飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

変身人間シリーズ①⇒映画「電送人間」(出演:鶴田浩二)

2010-02-01 | ワンダーゾーンの世界
■公開:1960年、東宝
■監督:福田純
■出演:鶴田浩二、白川由美、中丸忠雄、平田明彦、他

立体映像はあくまで映し出される範囲内に限られるが、この電送人間はその枠を飛び出していく。その肉体は電気的な処理によって解体され、再び電気的な処理によって再構築されるということなのか。再構築された新しい肉体は帯電しているような青白い閃光が走っている。遠隔地に肉体はテレポートされるわけだから人間の体はまるで0と1のデジタルの世界のようにある法則性によって細分化されて構築し直されるのか?電送人間は生命を維持したまま肉体を分解するという離れ業の技術に裏打ちされたものといえよう。同じ様な考え方で作られた映画に「ハエ男の恐怖」(後にクローネンバーグ監督によって「ザ・フライ」としてリメイクされている)というのがあったのを思い出した。



映画で感じるのは高度成長へ突入する昭和日本の様子。まだ道路は舗装されていない、警官が提灯をもっている…などなど、その環境と人を伝送するという超高度な技術のギャップが面白い。さらに、キャバレー「大本営」なるものが出てきて、物語における殺人の動機も含め戦後の後遺症を、よくもわるくも引きずっているのも目に付いた。ちなみにこのキャバレー「大本営」のホステスはミニスカートの水兵スタイルで、今で言うところのコスプレなのである。昔から日本人はコスプレが好きな人種なんだなと気がづかされる。おまけに金粉ショーまで登場する。こうした意味のない見世物としての女性が登場するからこそ映画が引き立つ。



つまり、こうしたキワモノ系はそこにエロスが介在しないと面白くない。あるいは美女の白い肌や叫び声がとてもよく似合うのだ。脈々と続く“美女と野獣”のカテゴリー(この場合、野獣には吸血鬼などの妖怪的存在も含めている)に入るに違いないのだ。そのラインでいくならば白川由美が着替えるシーンがある一瞬の下着姿は、危険が迫り来る予感のハラハラドキドキのボクとしては必須のショットとなるのだが、地震を感じて慌てる以外は何も起こらない。しかし、そうした場面こそ、電送人間は移動が自由自在なのだから現れて欲しい。そして下着姿のままの美女を誘拐すべきなのだ。



兎も角、こうした映画に鶴田浩二が出演しているのはちょっと驚きであった。



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2 コメント

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東宝時代の鶴田浩二 (こーちゃん)
2010-02-18 09:16:38
当時、鶴田浩二は東宝と契約していたのでこういう映画にも出演していたのです。でも、彼の柄に合わず、映画の中でどうも浮いた感じがしますでしょう?で、鶴田も自分の意に合わない映画に出されるのに嫌気をさして東映に移ったらしいんです。そこで折り目正しい侠客がハマったというわけで鶴田にとって東映に移ったのは正しい判断でした。ずっと東宝にいたら人気が出なかったかも知れませんね。
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コメント (飾釦)
2010-02-19 21:46:26
いただきありがとうございます。

鶴田浩二にはそんなエピソードがあったんですね。ヤクザ映画の前だったんですか。運命の選択というか、それが成功した例ですね。教えていただき感謝です。
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