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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

映画「ザ・ファイター」(監督:デヴィッド・O・ラッセル)

2014-05-14 | Weblog

■製作年:2010年
■監督:デヴィッド・O・ラッセル 
■出演:マーク・ウォールバーグ、クリスチャン・ベイル、メリッサ・レオ、他

「世界でひとつのプレイブック」が想像していたよりよかったので、同じデヴィッド・O・ラッセル監督による「ザ・ファイター」を観ました。このボクシングを題材とした映画、実話をベースとしたものとのことで、ボクシングそのものよりボクサーであった2人の兄弟や家族の悲喜こもごもを描いています。

 

兄であるディッキー・エクルンドは、かつてシュガー・レイ・ナードを試合でダウンさせたことがあり、世界を狙えたボクサーであったことによりアメリカの小さな街(マサチューセッツ州ローウェル)のヒーロー的存在である。ただし今はかつての栄光を引きずるだけでドラッグに溺れ自堕落な生活を送っているダメ人間だ。才能がある現役ボクサーである弟のミッキー・ウォードのセコンドに付くものの、その役割を果たしているとは到底いえない。

 

また、彼らボクシング兄弟の母親アリスも、弟のマネージャーとしてサポートする立場にあるものの、こちらも欲にかられたおばさん化しており、試合そのものを純粋に手助けしているとはいえない状態だ。つまり、現役ボクサーである弟の周囲の環境は、とてもボクシングに打ち込める状態ではないのだ。そんな環境ゆえに弟は変なマッチメイキングを組まれ、敗戦が続き、小さな街の有名人である彼は人目を避けるようなところもある。

 

弟は大学中退の落ちこぼれたバーで働く女性と知り合いになり、そこから話が彼にチャンスが舞い込むような展開になってくる。いざこれからというときに、兄は例によっての自堕落ぶりで警察とトラブルに。兄を助けようとした弟は、なんと警官にこん棒で拳を潰されてしまう。なんという警察の暴挙!そこで思わず、ええっ、と声が出てしまいました。弟はとてもボクシングに打ち込める環境でなかったのが、バーで働く女性と出会い、彼なりのミューズ(女神)を得て、これから走るぞ!という時だったのに…。

 

この映画はスポ根ものとしてボクシングを描いてはおりません。けっして裕福とはいえない街の人々の人間関係(移民やドラッグの売人など)をベースにもがきながら生きていくということを人間の、家族の姿として描いています。見え方によっては家族ドラマであり、兄弟愛のドラマであり、その登場人物がボクサーであったという風に感じることもできます。

 

ダメ兄貴のディッキーを演じたクリスチャン・ベイルはこの役のために、頭の毛を抜き歯を抜き減量もしたというすさまじさで大変身、その怪演ぶりは、主役のマーク・ウォールバーグを完全に喰っていましたね。面白い映画でした。

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