落」という強固な観念の持ち主が
いると言うことです。
神に仕える我が身こそ最高と自負する彼らは、事実の一切を闇に葬ることに何の後ろめたさを感じません。
すべての記録が焼けたと平気で嘘をつき、死んで行った子らの墓は放置し、荒れています。
この映画の良さ、成功は、「ダラス・バイヤーズ・クラブ」同様、シリアスな題材を深刻がらずに
ユーモアたっぷりに描いていることです。
映画のもう一人の主人公は、フィロミナとともに息子を探すBBCを首になったエリート、マーティンです。
フィロミナは「あなたはオックスブリッジ卒業なの」とマーティンに聞きます。
私には、それは皮肉に聞こえたのですが、彼女にとってはそんなことは些細なことでどうでも良いことなのでしょう。
映画の最後に、事実を隠してきたヒルデガード修道女に、マーティンは「私はあなたを赦さない」と言います。
他方、フィロミナは「私はあなたを赦します。赦しには苦しみが伴うものですが…」と言います。
フィロミナのこの精神の高みに、私もマーティンもそしておそらくヒルデガードも心が洗われるのです。
この映画の隠れたテーマは、フィロミナの言う「赦し」とE・S・エリオットの名言、
「我々のすべての探求は、最終的に初めにいた場所に戻り、その場所をはじめて認識することである。」
The end of all our exploring. Will be to arrive where we started. And know the place for the first time.
にあるのかも、と私は思いました。
そして、
マーティンは、神の存在を信じない「近代知」の固まりのような「エリート」です。
他方、セックス=堕落とするヒルデガードはすべてを神に捧げた「宗教者」です。
マーティンとヒルデガードの二人は、正反対のようですが実は根本の所では同じような精神の持ち主、
形而上学だけの世界で生きているように私には思われました。
マーティンは、フィロミナの「教養のなさ」をこれまで低く見て来たのですが、
映画の最後で、これまで下らないと馬鹿にしてきた三文小説の筋を彼女に聞きます。
日本の映画タイトル、"あなたを抱きしめる日まで"はとても頂けません。
私は、イギリスは好きではありませんが、イギリス英語の発音は耳に心地良いです。
number は米語ではナンバーですがイギリス英語ではナンバァの感じ。
さて、
イギリスが養護施設の子どもを海外に移民させていたことをテーマにした映画・「オレンジと太陽」の私のブログはここです。
【8月18日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画/American Hustle、はじまりは5つ星ホテルから

2014年08月06日 | 映画


抱腹絶倒、文句なしに面白いです。
実話を元にして、とありますが全くのフィクションです。
原題の、Hustleには、日本語でよく使う「がんばる=ハッスル」の他に、"詐欺"とか"激しいダンス"などの意味があるようです。
この映画では、もちろん「サギ」です。
冒頭、主人公の天才詐欺師・アーヴィンが写ります。
ものすごい相撲腹、涙ぐましい努力で、はげ頭にカツラを付けます。
この時点で、この映画は「コメディだ」と言っているのです。
ストリーにリアリティはありません。
政治家、マフィアを一網打尽に捕まえたい野心に燃える(ハッスルする)FBI捜査官(ディマーソ)に、
アーヴィンは、脅され、司法取引とおとり捜査に従わざるを得ません。
市長は、町の活性化のためにカジノ建設を企んでいます。
FBI捜査官・ディマーソは、カタールの投資家・シークをでっち上げ、
マフィアの仲介で市長にカジノ建設のための偽りの融資を画策します。
カタールの投資家・シークは、メキシコ人のFBI職員なのですが彼はアラビア語は出来ません。
取引の現場で、マフィアの親分が突然アラビア語でシークに話しかけます。
シークはしばらく沈黙、万事休すと思われた時、なんと見事なアラビア語で応え、取引は成功します。
お金を渡す場面で、マフィアの親分が現れず、全権委任された代理人の弁護士が出てきて交渉します。
"チョット待てよ"、少しおかしいぞと思い始めます。
「見事大成功を収めたFBI捜査官」は、ハッスル(激しいダンス)します。
この後、どんでん返しがあるのですが、それは、見ていない人のために隠しましょう。
さて、映画はサスペンスチックに展開しますが、根本はコメディで、隠されたストリーには、「落ち着き」(愛情)と"髪の毛"があります。
アーヴィンの妻(ロザリン)は、アーヴィンと別れマフィアの若い一員との生活を選び、
他方、アーヴィンは、詐欺から足を洗い愛人(シドニー)と彼の息子とともにまっとうな生活に入ります。
もう一つは"髪の毛"です。

