世界の街角

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八野若日女命・八野神社

2020-05-19 07:52:53 | 出雲國風土記

遅ればせながら最近出雲國風土記の世界に興味が湧き始めた。記紀と異なり、出雲の人々の地声が聞こえてくる。八束水臣津野命が新羅・隠岐・高志(越)から国引きし、出雲の国土が形成された。国引きとは水平展開で、天孫族が天降りして(垂直展開)国土を形成する様子と明らかに異なる。つまり上から目線の記紀神話には馴染めない。出雲国風土記は奈良朝の下命により編纂されたが、出雲土着の出雲臣廣嶋が編纂したもので、奈良朝の邪魔やお節介が認められないところが良い。

大国主命は多妻である。高志・筑紫・大和・因幡へ妻問した。妻問婚とは通い婚にほかならず、何やら南方の習俗の匂いがする。その大国主命には、「出雲國風土記」にのみ登場する地元妻が存在する。その一人が八野若日女命であり、八野神社に鎮座しておられる。出雲に生を受けて云十年にて初めて参拝した。

本殿は大社造りの変型版であるようだ。どことなく似てはいる。

境内には稲荷神社も鎮座していた。周囲は住宅地に変貌している。

<了>