日本では第二次産業の凋落が始まって久しい。鉄鋼・造船は過去の遺物であろう。それのみか多くの製造業が過去の遺物化しつつある。今日誇れるのは僅かで、炭素繊維、NC制御の工作機械、産業用ロボット、半導体製造装置、自動車、ベアリング、電子部品程度かと思われ、誠に嘆かわしい。
その世界最先端を走る電子部品業界の中国依存度が異常に高い。まさにチャイナ・リスク以外の何物でもない。過日、中国依存度の高い企業が紹介されていた。
企業名 売上高 中国売上高 依存度
1. TDK 1兆3818億円 7324億円 53.0%
2.村田製作所 1兆5340億円 8101億円 52.8%
6.日本電産 1兆5348億円 3346億円 21.88%
日本電産はまだしも、村田製作所とTDKは一朝有事の際は、瓦解するほどの危機的状況となるであろう。
中国が電化製品や自動車の世界の工場となった今日、中国売上高の増大は必然かと思われるが、あまりにも危うい。中国から足を抜く構造に変革すべきであろう。極論すれば、一時的な売り上げ減少は我慢する覚悟が必要だ。意識した一極集中ではなく、結果論としての売り上げ集中である。
販路拡大と販売先の多様化をはかる商品の開発に集中する必要がある。欧米の消費動向の再調査と健康・医療分野、セキュリティー分野、自然エネルギー活用分野等々、その気になってほしいものである。
無錫村田電子有限公司は、写真の敷地が手狭になり、近くに新たに第二工場を建設し、すでに操業開始している。従業員数は2箇所で1万名を優に超えており、リスキー以外の何物でもない。表面上は如何にも順調に見えるが裏を返せば、すべてがリスクである。経営陣は冷静に振り返る勇気が必要だ。
<了>