
『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督の作品というので期待でした。文句なしに面白いですが、傑作とは言えません。
ストーリーに奇想天外なすれ違いが無く、ダビンチのノートを意識したこの作品に私は、「嫌み」も感じたからです。
添えられた絵や図などが、下手くそな「絵」なら良かったのにと思うのです。
フランス人の彼が、アメリカの北西部・モンタナからワシントンD.C.のスミソニアン博物館までの、
雄大なアメリカ大陸横断鉄道の風景をバックに映画を作るのですから素敵です。
ライフ・ラーセン(アメリカ)の『T.S.スピヴェット君傑作集』が原作とのことですが、私は読んでいません。
スピヴェットと言う名も変わっていますが、どうして"T.S."を使うのかと私は疑問に思っていました。
テカムセ・スパロー・スピヴェット、"S"は、スパロー、スズメのことで、
彼は台所で生まれ、その時死んだスズメの生まれ変わりと彼は思っていたのです。
弟の死と同様にその名前(謎めいた出生の訳?)にも彼は「トラウマ」様を感じているのです。
彼のことを"天才"と言いますが、彼は決して天才ではありません。
並ではない、「驚くべき=prodigious」早熟な変わり者ですが……。
世間は"天才"と言い、その言葉の俗物的「固定観念」に縛られて、彼を英雄視してしまいますが、
この映画のテーマは、そんな常識こそ「くそ食らえ」と笑い飛ばすものなのにと私は思うのです。
彼の両親も、生きた化石のようなぶっ飛んでいる「prodigiousな変人」の、ハチャメチャな常識人なのです。
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併映のこちらは、私の好きでないミュージカル。いかにも安っぽいアメリカ的人情物でした。
面白かったのは、キャメロン・ディアスが主役ではなく、汚れ役のバイプレイヤーを演じていたこと、
でも最後には善人なってしまって、残念でした。
【6月8日鑑賞】
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以下は余談・蛇足です。------------------------
実は、5月25日、映画を見ようと地下鉄南北線で飯田橋に向かっている時、地震があり電車が止まりました。
少しきしむような音がし、揺れたので地震かなと思い、電光掲示板を見ると、即座に『急ブレーキで止まります。』と出て、
ほんのわずか後に急ブレーキで体が前方に傾いて、電車が止まりました。
そして掲示板にはすぐ『地震のため停車しました。安全確認後出発します。』と出ました。
私は、外出中しかも乗り物の中で地震にあったのは初めてです。
この日の地震はかなり大きかったのですが、電車はほとんど揺れませんでした。
地震のために自動停止したのか、運転士がブレーキをかけたのかはわかりませんが、
日本の交通機関の優れた地震・危機対応に感心しました。
多くの乗客は、落ち着いて座っていましたが、初老の女性一人が携帯電話で大声で長々としゃべり出しました。
どの位止まっていたでしょうか、長い時間ではなかったのですが上映開始時間に間に合わないので、帰りました。