まさおっちの眼

生きている「今」をどう見るか。まさおっちの発言集です。

虚しさだけが残った

2008-12-12 | 随筆
数日前、一昨日ブログに書いた「左利きの矯正と吃音」をコピーして、手紙を添えて長女に出した。手紙を見たと昨日長女から電話がかかってきたが、ぼくはパチンコに行ってて不在だった。カミさんが「私は気にしてないから」って言ってたよという。「いや、気にしないとダメなんだよ。左利きだったら、そのまま伸ばして、矯正しないようにしないと。ちょっと、電話かけるよ」「ダメよ、今のあなたのテンションなら、ケンカになるよ」「大丈夫、やさしく話しするから」。ぼくは、気を静めるために大きく深呼吸ひとつした。長女は一つの家庭を持っている。その生き方、やり方に毛頭口を挟むつもりはない。それぞれがそれぞれの判断で幸せに暮らしていってくれればそれでいい。しかし、このことだけは、仮に長女と言い争いになっても、孫のために、左利きの矯正は絶対いけないことを判ってもらわないと、吃音になってしまう。ぼくのような苦労を孫にはさせたくない。ぼくも完ぺき主義者、あるいは潔癖症のところがあるが、長女もその点は血筋か、非常によく似ている。看護師をしているだけあって、口調は優しいが、孫に、これはこうしなさいと、逐一指導している。ぼくはそれを見ていて、「もうちょっと、小さいところまで口を挟まず、大様にすればいいのに」と思っているが、他人様の子供のこと、ニコニコしながら一切口を挟まない。けれど、左利きの矯正は別だ。これだけは自分の苦しい体験から、同じ過ちを犯して欲しくない。いくら優しく「右手で持つんですよ」と言っても、左利きはその子が持って生まれた本能なんだから、その矯正は絶対によくない。カミさんは長女や長男の時は自然に右手を使ってたし、右手で持つんですよと言ったことはないという。利き手というものはそういうものである。二週間に一回くらいくる孫の仕草を見て、ぼくもカミさんも左利きではないかと疑問を持つくらいだから、多分、孫は左利きだと思う。ぼくは長女に出来るだけ優しい口調で電話をかけた。しかし、案の定気分を害したようだった。「小さい頃は右脳が発達して、左を使うものなのよ」。子供の教育書で勉強したようなことを言う。「いや、そういう問題じゃなくて、左を使ってたら、それはその子にとって自然なことなんだから、そのように自然に伸ばしてやったほうがいいと・・」「わかりましたッ。もういいませんッ」。これで、電話は切れた。なんだか、虚しくなった。自分の子供の頃の苦い思い出まで蘇らせて話ししているのに・・。こういうこともあるかと、手紙にはご亭主の名前も書いて送ったが、長女はご亭主に手紙を見せて相談しているだろうか。まあ、世間では孫の教育問題で祖父母が口を挟みイザコザになるケースがよくあるという。ぼくも、それは判るから、カミさんともども、一切口を挟まないようにしている。しかし、このことだけは、ぼくが実体験しているだけに、長女とケンカをしても口を挟まざるを得なかった。しかし、虚しさだけが残った。



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