アーヴィンは禿げとカツラ、FBI捜査官はパンチパーマ、二人の女性の髪型もすごい上に、市長はプレスリーみたいなリーゼント、
シドニーとFBI捜査員の二人がカーラー姿で登場するおかしさです。
「禿げ・ヘアスタイル」への強いこだわりには制作者の深い哲学的意味があるのでしょうが私にはわかりませんでした。
この映画のオチは、FBIもマフィアも政治家も詐欺師以上の「嘘つき」、詐欺師が一番全うと言うことだと私は思います。
二人の女性はハッとする美しさとセクシーさですが、セックスシーンが皆無なのはとても良かったです。
この映画、シドニーとロザリンの二人の女性で持っています。
シドニーは、表向きはセクシーなのですが実はとてもクールで頭が良く、
他方、ロザリンもセクシーなのですが、結構常識人なのですが、突拍子もなく「ぶっ飛んで」いて、
こんな素敵な女性二人に惚れられる、アーヴィンなのです。
これほどの喜劇なのに、映画館の私の周りからはクスリとも、もれないのですから、不思議を通り越して、奇妙です。
「実話」というマジックにとりつかれ、シリアスな映画と勘違いしたのでしょうか。
大声で笑って、拍手喝采しながら見たいです。
---------------------------------------------

三つ星レストランを調査するミシュランはかなり有名だが、イレーネは、5つ星ホテルのサービスをチェックする覆面調査員。
私は、三つ星レストランも5つ星ホテルにも全く興味はありませんが…。

などをチェックするそうです。
私は、もう少し観光地が紹介されるのかと思ったのですが、期待外れでした。
ストーリーは単純です。
イレーネが年齢を感じ始め、自分の行き方に少し動揺・疑問を感じ始め、自分を見つめ直す、
と言うとってつけたようなテーマです。
実際は、庶民には無縁の高級ホテルの紹介みたいな映画です。
映画のタイトル・「はじまりは5つ星ホテルから」は、全く頂けません。
イレーネを演じるマリガリータ・ブイがしっとりきれいですので、「許す」って感じ。

ところで、イレーネの妹夫婦、最近は夜の営みが疎遠のよう、そんな二人のベッドでの会話が傑作でした。
庶民には、ドラマチックな人生が滅多にあるわけではないのですから、
「自分探し」などと屁理屈を言わないで、世界中を旅し、いろんな人々の生活ののぞき見を楽しみとしている、
なんて映画にすればもっと面白い映画になったのに、と私は思いました。
そうすると全く違う映画になってしまいますが。
予想外のホテルの手落ちとか、言語の行き違いや、世界各地の生活習慣の違いなどから来るおかしさとか、
覆面調査員が失敗した時のホテルの心憎い対応とかサービスとか、などの方が十分楽しめると思います。
もちろん、お仕着せがましい「感動秘話」みたいなエピソードは無しに…。
私の旅は、一つ星から三つ星のホテルですが、1週間も泊まって顔なじみとなると、楽しい一言二言が味わえます。
トルコでは四つ星ホテルなのにバスタブの栓がなくて困りましたが、つたない英語での交渉など楽しい思い出です。
【8月4日鑑賞】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする